混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
それはそれとして、イッセー達も新しいステージです!
和地Side
冬ももうすぐ終わる頃、俺達には大きなイベントがやってきた。
……兵藤一誠の上級悪魔昇格式典である。
異例と言えば異例中の異例だ。イッセーは悪魔になってからまだ一年に足りていない。転生悪魔制度が始まった時期に転生してなお、下級悪魔止まりな者だっているのだから、この出世は極めて希少と言ってもいい。
だが同時に、それだけのことをしている。魔王血族、神滅具保有者、伝説の邪龍相手に大立ち回りをし、その殆どで勝利に多大な貢献をした。更には悪神ロキという神の中でも名実ともに上澄みの存在を、いくつもの要素が絡んだとはいえ打倒したこともある。更には極晃奏者ミザリ・ルシファー討伐において、俺の衛奏に匹敵する趨勢を傾ける一手を成し遂げたのだ。
ヴァーリ・ルシファーも最上級悪魔になるそうだが、ぶっちゃけイッセーが最上級悪魔に就任してもおかしくない。流石にそこまでの前例は出さずに済ませるに越したことはないので、こうして段階を置いた形だ。
そんなわけで俺達は式典会場に向かっているが―
「……はぁ」
―俺は別件でため息をつきたくなっていた。
「すまんイッセー。心労と緊張感で吐きたくなってきた」
「俺より緊張と心労を背負うなよ。別件だけど」
イッセーにも言われるが、かなり困ったというかなんというかだ。
俺はそんな感情のまま、何度目か分からない金額を確認する。
……かなりギリギリだが、一千億に届いている。ドルでなくて円ではあるが、それにしたって異常の極みだ。
「大丈夫かい? いきなりこの金額が手元に入るとか、色々大変だろう?」
心配してくれる五郎さんには感謝しかない。この金額は金銭感覚がぶっ壊れる。
そんなげんなり気味の俺は、その元凶ともいえるプログライズキーを起動させる。
『SAVE STAR!』
そんな猟犬のライダモデルが組み込まれたプログライズキーの名はサルヴェイティングハウンドプログライズキー。
このプログライズキーは、
極晃星は規格外の星辰光であり、到達にはいくつもの条件があることは知っての通り。そしてもう一つの特性がある。
それは、到達するのと比較した場合より簡単に接続することができるという点。具体的には、到達と同種の思いを他者と共有するなどすれば、接続することができるのだ。
もちろんそれも楽ではない。だが星とはすなわち祈る物。極晃星は祈りが届けば無条件で力を貸してしまう危険性がある。
初代極晃である弄奏は「失う先に見つけた勝利という光。それに全てを賭ける思い」が引き金になる。最もミザリにしろカズヒにしろ、かなりアレなので同種の想いを抱くのは困難だろう。
だが衛奏の場合は「極晃星という力から守ろうとする願い」である為、極晃星が脅威として現出すればカウンターとして眷属が多数出てくる余地がある。とはいえ、他の条件もあるので絶対ではない。
当然だが、新しい極晃星が出てくる可能性はある。そしてどの勢力も、手に入れられれば凄まじい恩恵があるが、性質上やらかす危険性がありすぎる上にやらかした場合の影響力がデカいから、危険だとも分かっている。喉から手が出るほど欲しいが、同時にとても恐ろしい代物と分かっているのだ。
結論として、どの勢力も「対極晃装備」はいろんな意味でほしい。結論として、衛奏を人為的に利用できる状態を整えたいのだ。俺がすぐに到着するかどうか分からないし、眷属が偶然できる可能性に頼って被害が増えるのも嫌だろうし。
そこでリーネスが開発したのがコレ。これを使って実装すれば、ほぼ確実に極晃相手に衛奏眷属となれる対極晃星用プログライズキーだ。
技術限界もあって焼き切れるから使い捨てだが、俺が協力すれば大量生産の余地がある。その上で買いたたかれたり酷使されるのを避ける為、一つ一つに対してライセンス生産かつ年間契約にしている。それはある意味で、各勢力に対するある種の権勢も兼ねての動きだった。
……が、ミザリがやりすぎていたことから世界各国各勢力はこぞって契約。結果として、俺とリーネスの資産は一千億をギリで超えた。
「ふ、ふふふ……。これはもう、専用の宇宙ステーションと巨大潜水艦でも作らないと……」
「あ、その時は俺も資金出すから」
「リーネスも和地も落ち着いて? 無理に使おうとしないでもいいよ?」
リーネスと俺がすすけた表情で話を勧めようとすると、お袋が慌てて止めてくれた。
あ、これヤバい。金が多すぎると返って苦労することも多いだろう。
「……前向きに考えましょう。女性を大量に抱えるのなら、それなりの資産は必須よ。石油王とかがハーレム作れるのと同じ理屈よ」
カズヒ、そういう次元の金額じゃないだろこれ。
「そこに誓いの人間力と、鍛え上げられた体力もあって完璧状態! くー! そんな和地に痺れて憧れるー!!」
「待ってリヴァ! それだと和地が悪党になるから!」
ノリノリのリヴァ先生を鶴羽が抑えてくれるけど、もう困ったもんだなオイ。
いやぁ、本当に困ったもんだ。俺の胃は割と痛い。
「……リアス部長ぉ。ノーベル賞じみたものを作って、お金を使うところを作りたいんですけど。ほら、お金は使って回さないといけないでしょ?」
「とりあえず、グレイフィアにも話しておくから水を飲みなさい。顔色が悪いわよ?」
リアス部長が気を回してくれているけど、イヤホンとこれ……どうしよ?
ちょっと冗談抜きで人生観狂うぞ。それに経済的にもある程度は使っておかないと。第一俺の主義信条から言っても、ここまで金があるのなら相当数は義援金とかに回さなければ。
と、とりあえずこれは……あれだ!
「そうだイッセー! 共同出資だ!」
俺は閃いたぞ!
「俺達で冥界の孤児院とかに、国際レーティングゲームのチケットを贈るんだ! お前子供のヒーローなんだし、そういうチャリティー事業にも手を出すべきだ!!」
「そ、そうだな! 俺もおっぱいドラゴンの興行収入がちょっと多いし、人生観狂いそうだったし!」
「……そういう事なら、あとでお父様にも話しておくべきね。グレイフィアもそこに文句は言わないでしょう」
俺達が盛り上がっていると、リアス部長もそこに頷いてくれている。
……と、そろそろ着くな。
カズヒSide
ドレスはあまり気慣れていないので、タキシードを着させてもらうことにした。
とはいえこれ、オーダーメイドね。流石はグレモリー宗家の調達というべきかしら。
白というよりは白銀。豪奢な装飾はなく、シンプルにまとめられている。その上で高級感がしっかりとあり、王侯貴族の隣にいても違和感がないようにできている。
「……ありがとう、リアス。これ、魔術的に保管しておくわ」
「ええ、次の機会にはドレスを用立てるわ」
そう微笑みと共に返されると、流石に断れないわね。
まぁ、当面の礼服はこれで十分。とはいえ、今後和地と一緒にパーティに参加するかもしれないし。ドレスもいずれは用立ててもらうことになりそうだわ。
まぁ、今回はあくまで参加するだけ。主役はイッセーに主のリアスとなるわけですけど。
「とはいえ、教会に属する暗部部隊だった私が悪魔の上級昇格式典に傘下とはね。和平が結ばれるまでは流石に想像できなかったわ」
「そうね。私も、コカビエルの件で貴方達と顔を合わせた時は考えもしなかった」
お互いに苦笑を浮かべるが、しかしこれは意外というしかないだろう。
「……こういうのを合縁奇縁と日本では言うのだろうか。とはいえ、私もタキシードを用立ててもらうべきだったかもね」
「ゼノヴィア先輩なら確かに似合いそうですね」
「確かに、男装が似合うタイプよね」
ゼノヴィアが私を羨ましそうに見ている中、ルーシアや鶴羽が茶化す光景。
それを見ると、私は少しおかしくなって笑ってしまう。
ええ、この光景は和平があってこそのもの。そして、私はそれを悪くは思ってない。
その中に私が入れるというこの奇跡に、私は感謝しよう。
納得できない者はいるだろう。私に敵意を持つ者もいるだろう。それはもう仕方がないし、自業自得というほかない。
だからこそ、これからも私は私でい続けよう。
邪悪の宿敵、正義を奉じる必要悪。誰かの
だけどまぁ、今日に限っては一人の客として祝福しましょう。
歴代最弱から歴代最優。そして前代未聞を形にし続けた赤龍帝。
誇りなさい、燚誠の
今この式典こそ、貴方が形にして見せた、一つの勝利の結果でしょう。
祐斗Side
式典は問題が起こることなく終わり、僕達はこの後のパーティまで小休止となっていた。
途中で何人か客人が来訪し、その中にはフェニックス夫人やヴェネラナ様も。そこでイッセー君はトレードを行い、アーシアさんにゼノヴィア、レイヴェルさんを己の眷属とする。
途中でフェニックス家夫人に耳打ちされていたけど、まぁ今後を踏まえると婚姻関係か、将来的な眷属としての扱いだろう。
そして僕たちもそろそろパーティに行こうとした、その時だった。
「失礼するよ。赤龍帝は此処かな?」
そう告げながら入ってくるのは、僕らより年下に見える少年。
……その時、僕達は戦慄を覚えた。
今までたくさんの敵と戦ってきた。当然、強者とされる者も数多い。
そんな僕達だからこそ分かる。そんな僕達が動けない。
そんな、トライヘキサやグレートレッドとも質が違う、強大な存在が目の前の人物だ。
戦闘態勢や警戒すら取れない。畏怖の感情があまりに高まる。
間違いない。目の前の人物は、グレートレッドやトライヘキサに通用する。勝つことはできなくとも、単独で戦えるだろう存在だ。
そんな存在に僕らは、間違いなく気圧され―
「失礼ですが、どこかの神話の神でおられますか?」
「今日は祝いの場ですので、悪ふざけはおやめください」
―そんな中でも、彼らは違った。
九成君とカズヒは、素早く前に出るとカバーの大勢に入る。
特に状況が掴めていない、イッセー君のご両親は確実にカバーできる位置だ。九成君がガードしながら下がらせ、カズヒが迎撃しながら攻撃できる。
……というより、既にショットライザーを装着してプログライズキーも装填している。カズヒに至っては瞬時にアヴェンジングシェパードを装填済みだ。
態度こそにこやかだけど、いざとなったら本気で戦闘ができる状態でもある。
こういう時、この二人は本当にブレないから頼もしい。
「……あ、よければお菓子食べます? 新規事業のおっぱいドラゴン牛乳で作った牛乳プリンですよ~?」
……そんな空気が全部吹き飛んだね。
青い髪を綺麗にまとめてドレス姿だったリヴァさんが、そんなことを言いながらお菓子の入った箱を少年に差し出している。
なんという胆力だ。もしくは仕掛けないと見抜いたのか? どちらにしても、主神の娘は伊達ではない……いや、リヴァさんが特殊なだけかな?
「……ふふっ。オーディンは子供に恵まれているね。それに
そう返す少年は、その絶大な気配を霧散させる。
思わず僕らが息を吐く中、カズヒはジト目をリヴァに向ける。
「……ナイスフォローというべきか、ハリセンで叩くべきか微妙に悩むわね」
「まぁまぁボス。連れてきた人が人なんだし、ここで荒事はしないっしょぉ♪」
呆れ半分のカズヒに、リヴァさんは笑顔でそういうと外にウインクをして見せる。
同時に、遅れて入ってきた人がアジュカ様であることに安堵する。
……アジュカ様が客人として連れてきたのか。なら、あくまでこれは悪戯か試しだろう。今の悪魔のトップがいる中であまり無体なことをするわけがないし、する人物を前置きもなく連れてこないだろう。
とはいえ、いったいこの少年は?
僕達の疑問を悟っているのか、アジュカ様はその少年に手を向けると、僕達に見渡した。
「紹介しよう。こちらはインドの破壊神シヴァ様だ。現状のインド神話を束ねておられる方だよ」
その名前を聞いて、僕達は改めて戦慄する。
インドの破壊神、シヴァ。龍神格や極晃星を除けば、最強といえるだろう存在。
あの帝釈天が目の敵にしているだろう、超上の極み。トライヘキサが封じられ、更に極晃星に衛奏という枷が欠けられた以上、常態では彼がこの世界で頂点に立つ。まごうことなく頂点に立てる存在。
……衛奏であっても、彼には勝てない。いや、衛奏だからこそ彼には勝てない。
極晃という概念を、世界に過ぎた力とみなし、だからこそそれに対する枷となった衛奏。それは極晃にのみ通用するからこそ、極晃全てを抑え込める枷になる。ゆえに、シヴァ神には決して通用しない。
つまり、単純な戦闘能力なら彼はアジュカ様すら超える最強だ。僕達が総力を挙げてなお、彼は全てを薙ぎ払るだけの力を持つ。
その上で―
「……とりあえず、アザゼル先生みたいな悪ふざけはやめてもらえません? ここ祝いの場なんで」
「今後は同様の事態に備え、相打ち後用の遺書を携帯することにします。お気を付けを」
―この二人、ブレないなぁっ!?
つ 極晃眷属化プログライズキー(使い捨て
こんなトンデモ兵器が大量に世界各国に広まることで、世界は対極晃が盤石と言えます。それでも難易度は高いですが、打倒の余地が大幅に上がっております。
……そして、けた違いの至近が和地に入ってきました!
世界的に影響力が高すぎて、めっちゃ金に困らない生活が確約! ただし和地は金遣いが荒くないので、ぶっちゃけメンタル的にかなりキッツい!!
そしてオチはシヴァ神とブレない二人で〆ました!