混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
祐斗Side
インドの破壊神、シヴァ。
今のこの世界においてある種の頂点。そんな人物までもが挨拶に来るとは、イッセー君も凄まじいことになっている。
更にアスラ神族の王子であるマハーバリ氏まで挨拶に来ており、イッセー君のことを気に入っているようだ。
最も―
「どうだろう赤龍帝。そして比翼の
―イッセー君達をスカウトするとは思ってなかったけどね。
「……私は一応、教会に属する者ですが」
即座にカズヒがそう応対するけど、シヴァ神は微笑を崩さない。
「シヴァ様。確かに私が用意できるものを用意するとは言いましたが、それは流石に」
アジュカ様も苦言を呈しているが、シヴァ神は冗談は言っていないようだけど真意を悟らせない態度のままだ。
「別に三大勢力から抜けろとは言ってないよ。ただ、インドラも裏で色々と動いているからね。彼が動くような時は、僕と共に戦ってくれないかってだけさ」
……インドラ、か。
またの名を帝釈天。彼は英雄派首魁である曹操の存在を知っていながら、あえて隠していた節がある。
その後もイッセー君達が曹操を追い込んだのをいいことに、彼を捕縛して冥府に送り付けた。それらは奪い取った神滅具を保有する為の言い訳だったが、曹操達が帰還してからも自分の監視下に置く形で動いている。D×Dの準メンバーにすることである程度の折り合いはつけているが、やはり油断できない。
元々インドラはシヴァに敵意を見せており、アザゼル先生も暗躍の根幹はそれだと見当をつけていた。
なら当然、シヴァ神が警戒して備えるのは当然。
帝釈天はシヴァ神でも、確勝ができるような相手ではない。さらに、人が振るえる最強の神殺したる聖槍の担い手たる曹操がいる。対抗馬として曹操を打倒したイッセー君を求めるのもある意味で当然か。
更に今後の世界において、決して無視できないだろう極晃星。それに対して圧倒的な対応力を誇る極晃衛奏者。九成君とカズヒを引きこもうとするのも理解はできる。
ただ、やはり僕ら如きでは底が読めない。そこがどうしても、こういうところでは不気味に思ってしまう。
「……そう言われましてもね。会ったばかりの人物、それもあんな悪戯をされた直後にスカウトをされても即答はできませんよ?」
九成君もそう返すけど、流石に少し警戒しているようだ。
相手は今の世界におけるある種の頂点。あまり事を荒立てるわけにもいかないし、僕らもうかつに口がはさめない。
とはいえ、これはアザゼル先生がいないとイッセー君にも―
「……貴方は、帝釈天と戦争がしたいんですか?」
―その時、イッセー君はシヴァ様にそう尋ねる。
彼なりに一生懸命考えた。その上で、尋ねなければならない質問だと思ったんだろう。
彼も今や上級悪魔。どうやら、僕達が思いもよらぬところで成長したようだ。
そしてシヴァ様は、その質問に微笑んだ。
「いい質問だ。悪くはないが、ドロドロの大戦争をしようとは思わない。……うん、もっと面白い趣向で済ませたいところだと言っておこうか」
けむに巻いているように見えるが、しかし嘘は言っていないようにも思える。
数千年を生きる神に対して、僕らがそこを見抜こうというのも愚かな話だろう。
そんなシヴァさまは、イッセー君を見ながら人差し指を立てる。
「……一つ、燚誠の赤龍帝に明言しよう。これから、君や極晃衛奏者が相対する者は、敵味方に関わらず神クラスが多くなるだろう。それだけの存在であり、それだけのことをしてきたことは認識した方がいい」
そう語るシヴァ神の目は、いったい何を見ているのか。
「少なくとも、帝釈天達は既に「次」を見ている。そしてそれを見ている者は君達を無視できない。そういう存在になってしまっているんだよ」
そう告げるシヴァ様は、その上でイッセー君を見据えている。
「……おそらくだけど、今の君は
その指摘に、イッセー君は答えない。
それを気にすることなく、彼はイッセー君の背中をぽんぽんと叩く。
「そしてそろそろ始まる国際レーティングゲーム。僕も運営として参加するアザゼル
和地Side
シヴァ神には困ったものだと、俺は内心でため息をついた。
悪戯好きな神様には苦労する。振り回される方はたまったものじゃないのに、振り回されるほかない。厄介なことだ。
パーティにあまりのめりこめなかったのは、それが理由だろう。
……アザゼル杯か。
国際レーティングゲーム。あまねく勢力から様々な強者が参戦する、世界規模のレーティングゲーム。
列車の窓から景色を見つつ、俺はそれに思いをはせる。
好き好んで殺し合いをする趣味はない。権力にさほど興味はないし、金が多すぎることに困っている身としては優勝賞品をもってして何かを望む必要性も薄い。……まず自前の金でどうにかできるかを重視するべきだしな。
ただ同時に、俺は一つの懸念を持っている。
惑星環境をたった二人の祈りで塗り替える。言葉にすれば素晴らしいようにも聞こえるが、つまり極々僅かな人間の願いで世界が書き換えられることを意味している。
まして出力が天元突破すれば、理論上は太陽系を吹き飛ばすことが可能。そんな力、今の地球には過ぎた力にもほどがある。だからこそ、俺はカズヒと衛奏に至れたんだ。
だがそれは、もし極晃星でなければどうにもできない力を相手にした場合、なすすべもなく蹂躙される恐れがあることを意味している。
ないとは言い切れない。あまりに広すぎるこの宇宙において、俺達はあまりに小さすぎる空間しか見ていない。宇宙現象ともなればそれこそ太陽系を吹き飛ばす事態が起こりえるだろうし、そう考えれば惑星環境の改変なんて小さな規模だ。
……だからこそ、責任は取らなければならない。
俺は自分の意思で、極晃を否定した。ならその責任は取らないといけない。
取れるだろうか。そう自問する。
取りたいと思う。そう回答する。
なら、せめて無理だと確信できるまではやってみよう。
そう決意し、俺は振り返る。
「……いい目をしてるわね。決意を決めた人の目だわ」
そこに立っていたカズヒは、微笑みながら拳を伸ばす。
「私は私で参戦するわ。和地はどうするの?」
カズヒはアザゼル杯に参加するのか。
その理由はあえて問わない。ただ、彼女がそういった催しごとに自ら参加することに、どこか嬉しくなっている自分がいる。
だから、素直に答えることにする。
「俺も俺で参戦するさ。……うん、やってみたいことが増えた」
ちょっと不敵な笑みになってるよな、俺も。
「俺は強くなりたいし、強さをきちんと見せる必要がある。……
そう、それは俺が生涯かけて成すべきことだ。
極晃星という力。その本質を閉ざす衛奏を紡いだ者として、責任という物がある。
俺はそれを成す為に参加する。俺自身が世界に責任を負える強さを得る為に。そして皆に、世界は極晃が無くてもやっていけるのだと、ほかならぬ俺が示す為に
そして、俺にはもう一つ理由がある。
「……カズヒ。俺は俺のチームで参戦する。カズヒのチームに挑戦する」
拳を突き付け、俺は最愛の伴侶に宣言する。
「カズヒの全力とぶつかり合いたい。惚れた女に並び立てる、そんな男でいたいからな」
俺のそんな言葉に、カズヒも小さく頷いた。
「そうね。そういえば、貴方とはスパーリング程度しかしてなかったもの」
だろう?
どうせなら、思う存分大舞台でやってみたい。
老若男女が見ている前で、俺はカズヒと向き合いたい。
心の底から、俺がカズヒを愛していると、愛しているから並び立ちたいと、声高らかに宣言したい。
だからこそ―
「その時は、手加減無用でよろしく頼む」
「遠慮はしないわ、覚悟しなさい?」
―拳を軽くぶつけ合わせ、俺達は激突を宣言した。
そういうわけで、和地もアザゼル杯に参戦です。
……和地をどういった流れで参加させるかは考えておりましたが、最終的に「今後極晃に頼れない世界を作った責任」という観点と、「カズヒに対する挑戦」という願望の二つを持って参戦です。
極晃星の猛威を徹底的に抑え込める衛奏は、すなわち世界に極晃が必要になった場合呪いにしかなりません。極晃の性質上、和地たちの敵対者が衛奏に接続する恐れはありますもので。
だからこそ、和地は世界が極晃無しでやっていけることを証明する責任がある。極晃無しで世界がやっていけるように尽力する責任がある。そう考えると思ったのです。
そしてもう一つ。カズヒ・シチャースチエと対を成す存在として、男の意地をもって挑戦します。
惚れた女と並び立てる。それぐらいの男の意地は彼も持っているのですよ。