混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
カズヒSide
「で、貴女なんでこんなところに?」
シャルロットと思わぬ遭遇に、とりあえずその辺を突っつくことにする。
そもそもなんで一人でバスに乗っているのかしらね。
今頃、イッセーハーレムは壮絶な戦い*1をやっているはずなのだけれど。
ただシャルロットは気分を落ち着ける為のアイスティーを飲むと、平静を取り戻していた。
「いえ、そもそもイッセーなら最終的に全員してくれるでしょうから。そこまで順番に拘らなくてもいいですし」
あっさりと言い切ったわね。
「圧倒的余裕ね」
「もはや正妻の貫禄だな」
私も和地も軽く戦慄したわね。
余裕というかなんというか。圧倒的にマウントをとっているオーラすら感じるわ。これが相棒の貫禄か。
……いえ、冷静に考えれば私と和地も似たようなものね。驚く必要性はさほどなかったかも。
「つまりシャルロットはイッセーにとってのカズヒという事か」
「そういえば、私達が知り合ったのも同じ時期だったわね」
なんだろうか、これはむしろほっとするわね。
私も和地もあの頃に再会し、その時期にシャルロットも召喚された。
そしてその地を管理するリアスの眷属であったイッセーと共に、共闘して危機を乗り越えた。そして合同部隊として活動し、更なる修羅場を乗り越えた。そして連合部隊であるD×Dの中核メンバー。
ここに至るまで一年も経ってないわね。ふふ、濃密な数か月を過ごしたものだわ。
………。
「前世の業がこんな形で清算を求めたのかしらね……っ」
「か、カズヒ? 大丈夫? なんていうか……色素が薄く!?」
ごめんなさい、有加利。割とメンタルが珍しく削れたわ。
いえ、冷静に考えると本当にアレよね。
「……そういえば、俺ってば神話級の相手と戦ったのってコカビエルが最初だったなぁ」
「そしてそのコカビエルですら、私達が戦ってきた大物で比べれば中堅レベルってのが酷いわね」
和地も私も少しすすけたわね。
いえ、コカビエルは間違いなく神話級の敵なんだけどね。
控えめに言って、魔王クラスでも本来手古摺るのよ。つまり英雄派の幹部達でも、一対一で倒せる奴は極僅か。ヘラクレスやジャンヌ・ダルクが相手ならコカビエルの方が強いはず。
ただ、魔王クラスの力量を持つ者がゴロゴロ出てきたものね。間違いなく平均をはるかに上回る上澄みレベルだけれど、上澄みの中ではそこそこというか、一枚落ちるというか。そこから上がシャレにならないというか。
オーフィスの蛇で強化された魔王末裔達なら割と戦えそうだけれど。曹操とかヴィールとかリゼヴィムとか、あとミザリとかトライヘキサとか。
……本当に、一年未満の戦いでどれだけインフレしているのよ。
「一昔前のバトル系少年漫画か……っ!!」
「俺達の壮絶な高校二年生、物語になるなら絶対見所あるだろうなぁ」
和地も少し遠い目をしてきているわね。
ふふふ、世の中とんでもない試練が起こるものね。天運が悪すぎるわ……っ。
「それで、なんでシャルロットはこんなところに?」
有加利が凹んでいる私たちに代わって、シャルロットに本題を聞き直す。
そしてシャルロットは、小さく微笑んだ。
「ええ、イッセーはリアスと一緒にドライブデートをしているので、様子を見てみようかと」
………。
「シャルロット」
「はい?」
私に尋ねられてきょとんとしているところ、悪いけれどね?
「それはストーカーのやることよ?」
「……暇だったんです」
正直でよろしい。
和地Side
「う~ん! いい感じのお昼寝タイムだったーっ!」
伸びをする亜香里だが、寝起きいいな。
バスが着いたと思ったらスッキリ起きた。起きるタイミングを計っているのかと言いたくなるが、直前までぐっすり眠っていた気がするんだが。
とはいえ、ここは水族館。そしてイッセー達が来ているはずの場所でもある。
さて、デートの邪魔をするのも無粋な気がするが……ん?
「何か、騒がしくない?」
有加利も気づいているから当然俺達も気づいている。
水族館の方だが騒がしい。というか、悲鳴まで聞こえてきてないか?
俺たちは顔を見合わせて頷き合う。
これはあれだな。また訳の分からない連中が出てきているな。
嫌な予感を覚えた俺達は、警戒しながら足早に水族館に接近する。
すると、水族館の方からなんか急に人が走ってきてるな。それもたくさん。
ん? なんか後ろの方に見覚えのある女子二人がいるぞ。
……あ。ちょっと前の卒業式の日に見た、カズヒに雰囲気が似てる女子と、一緒にいた金髪美少女!?
「……急いでいいけど慌てないで! ここで転ぶと酷いことになるわよ!」
「大丈夫、まだ来てないから! 来てもこっちが抑えるから!!」
なんか知らんが避難しているとかそういう感じだぞ!? なんだなんだ!?
「……そこ! 状況を説明して、早く!」
そこでカズヒが携帯を取り出しながら、しんがりを務めている二人の少女に吠えた。
ああ、それは分かる。それだけの事態だと分かる。
これは明らかに緊急避難の領域だ。間違いなく、水族館の中では荒事が起こっている。それも、不良の喧嘩とは次元が違う領域の事態がだ。
「……え? え、その―」
それに金髪の少女が気づいて困惑するが、それに合わせるようにもう片方が声を張り上げる。
「―中で変態みたいな連中が暴れているわ! 約二名が対応しているけど、はっきり言って分からないことが多い!」
反応が早くて助かる。
つまるところ―
「イッセーとリアス先輩か」
―あの二人が対応しているという事だ。
それがわかれば十分。俺達がやる事は分かり切っている。
「……イッセー、詳細報告を!」
シャルロットが念話で素早く話を進める。
シャルロットはイッセーのサーヴァント。龍神に由来する肉体を得たとしても、イッセーとの魔力的なつながりは決して消えない。分かっているなら連絡が取れるわけだ。
だからこそ、俺達はそこからの対応を踏まえて動ける。
そのとき、シャルロットはハッとなって上を見上げる。
「……あそこが吹き飛ばされます! 対処を!」
その声に、俺とカズヒは速攻で判断する。
飛び上がるカズヒに、俺は素早く星魔剣を創造しながらカバーに入る体制をとる。
その瞬間、水族館の壁が吹き飛ばされた。
「え……?」
「……は?」
有加利と亜香里が困惑する中、俺達は無言で連携を行う。
カズヒが素早く迎撃し、破片を粉砕する。
そこに俺が障壁を展開し、避難していた人達に当たらないようにカバー。
そして安全を確保した次の瞬間、イッセーとリアス先輩が着地する。
「助かるシャルロット! 九成とカズヒもありがとな!!」
「でも追撃が来る、迎撃準備を!」
イッセーとリアス先輩が声を飛ばすと共に、破壊された壁からたくさんの連中が飛んでくる。
「ふははははははははっ! ヴォルテーックゥスゥウウウウウウウウッ!!!」
『『『『『『『『『『『ヴォルテーックスッ!!』』』』』』』』』』』
ああもう! この卒業旅行散々だな!!