幼馴染君がぼっちちゃんを甘やかし過ぎた結果……   作:Miurand

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 そういえば、GWでは空き時間に他のぼざろ二次創作を漁っていたんですけど、ぼっちちゃんヒロインのちゃんとヤンデレしている先輩作品がありましたね。そちらとは幸いにも基本的にネタ被りはしていないようで良かったです。こちらはヤンデレタグがついてるのにまだほのぼのとしてますね〜(たまにシリアス?さてなんのことやら)

 今回は前回より文字数少なめです。



陽キャ組の女子会

私こと、結束バンドのリーダー兼ドラムの伊地知虹夏は、喜多ちゃんと共にお昼ご飯を食べている。さっきまではいつもの5人でアー写撮影をしていたんだけど、いい写真が撮れたのでそれも終わり、マイペースなリョウがいつの間にかいなくなったところで解散となったはずだった。

 

喜多ちゃんのことだから、その場にいた優太君やぼっちちゃんも纏めて誘うと思ったんだけど、何故か私だけみたい。この前のライブを抜け出したことに関しては無茶苦茶謝られたので、流石にそれではないと思う。となると、思いつく理由はただ1つ。

 

「伊地知先輩、近藤君と後藤さんって本当に付き合ってないんですか?」

 

ほらきたよ。やっぱりね。私とリョウだって未だにあの二人が付き合ってないのが不思議なくらいだもん。二人の関係性をつい最近知った喜多ちゃんはそれはもう気になるでしょうな。女子高生って恋愛ごとには目がないからね。

 

「それが本当に付き合ってないんだよ」

 

「そ、そうなんですか………」

 

「ただ、あれは両片想いだと私は睨んでるんだよね〜」

 

「後藤さんは言わずもがな……ですね」

 

「うんうん。ぼっちちゃんの優太君に対する好き好きアピールは異常だからねぇ………。優太君もあれで気づかないのはどうかと思うんだけど………」

 

「………あの、そのことでお話が」

 

「…?」

 

そのこと?優太君がぼっちちゃんの気持ちに気付いてないことかな?なんか男子が読んでるっていうラブコメ作品では男の子が超鈍感で難聴っていうのが定番らしいけど、それに対する対処法か何かを提案したいのかな?まあ、あのヤンデレぼっちちゃんを放っておくのは色々危ないから、私達としてはとっととくっついてほしいなぁって気持ちはある。喜多ちゃんも多分同じことを考えてるんだろうな。

 

「……多分ですけど、近藤君は後藤さんの気持ちに気づいてると思います」

 

「…………マジ?」

 

「マジです」

 

うっそ…。もし本当に気付いてるとするなら、優太君はぼっちちゃんが自分のことが大好きだって分かってて放置してることになるよ?もしかして付き合ってない設定で無視するっていう特殊すぎるプレイとかじゃないよね?

 

「あー…、もしかして、優太君のツンデレが発動しちゃってるからぼっちちゃんに対して素直になれてないってこと?」

 

「いや、そういうことじゃないと思うんです。なんというか、近藤君は自分の気持ちと向き合っていないように感じるんです。見ててなんとなく……ですけど………」

 

「ふーん……なるほど…………」

 

普段陽キャな喜多ちゃんが、周りに合わせるのが得意だからこそ分かる観察眼……的なものなのかな?でも確かに不自然なところはあるもんね〜。特に、ただ心配だからってわざわざ遠い高校に一緒に行くっていうのも怪しいし、この前のシフトの件でも、優太君はあっさりとぼっちちゃんと同じシフトにすることを了承したし。

 

正直、ぼっちちゃんの奇行は見ていて心配になるから、一人にすると心配だからついてきてる可能性もなくはないけど……。

 

あれ?確か優太君がスターリーでバイトを始めた理由は、ぼっちちゃんでも入れるようなバンドを探すためだったよね……?ただ心配なだけならそこまでしないから、やっぱり…………。

 

「相手の好意に気づいていて、自分の気持ちを自覚しているはずなのに、優太君はその気持ちに向き合っていない…。っていうことが言いたいのかな?」

 

「はい。大体そんな感じです」

 

あーでも優太君が敢えてぼっちちゃんと付き合わない理由は分かるかも。だってあのヤンデレぼっちちゃんと付き合ったら、間違いなくぼっちちゃんの優太君に対する依存は今より深くなるもんね。そうなると本当に優太君がいないと生きていけなくなっちゃうね。そんなんじゃバンドどころじゃなくなっちゃうし。

 

かと言って、振ったら振ったでそれはそれで大変なことになりそう。初ライブの時に『腹切りショーでもしましょう!』って割とマジでやりそうな雰囲気で言った前科もあるし、優太君に振られたと気づいた瞬間に程よい長さのロープを用意するか、電車に乗るわけでもないのに駅に行く姿が容易に想像できてしまう。

 

って、そこまで考えて現状を維持してるとしたら、やっぱり優太君はぼっちちゃんのこと大好きでしょ。下手しなくても家族以上にぼっちちゃんのこと理解してるんじゃないのこれ?

 

「……思ったより事態は深刻かもね〜」

 

「……あっ、あとはこんなこともありましたよ」

 

喜多ちゃんが伝えたかったことをざっくり噛み砕くと、暴走したぼっちちゃんに押し倒された優太君は、一切抵抗する素振りを見せなかったそう。正確には口では抵抗の意思を示していたみたいだけど。

 

「…………えっ?なんでそもそも学校でそんなことになってるの?」

 

「あ〜…。それは私が焚きつけちゃったのが原因かと…………」

 

「ダメだよ喜多ちゃん。ぼっちちゃんを変に焚きつけると調子に乗っちゃうから。生々しい話をすると、喜多ちゃんがぼっちちゃんのお腹に新しい命を宿す立役者になっちゃうかもしれないし」

 

「ええ!!?やっぱりあの時そういう雰囲気だったのかしら!!?」

 

あっ、この喜多ちゃんの反応からして分かった。本当にそういうことになってもおかしくない雰囲気だったんだ…。優太君も大変だなぁ…。ぼっちちゃんが普通に自虐的なだけならまだ色々方法があったんだろうけど、ヤンデレっていう属性がその選択肢を尽く潰してきてるんだよね〜……。

 

「……というか、そもそもなんでぼっちちゃんはヤンデレになったんだろ?」

 

「………確かに」

 

ヤンデレとは、確かその人のことを敬愛するあまりに狂ってしまうとかなんとか、ネットでそんな感じのことを見たような気がする。流石に生まれながらのヤンデレってことはないだろうから、何かのきっかけでぼっちちゃんがヤンデレに目覚めちゃったはずなんだけど………。

 

「あっ!もしかしたら、近藤君は中学の時は凄くモテたんじゃないですか?その嫉妬から後藤さんがあんな風になったとか?」

 

「うーん?確かにその可能性もなくはないよね……。でもなんかピンとこないんだよね〜」

 

「伊地知先輩、近藤君に失礼じゃないですか?」

 

「ちょっと喜多ちゃん。別に優太君の顔が悪いって言ってるわけじゃないよ。ただ、いつもそばに異性の幼馴染がいるのにそんなにモテるのかな〜って思っただけだよ」

 

そもそも優太君の顔は飛び抜けてイケメンってわけではないけど、そこそこいい顔だと思う。

 

「だからこそかもしれないですよ?」

 

「あ〜。幼馴染というラスボスに対抗するために告白した人がいるってこと?ちょっとあり得る………」

 

なるほどね〜。確かに沢山の女の子に告白された現場をぼっちちゃんが見てたとしたら……。でも、それだけでヤンデレになんてなるものなのかな?

 

「まあ考えても仕方ないね〜。これは優太君やぼっちちゃんじゃないと分からないだろうし」

 

「ですね。でもキスマークがたくさんついてるのに付き合ってないのか〜…」

 

「……えっ?喜多ちゃん、今なんて?」

 

「えっ?伊地知先輩は気づかなかったんですか?近藤君の首元に沢山のキスマークがついてたの…」

 

「えっ?あれ虫刺されじゃないの?」

 

「虫刺されだとしたら数が異常ですよ!」

 

えっ?あれキスマークだったの?もしかしてあの二人、私達に茶化されるのが嫌で付き合ってない設定を徹底しているだけなのでは……?

 

「それに後藤さんから聞いたんですけど、2人はよくお互いの部屋でお泊まりするみたいですよ!」

 

「ん?昔のことじゃなくて?」

 

「確か後藤さんによれば、最後のお泊まりは3日前だったとか……?」

 

「うん。あの2人は間違いなく付き合ってるね」

 

「やっぱり伊地知先輩もそう思いますよね!?」

 

「うんうん!付き合ってもいないし、相手のことが好きで、相手の気持ちにも気付いているのにそんなことは普通しないもん!なんだただの照れ隠しか〜」

 

「もしかして、近藤君って超面倒くさい人なんですか?」

 

「うちのお姉ちゃんが可愛く見えるくらいには」

 

 

 

こうして、優太の知らない場所でまたしてもあらぬ誤解が生み出されていた。

 

 

 

 

 

 

「…………ん?なんか今すぐに虹夏さんと喜多さんに会いに行かなくてはならない気がする」

 

「どうしたの優太?もしかして虹夏と郁代のこと好きになったの?」

 

「えっ?優太君………?」

 

「違うからそのガンギマリの目はやめような?」

 

違う、そうじゃない。なんかまたしても勝手に誤解が生み出されているような気がしただけだ。それ以上でも以下でもない。

 

ちなみにアー写後はひとりのリョウさんのタイマンの相談になるはずだったが、おしゃれカフェには入れないというひとりの要望から俺も付いていくことになった。先程リョウさんがかっこいいことを言ってひとりが納得し、俺とリョウさんが食べ終わったのでそろそろお店を出ようかというところである。

 

「……あっ。お金ないんだった。優太、奢って。ぼっちでもいいよ」

 

「えっ?ここに誘ったのリョウさんでしょ?」

 

「ぼっちからロインが来て、このお店に行くチャンスだと思って」

 

「最初から奢られる気満々だったのかよ」

 

リョウさん。さっきはかっこいいことを言ったのになんで台無しにするかなぁ……。かっこいいまま解散すればいい先輩風吹かせられたのに………。

 

「仕方ない…………。今回だけですよ。ついでにひとりの分も」

 

「えっ?い、いいの?」

 

「お前そもそも食べ物は頼んでないじゃんか」

 

「あっ、そうだった」

 

ひとりは飲み物を頼んだだけである。お昼時なのにお腹は空かないのだろうか?まあひとりの消費カロリーは少なそうだもんな。

 

「ありがとう優太。お金は後日返す」

 

「えっ?別に今回はいいですけど?」

 

「えっ?本当に奢ってくれるの?」

 

「たかが1000円以内でとやかく言いませんて」

 

「優太……。いえ、これからは優太様と呼ばせていただきます」

 

えっ?突然どうした?なんか俺崇拝されてね?やめてよお店の中でやるの。他のお客さんに怪しい宗教の教祖様かと勘違いされちゃうから。

 

「そんな態度じゃ利子つけますよ」

 

「分かった。じゃあここは素直に奢られる」

 

掌返し早いなおい。正直で俺的には好感的だけれども。

 

「それじゃあぼっち、歌詞期待してるからね」

 

「あっ、はい。頑張ります…!」

 

「それじゃ、またね」

 

俺に奢られたリョウさんは、表情では分かりにくかったが、少し嬉しそうであった。ほんと正直な人だな。裏表なさそう。そういう人の方が信用できたりするんだよね(優太調べ)

 

 

 

なんやかんやあって数日後。ひとりが眠ることすらも忘れて歌詞を完成させたので、それを見せにスターリーまで来た。

 

「後藤さん、目の隈大丈夫…?」

 

「あっ、はい……。ここのところ作詞に夢中になって寝るの忘れたりして……」

 

「ほぉ……。どれどれ、ぼっちちゃんの力作を拝見しましょう」

 

一応出発する時に俺も歌詞を見せてもらったが、個人的にはいい感じに仕上がっていたように感じる。ひとりの青春コンプレックスがあんなかっこいい表現に生まれ変わるとは予想外だった。なんであんな言い回しができて国語の点数低いんだろう………。

 

「あの……。暗すぎるかも……」

 

「確かに暗いね」

 

「リョウ先輩………」

 

リョウさんが正直に言った。

 

「でもぼっちらしい。少ないかもしれないけど、誰かに深く刺さるんじゃないかな」

 

一瞬顔を下げたひとりだったが、リョウさんの評価を聞いて少しずつ表情が明るくなっていくのが分かった。

 

「ふへ……」

 

……いや、なんでそこでニヤけるねん。

 

「ふっ……」

 

なんかリョウさんも乗ってるし……。

 

「へへっ、へへへっ………」

 

「ふふふっ、ふふふっ………」

 

これなんかの共鳴かな?突如ケ○○軍曹を思い出したであります。あの共鳴地味に好きなんだよね。印象に残っている人多そう。

 

「なんで急に仲良くなってるの〜!?」

 

「でもこの歌詞本当にいいよ、ぼっちちゃん!」

 

「あっ、私もこのフレーズ好きです!」

 

「私も……」

 

そしてひとりの書き上げてきた歌詞はリョウさんだけでなく、虹夏さんやボーカルである喜多さんにも好評だった。あの日リョウさんに相談しなければ、薄っぺらい歌詞のまま提出することになりかねなかったので、本当によかったな………。

 

にしても、リョウさんってかっこいい時はかっこいいのに普段はダメって……残念美人ってやつかな…?普段からあんな感じなら間違いなくモテそうなのに勿体ないな……。まあリョウさんの性格的にモテることを望んでなさそうだけど。

 

 

 

 

褒められまくったひとりは気分をよくしながら帰宅した。俺はというと今日両親が遅くなるということで、後藤家にお邪魔して夕食をいただけることにした。食べ終わるなりひとりはさっさと自室に戻った。せっかくだし俺もそっちに行こうかと思った矢先、ふたりちゃんに遊んでほしいとお願いされたので一瞬に遊ぶことにした。

 

で、遊んでる途中に………。

 

「で、ユータ君はいつお姉ちゃんと結婚するの?」

 

「ふたりちゃん。そんな頻繁に聞かないでよ………」

 

「でもこの前だってお姉ちゃんの部屋でお昼寝してたじゃん」

 

「あれには色々と深いワケが………」

 

「お姉ちゃんが好きなら素直にそう言えばいいじゃん。ふたりが代わりに言ってあげようか?」

 

「やめてそれだけは絶対にやめて」

 

なんかふたりちゃんは5歳児の割には普通に冴えてるというか、マセてるのかな?なんか普通の子よりも明らかに賢いんだよね。俺が5歳の時は多分こんな感じではなかったと思う。もしかしてギフテッドってやつ?

 

「ふーん…?ユータ君ってお姉ちゃんとは別の意味で面倒くさいね!」

 

「は、ははは………」

 

やばいなこの子。ちょっとサイコがインストールされてない?幼いが故の遠慮なさとナチュラルサイコが合わさってないか?多分ひとりにはもっと散々なこと言ってるんだろうなぁ…。俺にも言うくらいだし。

 

「ふ、ふふふ……。お兄ちゃんにそんな悪いことを言う子は、しまっちゃおうね〜……??」

 

「わ〜、しまっちゃうおじさんだ〜!逃げろ〜!!」

 

ちなみにふたりちゃんは女の子だけど、意外と某特撮ライダー系も好みなんだよね。まあそれは俺が布教したのが原因なんだけどさ。ふたりちゃんは変身シーンや戦闘シーンを楽しんでいるけど、俺はストーリーやキャラも合わせて楽しんでいる。ふたりちゃんと遊ぶ時一番楽だと思っているのが、この某特撮ライダーを見ることである。何より俺自身も心の底から楽しめるから一石二鳥なのである。

 

夜も遅くなり、ふたりちゃんも既に寝入ってしまったので、俺はそろそろ帰宅しようかと思っていたが、ひとりの様子を見てから帰ることにした。確かあいつは歌詞を書き上げるために徹夜してたはずだ。ちゃんと寝てるのかどうか確認しとかないとな。

 

「……………?」

 

なんだ?部屋が暗くてよく見えないが、壁紙張り替えたのか?いつもと違う気がするんだけど。暗いところに目がまだ慣れてないからよく見えんな。取り敢えずスマホを懐中電灯代わりにしてっと…………。

 

「……………ひぇ…!!!!」

 

怖いですねホラーですねぇ(震え声)

結束バンドのアー写として採用された写真が壁、ふすま、天井など、これでもかというくらいの量が貼り尽くされていた。嫌だこの子。俺という幼馴染いなくてもヤンデレになる素質あったんじゃないの?怖いよ。いやマジで怖いよ。怖すぎて語彙力低下しちゃってるもん。

 

「へへ………」

 

当の本人は幸せそうな顔をして寝ていた。余程歌詞を褒められたのが嬉しかったんだろうな。頑張ったご褒美に何かあげる、あるいはしてやろうと思ったけど、この写真の大群を見たらその気も吹っ飛んでしまった。

 

パシャリと、何かに使えそうだからこの部屋を撮影しとく。

 

「まあ、今日は見なかったことにしてやるか……。よく頑張ったな、おやすみ」

 

この前俺が狸寝入りした時にされたように、俺もひとりの頭を優しく撫でてやった。するとひとりはさらに幸せそうな顔をして寝息を立てている。

 

「…………かわいい」

 

あっ、やべ。今の声に出てた…?マジトーンで今のひとりに聞かせたらとんでもないことになりそうだな。聞かれなくてよかった。

 

ぐいっ

 

「うえっ…!?」

 

なんか引っ張られた感触がしたかと思えば、ひとりに布団の中に誘拐された。なんで動かないんだよ俺の体。これじゃまるで俺が一緒に寝たいみたいじゃないかよ…!!

 

「う〜ん……………」

 

だが、当の本人はぐっすりお休み中のようだ。ということは無意識なのか…。

 

「………仕方ない。このまま寝るか…」

 

無理に引き剥がしてひとりを起こすのも可哀想なので、このまま俺も一緒に寝ることにした。決して一緒に寝たいからとかそういう邪な気持ちがあっての行動ではないということは念の為に言っておく。

 




 小説は10話に到達したのに、アニメだとまだ4話にも到達してないってマジ……?いくらなんでも進みが遅いってレベルじゃないぞこれ……。
 それはそれとして、沢山の評価とお気に入りありがとうございます。先日日間ランキングに載っていたのでビックリしました。
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