混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
タブレット新調にはまだ時間がかかるけど、とりあえず繋ぎをいったん買うのもありかもしれぬ。スマホはうっかり使いすぎそうだから、ソシャゲはタブレットかPCでやると決めているので……。
まぁそれはそれとして、いったんは締め休め回です!
和地Side
バリボリと煎餅を食べながら、俺達はレーティングゲームの試合映像を見ている。
……それはグレイフィアさんが王を務めるチームである「光掴む殲滅女王」チームが、帝釈天が率いる「ヴァジュラ」チームと競い、そして勝利している映像だ。
ルールは一回入れるごとに転移するゴールにボールを入れ、そのポイントで勝敗を決める「ランペイジ・ボール」。
このルールでは撃破されたプレイヤーもある程度の時間が経てば復帰できる為、直接的な戦闘能力が決定打になりにくい。それも勝利に繋がっているとは思う。加えて「ヴァジュラ」チームはメンバーの性質上人数が少ない為、このルールだとかなり不利ではある。
だが、それを踏まえても「光掴む殲滅女王」チームはヤバイ。
何よりヤバいのは、相手チームの王である帝釈天をたった二人で抑え込んでいることだ。
グレイフィアさんは魔王クラス。そして帝釈天は、かつての四大魔王が全員で挑むべき相手とされる。つまり真っ向勝負ではグレイフィアさんでも分が悪すぎる。
それを、足止めに徹したとはいえ二対一で完全に抑え込んだ。
連携があまりに卓越しているわけではない。光掴む殲滅女王チームは急増が否めない故、帝釈天と直下の四天王で構成されるヴァジュラチームの方が数段上の連携だ。
だが、帝釈天がたった二人に抑え込まれているのに引っ張られ、四天王が出し抜かれることも多かった。単純な人数差がもろに出たこともあるが、これも大きい。
……そう、戦えているのだ。
帝釈天をたった二人で抑え込んだうえ、残ったメンバー同士もある程度の要素が絡んだとはいえ戦いになっている。これが怖い。
「なんていうか、あの
「同感。あれ、スペックだけならグレイフィアさんより上じゃないか?」
緋音さんに同意する俺だが、これはまずいだろう。
単純にスペックがやばい。おそらく純粋な性能に限定すれば、奴はグレイフィアさんを超えている。女王に配分されていることもあるだろうが、それを踏まえても魔王クラスはある。
俊敏な動きで帝釈天の攻撃を回避し、魔力で牽制しながらの打撃は帝釈天に手傷を負わせている。
更に他のメンバーも中々だ。
グレイフィアさんに集った魔王派。フロンズが根回しして集めた大王派。更に双方が手を回した冥革連合の投降者。これだけの各勢力から悪魔を集めているわけだ。
本来、そんな複合部隊で即座に連携が組めるわけがない。お互いに価値観が違う以上ギスギスしてもおかしくない。
それでも戦えているのは、誰もが高い練度を誇っている点。そして四天王を一人で足止めできるだけの性能を誇る奴がいる点だ。
それは二人。どちらも一対一で四天王の一人を足止めしている。
帝釈天をグレイフィアさんと共に抑え込んでいる奴も含めた三人。その三人が活躍すれば活躍するほど、グレイフィアさんが活躍するのと同じぐらい悪魔側の士気が高まっていく。
そして時間が終わり、ポイント差で勝利が確定。それに伴い悪魔側を中心に、大きな歓声が上がっていく。
そう、何故なら―
『試合終了ぅううううううううっ!! 新たなる魔王の血族と、我らが銀髪の
―その三人は、もれなく魔王血族なのだから。
「……フロンズの奴、しかるべき人物に魔王血族を預けてると言ってたが……グレイフィアさんとはな」
思わずぼやくが何をもってして契約が結ばれたのやら。
ただ一つだけ言えるのは。あのチーム配分はフロンズの策でもあるんだろう。
まず一つ。メンバー構成。
大王派、魔王派、冥革連合。この三つの混合チームにしているのは、悪魔が融和を進めていることのコマーシャルとしては十分すぎる。更に魔王血族までいるのだから、旧魔王派とも折り合いをつけていいと思っているいい証拠となるだろう。
もう一つ。魔王血族を三名も、グレイフィアさんの下につけている点。
これはかつてルシファーに仕える一族だったルキフグス家、その配下として魔王血族を入れることによる印象操作だろうな。魔王血族はもはや悪魔を従えるものではなく、実力があれば逆の形になると思わせたいんだろう。
そして三つめが、おそらくグレイフィアさんの目的だろう。
まだ噂の段階だが、あまりにも早く広まる形で「光掴む殲滅女王チームは、全員がグレイフィア・ルキフグスに優勝賞品を使わせる為に集った」と流れている。おそらくフロンズの仕込みであり、的外れではないだろう。
つまるところ、大王派のメンツも魔王派のメンツも冥革連合のメンツも納得できる、そんな目的をグレイフィアさんは持っている。全員がそうとは言わないが、各派閥から納得できるやつが出るような目的を持っているわけだ。
「なんていうか、とんでもないことになってるもんだ」
「そうなの? あの人……それだけの人ってこと?」
緋音さんはその辺り、まだ慣れてないだろうな。
ただ、グレイフィア・ルキフグスとはそういう人だ。
「最強の魔王の妻にして側近であり、当人も魔王につけるだけの人物だ。おそらくフロンズは、九大罪王の一人についてもらいたがっているだろうからな」
俺もそれぐらいの予想はついている。というか、まず間違いなくそうだろう。
純血悪魔、それも名門一族であり、女性悪魔としては現状最強の存在。九大罪王を認定する場合、フロンズからすれば絶対に入れたい相手だろう。
そしてその交渉の結果がこれなんだろう。グレイフィアさんは条件を出し、フロンズは「アザゼル杯の優勝を支援するので優勝賞品で」といった形で叶えることにしたんだろう。最もそのついでに、真魔王計画を踏まえたいくつかの目論見も併用しているといったところだ。グレイフィアさんもそこは分かっていながら、それで目的成就を目論んでいる。
そういう風に考えるべきだろうけど、また凄い事になっているな。
「……優勝賞品をフロンズにいい様に使われても叶えたいグレイフィアさんに、相当の支援をグレイフィアさんにしてでもフロンズが叶えていいと思った願い。いったい何なのか」
思わず俺はそう愚痴るけど、そこで同じようにテレビを見ていた鶴羽が首を傾げる。
「でもさ、グレイフィアさんの願いをフロンズがオッケーするなら止められる悪魔っていなくない?」
言われてみればその通りだな。
大王派の実権を殆ど握っているフロンズと、魔王派にとって相当の発言力があるだろうグレイフィアさん。
この二人が連名で願いを言えば、余程ろくでもない願いでもない限り悪魔社会なら通るだろう。それこそ拒絶するならアジュカ様とゼクラム・バアルが連名で出張る必要がある。そしてそれだけのレベルなら、世界に相応の混乱をもたらしかねないからアザゼル杯では無理のはずだ。
あの二人ならその辺りは読みはできるだろう。それぐらいのことはできる二人のはずだ。
「「う~ん……?」」
なんか訳が分からなくて、俺も鶴羽も首を傾げてしまう。
そんなとき、緋音さんがそっと手を挙げた。
「あの、もしかすると……断らせない為かも?」
「「え?」」
思わず振り向くと、緋音さんは自信なさげな雰囲気だった。
「悪魔社会は、よく分からない……けどね? 二人がかりで頼んでも、相手が断ることって……あるでしょ? だから断れないようにってことじゃ……ない?」
ふむ、なるほど。
「えっと、つまり? 世界に混乱は生まないけど、普通に頼んでも二人の頼みでも断りそうな人にお願いごとを飲ませる為ってこと?」
鶴羽はかみ砕いて理解して、尚更首を傾げた。
「どこの誰にどんな願い事するのよ? もしかして、隔離結界領域からサーゼクス様を引っ張り出す研究とか?」
また突拍子もないこと思いついたな、鶴羽の奴。
「あ~、そんなこと願うかはともかく、それならアザゼル杯の優勝賞品レベルはいるか?」
「よく分からないけど、旦那さん……だっけ? 一万年も……離れ離れなら、確かに願っちゃうかも?」
俺も緋音さんも、そうだとするならそれぐらいいるとは思う。
ただなぁ~。俺からするとそれはないだろとは思う。
だって、フロンズにしたってグレイフィアさんにしたって、理性でそれはしない方がいいと思うだろう。そしてフロンズは感情でそこまでする理由が無いから、なんか理由をつけて諦めさせるぐらいすると思うし。
世界そのものに混乱は生まないだろうが、リスクがデカいし各勢力から反発も出るだろう。その当たりのことは考え突きそうだしなぁ。
むぅ。さっぱり分からん。
いっそのこと直接聞くべきだろうか。でも、言って素直に教えてくれる願なら俺達に誘いをかけるだろうしなぁ。
そんなことを思っていると、インターホンが鳴った。
「あ、来たかも?」
そう言って鶴羽がインターホンを確認しに行く。
俺も時間を確認すると、ちょうどいい時間帯だな。
と、ドアも空いてちょっとがやがやしてきたら、扉を開けて部屋に入ってくるカズヒが。
「お待たせ。色々買ってきたわよ?」
さて、今日はその……俺のハーレムでちょっとしたパーティだ。
緋音さんの異形慣れも兼ね、本格的に始めることになったわけでな。
さて、みんな仲良くやれるよう、俺もしっかり頑張るか!
カズヒSide
「くっは~! とりあえず全員全チーム、初戦は勝ったからお酒が美味しい~!」
「……はいはい。飲みすぎないでね?」
「ま、もうちょっと飲んでもいいだろ。ほら、リヴァ先生もインガ姉ちゃんもビール注ぐぞー」
一気飲みする前からテンション高めのリヴァにインガがそれとなく抑えをかけ、そんな二人のグラスに和地が流れるようにビールを注ぐ。
とりあえずちょっとしたプチパーティだけど、まぁ今のところはいい感じのようね。
そしてこっちも無事終了。
「はいはい。本命のパエリアもできたわよ。……ま、もうちょっと色々作りたかったけれどね」
「全員分作るにゃ流石にキッチンが足りねえしな。出来合いのもんも美味いしいいバランスだろ」
と、私とベルナで作ったパエリアを持ってきて、ここからが本番。
交流会というか親交を深め、かつ緋音に異形慣れを進める為にこうしてちょっとしたパーティを開くことにしたけど、掴みはいいかしらね。
「でも、レーティングゲームの試合は初めてだけど……凄いね」
「いやいや、アザゼル杯はお祭りだから。流石に普通のゲームはもっと地味よ?」
「そうねぇ。質が凄まじいというか、本来参加しないレベルの強者もどんどん参加しているものぉ」
緋音にそう春奈やリーネスが語るけど、実際凄まじい戦いが始まっているわね。
……既に途中退場を表明したチームもいるみたいだし、それほどまでに壮絶な戦いが始まっているわね。
既に映像は色々と変わっているけど、やばいチームは初手から目立ってきているようだわ。
「例の真魔王計画とサウス計画といい、この調子だと更なる強者が姿を現しそうね」
「冥革連合としては、純血悪魔で強いのが増えるのはいい事なんだけどね。師匠としては頭痛い?」
春奈にそんな返しを受けるけど、まぁそうね。
「グレイフィアさんが首根っこを掴んでくれるだろう魔王血族はともかく、サウスの連中は困った奴ら多そうだもの。元々タカ派の連中でしょう?」
その辺りがとても危険ね。
元々和平の必要性をあまり持っていない連中を押させる為の策だったもの。それが寄りにもよって成功してしまっている連中である以上、和平に対していい印象を持っている気がしないわ。
変に勝ち続けられると増長しそうだもの。暴走でもされたらいい迷惑だわ。
「ま、こんな催しにわざわざ参戦するなら余程の阿呆はしないだろ。神クラスを負かしたらボロッカスに言いそうだがな」
「ま、その時は私達の誰かが負かしてボロッカスに言い返してあげましょう! 身内の暴走を止めるのも、D×Dの仕事のうちってね?」
和地が同意するように苦笑するけど、そこにリヴァが割って入って明るく言う。
……ま、それもそうね。
それに緋音を不安にさせるのも問題でしょう。明るい話題にするべきだったわね。
失態を内心で恥じ、私は話を切り替える。
「さて、リアス達も大体のメンバーは初戦を勝ちで飾っているわね。……誰かどこかと当たるチームってないの?」
そういうのも含めてがこのお祭りだしね。ちょっとその方向でずらし見るべきだわ。
実際、鶴羽もすぐに乗っかって首を傾げてるし。
「ん~。確かそろそろ発表になるんじゃなかったっけ? どうなの、その辺?」
「そうねぇ。……あ、ちょうど発表みたいよぉ?」
と、リーネスが番組表を確認し、そしてチャンネルを変える。
と、そこではスロットのような形で新しい試合の発表が進んでいた。
一応私達は全員登録しており、そしてメンバーが切り替わっていくけれ……ど……。
「「「「「「「「「あ」」」」」」」」」
思わず、そのマッチメイクに声を上げてしまった。
試合が確定したチーム名は。「涙換の
涙換の救済者チームは当然、和地が率いているチーム。
そして王道の再興者チームとは、王の駒を正式採用することを要望している、悪魔が率いているチームだ。
つまるところ―
「……いいじゃない。ちょっと楽しみになってきた」
「……そうか? 俺はちょっと戸惑ってるぞ?」
―和地と春奈が激突する。そういう事になったのだ。
そして、春奈は和地とは異なり嬉しそうだ。
ちょっと戸惑っている和地に対し、春奈はだけど笑顔を向ける。
「私の誓いは変わってない。……ううん、思い出したことでもっと強くなった」
それは、戦意。そして好意。
ふふ。和地も大変なことになりそうね。
何故なら―
「……和っちに胸を張れるぐらい強くなりたいもの。だから、思いっきり全力で挑んであげるわ」
―恋する乙女は、ヤバいわよ?
さて、大会開幕編のラストバトルは和地VS春奈となります。
壮絶な戦いにしたいところですが、まぁ待っててね?