混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
覇界王と俺ツイを電子書籍で購入し始めております。この調子でクロスできそうな作品を増やしていくぜぇ!
イッセーSide
フィールドに転移する両チーム。そして大歓声を上げるスタジアム。
俺も結構ドキドキしているぜ。こうなるんじゃないかって気持ちもあったけど、そうなったか。
「……面白い展開になったものだね。あの二人が一騎打ちか!」
「愛する者同士の競い合い。これも一つのロマンかしら!」
テンションが上がり気味のゼノヴィアとイリナだけど、俺もちょっと興奮してる。
流石はヴィールの配下や感銘を受けた連中だ。心配りまでしっかりしてやがる。
このルールなら、成田さんが九成と一騎打ちをすることで勝利を争うこともできる。そしてそれはそれとして、真っ向から残りを潰しに行く算段か。
俺が感心していると、成田さんはデカい火柱を上げながら一人離れていく。
そして別の映像では、九成がそれを悟って
そりゃそうだ。この流れで一騎打ちそのものを投げるようなら、俺だって文句をつけるだろうしな。
『黒狼さん、そっちは任せる!!』
『かしこまりました。ご武運を』
なるほど。最初のゲームもそうだけど、あの黒狼って人が参謀役でブレーンか。
となると、俺達が戦う時は黒狼さんを真っ先に潰すべきだな。
と言っても他にも三人ぐらいゲームを何度も経験している人がいる。残りの三人がどこまで指揮が取れるかは不明だけど、九成も馬鹿じゃない。ある程度の参考意見があれば色々できそうだな。
「皆はどう思う? いや、九成と成田さんの一騎打ちじゃなくて、残りの対決」
「単刀直入に言えば、王道の再興者チームの方が有利になりますわね」
レイヴェルが即答で俺に応える。
やはり俺達のブレーンなだけあって、作戦指揮には適任だな。
もうレイヴェルには先の流れも見えているようだ。
「……そもそも平均的な質では王道の再興者チームが上ですわ。戦術的に対応できない差ではありませんが、涙換の救済者チームの戦術プランはキャスリングを念頭に置いているので、九成さんが動かせない状況では戦術面で不安が残ります」
「なるほど。つまりそれ以外の戦術プランを練ってない限りは不利のまま……か」
ゼノヴィアがレイヴェルの意見に納得しているけど、となるとやっぱり九成と成田さんの決着が早く付くのが条件か。
ただ、成田さんが九成に勝つ可能性だって十分にある。そういう意味だと、総合的に見て九成達が不利ってことになるな。
「……失礼ながら、王道の再興者チームの発言がブラフという可能性はありませぬか?」
「あ、確かに! 素直に鵜呑みにするって大丈夫なの?」
ボーヴァとアルティーネはそう言うけど、それはたぶんないだろう。
俺達全員が首を横に振る中、レイヴェルも頷いている。
「あのヴィール・アガレスの薫陶を受けた者達が多い中でそれはありませんわ。そんなことを決定すればチームが空中分裂するでしょう。ヴィール・アガレスは必要な腹芸はしても、競技試合でそんなやり方は好まない御仁でしょうし」
「そういうこった。あのヴィールの眷属や配下が何人もいるなら、こんな状況でそんな騙しはしないだろうさ」
腹芸はするし策略もある。実際、王の駒を自分達が開発したように見せかけていたしな。
でも、競技試合で真っ向勝負を挑んでおいて、その大前提が全部嘘……なんてマネはしないだろう。
誇り高く苛烈な男。そんなヴィールの配下や眷属が、そんな真似まで肯定しない。そして無理にしたところで、本領なんて発揮できない。
そういう心をないがしろにする奴が王なら、むしろ九成達が圧倒的に有利。だけどそうでないから厄介なんだ。
「頑張れよ。九成、成田さん」
俺も、どっちも健闘することを願ってるぜ!
カズヒSide
ここまでは想定通り。
ヴィール・アガレス・サタンは真っ直ぐな気性の男だった。腹芸も政治の世界で学んでいるけれど、粋な計らいもできる男。そんな男の薫陶を受けた者達こそが、王道の再興者チーム。
だから、どんなルールであっても春奈を和地と一騎打ちさせる方向に持って行くでしょう。その可能性は十分すぎるほどあった。
それに序盤なら、一敗ぐらいしてもリカバリーの余地はある。下馬評で有利であることも踏まえれば、それぐらいの真似はするでしょうし。
とはいえ、ここからが本番ね。
『前に出るぞ、文香、文雄!』
『『了解!』』
『三人をタンクにして対応してください。多少の流れ弾は自力で対応できる人達ですので、遠慮なく』
なるほど、あの4人は付き合いがあったわね。その辺りの連携は出来ていると。
……どうやら和地を生かせない状態でのある程度の戦術プランは練っていたようね。対応速度も比較的早い。
ただ問題は、あのヴィールの薫陶を相手が受けているという点ね。
『突っ込む、援護を!』
『『『『承知!』』』』
上級悪魔四人の魔力砲撃を援護に、その射線ギリギリを縫うように冥革連合の男が突貫する。
ちょっとずれれば上級悪魔の本気の砲撃が当たる、そんな弾幕をガードレールじみた形にすることで、冥革連合は一人切り込んだ。
名前はケンゴ・ベルフェゴール。京都ではホテルの方に仕掛けてアザゼル先生達とやり会った奴。更にアグレアスではヴィールに率いられ、アーサー・ペンドラゴンと切り結んだ経験もある。
間違いなく冥革連合のエースね。王の駒は封印されたとはいえ、その実力は最上級悪魔クラスが確実にある。
真っ向から切り結ぶ場合、相手も相応の力量が必要になるけれど―
『……させない!』
―迎撃できるだけの戦力はいるようね。
突貫したのは、涙換の救済者チームで戦車を務める行舩三美。
確か最上級悪魔すら狙えるとされる、準神滅具保有者だったわね。
そしてその手に具現化された大剣が、ケンゴ・ベルフェゴールと切り結ぶ。
……なるほど。反応も動作もかなり上質。当然として、優秀故に迎撃を成立させている。
私が感心していると、隣のリーネスも興味深そうな表情になっている。
「そういえば、あれはどういう神器なのかしら?」
「準神滅具、
そうリーネスが応えた瞬間、行舩三美は弾き飛ばされる。
だがその瞬間、ケンゴ・ベルフェゴールに二本の大剣が叩き込まれた。
防御こそギリギリ間に合っているけれど、かろうじてのレベル。その為勢いを殺しきれず、盛大に吹っ飛ばされていく。
更に大剣は、そのまま飛翔すると戻ってきた三美が持つ一本と共に、王道の再興者チームを引っ搔き回していく。
「あれが大剣乱舞の本領。大剣そのものが飛翔能力を持っていてぇ、それを複数本具現化できるのよぉ」
「あ~なるほど。オールレンジ攻撃したり、手に持っての動作を補助したりとかできるわけね」
感心している鶴羽の横では、オトメねぇが少し分かってない風だった。
「えっと、それって持っている意味あるの?」
まぁ確かに、それなら持たずに全部オールレンジに使えばいいとも思うでしょうね。
ただ、あの戦い方は上手いというほかないわ。
「準神滅具じゃ限度があるってことよ。……おそらくだけど、小技の類は手持ちで出来る技ね」
そう答える私の視線の先、三美はコンパクトな連撃を叩き込みつつ、オールレンジ攻撃で生まれた隙に大振りを叩き込んでいる。
大剣とは文字通り、大きな剣だ。必然的に質量も重心も、小技を入れるのには向いていない。
それが片手持ちで出来ているのは、ひとえに大剣乱舞の性能あってのもの。その飛翔特性の応用だ。
飛翔特性と手による動作を組み合わせることで、本来軽量な片手剣でないとできないような動きすら可能としている。大剣でそれを振るわれるというのは、理解できる奴なら震えるレベルだろう。
ただ、オールレンジ攻撃でそれはできていない。そこが準神滅具としての限界。そういう事だ。
「大剣乱舞の飛翔能力は、飛ばして使う場合慣性の影響を殺しきれないわぁ。でも、身体能力の動作でも大降りになるのが大剣だからぁ、合わせた場合はああなるのよぉ」
「流石は準神滅具。そしてそれを十全に使える才覚と技量ですね」
リーネスの解説にディックも感心している。
そう、若干大振りだが多角的に対応できるオールレンジ攻撃。そして本来大剣ではありえない動作で戦える手持ち攻撃。その二種類こそがあの準神滅具の本領。
純粋に剣としての性能も、聖魔剣に切り結べるぐらいはあるようだしね。あの多角的対応力は十分な脅威だわ。
……そして、他のメンバーも上手くしのいでいる。
インガとベルナも頑張って迎撃しているわね、やるじゃない。
「お? 日美っち、旦那がそろそろ戦うみたいだぜ?」
と、勇ちんが指摘して私は別の映像を確認する。
そこでは和地が春奈と合流している。
なるほど、どうやら二人の戦いはあそこからが本番のようね。
……さて、見せてもらうわよ?
二人の戦い、高みの見物とさせてもらうわね。
和地Side
とりあえず、みんなは今のところしのいでいるようだな。
となれば、俺は俺のやることをしっかりこなすか。
「待たせたな、春っち」
「問題ないわ、和っち」
そして着地する春っちも、炎を刃として構えている。
思えば、俺も惚れこまれたものだ。
何年間も、その本来の意味を忘れても、心の底から消えることがなかった願い。
俺と胸を張りたい。その一念を持って、彼女はここまで強くなった。
その果てに辿り着いた境地。後天的に神滅具化した、焔の具現。
俺もまた、それに応えたい。向き合いたい。
その想いを朽ち果てさせること無く進んできた先にある彼女に、俺も胸を張りたいと思うから。
だからこそ、俺は遠慮なく刃を構える。
「行くぜ、春っち。……互いに遠慮は一切無しでだな」
「行くわ、和っち。……今の互いを包み隠すことなく」
そして、俺達は互いに微笑み合い―
「「……はああああああっ!!」」
―真っ向から、互いと競い合う。
振われる炎の群れに、俺は魔剣を持って対応する。
切り裂き、いなし、受け流す。
その炎は龍王の一撃に匹敵するが、俺はそれを全力で迎撃して潜り抜ける。
そして、一太刀を俺は叩き込んだ。
「まだよ!」
「まだだ!」
そして反撃を搔い潜りながら、俺も反撃を開始する。
急激に覚醒を遂げたりはしない。俺達はそんな柄じゃない。というより、カズヒの専売特許だからな。
ただし、春っちには神聖血脈による不死性がある。限度はあるが、それはフェニックスを打倒するレベルの難易度。俺の手札で一撃必殺など、させてくれるわけがない。
そして俺もまた、ゾーンに入る。
微弱ではあるが常に行われる最適化。それにより攻撃を更に掻い潜り、そして攻撃を入れ続ける。
神聖血脈による不死性で押し切るか、ゾーンによる最大効率で追い抜くか。この戦いは現状、その形だ。
だが甘い。そんなことは分かっている。
「……やるわね和っち。なら、ギアを上げるわ!」
その瞬間、春っちの周囲に大量の火炎弾が生成。一斉に俺に向かって投射される。
だが甘い。俺とてその程度は想定している。
「撃ち落とせ!」
既に疾走車輪は禁手に到達。更に当然だが
その援護射撃で弾幕を多分に相殺。更に星辰光の障壁でいなし、安全地帯を作り上げる。
ここまでは互いに予定調和。それぐらいは分かっている。
だから、こそ!
「「ここから先が……」」
本番だ!
一つの試合を複数の視点で見据える作戦、これ行けそう。
これなら原作通りの試合も、独自色を見せれるからな。ありがとう、お気に入りに入れた作品の作者さん……っ!