混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部   作:グレン×グレン

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 ……本日は割ると疲れております。具体的には職業関連でいろいろやっておりまして。

 もし成功すれば給金は跳ね上がるのですが、時間も増えるので更新速度はさすがにちょっと遅くなるかもといった形です。


新期来訪編 第八話 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず、イッセーがついていた方がいいしゆっくりできるに越したことはない。

 

 そんな判断で、俺は戻る前に晩飯を貰って運んでいる。

 

 向こうも育ちざかりに気を遣ってくれたのか、多めに擁してくれたからな。残さず食べるのが礼儀というものだろう。

 

 ただ、食欲がなさそうな人が二人もいるしな。その辺り、俺が頑張るしかないだろうなぁ。イッセーも引っ張られて食が細りそうだしなぁ。

 

 そんなことを考えながら俺達に充てられたテントに向かえば、すすり泣く声が聞こえてくる。

 

 やはりお通夜じみたムードになるか。そう思ったが何かが違う。

 

 違うというのは声の質だ。

 

「おい、まさか―」

 

 俺は少し足早になるとテントに入る。

 

「……う゛……ぐずっ……ひっぐ……っ」

 

「なんでお前が号泣してるんだよ!?」

 

 床に手をついて涙をこぼすイッセーに、俺は盛大にツッコミを入れた。

 

 晩飯を入れているコンテナをゆっくりと置くと、投影魔術の応用で張銭を出して張り倒す。

 

 スパァン、といい音を出して俺は盛大にイッセーの頭を張り倒す。

 

「何すんだバカ野郎! 俺はなぁ、俺はなぁ!!」

 

「お前が盛大に泣いてどうするんだ! みろ、二人が複雑な表情で泣くに泣けてないだろ!!」

 

 鰐川亜香里と望月有加利をなんだと思っている!?

 

 涙の意味を変えるのが俺の心情とはいえ、このやり方は問題だろうが。

 

 部外者が自分達以上に泣きはらしている所為で、泣くに泣けない。涙を止める理由としてこれは何というかあれだ。他になんかなかったのか。

 

 しかもイッセーのことだから、天然でやっている。間違いなく天然で号泣している。

 

「……あ~、すまない。イッセーは情に厚い男だから、その……感情が振り切れたんだろう」

 

 俺がとりあえず二人に謝ると、二人とも戸惑いながらも頷いてくれた。

 

「……あ、でも……助かりました。私達だけだったら、もう我慢ができなかったかもしれないですし」

 

 水色の髪の、望月有加利の方がそう返してくれる。

 

 つまるところ、それほどまでにきつい話になるという事だろうか。

 

「あの、大丈夫? 落ち着いた?」

 

「ああ、落ち着いたっていうか、引っ込められたっていうか」

 

 桃色の髪をしている鰐川亜香里の方も、イッセーの方に気づかいを向けている。

 

 感情的になっている人間を落ち着かせるには、同じ方向でもっと感情が振り切れている奴を見せることとか聞いたことがあるが……当たりだな。インパクトが違う。

 

 さて、ある程度の詳しい話は聞いていたからなんだろう。それを改めて話すのもあれだな。

 

「とりあえずだ、イッセー。お前が聞いた話を聞きたいからちょっと顔貸せ」

 

 俺はそう言いながら、自衛隊の方から貰った晩御飯を広げる。

 

「あまり繰り返したくない話だろうし、俺はこいつからのまた聞きで十分だ。ただ、後々の事情聴取はすることになるから―」

 

「……ううん、話すよ」

 

 ―俺の言葉を遮って、鰐川亜香里の方がそうしゃべった。

 

 俺はそれを受け止め、真っ直ぐに向き直る。

 

 その表情は、少しだがしっかりとした意思が籠っている。

 

「いいのか? きついことをしゃべらせると思うが―」

 

「―構わないわ。私も同じ気持ち」

 

 そう、望月有加利も続けて告げる。

 

「……私達も、歩人(あゆと)君が助けてくれたのなら……あの子に恥じない生き方がしたいもの」

 

 そう、自分自身に頷きながら告げる言葉に、俺は理解を示すしかないだろう。

 

「……その覚悟に敬意を。なら、聞かせてくれ」

 

 俺は腹をくくると、折りたたみイスを開いて座ると同時に、録音機材も取り出した。

 

「あまり何度も話させるのも酷だし、録音内容を提出すれば事後確認だけで済むかもしれない……いいか?」

 

 ここから、かなり凹むような話になりそうだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐斗Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 D×Dは各勢力の連合部隊といえる為、全員が集まることはあまりない。

 

 ただ、今回の事態は無視できない。結論として、それぞれのチームのリーダー格が集まって軽い会議を行う流れになっている。

 

 僕はリアス部長の護衛兼補佐として、その会議に参加していた。

 

「……まさか予備まで用意していたとはね。中々に小賢しい連中のようだ」

 

 そうぼやいたのは、白龍皇ヴァーリ・ルシファー。

 

 かつて禍の団にいた時、旧魔王血族が尽く打ち取られた時に色々と言われたみたいだね。

 

 当時の彼らは多方面から酷評されていたしね。半ば自業自得だけど、相当苛立ちが漏れている。

 

「……奉じる家柄の者から、より優れたものを生み出そうとする。古来よりどの種族でも行われてきたものだが、嘆かわしいな」

 

 そう吐き捨てのは、黒髪の偉丈夫であるサイラオーグさん。

 

 バアル宗家でありながら、生まれつき魔力を持たないゆえに冷遇され続けてきた人物だ。この価値観には思うところがあるだろうね。

 

 それに対し、ソーナ先輩は眼鏡の位置を直してから、ため息をつく。

 

「夫従妻隷会も論外ですし、旧魔王派のやり口も警戒です。……しかし、同じぐらい謎の魔獣化現象も危険でしょう」

 

 そう話を切り替え、会長は映像を映し出す。

 

 ……何度見ても、この映像は嫌な気分になるね。

 

 ホラー映画。それも近年よくあるウイルスなどによる変貌が近い。もはや質量すら半ば無視していると思えるレベルだ。

 

『ムカツクナグルゥウウウウウ……ナグルムカツゥウウウウクゥウウウウウ……ッ!』

 

 そんなうわごとを叫びながら、明後日方向に走ると拳で建物を殴りつける。

 

 そんな魔獣と化した人間の姿を見て、誰もが眉をしかめる。

 

 人間が無残な姿になって殺戮や破壊を巻き起こす時点できついものがある。また、まるでクリフォトが作り上げた量産型邪龍を思い起こさせるところもある。不快感が増していくよ。

 

「……やっとることもえげつないがの。そもそも効率が悪そうじゃな」

 

 そう冷静に批評するのは、サブリーダーの初代孫悟空殿だ。

 

 長い年月を生きて戦っているだけあって、こういう時でも冷静さを保っている。そして優れた仙術の使い手でもある故、だからこそ分かることもあるだろう。

 

「効率が悪いって、どんな感じなんスかね?」

 

「これだけの力があるのなら、もっと制御性や安定性が見込めるはずじゃ。性能にばらつきはあるし半ば暴走しておるしで、侵略活動や虐殺が目的にしろ、もっとやりようがあるはずじゃて」

 

 リーダーのデュリオに対する孫悟空殿の説明に、確かに納得できるところはある。

 

 確かに、クリフォトの量産型邪龍に比べれば、個性がありすぎるともいえる。

 

 そうみると違和感が多い。無駄と粗が多すぎるというか、

 

「……設計コンセプト、もしくは戦略ドクトリンが違うのでは?」

 

 そう、僕達の意識を集める発言をしたのは、シーグヴァイラ・アガレス様だ。

 

 ここ最近は生粋のロボマニアとTF(トライフォース)ユニットのかみ合わせばかりが目立つけど、彼女のまた若手四王(ルーキーズ・フォー)の一角。

 

 その意見には価値があると、誰もが耳を澄ませ―

 

「……そう、例えるならガンダ〇00劇場版のELSです」

 

 ―しかしやはりロボだった。

 

「御免なさい。私達はまだ履修してないから、もっと分かりやすくして頂戴」

 

 そしてリアス部長、もしかして布教されてます?

 

「簡潔にまとめれば、彼らがこの行動を行った目的もしくは手段を、私達は敵対勢力に対する攻撃活動だと思い込んでいる……という事です」

 

 な、なるほど?

 

 ちょっとよく分からない感覚でいると、ICPOから出向しているカズヒの前世の友人である引岡さんがぽんと手を打った。

 

「……つまるところ、アレか? ピースドラッグの大都市麻薬散布計画的な?」

 

『『『『『『『『『『……ああ!』』』』』』』』』』

 

 あの作戦には殆どのメンバーが参加したからか、今のですぐに納得できた。

 

 そうか、その可能性はあるね。

 

 ピースドラッグは世界的な人口密集地に麻薬の散布を試みた。だけどそれは、都市機能をマヒさせるとか無差別攻撃とかではない。

 

 ただ単に、麻薬を吸ってもらいたかった。麻薬の良さを知って、人類すべてが麻薬を恒常的に堪能できる世界を作る為の布教活動だった。根本的に善意で動いていたし、害をなくそうという発想がまずなかった。

 

 それと同じ。というわけではないだろう。

 

 人間を化け物に変えて周囲に被害をもたらす行動に悪意がないとは言えない。だけど同時に、根本的な目的が違う可能性は十分にある。

 

 あの魔獣化現象は、直接的な戦力の確保が目的ではない。戦力を得る為に魔獣に変えるのではなく、魔獣に変えたら戦力もついでに増えた。そう考えれば納得できる余地はある。

 

 世界にはそういうケースは数多い。クリフォトの量産型邪龍に例えてたけど、リゼヴィムやミザリも近しいところがあるから納得しやすくなった。

 

 ただ、問題は―

 

「……情報があまりに少ないこと。これがネックですね」

 

 ―そう、シスターグリゼルダが厳しい現実を告げる。

 

 そう、今回の事態は僕達が深く真相に関与する前にどうにかなってしまった。

 

 中枢と思われる地点が完全崩壊した所為で、現状では解析も困難といえる状況だ。

 

「……まぁ、その辺りは儂らがやることじゃなかろうて」

 

 そこで、孫悟空殿がまとめに入る。

 

 若手が殆どの僕達の中で、年季が入っているからこその説得力がそこに在る。

 

「ここから先は、現場で動く儂らの管轄じゃないぜぃ? 他所の仕事を奪うより、自分のことを考えるってのも重要じゃろ? 一発屋で終わることもあるじゃろうしな?」

 

「……確かに、この流れだと本当に壊滅ってこともありそうだよねぇ」

 

 デュリオも同意を示しながら、しかし少し暗い顔をしていた。

 

「ただ、例の二人の女の子がちょっと不安だね?」

 

 確かに、彼ならそこは気にするだろう。

 

「なんていうかこぉ、幹部みたいな感じだったんだろ? 日本で言うと……基本着ぐるみばかりな特撮の敵集団に、生身のまま出てくる類の敵幹部みたいな?」

 

 そう続けるデュリオは、資料を確認する。

 

「……正気に戻ってるのかどうかは分からないけどさ、戻ってるのなら、キツイだろうねぇ」

 

 確かにそうだね。

 

 実際、意識を取り戻した直後はだいぶ混乱していたみたいだ。おそらく、精神的な状態は真っ当に戻っているだろう。

 

 そして、自分達が引き起こした事態を知れば……察するに余りあるだろう。

 

 ただ、同時にそこに関しては心配しすぎてはいないんだ。

 

「……大丈夫ですよ、デュリオ」

 

 僕はその根拠を持っている。

 

「あの二人がついてますから。そう悪い事にはならないでしょう」

 

「そうね。その点において、イッセーと和地は信頼の塊だわ」

 

 リアス部長も頷くけど、その時に鳶雄さんが首を傾げていた。

 

「そういえば指摘はしてなかったけど、リヴァさんはどうしたんだい?」

 

 まぁ、そこは気になるだろう。

 

 彼女はアースガルズの先代主神オーディンの娘であり、現主神ヴィーザルの妹だ。立ち位置的にもビッグであり、また慧眼の持ち主でもあるから、こういう時に出てくる人物だ。

 

 ただ、僕とリアス部長は少し苦笑いするしかなかった。

 

「……恋バナをしてるわ」

 

 部長の苦笑交じりの答えに、誰もがきょとんとなってしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズヒSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、緋音・アフォガードさん。カズ君のどこが好きになったのかなぁ~?」

 

「えっと……どういうこと?」

 

 わざわざスーツを着てマイクを向けるリヴァに、アフォガードは救いを求める目で質問を飛ばしてきた。

 

 うん、言いたいことはよく分かる。その目をするのもよく分かる。

 

 だからまぁ、言うべきことは一つね。

 

「諦めなさい。この状態のリヴァは無敵よ」

 

「え、そういう……結論?」

 

 とても面倒くさいけど、そう言うしかない。

 

 鶴羽やリーネスも視線をそっと逸らしているし。

 

 まったく。こっちはこっちでやることがあるし、何故やるのかの理由もなんとなく分かる。

 

 要はアフォガードのメンタルケアね。話を聞く限り、ザイアの偏向教育で異形に抵抗感が強いわけで、更に死徒という形で異形に落ちているわけだし。それなりのメンタルケアというか、ある程度の開き直りに持ち込む必要はある。

 

 ……まぁ、自発的に「無理っぽい」として記憶消去を選んでいるのなら致命傷にはならないでしょう。インターバルやそこに関する保護もあるし、慣れる余地はある。

 

 実際、アフォガードは割と普通に話してくれている。隣にまだ純人間な鶴羽がいるからでもあるけれど、少し警戒したり怯えたりする時もあるけど、会話はスムーズだ。

 

 そう思っていると、リヴァは何故か私の後ろに回って両肩に手を置いてきた。

 

「さぁ~、キリキリ白状なさい! あとボスが頂点だってことは覚えておくこと、序列マジ大切!」

 

「ボス言うな」

 

 言葉だけのツッコミで感謝しなさい。アイアンクローぐらいは入れてもバチ当たらないでしょ、これ。

 

 流れるように私がハーレム(群れ)正妻(ボス)だと牽制球まで勝手に入れてきたわね。いえ、そういうのはある意味で大切だと分かっているけど。

 

 勢いよくブッコンで勢いで緊張感を吹き飛ばす作戦ね? 相変わらずバカやってるようで考えてることで。

 

 まぁいいわ。相当精神的にキてたみたいだし、ここは私もカバーした方がいいでしょうね。

 

「まぁそういうわけで。私が和地の告白に「来るもの拒まず去る者創らずのハーレム野郎」を条件にしたことが大きいから。有言実行している男だからその辺りは覚悟して言い寄りなさい」

 

 そこは条件といえるから、私の口から直々に言っておく。

 

 ……ただ、アフォガードは十秒ぐらいぽかんとしていた。

 

 ふむ。やはりハーレムは抵抗があって当然よね。名前からして一夫一妻の文化体系出身でしょうし、一夫多妻には抵抗があってしかるべきだわ。そこはさっせれる。

 

 ただ今更ナシってわけにはいかない。今後彼女が和地とどう向き合うかはともかく、惚れた張れたのノリになるのならそこは弁えてもらわないと。

 

 さて、返答は如何に。

 

「えっと……その、よろしく?」

 

「完璧に勢いにのまれてるわね」

 

 とりあえず、あとで冷静になってから聞き直すか。

 

「ボス、ボス。インガ達も呼んじゃいます?」

 

「ボス言うな。あと既にキャパオーバー気味だから後にしなさい」

 

 それとなく「他にもいるよ?」な追加情報を、私に提言する形で伝えてくるわね。

 

 直接かける言葉だけでなく、周りの会話からも情報を拾えるようにする。リヴァ、恐ろしい女……っ。

 

「とりあえず、和地の先輩さんだったのよねぇ? ……つまり、和地とその……しちゃった?」

 

 そしてリーネス達も話を振ってくるけど、こっちもこっちでテンパってるわね。

 

 今はその対応は間違ってると思うのだけれど。

 

「それはもう。私とリーダーがいれば、和地を左右からとっかえひっかえイチャイチャイチャイチャできるってわけよ!」

 

 そして鶴羽は鶴羽で乗っかるし―

 

「そうだね。ヒマリ……もいれば凄い事できるしね?」

 

 ―あ、そういえばその情報は共有してるわけがなかった。

 

「「「……ぐぅ……っ」」」

 

 胃が、私もリーネスも鶴羽も胃が痛くなっているっ。

 

「え? どうしたの……急病!?」

 

 アフォガードが困惑して当然ね。

 

 ザイアが壊滅してからすぐに記憶消去を受けているなら、その手の情報が入ってくるわけがないか。

 

 リヴァもすぐに思い至ったのか、ちょっと苦笑いで手を横に振る。

 

「あ~違う違う。実はそこに、そちらさんが予想できるわけがない核地雷が埋まっておりまして……そこから説明、いる?」

 

「絶対必須でしょ……っ」

 

 というより、ハーレムや序列よりこっちが一番ハードルがデカいわね。

 

 くっ! 和地に来るもの拒まず去る者作らずなハーレムを要請しておきながら、私が一番のハードルになるとは。

 

 やはりこれは誠意案件! 可能な限り誠意を見せて、別方向から去る者が作られる事態だけは防ぐ!

 

「……では、詳しい話をするわね」

 

「「「はい、待った」」」

 

 ……床に正座しながら説明を試みたら、即座に止められたわ。解せない……っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うぅ。何度聞いても涙が出てきそうな話だ。

 

「……OK分かった。要約しよう」

 

 話を聞き終わった九成も、渋い表情を浮かべている。

 

 ため息を一度ついてから、九成はそれをまとめている。

 

「……記憶に関してはいくらか穴や薄れているのも多いが、何かと戦っている記憶はある。自分達が悪魔の血を引いていると伝え、戦いを支援した者もいる。そしてある一点からぼやけている記憶が完全に飛び、気づいたら病院にいたわけだな?」

 

「ええ。信じてくれない話でしょうけど、そう言うしかないの」

 

 望月さんはそう言うけど、九成は軽く肩をすくめるだけだった。

 

「その心配はいらない。イッセーが女相手に信用できるというのなら、嘘はないとみて間違いないだろう」

 

 おお、九成はその辺りめっちゃ信用してくれてるんだ……あ。

 

「御免九成。俺まだ乳語翻訳(パイリンガル)使ってない」

 

「……前言撤回。信用できるかとりあえず確認させてくれ」

 

「何がどういうことなの?」

 

 鰐川さんの方が首を傾げてるけど、いやちょっと待ってほしい。

 

 作っておいてなんだけど、乳語翻訳は女受けがかなり悪いからなぁ。初めて使った時は全方位からツッコミ喰らったし。

 

 おっぱいと対話できるのは素晴らしい技だと思うけど、まぁ煩悩100%かつおっぱいがないストレスで限界に近かった精神状態で作った業だからな。俺のおっぱいを求める心は常人の非じゃないから、常人だときついんだろう。

 

 あれ? これ使ったら凄い勢いでヘイト稼ぐんじゃないか? 俺に慣れてない子にいきなり使うの、流石にまずいんじゃ?

 

 俺はちょっと不安になってきたんだけど―

 

「安心してくれ。精神を蹂躙された小国元首クラスの人物を、かの孫悟空が力を貸すことで半日程度で当たり前に外出できるレベルに回復した技だ。昏睡状態だった貴族の女性にアプローチとして掛けるよう依頼された時なんて、僅か数日後に生霊が叱咤激励したり更に少しして意識が回復するという現象が起きた、霊験あらたかな技といえるだろう」

 

 ―いい得て妙だな!

 

 九成の言ってることは間違ってないけど、確かにそこだけ聞くと凄いありがたい力に見えそうだ。おっぱいに飢えすぎていたことが理由で会得した技なのに、本当に大活躍しすぎだろ。

 

 いやでも、なんていうか……ね?

 

「……それって、凄いのはかけるように促せる人達の方じゃね?」

 

「……方向性が違う。いやまぁそっちも発想力は凄いというか、仕える主の母親にかけてほしいとか、決断力とか胆力とかが尋常じゃないとは思うが」

 

 九成もそこはフォローしなかった。

 

 でもそうだよね。冷静に考えるとどう考えても凄いことしてるよね!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Other side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シヴァ様。報告は届いていますか?」

 

『アジュカかい? ああ、旧魔王派も色々とやっているみたいだね。……それで保護は?』

 

「ええ、イッセー君と九成君が保護してくれたようです。今は自衛隊と共に、捕縛できた旧魔王派を尋問しています。ただ、問題が一つ」

 

『なんだい? 今回の一件、下手人はフロンズと内通していない旧魔王派だと思ったけど……違うのかい?』

 

「はい。全てが真実は断言できませんが、どうも旧魔王派の者達は便乗した要素があるようです」

 

『というと?』

 

「まず前提としてですが、どうやら今回の襲撃は同士討ちに近いところがありました。計画を知らない者達に混血までいることを知られ、血統主義者が抹殺を敢行。それを止めようとした計画の者達もいたので比較的容易かったと」

 

『彼らも細かいところに拘るものだね。それで、本題はどういった感じなんだい?』

 

「計画推進派は鰐川亜香里と望月有加利の両名が、例の魔獣化した存在……それも、小動物が変化しものと遭遇したと語っていました。それを接触する機会を図っていた者が補佐する形で撃退したのが始まりということです」

 

『……つまり、例の魔獣化騒ぎは旧魔王派とは無関係ということかい?』

 

「はい。彼らが言うには、性能が低かったので引き込む為の餌にする形で誘導したと。……両名及び、よく行動している少年は異形の知識がないので、上手く口止めしつつ誘導し、戦闘訓練として利用していたようです」

 

『旧魔王派も業が深い。木っ端魔法使いの外法研究か何かだと思ったんだろうけど、地雷を踏んだようだ』

 

「そのようです。その後、望月有加利が一足早く行方不明になり間髪入れず鰐川亜香里と先の少年……海峯歩人(かいほう あゆと)も行方不明に。一月ほど捜索していたようですが、事態が動くまで上手く進まなかったようですね」

 

『現場で動いていた小物を利用しようとして、逆に自分達が小物だと気づかなかったという事か。策士策に溺れる……とも言い難い、愚策の極みだね』

 

「口から出まかせと思いたいですが、その辺りの供述は誰もが統一されています。信憑性は高いでしょう」

 

『藪をつついて蛇が出ると日本(そこ)では言うけど、とんだ大蛇の群れが出てきたようだ。……こちらからも人材を派遣しよう。そこは閉鎖しつつ、徹底的に調べるべきだ』

 

「ええ。サーゼクス達が死力を尽くしてくれた世界、むざむざ汚させるわけにはいきません」

 

『ところで、可能性はいくつ考えている?』

 

「いくつものですが、最悪の可能性がありそうですね」

 

『……異世界の存在か。今回の規模から逆算して、下手人はそこまで多くないだろうけどね』

 

「だからこそ、こちら側の事情を把握しきれずに動いた結果がこれでしょう。問題ですね」

 

『そうだね。これで向こうの警戒するだろうし、今回のように尻尾を出す真似は避けるだろう。最も、こちらも捜索に人員を割くから意外と見つかるかもしれないけど』

 

「その時は、貴方自ら破壊しますか?」

 

『それも一興だね。……ただ、同時に起こった一件も含めて警戒は必須だろう』

 

「ですね。……異世界E×Eだけでも厄介というのに、トラブルが頻発するようで」

 

『幸か不幸か、規模が小さいから国際レーティングゲームはどうにかなるだろうけどね。ハレのイベントで民衆の心をしっかり慰撫し、本格的に問題が起こるまでに備えておかないと。それに……』

 

「それに?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……僕も、直接兵藤一誠とは会ってみたくてね。ことが大ごとになれば彼の承認式が取りやめになって、挨拶に行く口実が無くなるところだったから、さ?』

 




 ……とても疲れているためあとがきに時間を掛けれません。

 とりあえず、今現在第三部にすることを大前提として書いておりますとだけ。
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