混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
どうしても炭水化物が欲しいし量も欲しいがドカ食いはまずい。そこでメインをこんにゃく面にしたラーメンライスという手段を考えました。
祐斗Side
僕は観光ではなく、リアス姉さんの護衛として立ち回ることにした。
一応、リアス姉さんに護衛はいるだろうからね。流石にすぐに禍の団が動くことはないだろうけど、警戒はしておくに越したことはないだろうし。
それに、だ。
今回、詰問の為にリアス姉さんは動いている。荒事にならないとは思うけれど、眷属としては護衛の一人は欲しいところだ。
だからこそ、こうして顔を合わせている義姉妹の気配に、僕は戦慄を少し覚えている。
「……お義姉様」
「リアス……」
静かに互いを見据えるのは、リアス姉さんとグレイフィアさん。
既に仲間達との連携で圧倒的な力を振るえるリアス姉さんは、実力的には魔王クラスに近い。
対し、グレイフィアさんは正真正銘魔王クラス。セラフォルー様が襲名していた魔王レヴィアタン。その襲名も可能だと言われている人物だ。
その二人が、義理の姉妹でもあるのに睨み合いに近い状態になっている。まるで一触即発といえる雰囲気に、ピリピリしたものを僕は感じている。
「……深くは聞きません。でも、こんなことをする必要があるほどの願いなのですか?」
メイドとお嬢様の関係ではない、姉妹としての関係でリアス姉さんはそう尋ねる。
それに対し、グレイフィアさんは真っ直ぐにリアス姉さんの目を見た。
「ええ。冥界の未来、その為になると信じています」
はっきりと、彼女はそう宣言した。
そこに嘘は何一つない。そして、誰かにそそのかされた者が持たないだろう、強い決意すら感じる。
「フロンズ・フィーニクスの要望、その交換条件を叶える為の策がこれです。それ以上を聞きたいのなら、分かってるわね?」
「ええ。挑むとなれば、その時は遠慮はしないわ」
そう見据え、二人は踵を返す。
僕はそれに続きながらも、これでいいのかと考える。
もう少し聞き出すべきではないだろうか。そして、内容次第では説得するべきかもしれない。
「……よかったんですか?」
だから聞くが、リアス姉さんは首を横に振った。
「頑なになっているもの。問い質すのなら、こちらにもそれなりの覚悟と力がいるわ」
そう返し、リアス姉さんは拳を握り締める。
後ろについている僕には、リアス姉さんの表情は見えない。伺うことも今はしない。
ただ、悔しい想いを感じていることは間違いない。
「お義姉様、貴女がすることは本当にそれなの……っ?」
イッセーSide
何がどうしてこうなった……?
「ほぉ? これは中々素晴らしい感触ですね。眠る為の魔力行使とは、意外性のある発想です」
「え、えへへ……。そうですか?」
亜香里が魔力で作ったよく眠れる繭。それを、グレイフィアさんが率いているベルゼブブの末裔が興味津々で触れている。
べ、ベルゼブブの末裔がベルゼブブの末裔を誉めている。なんだこの状況。
亜香里と有加利さんをヴァーリに会わせていたら、なんかこの大会に参加している魔王血族が軒並み集まってきた。
なんなんだ、この状況。もう俺はどう反応していいかさっぱりだ。
「レイヴェル。場違いなんだけど帰っていいか?」
「待って、ここから離れないで。この空気に耐えられないからいて、お願い」
レイヴェルに聞いてみたけど、それより早く有加利さんが冷や汗をかきながら割って入る。
まぁ確かに。王族だって言われても実感ないだろうし、そこに王族がゴロゴロ集まってきたって、キツい人にはきついだろう。
俺は何というか、もう慣れた気がする。そういうのが分かる前にお偉いさんと縁がありすぎたからなぁ。今じゃ俺も貴族だし。あと魔王血族なんて、殴り倒し慣れてるし。
ま、冗談交じりで言ったからそれは別にいいんだけど―
「温度と感触……つまりは触覚に特化していますね。なら次は別の五感に手を出してみては?」
「え、ど……どうする……んですか?」
「魔王血族同士ですし、堅苦しくなくて結構。あと例えるなら、眠る時に音楽を流したりアロマを焚く場合もあるので、それを魔力でしてみるのです」
「あ、そっか。快眠グッズでもそういうのはあるよね。でも、どんなのがいいかな?」
「例えばですが、そこの赤龍帝は女性の乳房と対話する技を魔力で作り上げました。その応用で、触れた者の聴覚と触覚に、眠れるそれを感じさせる魔力の散布というのは?」
「おぉおおおお! いいね、それやってみたい!」
……話が弾んでるなぁ。あのベルゼブブ達。
「でも勉強とか訓練とか多そうだし、正直ちょっと苦手かも。頑張るけど」
「気の持ちようでだいぶ変わりますよ。例えばあなたは眠るのが大好きなのでしょう?」
「え、うん。お昼寝とかは大好きだけど、それが?」
「良質な睡眠には適度な疲労が効果的です。つまり勉強の目的をよく眠れる為に疲れることを主眼に置いてみては? モチベーションは上がるでしょう」
「……そっか、そうだね!」
話が弾んでいて、割って入るのも大変だね。
「はっはっは。ベルゼブブの末裔達が仲良くあるのは、冥界にとってはいいことだね? さ、お近づきの知るしにジュースでも」
と、ハーデスに仕えているレヴィアタンが、何時の間にか面白がりながらジュースを買ってきてくれた。
確かラツーイカだっけ? えっと、いいのかこの人。ハーデスのシンパだろ?
「あ、どうも」
とりあえず受け取って少し舐めてみるけど、普通に売ってるジュースだ。
なんというか微妙になっていると、今度は純血のルシファーの人がこっちに頭を下げてきた。
「連れがすいません。彼、知識欲に忠実で貴方の乳技やそちらの麺技に強い興味を持っていたので」
「ほぉ? ならラーメンをごちそうするか」
ヴァーリが妙なところで食いついたし。
ただ、すぐに視線をルシファーの方に向けてきた。
「確か、ブンガーといったね? 君もルシファーの血を継いでいるなら、もっと覇気を持った方がいい」
あ、そうだそうだ。ブンガー・ルシファーって名前だった。
ヴァーリも自分の親戚になるし、やっぱり興味があるか。
なんというか、借りてきた猫のような雰囲気だしなぁ。そういう意味でも気になるのかも。
同じくルシファーの末裔っぽい、ラムルも複雑な表情だし。
「ったくだ。王族の末裔で、しかも純血なんだろ? もうちっと胸張ってくれよ、こっちの肩身まで狭くなるじゃねえか」
文句を言ってくるけど、ブンガーさんは困り顔だった。
ま、確かにちょっと分かるかもな。
純血の魔王末裔って、俺が知ってる限り皆偉そうだったし。むしろ根拠のない自信まであるぐらいだし。
カテレアにしろクルゼレイにしろシャルバにしろ、どいつもこいつも自分は偉くて他人は下って感じだ。リゼヴィムも超越者の自負や扇動のセンスもあって、こっちは一応見合っている感じはそれなりにある。何ならヴァーリやラムルもそうだし。
むしろこの場の魔王末裔って、誰もかれも自信があるっていうか、みなぎってるって感じがするし。いきなり知らされて自覚の薄い亜香里と有加利さんより弱いブンガーさんは、むしろ弱気すぎだろ。
「失礼ながらブンガー様。もしかして、魔王の末裔だと教えられずに育てられましたか?」
レイヴェルも気になって聞いてみたけど、ブンガーさんは首を横に振る。
「いえ、僕達は皆、魔王の血筋であることを教えられたうえで育っています」
ふぅん。ならなんでだろう。
あの旧魔王派の連中なら、育て方だって偉そうになる方向だろうに。「貴方は純血の魔王であり、すなわち悪魔を好きにしていいはずなのです! なのに偽りの魔王が擁立されて……」とか吹き込んでそう。そんなところばっかり見てきてるし。
ただブンガーさんは、思い出したかのように辟易の表情になった。
「本当にうんざりな生活でした。……仕え捧げてくれる民を、使い捨てても勝手に増える雑草のように考えているのが丸分かりでしたから」
おぉ。滅茶苦茶まともな人だ。
確かに、シャルバってそんなところがあったな。そういうやつを崇めているなら、そういう教育になるんだろうなぁ。
思い出したらなんかイライラしてきた。あいつ、本当に碌でもなかったからなぁ。
そんな俺の様子を見て、ブンガーさんはなんか力強く頷いていた。
「そういう感じなので、何とか抜けれないかとは思ってたんです。それにグレイフィア様を見れば、僕達如きが偉そうにできる社会じゃないってすぐ分かりますよ」
確かに、グレイフィアさんって強いしなぁ。魔王クラスは伊達じゃない。
でもまぁ、そんなグレイフィアさんのチームメンバーとして、名前負けしてないのがブンガーさん達だ。実際、帝釈天相手では結構戦えてたし。
そんなに低く扱うこともないと思うんだけどなぁ。
ヴァーリもそんな感じなのか、ちょっと眉間にしわを寄せているし。
「シャルバ達も大概だが、君も別の意味で大概だね。そこは改めるといい」
ヴァーリはため息をつきたそうな表情で、ブンガーさんにそう突き付ける。
「誇り高い血を持つのなら、生き方も誇り高くするべきだ。シャルバ達も論外だが、君のその卑屈さも問題だぞ」
自分の血と宿した力を誇っている、ヴァーリらしい言い方だな。
ただ、そんなヴァーリの言葉にブンガーさんはすぐに反応し……肩を落とした。
「ええ。正直そんな来歴とか荷が重くて胃が痛いです」
お。おおう。凄く嫌そうに自分の血について語ったなぁ。
多分だけど、この人ってマルガレーテさんと気が合いそう。
たぶんあれだ。王族の生き方とかに興味がない人だ。偉くなるとかそういうことに、興味を持ってない。むしろ面倒ごとが多いから嫌がりそうなタイプ。
しかも責任感はあるから、むやみやたらに投げ出したりしない人だ。苦労人って感じをひしひしと感じてきたぞ?
「覇気がねぇなぁ。夢とかこじんまりとしてたりするんじゃねえか? 豪遊とか興味ねえだろアンタ」
ラムルも悟ったのか、そんなことを聞いている。
そしてブンガーさんもすぐに頷いていた。即答のレベルだった。
「資産や地位は皆無でも大変ですし、ちょっとぐらいは遊びたいですけどね。ただ、僕としてはたまに有休をとっても怒られないぐらいの地位と能力で十分です」
そういったうえで、ブンガーさんはどこか遠くを見ながらすすけた表情になる。
「そこそこの生活を平穏に送れるのが一番で、辺境で静かに暮らしていろとか言われたかったなぁ……はぁ」
そして思いっきり肩を落として俯いた。
もう嘘偽りない本音だってことがよくわかる。心の底から苦悩しているトーンだ。ガチの発言だ。
これ本気で言ってるよ。シャルバ達みたいになりたくないし、見合った能力を得るのも責任が重いから嫌だって感じだ。向こうからのスカウトなら、飼い殺しでも多少は遊ばせてくれるだろうからいっかぁ……って感じで誘いに乗ったんだ。
それが国際レーティングゲーム大会で、魔王の後継者最有力候補の率いるチームに魔王の末裔として登場だもんなぁ。良くも悪くも注目の的だよ。想定外にもほどがあるよ。
心の底から、現状より低いところを望んでるみたいだなぁ。
「……真面目な話なんですけど、僕の地位と血統を欲しがっている野心家の実力を持つ女性っていませんかね? 必要な時以外は静かに暮らさせてくれるのなら、余程の悪条件が無ければ即婚約したいんですが。……代わりに背負ってくれる配偶者が欲しい」
死んだ目でそんなことを言ってくるけど、これどうしたらいいんだよ!?
「ふっ。心根が凡人寄りではそうもなろう。安心するがいい、ブンガー・ルシファー」
と、そこでユーピが憐憫の表情を浮かべながらそう言ってきた。
お、思わぬところから助け船が来たのか?
「最近は後継私掠船団も多種族化が進んでいるのでな。冥界でのし上がる為に爵位持ちの旦那と政略結婚したい純血女悪魔をリストアップしておこう。同胞が
「―本当ですか?」
その瞬間、音もなくブンガーさんはユーピの目の前に立っていた。
で、できる!? でもこんな形でそんな
あまりの勢いとその理由に、ユーピはもちろん誰一人として動けなかった。
あと、ガラスに映っているブンガーさんの血走った目にちょっと怖くてツッコミを入れられないのが俺だったりする。
「虚言じゃないですねリストもらえますねお見合いできますよねこの面倒の塊を欲してますよね……!」
「ま、まだだ! その程度で終わらせん!」
こんなところで覚醒するなユーピ!
いや、ブンガーさんに気圧されそうになるの分かるけど!
怖いよこの人! 自分の血筋を重荷に感じてる上、マルガレーテさんと違ってちょっとは俗世的な欲望あるから、結果的に結婚願望の奴隷になってるよ!?
カズヒばりの光を極めてるやつでも気圧されてるよ! ラムルとエペラすら一瞬気圧されてたし!
「細かい条件を送るがいい! 適切なものを見繕ったうえ、順位付けしてリストアップしてやろう!」
「ありがとうございます! では時間が許す限り説明を!」
……あ、また別の方向に話が進んでいく。
「……あの、イッセーくん」
と、有加利さんが俺の方を向いてきた。
冷や汗が流れている上、なんというか戦慄を感じるような顔だった。
「魔王の血族って、こういったのが基本なの?」
……………。
「すいません、否定できないです」
「イッセー様! 頑張ってくださいまし!」
レイヴェルが俺をたしなめるけど、無理だよ。
だって魔王血族って、どいつもこいつもアレだもん!
ぶっちゃけヴァーリですら比較的常識人だよ! マルガレーテさんは良識はあるけど、妙なところでぶっ飛んでるところあるし! 残りはぶっちゃけあれな奴らばっかりだし!
シャルバはもちろん、カテレアとクルゼレイもどっこいどっこいなろくでなしだったし! あとリゼヴィムも別の意味であれだったし! 何なら襲名しているだけの、サーゼクス様達も変人って方向性でアレだったし!
ぐうの音も出ない。魔王の
「……落ち着けよ。そうなると、自分も同類って言っちまうことになるぜ?」
「そう思いそうだから、聞かずにはいられないの……っ」
ちょくちょく会ったことのあるラムルがそうたしなめるけど、有加利さんはそう呟いて崩れ落ちる。
あ、そっか。魔王血族が揃いも揃ってアレだと、血を引いている自分もそうなるって考えちゃうのか。
ただでさえ、メンタル的に結構追い詰められてるところがあるからなぁ。だいぶましになったけど、まだ負担も大きいだろうし。
亜香里みたいにちょっとはっちゃけられるところがまだ出てきてないからなぁ。むしろ現在進行形で、トロイド・ベルゼブブさんにノリノリで新たなる睡眠技の開発研究をしてるし。ヴァーリの麺技のノリだ。
……あれ? その流れだと、乳技を使う俺も同類?
「あら、どうかしたのかしら?」
エペラに声をかけられて、俺はショックで崩れ落ちていたことに気が付いた。
いや、だって……さぁ?
カズヒSide
「そろそろ時間ね」
私はシャワー浴び終え、既に控室に向かっている。
相手は間違いなく、今までで最強のチーム。不利なのは間違いなくこちらの方だった。
私がちょっとほっこりする彼氏との会話をしている間にも、この試合に参加するメンバーは思い思いの時間を過ごしているでしょう。
シリアスなこともあるかもしれない。コメディじみたこともあるだろう。そして、私は間違いなくいい時間を過ごせた。
ええ、だからこそ一つだけ言える。
「無様な姿は見せられないわね」
呼吸を整え、意識を切り換える。
まぁ大丈夫。私はそもそもそれが得意だ。
常在戦場、覚悟完了。想いを力に変換し、限界を超える覚醒を遂げる。
それでも負けることもあるけれど、死力を尽くすのだけは得意だから。
だからこそ―
「相手をしてもらうわよ、グレイフィア・ルキフグス……っ」
―全力でぶつからせてもらうとするわ。
大体魔王の字を持つ奴は、純血襲名の区別なくアレという評価がつけれると思う今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?