混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部   作:グレン×グレン

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 うっかり先日は投稿を忘れていました!

 面接も合格し、今週から職関連が新しくなります!

 収入は増えるけど労働時間も増えるので、更新速度は遅くなるかもしれないけど頑張ります!


新期来訪編 第十一話 釣り場での一幕

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本の海に浮かぶ無人島の一つ。

 

 俺達は今、そんな場所に来ている!

 

「さぁ、聞きたいことがあったら教えてあげるからね!」

 

「はいですの! この時期はどんな魚が連れそうですの?」

 

 ノリノリの五郎さんに、元気よくヒマリが手を挙げて質問する。

 

 そして俺達は今日、五郎さんの発案で釣りに来ていた。

 

 俺も久しぶりに釣りをするなぁ。ふふふ、最近は釣りはしてなかった。

 

 ちょっと前に厄介なことも起きたけど、最近はだいぶ平和な方だからな。こうしてオカ研総出で釣りに行けるなんて、そうそうないだろう。

 

 そして万が一が起きたとしても、ここにはオカ研が勢揃い。当然だがこの戦力なら、ちょっとやそっとでは倒されない。しかも五郎さんはヴァーリにまで誘いをかけていたらしい。その結果としてヴァーリチームまで参戦という、アッセンブルな戦力となっている。

 

 油断は禁物だが、気を張りすぎるのもあれだ。息を抜ける時に抜くのも仕事のうち。

 

 何より―

 

「……では新人の皆様。周囲の警戒を行いつつ、ご夫妻のサポートを交代制で行うように」

 

『『『『『『『『『『はい、メリード様!』』』』』』』』』』

 

 ―懲罰メイドの人員が増えている!

 

 ……というのも、夫妻が誘拐されるわオーフィスが襲撃されるわといったこともあり、警備関係の更なる強化が必須となった。

 

 初期の懲罰メイドはディオドラ関係が多かったが、その後の禁手バーゲンセール問題で暴発した一件や、王の駒やゲームの不正で起きた各種暴動、もしくは不正によって主の巻き添えを喰らった者達から入念な審査を経て、追加人員が結構増えている。

 

 それに伴い、兵藤邸の移転が決定。道間家やそれ以外から魔術回路保有者も集め、土地の選定からまとめて更なる強化を行う予定だ。建築資材も徹底的に選別したうえで、カズヒが持っている聖墓まで使ってフルで組み立て直すらしい。

 

 ……最も、先任メイドはそっちの作業に追われているので、春っちやインガ姉ちゃん、ベルナが来れてないのは残念だ。釣った魚でなんか作るとするか。

 

 ちなみに俺は寿司と刺身が好きだ。ベルナも日本食をだいぶ鳴らしているしその方向で……いや、カルパッチョという案もあるな。

 

 そんなことを考えこんでいる間に、みんなはそれぞれ思い思いの場所に行っているようだ。

 

 それに気づいた時、メイドの一人がアイスボックスを手に持って俺に近づいていた。

 

「九成様。よければ私が荷物をお持ちいたします」

 

 そこにいるのは、短めに切り揃えた髪のメイドさん。

 

 外見は二十代前半といったところだけど、ちょっと困った。

 

「え? ……あ~、お名前……は?」

 

 いかん。結構な増員だったので、まだ名前を完璧に把握できてない。

 

 これからもそれなりに顔を合わせるわけだし、名前と顔を一致させるぐらいはしておかないと。反省反省。

 

 ただメイドの方は気にしてないのか、小さく笑うと一礼する。

 

「自己紹介が遅れました。私は本日より懲罰メイドに追加補充された、行舩三美(ゆきふね みつみ)と申します」

 

 へぇ……。綺麗な人だな。

 

 明るい茶髪をした彼女は、どこか儚げな印象を与えつつも、強いという印象を与えている。

 

 間違いなく鍛えている。動きにもムラやアラがない。それにおそらく、星辰奏者だろう。

 

 っと。値踏みみたいなことはしない方がいいな。

 

「ありがとうございます。でも、俺も一応鍛えているので」

 

「存じ上げていますが、私達はメイド、それも懲罰で派遣された身です。こき使ってくれるぐらいでちょうどいいですから」

 

 と、言われてもな。

 

 確かに相応にハードな業務であるべきだが、しかしある意味で温情でもあるしな。そこまで深く考える必要はないんだが。

 

 それに―

 

「どっちかというとメイドはサブで、本筋は警護なんですから。俺、一応かなり強い方ですよ?」

 

 ―そういうことなわけだからなぁ。

 

「……そう、ですね。では、私達は三希様と五郎様の方を護衛して―」

 

 と、素直に受け取った三美さんは振り返る。

 

 そして俺も視線を向けると、そこには思った以上に人が多かった。

 

 考えてみれば、メイドの人達も今回かなり多かったからな。

 

 と、そこで執事服を着た男の方が振り返る。

 

 ……これまた、どこかすすけたと言うか虚ろな雰囲気があるな。最も態度はしっかりしているんだが、どこか虚無を感じるというかなんというか。

 

「三美は反対側のカバーを頼む。君なら一人で行けるだろうが」

 

「かしこまりました」

 

 三美さんは素直に指示を受けるが、これはこれは。

 

「……どうなさいましたか?」

 

 俺の苦笑に気づいた三美さんに、肩をすくめて答えるしかないな、これは。

 

「いや、俺も裏の方で釣りする気だったんで」

 

 人が多すぎると分母の問題があるから、あまりいなさそうなところで釣りをするつもりだったんだ。

 

 そのちょっとした運命の悪戯に、三美さんも小さく苦笑していた。

 

「……では、和地様の釣りの腕を見学させていただきます」

 

 ……久しぶりなんだけど、これは釣れないと恥ずかしい流れに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズヒSide

 

 

 

 

 

 

 

 

 このいい機会。久しぶりに満足いくまで釣るとしますか。

 

 私はこれでも、卵かけご飯の次に刺身が好物。ストリートチルドレン時代は禄に食えてなかったし、ここで釣りに釣って食べまくるぐらいでいきましょう。

 

 昆布締めやしょうゆ漬けにするというのもオツね。ふふふ、皮算用だけど釣りがいがあるわ!

 

「……かなり楽しそうね」

 

「それはもう。趣味と実益が揃ったイベントですから」

 

 たまたまポイントが被ったリアス部長にそう答えながら、私は既に釣り糸を垂らす。

 

 魔術的な調整も行いつつ、いくつかのパターンを切り分けて……ヒット!

 

「獲ったぞ獲物ぉっ!!」

 

 よし! 刺身でいける魚ゲット!

 

 一瞬で〆た上で、素早く魔術で保護しながら氷に沈める。

 

 ふっふっふ。この調子で釣りまくってくれる!

 

「楽しそうで何よりだわ。さて、私も……それっ!」

 

 部長も釣りを始め、三十分もする頃には少しは釣れている。

 

 そこで私もだいぶ落ち着いたので、少し世間話をすることになった。

 

「……はぁ。ヴァーリ・ルシファーが最上級悪魔に、ですか?」

 

「ええ。と言っても、当人も一度は断ったけど押し切られた形よ?」

 

 即座に部長がそれなりに捕捉してくれるけど、冥界政府もよくもまぁ。

 

 仮にも和平という大きな出来事にテロリストを手引きした奴なんだけど。……まぁ、かのディハウザー・ベリアルが罪王最有力候補になっているし今更かしら。

 

 この辺り、やっぱり人間界とノリというか価値観がずれてるわね。秘密にする方針は最適というほかないわ。すみ分けは割と大事だもの。

 

「因みにアザゼルが強い要望を残していたそうよ?」

 

「あの親バカ先生は。……まぁ、処罰は与えているしその上でなら引くべきですかね」

 

 ため息をついていると、リアスはこちらをまじまじ見ると苦笑する。

 

「……でも、別に私に敬語を使わなくてもいいんじゃないかしら? ほら、実質的には貴方の方が年上でしょう?」

 

 ああ、そういえば。

 

 実質的には私は四十手前と言ってもいい。それに立ち位置的にも、過度にへりくだる必要はない。

 

 と、言われてもねぇ。

 

「もう慣れてますからね。それに、年功序列っていうのはそれに伴うノウハウや技量があってこそでしょう?」

 

「なら問題なさそうだけど?」

 

 ……言い方を間違えたわね。

 

 自分で言うのもなんだけど、真っ向勝負なら高確率で競り勝てるわね。

 

 私は少し考える。

 

 冷静に考えれば、プライベートなら一つ二つの歳の差で必ずしも敬語は使わない。それはそうだ。

 

 なら、いいか。

 

「なら、今後は少しずつならしていくわ。良いかしら、リアス」

 

「ええ、これからはそっちの方でよろしく……っと」

 

 あら、リアスもまた釣れたわね。

 

 そして私も更に釣り、話はまた移り変わっていく。

 

「そういえば、国際レーティングゲームもだいぶ形になっているわね。リアスはやっぱり参加?」

 

「もちろんよ! こんな機会は中々ないし、私達がどこまで強くなったのかを確かめる、いい機会だわ」

 

 なるほど。

 

 そしてアザゼル杯と呼ばれるだろうその試合では、信じられないような優勝賞品が出る。

 

 ……そうね。少し聞いてみるべきかしら。

 

「リアス、その試合で私が参加して……優勝は狙えると思う?」

 

 その質問に、リアスは少し目を丸くした。

 

 まぁ、私が競技試合に勢いよく参加するというのはイメージがかみ合わないでしょうね。自分でもそう思う。

 

 ただリアスはすぐに考えこむと……なんか凄く真剣になったわね。

 

「個人に限定すれば凄まじい強敵ね。そもそも神や龍に対する特攻を持ち、短期決戦に特化した禁手を保有。ルール次第では帝釈天の喉元を食い破れるかもしれないわ」

 

「想像以上に高評価をしてくれてありがとう。自分のことながら大概よね」

 

 まぁ実際、事実なんだけど。

 

 並みいる強敵を倒すべく、私もかなりの鍛え方をしてきたわけだ。その結果として、対神や対龍の手段すら獲得。ロキやクロウ・クルワッハ相手に単独での戦闘もできた。

 

 更にそこで禁手もある。短期決戦に特化した銀弾の決戦兵装(エンド・ザ・リボルバー)は、それだけで魔王にすら届くと自負している。

 

 とはいえ、リアスはすぐに表情を引き締める。

 

「でも、相手はチームで挑んでくる。相応の戦力を用意しなければ圧殺されるし、ルール次第では絡め取ることは可能だわ」

 

「……ですよね」

 

 敬語が戻ったけど、実際そこもそうだった。

 

 レーティングゲームは集団による競技試合。ルールはきちんと守る必要がある。

 

 転じて私は暗部部隊。ルール無用の殺し合いに長けており、そういう意味では不利ともいえる。

 

 競技試合と殺し合いの強さは別物といえるもの。この辺りを考えると、色々と考えた方がいいわね。

 

「でも意外ね。参加したいの?」

 

 まぁ、リアスからすればそう思うわね。私はそういうことを言うのが意外と思われるような生き方をしているわけだし。

 

 ただ、ね。

 

「……復興支援金に優勝賞品ぶっこみたいのよ。ほら、私は色々やらかしているから、そういうことは隙あらばしていく方がいいでしょうし」

 

「うるさい人が出てくるわよ? 売名行為とか」

 

「地獄への道は善意で舗装されている。善意は使わねば地獄に落ちる時に無駄に落ちて敷石になるだけですから」

 

 私はそう返すと、同時に獲物がかかったことを察知する。

 

「ふっ。釣って極楽食って供養とは言わないから、精々恨むといいわ!」

 

 さぁ、私の刺身になるといい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和地Side

 

 

 

 

 

 

 

 

 割と釣れるな。

 

 これは刺身以外も考えるべきだろう。焼き魚も良し、煮つけも良し。洋風でムニエルやアクアパッツァもいいだろう。天ぷら、フライ、南蛮漬け……夢が広がる。むしろアニルもいるし、燻製という手法もよだれが出そうだ。

 

 よし、この調子で釣りまくるか。

 

「……凄く釣れていますね。ここまで釣りがお上手でしたか」

 

 三美さんは感心してくれているけど、そういうわけでもない。

 

 下手の横好きでもないが、そこまでずば抜けた技量があるわけでもない。基本的には趣味の範疇。特技というほどでもないわけだ。

 

「場所と時期がいいんでしょうね。普段ならここまで釣れませんよ」

 

 俺はそう返すと、次の仕掛けを考えながら小さく微笑む。

 

「まぁクックスもいますし。皆さんの分も釣って見せるぐらいの勢いでいきますかね」

 

「……ご配慮、ありがとうございます」

 

 冗談交じりで言うと、クスリと笑顔で返される。

 

 とはいえ、世間話はしたいところだな。

 

「そういえば、兵藤邸(こっち)に派遣されるってことは、罪状はそこまで重くならなかったわけですよね? 差し支えなければ伺っても?」

 

 うっかり地雷を踏みつけるわけにもいかないからな。後でさわりぐらいは把握しておくべきだと思っていた。

 

 こんな形で縁ができているし、いっそのこと自発的に聞いてみるべきだろう。今後の関係性は考えないといけないしな。

 

 そして三美さんは、特になんてことがないような苦笑を浮かべている。

 

「たいしたことではございません。かつての主がゲームの不正に関与していた、それだけのことです」

 

「……なるほど」

 

 かなり根が深い問題だったらしいからな、ゲームの不正。

 

 相当金が動いていたらしいし、スキャンダルの連続でゲームのランキングが一気に変動しているとも言われている。ごっそりとランキング上位がいなくなり、繰り上がり昇格が進んでたとか。

 

「とはいえ、主は利権と引き換えに作戦内容を相手に伝えておくという手法でして、リアリティを重視して私達には言わなかったこともあります。おかげでこちらも被害者に近いとみなされましたが、その……」

 

 少し遠い目になりかけているので、俺から言った方がいいだろう。

 

「外聞が悪すぎて、将来がまずかったと」

 

「……はい。流石にこれからの人生も長いので困っていたのですが、そこで今回の選定に適い、こうしてメイドを務めさせていただいております」

 

 なるほどなるほど。

 

 やはりまぁ、懲罰メイドもそういう事だ。

 

 苦労しているという事だろう。なら、俺が言うべきことは一つだな。

 

「ま、当面は安心してくれていいですよ」

 

 そう、これだけは確約できる。

 

「仕事はきついしトラブルはやってくるでしょうが、使い潰すようなことはしません。リアス部長はそういう人ですし、俺達もそんなことは望みませんから」

 

 そう、そこに関しては胸を張って断言できる。

 

 俺達はそういう生き方をしているし、その為に頑張っている。カズヒだって、好き好んでそんな真似をする奴では断じてない。

 

 だからまぁ、その辺りは気楽になっていた欲しいものだ。

 

 それに対して、三美さんは笑顔を浮かべてくれる。

 

「……そうですね。そこに関してはありがたいと思います」

 

 ……。

 

 その表情が、どこかかつてのインガ姉ちゃんを思わせる。

 

 これは、色々とある人なんだろうな。

 




 増員や増築など、今後を踏まえた伏線になる部分も増やしていきます!
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