混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
……さぁ、これより第二章! 22巻後編を巻き込む形で始まる物語でっす!
大会開幕編 第一話 ニューフェイスも色物です!
和地Side
「ん~……っ」
始業式も一通り終わり、俺は一人で少し伸びをする。
ついに俺も高校三年生。ふぅ、なんというか感慨も多少はあるな。
それはそれとして俺も色々と忙しいけど。主にアザゼル杯関係で。
思わぬところで足元躓いているからな。チームメンバー関係で。
いや、結構なメンツが参加を決定していたうえ、安全牌だと思っていたヒマリがヒツギにとられたのが痛い。
さて、となるとどうしたものか。まだ時間はあるけど、どうせ参加するなら優勝の可能性ぐらいは欲しいからなぁ。
その辺を考えていた時だった。
「てめえ、ふざけんなよ!?」
「あ? んだとコラァッ!!」
「ちょっとそこ、喧嘩はやめなさいよ!!」
……喧嘩か? 聞きなれない声だが、一年生か?
入学でテンションが上がった時に、イラっときてどんどんヒートアップってところだろうか。あまり大ごとになるのもな。
仕方がない。止めに行くか
俺は足早に近づくと、喧嘩の現場に辿り着く。
男子数名と女子一名。見る感じだと、男子の一人が複数人と揉めていて女子が止めに入った感じか。
そして流れるように割って入る女と、揉めている男子一名の動きが違うな。これ、結構身体能力が高そうだ。
とは言っても、殴り合いになりそうだからそろそろ止めるか。見る限り一年生だけだし。
「おいそこの一年生共。入学式早々から喧嘩するな~」
「……先輩の方っすか? 関係ないでしょすっこんでてくれませんすか?」
お~。一人で揉めてる方は中々に言ってくれる。
ただそういうわけにもいかなくてな。
「後輩が校内で喧嘩してたら困るだろ。というか、喧嘩の原因は何だよ?」
入学式早々で暴れられても困るしな。とりなせる範囲内でとりなさないと。
と、複数人側がこっちに勢いよく振り返る。
「この野郎が因縁つけてきたんだよ!」
「そうだよ! 別に悪いこと難もしてねえのにいきなり「クズ共が」とか言いやがるし!」
「で、文句言ってきたら「クズの群れが吠えるな」とか言い返すんですよ!?」
……。
「そこだけ聞くと100%お前が悪いが、反論はあるか?」
想いっきり喧嘩を売ってるじゃねえか。
声の大きさによってはどう関わるが、この調子だと堂々と言っているみたいだな。周囲の一年生も少し引き気味だし。
なんだこいつ。いきなりそれとか、いったいこの連中は何をしたんだと―
「……女を見て鼻を伸ばす奴は屑以外の何物でもねぇだろうが!!」
―ん?
なんか相当キレてるが、え、どういうことだ?
最近多いツイフェミとかそういう手合いだろうか。あれ、男女問わずいるとか聞いていたけどここにもいたのか。
まずいな。特にイッセーとか松田とか元浜とかが不安だ。絡ませるとまずい。
悪い意味で有名人から良くも悪くも有名人止まりになっているんだが。絶対この手のタイプはあれな気がするぞ。
「いや、あのさ? ちょっと落ち着きなって」
と、割って入っていた女子の方が宥める様に手を前に出している。
「落ち着こうよホント。可愛い女の子見てちょっとテンション上がってはしゃいでただけじゃん? 女子だってかっこいい男見かけたらテンション上げるって、普通」
おお、大人な意見。
これに乗っかる形でとにかく宥めようと思ったが、その瞬間風が吹いた。
あ、スカートがめくれそうだから視線を逸らさないと。
そう思った瞬間、目の前の男が凄い勢いで顔面を殴りつけた。
「煩悩抹殺っ!!」
『『『『『『『『『『うわぁああああああっ!?』』』』』』』』』』
あまりに勢い良すぎて、思わず一斉に大絶叫だよ。
しかもそう思ったら、どこからともなく警棒を出すと自分のまたぐらを全力で叩きだした。
「煩悩完殺! 煩悩全殺! 煩悩確殺!!」
「落ち着けバカ! 全力で落ち着け!!」
「よっし落ち着こう! 冷静にね!?」
慌てて女子と共に組み付いて止めたが、その瞬間、そいつは更に震えると。
「……欲情絶殺ッ!!」
舌を噛もうとするなぁああああああっ!!!
「何やってるの?」
「ふはっ!?」
あ、カズヒ。
流れるように抜き手を胸部に叩き込んで、その勢いで沈黙させたよ。
「……え?」
「今、何が……?」
唖然とする男子生徒達に、カズヒはパンパンと手を鳴らした。
「風紀委員特別部隊の三年生、カズヒ・シチャースチエよ。肺の空気を吹っ飛ばして失神させただけだから安心して。あと生徒会長が変なことしてたら、そっちが専門だから呼んで頂戴?」
『『『『『『『『『『生徒会長専門の風紀委員!?』』』』』』』』』』
うん、はたから聞いたら困惑確定だよなぁ。
あ、ゼノヴィアも来た。
「なんだなんだ? どうしたカズヒ」
「あらゼノヴィア……生徒会長。それが自殺未遂が起きたみたいで」
ゼノヴィアとカズヒが話始めたので、俺も情報を提供した方がよさそうだろう。
「なんかそこの男子達が可愛い女子見てはしゃいでたら、ツイフェミかお前はってぐらいの勢いでこいつが罵倒してきたみたいでな。止めてたら急に自傷行為を始めたんだよ」
イヤホンと、ちょっとついて行けてない。
ただちょっと嫌な予感が。
「……なるほど。なら起きたら私が立ち会うので拳で決着をつけるといい」
『『『『『『『『『『なんで!?』』』』』』』』』』
一年生総ツッコミだよ。
ただゼノヴィア、割と真面目に言っているから始末に負えない。
「本気でぶつかり合えば意外と仲良くなるものだ。私も当初はイッセーとは嫌いあっていたが、今ではあいつ以外の子供を孕みたいとは思わないからな」
『『『『『『『『『『え、えぇ……?』』』』』』』』』』
「ゼノヴィア。ストレートにそういう事言うのやめなさい」
カズヒがさらりとツッコミを入れてから、パンパンと手を叩いて再び注目を集める。
「とまぁ、うちの生徒会長は善良だけど暴走特急なの。つい先日は不良高校に殴り込みして国際テロ組織の本部を発覚させたこともあるから気を付けてね?」
「うん。弟が不良に自転車とられたなんて騒ぎからどんなピタゴラスイッチなんだろうな」
俺もその辺は本当に頭が痛い。
そしてもう、一年生達はドンビキ状態だし。
「おお~っ! 漫画みたいな展開ですね! え、ここはバトル漫画の世界なんですか!?」
女子の一年生は割とノリがいいな。それはそれで困るんだが。
今後はないことを願いたい。いや、ありそうで怖いけど。
ただカズヒは肩をすくめると、ゼノヴィアの方に振り向いた。
「そうそうゼノヴィア。生徒会長の貴女に頼みたいことがあるのよ」
「なんだ、カズヒ。どうかしたのか?」
ん? なんだなんだ?
「どうしたんだ、カズヒ?」
「いえ、勇ちんとディーレンから頼まれたことがあって。それなら生徒会長のゼノヴィアに聞くのが手っ取り早いから―」
俺にそうカズヒが応えた時……だ。
「……勇ちん? その人が接木勇儀のことなら、もしかして私の事ですか?」
なんか女子の方がそんなことを言ってくる。
え、どういうこと?
俺とゼノヴィアが思わず顔を見合わせていると、カズヒがはたと手を打った。
「貴女が勇ちんの娘、
おお、勇儀さんの娘さんか。
なるほどなるほど。そりゃカズヒに一言言っておくよ。
しかも引岡さんの子供もここに来たのか。名前からすると男っぽいけど、誰なんだろう。
そんなことを思っていると、周囲の一年生達から手が上がった。
「あ、あの……」
「あら、貴方が?」
カズヒが聞くと、その少年は首を横に振る。
ふむ。つまり知っている奴がいたという事か。
なら誰がと思ったら、その少年は指をこちらに向ける。
「……窪川はそいつです。今先輩が鎮圧した奴……です」
俺達は、視線を集める。
この茶髪を坊主頭にした、こいつが?
「すいません。そいつ性的にもの凄く潔癖な癖して根がスケベで。ラッキースケベに巻き込まれそうになると凄い勢いでそういうことするんです」
………。
俺は、ふと空を見上げた。
今年も、色々と騒がしい学園生活になるな、これは。
Other side
「あ~。たまの休日に昼酒……最高……っ」
「へいへい。お前もしかして苦労してんのか勇ちん」
「ったり前だろディーレン。こっちは大絶賛起業直後なんだよ、忙しいんだよ!」
「そりゃたまの休日ははしゃぎたいか。……こっちはこっちで面倒なことになっててなぁ……お姉さん、ビール三杯ぐらい持ってきてくれ!!」
「……何があった?」
「息子の方がかなりこじらせててなぁ。あいつツイフェミじみてるというか、潔癖症こじらせて去勢が合法になることを絵馬に書くぐらい追い詰められててなぁ?」
「いろんな意味でヤバいなオイ。確かそろそろ高校生だろ? どこ行くんだ?」
「……駒王学園高等部」
「お前のもか。うちも娘の一人がそこに決まっててなぁ?」
「そっかぁ。苦労かけそうだな」
「ま、あいつはトラブルメーカーじみてるがいい奴だからな。今度それとなく言っておくよ」
「……」
「……」
「……やっぱ頼んだか? 日美っちに」
「……ああ。だっているじゃん?」
「「……頼んだぞ、日美っち……っ!」」
和地Side
で、暴走した窪川蓮夜及び、ついてきた接木優華を連れてきたのはオカ研部室がある旧校舎。
っていうか窪川か。一応離婚してたから引岡じゃないんだな。
「……で、申し開きはあるかしら?」
「女に情欲の視線を向けるやつは屑です。そんな奴は虐げられなくてはいけないでしょう?」
カズヒに真っ向から見られながら、堂々と言い返す根性はあるようだ。
そしてその目には強い意志がある。これは何か言ったところで受け入れないだろう。そういう意思が見えている。
そして真っ直ぐに向き合ってカズヒを見据え―
「煩悩根絶っ!!」
―そのまま頭を床にぶつけるな!
「……なんか私、一週回って面白くなってきましたっ」
優華の方はもう楽しそうになってきてるな。はたから見てる分には確かに面白いかも。
ただ間違いなくこいつを放っておくと、ややこしいことになるだろうなぁ。
「落ち着きなさい。今ので煩悩出てくるとか正気?」
カズヒもストレートに突っ込むけど、蓮夜の奴は真っ直ぐに目を見て反論の構えだった。
「当たり前です! スカートがあるから角度的に見えないけど確かにスカートがあるという事実。視覚距離からくるチラリズムに煩悩がわかなくてどうするんだ!!」
「お前実はスケベだろ!!」
俺はもの凄くツッコミを入れてしまった。
おい、こいつ絶対スケベだろ。性欲ありまくってるだろ。
今の状態でそっちに意識が向くとかスケベに決まっている。
「当たり前だ! 俺の親父は、母さんだけで性欲を発散しきれない性欲の奴隷なんだぞ!!」
「真顔で言うか?」
俺はストレートにツッコミを入れるが、蓮夜の奴は絶望の表情すら浮かべている。
「俺もいつかは性欲に呑まれて醜態をさらすかもしれないんだ。……それを断ち切る為にも、少しでも欲望が生まれない環境を作って去勢したいってのに……なんで、なんで「学費とバイト許可が欲しいなら、女子が多い高校に進学しろ」なんて言うんだ、母さん……っ」
「「「それ絶対ショック療法!!」」」
俺達全員、一斉に突っ込んだよ。
完璧にあれだ。父親に対する反抗心と自己嫌悪が絡み合って、徹底的なレベルで反発が強くなっている。
折り合いを何とかつけさせないとまずいな、これは。
つまるところ、引岡さんの方がカズヒに頼ったのはそういう事かぁ。
自発的に去勢を目指すとか、こじらせてるなぁ。坊主頭なのはあれか、当初は仏教系学校行って僧を目指すという事か。
「……はぁ」
あ、カズヒはため息をついた。
「阿呆の極みね。そんな方法ではいずれ暴発して余計な被害を生むか、心病んで不幸な死を迎えるわ」
そう言い切ったカズヒは、その上で胸を張って宣言する。
「そんなに己を超えたいのなら、私が性根を叩き直してやる!! 特別風紀委員隊に入りなさい!!」
「……え?」
思わずきょとんとする蓮夜だけど、カズヒははっきりと断言する。
「特別風紀委員隊は、教室で堂々とコンドームを取り出し、まず子作りの練習をしようとほざいた実績を持つバカを止める為の部隊。あんたにとっても尊敬できるところがあるでしょう」
「そんな煩悩の権化が生徒会長っ!? そんな、あの女性ってそんな馬鹿なんですか!?」
反論できない……。
頭はいいし勉強はできる。だがどこか天然で馬鹿なことをよくするんだ。
「貴方は貴方が立ち向かうべきものを見直しなさい。全てはそこからよ」
「……いいでしょう。その真意、見定めさせてもらいます!!」
………。
「大丈夫なんだろうか?」
「いやぁ。見てる分には面白い毎日になりそうですよ?」
優華ちゃんは呑気だねぇ。
俺は俺の最愛の女性が苦労することを考えると、気が気じゃないってもんですよ……はぁ。
そんなこんなで、一年生のオリキャラも追加です。
接木勇儀と引岡=F=ディーレンの子供が登場! 今後もチョイ役ですが毎回顔出しさせたいところです!