混沌世界のプロローグ―好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話・第二部 作:グレン×グレン
さて、そろそろ銀の女傑対決が始まります!
イッセーSide
あ、美味しい。このお寿司は本当に美味しい。美味しいのが腹立つ……っ。
「どうしたのかな、赤龍帝?」
「味を堪能しながら苛立つのか?」
ラツーイカとユーピが続けざまにそう言うけど、苛立つさ。
なんで俺は、リアス達に囲まれながら試合を観戦するはずがこうなっている。魔王血族がゴロゴロいる環境に放り込まれながら、魔王血族が握った寿司を食べている。リアス達がいない中で寿司だけ食べながらここにいる?
なんか泣きたくなってきたし。食わずにやっていられるか……っ
「しかし、混血や先祖返り込みとはいえよくぞここまでの者達が集まってるとはね?」
寿司を食べながら、ラツーイカはそんなことを言ってエペラの方をちらりと見る。
同じレヴィアタンの末裔として、やっぱり気になってるんだろうか。
ただ、エペラの方はさほど気にしてないみたいだ。どちらかというと、映像の方を気にしてる感じだな。
「きょ、興味があるんですか?」
と、有加利さんがそう尋ねる。
恐る恐るだけど、ここで変なちょっかいは仕掛けてこないと判断したんだろう。
ま、その時は俺が前に出るけどね。
俺だって上級悪魔の端くれで、冥界の英雄。これでもお偉いさんとのコネは豊富だし、アジュカ様に会いに行くこともできる。魔王血族が相手だろうと、ちょっとぐらいは何とかなるさ。
ただ、エペラは特に気にすることなく頷いた。
「ええ、私の超える対象は彼女だもの」
……それはつまり、グレイフィアさんか。
「意外だな。初代レヴィアタン様を超えるとか、そんなつもりだと思ってたぜ」
俺がそう言うと、エペラは小さく首を振りながら、挑戦者みたいな表情を浮かべる。
「超えるべきは今の最強。ロイガン・ベルフェゴールが王の駒を封印して退き、セラフォルー・レヴィアタンは隔離結界領域へと去って行った。なら、今の女悪魔で最強たるはグレイフィア・ルキフグスただ一人」
ああ、それは確かに。
かつての冥界、女悪魔で魔王クラスは三人。超越者クラスは一人としていない。
そしてエペラの言う通り、今冥界でその座に残っているのはグレイフィアさんだけだ。そういう意味では目標といえるだろう。
ただ、エペラの目にはそれだけじゃないぎらついたものを感じる。
「私の目標は超越者の頂。だからこそ、まずは
……超越者、か。
サーゼクス様、アジュカ様、そしてリゼヴィム。その三人だけが称される三強。悪魔という種族かどうかすら怪しいとされる、文字通り超越した強さを持つ存在。
リゼヴィムは間違いなく一枚落ちるだろうけど、それでもやばい強敵だった。そしてその頂に、新たに目指そうとする者がここにいる。
「さぁて、次は中華といこう。―麻婆豆腐とラーメンお待ちぃ!」
ユーピの奴はいつまで作ってんだよ!?
「ほぉ? 痺れるこの辛味……四川風かい?」
「その通り! ふふふ、我が才能は戦闘だけに止まらぬのでな!」
「ふふふ、甘いぞラツーイカ。このラーメンも中々というほかない……やはり豚骨ラーメンはある種の至高……っ。侮れないな、
……ユーピの相手はラツーイカとヴァーリに任せよう。
あ、本当に痺れる辛味だけど美味しい。
あとラーメンもうまい。なんというか、麻婆豆腐の後に食べると舌に辛みが残らなくなる感じがする。そこまで考えたのかな?
「にしてもよぉ? グレイフィア・ルキフグスは何考えてんだ?」
と、同じように麻婆豆腐を食べながら、ラムルは首を傾げている。
あれ、こいつらも知らないのか?
「フロンズの提案じゃなかったのか? なんで知らないんだよ?」
「あのなぁ? 後継私掠船団は、契約を交わしたそれなりの繋がりっつっても元テロリストだぞ?」
と、俺に対してラムルが言い返す。
その上で調理器具を洗いながら、ユーピもしっかりと頷いていた。
ちなみにエペラも頷いている。あ、こいつら全員知らないのか。
「ま、幸香まで知らぬかは知らんがな。だが対外的には下った懲罰部隊が我々
「機密情報関係は、あまり聞かされないし聞かないようにしないとね」
と、口々にユーピやエペラがそう言うと、ラムルもしっかりと頷いた。
「ま、そういうこった。聞き出せないかってんなら残念だったな」
そっか。ま、仕方ないか。
フロンズは政敵だけど政敵で止まっているし、グレイフィアさんはその点は信用できるし。ま、冥界に悪影響は出ないだろうさ。
ま、それなら俺も試合を観戦するか。リアス達とじゃないのは残念だけど、あの二人の試合は気になるし。
と、俺はその上で亜香里と有加利の方に振り向いた。
ちょっと緊張している状態だけど、ま、そこは大丈夫だろう。
「よく見とけよ。間違いなく、三大勢力で最強女傑決定戦になるだろうから」
いや、割と冗談抜きで。
「あ、デザートのチェリーパイも焼きあがったぞ?」
全方位万能の料理人か何かか、ユーピ!
和地Side
有加利さん達、大丈夫だろうか。
魔王血族とか、癖の強い性格ばっかりな印象だからなぁ。囲まれるとか精神的にきつそうだ。
試合が終わったら強引にでも連れ出すか。イッセーを含めてもメンタルがごりごり削れそうだ。
ただ、事態はそこから更に動いている。
『お待たせしました、皆様! ついに試合開始となります!!』
さて、そろそろが本番か。
「和地はどう思う? お義姉さまとカズヒなら、お義姉さまの方が有利だとは思うけれど」
「同じく。ちなみにカズヒ自身もそう踏んでましたね」
リアス先輩にそう答えながら、俺は中継される映像を確認する。
展開されるフィールドは小島。それも集落そのものといえるような地点だ。
直径は精々が2kmほど。短期決戦を前提とするライトニング・ファストだからこそ、フィールド全体も小さく設定されているのだろう。
そして試合が開始するとともに、動きはシンプルだった。
『全員プラン通りに! 本丸は私が対応する!』
そう言うなり、カズヒは全力疾走を行いつつシルバードーマに変身。それに追随するように、ある程度の距離を開けながらお袋達は駆けだしている。
チーム全体の総合力なら、現段階では間違いなくグレイフィアさん側が有利。本気で勝ちを狙うなら、カズヒたちはグレイフィアさんに収束しての短期決戦ぐらいしかない。それは双方の認識だろう。
そこに速攻が求められるライトニング・ファストのルールがあれば、こうなることは双方ともに読めている。
だからこそ、グレイフィアさん達も迎撃が早い。真っ向から魔力弾が放たれ、カズヒ達をぶちのめそうと襲い掛かる……が。
『甘い!!』
それを、カズヒは正確に撃ち抜いて突破口を作り上げる。
そこにカズヒのポテンシャル、更にアタッシュショットガンが加わった結果はこの通り。弾幕であろうと突破口を作る程度の撃ち落としは可能となる。
そしてぶつかり合う両チーム。ここからは一気に乱戦になるだろう。
そして、カズヒは目標と接敵する。
『挑ませてもらうわ、グレイフィア・ルキフグス!』
『掛かってきなさい……カズヒ・シチャースチエ』
突貫するカズヒに、静かに迎撃を返すグレイフィアさん。
その瞬間、一歩間違えれば巻き込まれて両チームにリタイアが出るような戦闘が開始された。
「うっひょ~! なんというか、三大勢力が誇る女傑同士、死闘っすなぁ」
「凄い戦いね。あんな戦いができるの、ツェペシュの里にいたかしら?」
比較的慣れてないリント・セルゼンとヴァレリーが感心するが、まぁそうだろう。
どちらも魔王クラスと真っ向勝負ができるレベルの女戦士だ。はっきり言って、この大会でも女選手に限定すれば上澄みレベルに到達するだろう。
その二人の真っ向勝負、果たして一体どうなるか。いろんな意味で気になる試合だ。
とはいえ、問題はそこだけでもない。
なにせチームの総合力的に、グレイフィアさんの方が有利だ。押し切られてから圧殺というのも十分あり得る。
とはいえそれは、勇儀さん達も分かってるだろう。防戦よりでしのいでいく方向になる。
幸い、基本的にグレイフィアさんのチームは魔王血族以外は兵士を中級、騎士と戦車を上級にするのが定番だ。おそらくだが、魔王血族をある程度目立たせる為に最上級悪魔は最小限にする形なんだろう。その辺りはフロンズの立ち回りかもな。
だから、鍛えられた
そう思った、その時だった。
『『『『『『『『『『……え?』』』』』』』』』』
この部屋だけじゃない。
観客席にいる多くの者達。そして実況や解説。
その全員が、一瞬で吹き飛んでいく小島の自然や建築物に、呆気にとられた。