混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
タブレットPCの新調は金が入ってからにする予定でしたが、とりあえず格安のを一時しのぎ用に購入することも考えるか……。童貞卒業も踏まえると、果たしていつになることやら。貯金は大事だからなぁ……。
祐斗Side
中間考査のテストが返却される日になった。
こういう時、学生はドキドキしたりするものだね。僕も自己採点は終わっているけど、ちょっと気になる時もある。
だから、もの凄く平然と受け取って平然と戻ってくる九成君達には感心するよ。
九成君、ヒマリさん、南空さん。この三人は本当に平然として受け取って、そのままあっさり戻っていく。
ザイアの英才教育のたまものだろうか。比較的テスト勉強をしない側で、その上で点を取ってくる。こういうところは優秀なんだなぁ、彼ら。
とはいえテストもほぼ返却され、その流れでクラスメイトはそこかしこで雑談を始めている。
「……ふふっ。ふふふ……補習は回避……平均点もいくつかは取れたぁっ!!」
そしてバグッているカズヒは、多くの者が暖かい笑みを浮かべて流している。
学習法面においては劣悪な環境にいるだけあって、彼女は赤点回避で苦労している側だ。テンションがおかしなことになるので有名で、いい加減学友は慣れている。いちいち驚くこともないというわけだね。
ただまぁ、慣れてない人からすると違和感も大きい光景なわけで―
「……その、大丈夫?」
―ヴィーナさんは素直に心配して駆け寄っていた。
「……大丈夫、大丈夫よ」
「その間は!? 本当に大丈夫か違和感しかないよ!?」
気恥ずかしくなった所為でカズヒの反応が遅れ、ヴィーナさんは更に心配になったようだ。
うん。普段とは全く違う雰囲気というか、妙な悲壮感が漂っているからね。
見ていて凄く、引くよね。僕も最初は戦慄すら覚えたよ。
ただまぁ、「勉強関連で弱いから、こういう時おかしくなる」とは言いづらい。なので回りも指摘する雰囲気が出せないでいる。
ただ、誰かは指摘しないといけないだろう。そろそろ九成君辺りが動くと思うけど、場合によっては僕も動かないといけないかもしれない。
「……落ち着いて、お姉ちゃん」
と、その時シルファさんがヴィーナさんの肩に手を置いた。
思わぬ展開になってきたと、思わず僕達は息を呑んで―
「たぶん勉強ができない人なのよ。だからこぅ、負担からの解放でハイになってるの。察してあげて」
『『『『『『『『『『『お前がカズヒの気持ちを察しろよ!?』』』』』』』』』』』
凄い人数が凄くツッコミを入れたね。
うん、察して止めてくれるのはいいけれど、それを言ったら台無しだと察してほしいかな?
ただ、シルファさんは肩をすくめて気にしてない。
「見る限り、大体知っているメンツのようだから大丈夫と踏んだわ」
その通りだけど、はっきり言うんだ。
「そうね。言い難いところを言ってくれる人はありがたいわ。私は勉強が苦手なのよ、ストリートチルドレン上がりで、優れた教育環境の時期が短いから」
「そうね。私も割と貧しい時期があったから、その辺りは少しは分かるわ。勉強がいっぱいできるって、本来いい事よね」
そしてカズヒとシルファさんは何か分かり合っている。
それでいいのか、カズヒ。いや、カズヒはむしろそこはいいと思うタイプか。
うん。ちょっとシルファさんは引かれているけど、悪い人じゃないよね。ある意味カズヒに似ているっていうか。
ただ、ね?
「………………っ」
タイミングを逸して、妙なポーズになっている九成君には触れないであげてくれることを願うよ。
和地Side
昼休み、俺は今回学食の方でお昼をとっていた。
毎回毎回お弁当を用意してもらうこともできるけど、学食にも美味しそうなものがあるからな。たまに食べるのはいいものだ。
そう思っていると、珍しくヴィーナが一人でお昼をとっている。
ヴィーナは人当たりが良い事もあって、学園内でも急激に人気を伸ばしている。その為、割といろんなクラスメイトとお昼を共にすることが多い。
それが一人とは、珍しいな。
「近く、いいか?」
「あ、九成君」
ヴィーナはすぐに気づくと、微笑んで頷いてくれている。
……ただ、俺の感覚が少しかぎ取ったものがある。
「何か悩みがあるのなら、少しぐらい愚痴も聞くぞ?」
俺は、それに対して素直にそう答える。
俺個人の主義信条として、嘆きに対して無頓着でいる気はない。またチームメンバーである以上、コンディションに影響するだろうことはなるべく解決したい。
と、いうわけでその辺りを軽く聞いてみる。
断られる可能性はあるだろう。俺とヴィーナはそこまで親しいわけでもないし、プライベートなことは深入りできない関係だろうしな。
とはいえ、ちょっとぐらいの愚痴でスッキリする程度の貢献はしたいんだが。
「……そうだね。ちょっと、相談してもいいかな?」
と、ヴィーナの方から踏み込んでくれた。
それとなく、俺は魔術で意識誘導などを行い、踏み込んだ相談も聞けるようにする。
そして、ヴィーナは思いっきり俯いた。
「その、ね? 私、いっつもシルファちゃんに引っ張ってもらってるの」
……ふむ。
俺は短いながらも見てきた、ザンブレイブ姉妹の関係性を考えてる。
ある意味で対照的な姉妹であり、一見するとヴィーナがシルファをとりなしている風にも見える。というより、大半はそう思っているだろう。
ただ、あえて俯瞰的に見ると少し違う可能性にも思い当れる。
「つまり、シルファはわざとあんな対応をとっているってことか?」
「……半分ぐらいかな? シルファちゃんって、素がああいう感じだから。ザンブレイブチルドレンでも、友達は少ないし」
なるほど。
雰囲気と言い外見と言い、カズヒに近いところがあるからな。孤高の雰囲気を思わせるところはある。
当人も陽キャのノリはあまり好んでないだろう。頭を空っぽにして多人数で騒ぐよりは、実のある内容を少人数でもできる方が好んでそうだ。
ただし、意図的に自制をしてないのなら話は少し変わってくる。
「……私はさ、周りが思うより固いんだ。周りの人達と仲良くしたいのは本当だし、歩み寄ろうとも思っているけど。ただ、想像のできないことを見たりすると、二の足を踏んじゃうの」
言われてみると、確かにそういう事もあったな。
なるほど、柔らかいようで固いのか。そういう人は確かにいるな。第一印象や外見からの雰囲気と、異なる本質があるっていうのはよく聞く話だ。
それがチャームポイントになる場合もあれば、逆に引かれる理由になることはある。そういう意味では、ヴィーナがここまで人気があるのはもしかするとおかしいかもしれない。
なまじ最初に好感度が高まっていると、そこから反転したことになる場合がある。それなりに付き合いが長くなっても無理なこともあるし、時期的にそこのカバーが難しいところもあるだろう。
こういっては何だが、日本は文化的に中々特殊なものも数多い。まぁ世界全土を見ればどこも似たようなところはあるかもしれないが、ただでさえ島国なんだ。八百万の神々信仰や鎖国の影響もあり、ネットでは日本面{日本独自の技術的魔改造による、迷走もしくは革新的影響のことを指す}なんて言うスラングまである。卵かけご飯とか、間違いなく独特だしな。
だが、それは―
「……そっか。つまり、シルファはそれぐらいヴィーナのことが好きなんだってことか」
―それぐらい、シスコンな妹がいるってことなんだろう。
「え、そういう方向なのかな!?」
「そういう方向だろ。つまるところ、シルファはヴィーナが引かれないよう、わざと機先を制して注目を集めてるわけだしな」
なるほど納得。そういう意味では、いい妹を持っているものだ。
ま、そういう事ならやることは一つだろう。
「他人事の無責任な言い方かもしれないが、ならヴィーナもシルファをフォローしてやればいいさ。お互いがお互いをフォローすれば、そういう隙間もなくなるんじゃないか?」
「だ、大丈夫かな? シルファちゃん、とっつきにくいというか、割とずけずけ踏み込んじゃうのは素だし、治す気なさそうだし」
ヴィーナはちょっと不安そうだけど、まぁそこは大丈夫だろう。
「大丈夫大丈夫、カズヒで慣れてる人も多いし」
カズヒに比べればまだ緩い緩い。
あの女傑はそういうところがすさまじいからな。あれで慣らされている分、俺たちはまだ比較的慣れている。
というわけで、俺は安心させるように微笑んだ。
「その辺り、
駒王学園はその辺りが妙に緩い。……覗きの報復で集団リンチ(凶器有)で解決させるのは緩いというより問題な気もするが。さっさと裁判を起こせよ、集団私刑にしろ過剰防衛にしろ、やればそっちも捕まりかねんぞ。
まぁ、そんな奴らが多いからか、割と緩いところは徹底的に緩いからな。まず間違いなく普通の一般人間社会よりは異形に近い。癖の強い連中にもある程度の融和性はあるはずだ。
そして、それとは別の意味で言い切れることもある。
「……それに、ヴィーナが良い奴であることも変わらないしな。だったらどっちかが泥を被るより、一緒にフォローしあう方が、気分的にもいいんじゃないか?」
ああ、短い付き合いだが彼女が良い奴なのは分かっている。
よほど悪意を持って隠しているのならまた別だが、さっきの言いぐさや普段から考えると、そんなこともないだろう。
だからまぁ、そういう方向性がお互いにためになると思うけどな。
そう思ったんだが、なんか急に顔が赤くなってる。
……よし、予防線を張っておこう。後ろから誰かに刺されるような真似は避けたいしな。
「言っておくが口説いてないからな? 素直な感想だからな?」
「も、もっと酷いよ!?」
そんな!?
イッセーSide
俺は何となく一人の時間を満喫していると、シルファと出くわした。
「あら、あの子達と一緒じゃないのかしら?」
「ん? ま、俺以外にも付き合いがあるからな」
俺達にだってそれぞれの人間関係とか、あるからな?
ま、それはともかく……どうしたもんか。
あんまり話す関係でもないからなぁ。ちょっとこぅ、なんていうか……?
そう思っていると、シルファは俺の方をちらりと見る。
「そういえば、ヴィーナお姉ちゃんは大丈夫かしら?」
「ん? どういう意味だ?」
俺がそう問い返すと、シルファはちょっと言いづらそうにしていた。
「お姉ちゃんは、優しいし一歩前に踏み出そうと思える。でもその……見ていて危なっかしいところとかがあるの」
もの凄く言いづらそうだけど、そういう物なんだろうか。
う~ん。俺はこういう時、馬鹿だからさっぱり分からん。
ただまぁ、これは言っていいだろ。
「つまり、シルファは本当にヴィーナのことが大好きなんだな?」
「……そうだけど、はっきり言うのね」
なんか真顔で言われたけど、変なこと言ったか?
なんていうか、普段の態度にしても今の言いぐさにしても、シルファはヴィーナのことが本当に大好きだって思えるしな。
だからおかしなことは言ってないと思うけど、まぁいいか。
「いや、だってお前ヴィーナ大好きじゃんか。俺も大好きな人の為ならいくらでも頑張れるしさ、親近感が湧くけどさ」
うんうん。俺も愛するリアス達や信頼する仲間達の為にも、一生懸命頑張ってます。
もちろんハーレム王になることも目指しているし、だいぶいいところまで来ているとは思ってる。ただそれはそれとして、仲間の為なら命賭けられるからな。
あ、でも一つ言った方がいいことがあったな
「ただ経験論だけど、あんまり自分を誰かの為に犠牲にすると怒られるぜ? 俺も何度もやって、説教されたり泣かれたりしてるからなぁ」
「……常習犯が言っても、説得力に欠けてないかしら?」
ぐ、痛いところを突かれた。
ただ、説得力に欠けるのは違うと思うぜ?
「自分にできないことも、誰かならできることってあるだろ? カズヒもそういうところはしっかりしてるから説得力があるしな」
カズヒは本当にそうだからな。
気合と根性で限界を超越するし、隙を見せれば毎度毎度やらかすし。
うん、その上で説教されてなお説得力があるしな。
ま、これは経験しているかどうかもあるだろうし、いいか。
今言うべきは―
「俺はしないで済むように頑張ってるけどする羽目になってることが多いしな。お前もヴィーナのことが好きなら、ヴィーナが大好きな自分のこともちょっとは気にしてやろうぜ?」
―うん、これだ。
これからも俺は、自分が腕一本捨てるとか代償を払うことでみんなが助かるのなら、やっちまうだろう。
ただ、好き好んで命を捨てる気はない。生き残る目がほかにないこともあるし、一度盛大に皆を泣かせてるからな。そこは気合入れて何とかしてきたいです!
だから、その為に大事なことをしないとな。
「……皆で頑張りゃ、一人だけじゃできないこともできるってもんだ。まずはヴィーナ
実際、そこは大事だよな。
やっちまうにしても、そこまでの心構えはしっかりしないと。カズヒもよくやるけど、あれでしないように気を使ってるところはあるし。……しててあれだけど。
「ま、それでもまずいんなら俺や九成に相談してくれ。九成は色々できるし伝手もあるし、俺も腕っぷしと伝手には自信があるからさ?」
なにせ神様からスカウトされたり、いろんなところのお偉いさんに気に入られているからな。
この調子なら
そして、シルファもなんか小さく噴き出すと、小さく苦笑してきた。
「そうね。ま、その方がヴィーナお姉ちゃんの為になるなら……そうするわ」
その笑顔はなんていうか、晴れやかだな。
「お、普段からそんな風に笑ってる方が、絶対可愛いぜ?」
うん、こういう笑顔はいいことだよな。
可愛い女の子の可愛い笑顔。もはや栄養素だぜ!
と思ったら、なんか急にすまし顔になった。
ただ顔を赤くしているけど、風邪か?
「……そういう事ばかり言ってるから、そういう事なのね」
「どういうことっ!?」
言ってることがさっぱり分からん!?
こんな感じでザンブレイブ姉妹のついての紹介回となりました。
シルファは「固いようで意外と柔らかい」、ヴィーナは「柔らかいようで意外と固い」といったタイプ。お互いがうまくかみあえる余地がありますが、姉妹だけだとうまくいかないところもある。
まぁここまで見ればわかると思いますが、ザンブレイブ姉妹は和地とイッセーのヒロインとして設計したキャラクターです。どっちにするかはいろいろと考えましたが、現状は和地はヴィーナの方にする予定です!
そして日常回はまだ続くのじゃよ