混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
熱はないし軽い風邪なんですが、鼻の調子が悪いったらありゃしない。夏に差し掛かると明け方に目が覚めるから眠りも浅いため、地味にイラついています。
ただ食欲不振もあって普段より腹がすかないので、逆手にとって痩せれないか思案中だったり。職場が変わって昼の食生活が変化したので、最近腹がさらに出てきたんだよなぁ……っ
イッセーSide
なんか今日の試合、初っ端から凄いの出たなぁ。
「やっぱり真魔王計画って奴か? それもハーデスが確保ってのはヤバいよなぁ」
正直バカだからよく分からんけど、それでもやばいのは分かる。
だって、堂々とハーデスに仕えているなんて言ってたからなぁ。
レイヴェルも眉間にしわが寄るぐらい警戒しているし、絶対まずいだろう。
「そうですわね。純血の魔王血族であることも判明されたようですし、これは警戒が必須ですわ」
あ、そうなのか。もう判別できたんだ。
見ればレイヴェルはタブレットで素早く情報を確認していた。こういう時できる子だよね。
ただ、ハーデスの配下に純血の魔王血族かぁ。これって絶対やばいよなぁ。
「う~ん。でもさ、今の政権って魔王血族を何度もぶちのめしたり迎えたりしてるんでしょ? 一人嫌ってる奴に仕えてる程度でそんなに問題?」
と、アルティーネはちんぷんかんぷんな様子で首を傾げている。
あ~、確かに。
俺も馬鹿だからだと思うけど、今更魔王血族が一人ハーデスにいるだけならそこまでって思いたくなる。
ただなぁ……。
「魔王血族って、純血の悪魔にとっては凄い有名なブランドみたいなもんなんだよ。ほら、悪魔って寿命が長いから初代魔王に従っていた人がたくさん現役にもいるみたいだし」
俺は馬鹿なりそこは分かってる。だからちょっと心配だ。
実際、性格が糞の権化だったリゼヴィムが動いただけで内通者も出てきてたしな。ディハウザーさんも王の駒の告発をする時、リゼヴィムの野郎を後ろ盾にしたからこそあそこまで効いた感じだったし。
となると、純血の魔王血族がいるかいないかって意外とデカいと思うんだよなぁ。
「確かに。家柄という物はそういうのが尊ばれる文化であればあるほど、それだけで強力なものだ。悪魔は貴族主義の階級社会である以上、その影響力は無視できんだろう」
「そうですな。名門貴族の出ならそれだけで価値を見出すものは数多いものです。初代魔王の子孫、それも純血ならば純血悪魔にとって畏敬の対象となりましょうぞ」
ゼノヴィアとボーヴァも頷くけど、やっぱり油断できないか。
レイヴェルもかなり真剣に唸っているし、相当のヤバいかもな。
「……レイヴェルに具体的に聞くけど、どれぐらいヤバいと思う?」
「そうですわね。ややこしいヤバさとでも言いましょうか」
俺に応えるレイヴェルは、モニターに図を起こしながら説明してくれる。
「まずラツーイカ様が堂々とハーデスに仕える者として名乗りを上げた今の段階ですが、この時点でそれなりの影響力は避けられませんわ」
そう語りながらレイヴェルは。魔王血族と大きく書いて、+の記号を挟んで冥府と書く。
「この時点で冥府は冥界に対して交渉カードを確立しています。もし冥府が悪魔に戦争を仕掛けた場合、ラツーイカ様が堂々と協力を表明し悪魔側の説得や懐柔を試みるだけで従う者は増えるでしょう。場合によっては禍の団残党の旧魔王派を引き込むことも可能ですわ」
なるほどなるほど。
やっぱりそれだけの価値があるってことか。魔王血族は侮れないな。
更にレイヴェルはラツーイカの下に「大義名分」「説得力」とまで書いている。
「王族の血を確かに引く者が柱となって反乱が起きれば、その王国はそれだけで大きな危機を迎えることになる。これは人間界の歴史でもままあることです。国に対する反乱に見合った御旗があるかどうかは大きな差となります」
……あとで歴史を勉強し直そう。たぶんだけど、古い悪魔と関わる時にも役立つだろうし。
ただその上でレイヴェルは、まるの下に-の記号を入れて「悪目立ち」と書いた。
「ですがこのタイミングはデメリットも多いです。事前のコマーシャル活動にはなっておりますが、それはすなわち対応する立場に警戒や対処の余裕を与えることにもなりますもの」
「それもそうね。和平前に堕天使や悪魔に大司教がこっそり内通していたなんて知られたら、それだけで教会は大規模作戦を起こしたでしょうし」
イリナが即座に納得すると、レイヴェルはしっかりと頷いた。
「ただでさえ冥府は反和平姿勢で禍の団にも協力しています。ことポセイドン派と内乱まで起きていたことを踏まえれば、ここで敵対方向に懸念されれば相応の準備期間をこちらに与えてしまう悪手となるでしょう」
そういえばそうだ。
ポセイドン様が酷い目に遭ったっていうのに、ハーデスはその元凶の禍の団を利用して暗躍していた。むしろ清々したなんて言う言質まで取られたもんで、ポセイドン派が冥府に乗り込んで内乱になったぐらいだ。
そういえば、その内乱が収まった……というより、冥府側が事実上勝ちを拾ったって形で収まってたな。
ハーデス直下の星辰奏者部隊が大暴れしてポセイドン派が壊滅的打撃を受けた上、回復したポセイドン様がとりなして収まったとか。ポセイドン派も戦う力が残ってなかったらしい。
……そもそもそれだけのことが起こった時点で、既にハーデスは警戒されてるわけだ。
そんな状態で余計な警戒心を招けば、内乱というか軍事的侵略が勃発しかねない。
「ここまで考えれば、ヤバイようでいてヤバくない。……ハーデス側にその意志があるならこんな手は打たないと熟慮できる者は考えられます」
なるほど。でもレイヴェルは危険視している。
「つまり、どういう事なんだ?」
「私が警戒しているのは、ラツーイカ様はブラフ。既に確立された本命がある可能性ですわ」
本命。つまり魔王血族以上に価値のある切り札を持っているってことか。
「……本命って、いったい何なのでしょうか?」
アーシアがそう尋ねるけど、レイヴェルは静かに首を振る。
「分かりませんわ、アーシア様。忌々しい事ですが、ハーデス達冥府は老獪ですもの。……ですがことを起こす前提なら、相応の切り札が別に無ければこんな目立つマネは致さないでしょう」
なるほどな。
つまり、もっとやばい切り札をハーデスは持っている可能性がある。だからこそあえて囮として、ラツーイカを見せたってことか。
……上等だ。
「そん時はそん時だ。むしろ分かり易くなってスッキリするさ」
俺はそう言って、拳を握る。
「ハーデス達が俺の大事なものに危害を加えようっていうなら、その時は誰が出てこようと叩き潰す。その為に今からしっかり鍛えておけばいいって、ただそれだけだ」
今更だ。
ハーデス達とはいつか決着をつけるだろうし、相手だって勝つ為の備えは当然する。当たり前のことだ。
なら、俺達だって当たり前のことをする。
何時仕掛けられてもいい様に、備える。そして仕掛けてきたのなら、返り討ちにしてぶちのめす。
ただ、その前に―
「―とりあえず、まずはバラキエルさん達との試合だよな」
そっちも大事だしな。
相手も本気で来るだろう試合だ。俺達も本気で挑まなきゃ失礼ってもんだ。
俺達はいつもそうだしな。まずは目の前の問題にぶつかっていくのが先ってもんだ。
「それもそうだね。いくらハーデスでもいきなり仕掛けはしないだろう。まずは目の前の問題に対応しようか」
「そうですわね。これまでの行動から見て、ハーデスは動きが遅くなるでしょうからすぐ何かとはいかないでしょう」
ゼノヴィアとレイヴェルも納得してくれたし、ならこっからは試合だな。
「俺達は後回しだけど、必ず勝つぜ……皆!」
和地Side
なんかハーデスが面倒な一手を打ってくれた。
純粋な魔王血統を確保するとかやってくれる。それも、優勝賞品で「九大罪王就任」を求めるような奴だ。
アレは色々と騒がしくなるだろう。リアス先輩とかフロンズとか、考える立場は胃が痛くなってもおかしくない。
……ただ同時に、俺は試合に見入っていた。
今見ている試合は、カズヒが挑む新たなゲーム。
日本の土地神が王として参加しているチームとの戦いだが、中々な妙手を打ってくれた。
その土地神は風水師などを参加させることで、レーティングゲームのフィールドを自分に有利な土地に変えるという芸当をかましている。前回のゲームで固有結界使いと戦ったが、土地そのものに加護を与えることで結界の発動を阻害して勝っていた。
そういう意味でかカズヒにとっては相性が悪い。土地の支配で勝負されると固有聖域が使えないし、固有結界封じはできるからな。実際、実際の体験で更に煮詰めて強化している。
『ふふふ。如何に神仏すら打倒する悪祓銀弾であろうと、その本領を抑えれば勝機はある。神を打倒することが本当に困難だということを、改めて知るといい!』
そう吠える土地神の猛攻を、カズヒはしのいでいる。
対神特化のアヴェンジングシェパードを使ったうえでの戦い。しかししのいでいる止まりだ。
それほどまでに、土地の支配権を奪われたのは痛い。
地の利を完封する聖墓だが、それに対してメタを張られている。更にカズヒは植え付けられているうえに、適合値は気合と根性で補っているだけで実はそこまで高くない。習熟期間が短いこともあり、実は苦戦中だ。
至るほどに習得すれば話は別だろうが、今の段階ではきついという事か。
他のメンバーも土地神の加護を与えられた者達が相手なので、手古摺っている。というより相手のチーム、土地神が
正直ちょっとハラハラしているし、下馬評で不利と言われていたので一人でこっそり見ている。変な声が出そうだからな。
くっ! カズヒが、カズヒがこんな序盤で敗北を経験するのか……っ。
そんな不安に駆られた、その時だった。
『なるほど、確かにこれは相性が最悪ね』
そう、カズヒが呟いた。
一見すると負けを認めたかのような発言。
だが、付き合いが深い俺は気づいた。
彼女の表情は、負けを認めたものでは断じてない。
むしろその逆。あれは―
『……ついてないわね。最初の試合で仕掛けていれば、私を倒せたでしょうに』
―勝機を見出している表情だ。
『ほぅ? 確かに固有結界だけが貴殿の本質ではないがね』
そう語りながら、土地神は絶大な力を放つ。
覚醒により急成長を遂げられるカズヒに対して、長期戦は実は微妙な策だ。
覚醒の連発にだって限界はある。覚醒による急成長は急成長ゆえに、必然として肉体が先に音を上げる可能性があるからだ。意志の力が肉体を凌駕する故の欠点ともいえる。
だが、カズヒは微笑みすら浮かべている。
あれは違う。覚醒じゃない。
『ここで潰せばそれで終わりだ!!』
その瞬間、嵐のような土地神の猛攻がカズヒに迫り―
『いいえ、一手遅いわ』
―その瞬間、猛攻をカズヒが突き破って一撃を叩き込んだ。
驚愕を覚えるのは、一撃そのものではなくカズヒの姿。
仮面ライダーシルバードーマなのは変わらない。
だが同時に、その全身に外套を纏っている。
毒々しい色の禍々しさを基調としながら、真逆の印象を与える銀の細工が浮かぶ外套。
どこかあやふやなそれを纏ったカズヒは、間違いなく動きが変わっていた。
体勢を立て直して迎撃する土地神だが、しかしカズヒはその上を行く。圧倒的な猛攻が、土地神の猛威を弾き飛ばしていく。
え、ちょ、あれ何ぃいいいいいいいっ!?
策士レイヴェルはラツーイカがブラフだと当然推測していたり。もっとも、リリスなどという反則級の爆弾なんて想定するのがまず困難ですが。
それはそれとしてカズヒの試合が開始。
何年も前から思いついていた、新技を此処でついに出せるぜええええ! 待て、次回!!