転生したらブラッド族だった件   作:仮面大佐

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第10話 ガビル参上!

 紅丸達が仲間になってから、数日が過ぎた。

 俺は黄歌を呼び出していた。

 

黄歌「エボル様?どうしました?」

エボル「実は、君に渡したい物があってね。」

黄歌「渡したい物?」

エボル「ああ。」

 

 俺はそう言って、黄歌にスクラッシュドライバーとロボットスクラッシュゼリーを渡す。

 

黄歌「これは……………なんですか?」

エボル「それは、スクラッシュドライバーにロボットスクラッシュゼリー。それを使えば、仮面ライダーグリスに変身できる。」

黄歌「良いのですか?」

エボル「ああ。」

 

 なんか、グリスと相性が良さそうだったから。

 ちなみに、ネビュラガスは無いので、俺が遺伝子操作を行い、変身できる様にした。

 俺と黄歌は、朱菜の様子を見に行く事に。

 途中、リムルと紫苑と合流する。

 俺たちは、中へと入る。

 中には、朱菜、ガルム、ドルド、ミルドが居た。

 

リムル「すごいな。」

「「「「ん?」」」」

エボル「もう絹織物が出来たのか。」

朱菜「リムル様!エボル様!」

ガルム「ども。」

ドルド「こんにちは。」

ミルド「うん。」

リムル「やっぱ、喋らねぇ!」

エボル「喋らないんだ………………。」

 

 すると、朱菜がリムルの方へと寄っていく。

 そして、リムルを抱きしめる。

 

朱菜「いらして下さったんですね!リムル様!エボル様も!」

エボル「ああ。」

リムル「それで、どんな具合だ?」

朱菜「はい。カイジン様が作ってくださった織り機は、とても使いやすいです。」

リムル「そうか、良かった。」

エボル「この調子で、皆の衣類の製作を頼んだぞ。」

朱菜「はい!お任せ下さい!」

 

 すると、紫苑と黄歌が口を開く。

 

紫苑「では、リムル様、エボル様。参りましょう。お昼が冷めてしまいます。」

黄歌「っ!?エボル様!丁度、お昼を作ってきましたんで、食べませんか!?」

エボル「ああ。頼む。」

朱菜「あっ、紫苑、黄歌。秘書のお仕事は、ちゃんと出来ているのですか?」

紫苑「勿論です、朱菜様。」

黄歌「問題なく、行えています。」

 

 紫苑はリムルの、黄歌は俺の秘書を名乗り出た。

 現在は、お互いの秘書兼護衛役だ。

 ただ、紫苑が料理を作ったという単語に、黄歌は驚いた様な反応をしていたな。

 何か、嫌な予感がするな。

 すると、朱菜はリムルを掴む。

 

朱菜「フフフ………。私が、リムル様のお世話をしても良いのですよ?」

紫苑「いいえ、姫。それには及びません。私がきちんとお世話いたします。」

エボル「2人とも………?」

黄歌「まあ、2人は置いておいて、私たちは先に戻りましょう。」

エボル「そうだな。」

 

 俺と黄歌は、先に戻る事にした。

 それにしても、朱菜と紫苑って、リムル関連になると、張り合うんだよな。

 朱菜は、どちらかというと、リムル寄りだからな。

 まあ、気にする事はないか。

 戻ると、紅丸、蒼影、白老の三人がいた。

 

紅丸「ああ、これはエボル様。」

白老「お食事ですかな?」

エボル「ああ。俺は黄歌に、リムルは紫苑の手料理をいただくよ。」

「「「うっ………!?」」」

 

 俺は、リムルの座席の隣に座る。

 気になったので、黄歌に聞く事に。

 

エボル「なあ、何で、紫苑が手料理を作るって言うだけで、そんな反応をするんだ?」

黄歌「…………実は、紫苑の手料理は、酷いのです。」

エボル「………マジで?」

黄歌「マジです。」

 

 なるほど。

 だからか。

 でもまあ、料理が出来ないのは、仕方ないんじゃないか?

 

黄歌「では、お持ちしますね。」

エボル「ああ。」

 

 俺は、近くの椅子に座る。

 でも、黄歌の料理は酷くないよな?

 すると、リムルを連れた紫苑が戻ってくる。

 

紅丸「………ああ、これはリムル様。」

白老「………お食事ですかな?」

リムル「ああ。紫苑が手料理を作ってくれたっていうのでな。」

「「「…………。」」」

 

 予め、俺から聞いていた事もあり、そこまで驚いていなかったが、冷や汗を垂らしていた。

 

リムル「お前達やエボルも一緒にどうだ?」

エボル「いや、俺は黄歌が作ってくれたのを食べるから。」

紅丸「いや………俺は今、腹が減ってなくて………。」

白老「ええ。お茶だけで。」

蒼影「私は………。」

 

 蒼影がそう言うと、分身する。

 どうやら、分身のスキルを使えるみたいだな。

 

蒼影「村の周囲を、偵察に行って参ります!」

 

 そう言って、蒼影は逃げた。

 紅丸は冷や汗を流しまくり、白老は気配を消し始めた。

 リムルが紅丸達の反応に首を傾げる中、紫苑は料理を取りに行き、入れ替わりで水華がやって来る。

 そんな中、シズさんとゴブタとゴブゾウが入ってくる。

 

ゴブタ「ああ〜腹減ったっす〜。」

シズ「そうだね。」

 

 そんな風に話していた。

 

黄歌「お待たせしました。」

 

 そう言って、俺の目の前に置いたのは、鶏肉の肉団子と野菜がたっぷり入ったすまし汁だった。

 普通に美味そう。

 

エボル「それじゃあ、いただきます。」

黄歌「はい!」

 

 俺は箸を取り、一口食べる。

 美味しい。

 

エボル「美味しいな!」

黄歌「ありがとうございます!」

リムル「へぇぇ………美味そうだな。」

 

 すると、紫苑がやって来て。

 

紫苑「お待たせしました。さっ、召し上がれ。」

エボル(やっぱりかぁ………。)

黄歌「……………。」

 

 紫苑の料理は、料理と言っていいのか、分からない代物だった。

 それを見た黄歌は、口を抑えていた。

 すると、リムルから思念伝達が来て。

 

リムル『助けてくれ!エボル!!』

エボル『ごめん………無理。』

リムル『そんな!?』

 

 リムルからの助けを、俺は断った。

 ていうか、あんなもん食ったら、無事で済まないだろ。

 俺は、黄歌の作ってくれたすまし汁を食べる。

 ていうか、紫苑の料理から、食材の怨念みたいなのが聞こえてくるぞ!

 すると、何を思ったのか、リムルは目を閉じて、スプーンを右斜め後方に突き出す。

 そこには、先程入ってきたゴブタの姿が。

 ゴブタは、スプーンを咥えると、顔を青ざめる。

 

ゴブタ「むぐっ………!?」

リムル「むぐっ………?」

ゴブタ「うっ、うぐっ………!ぐわぁぁ!!」

 

 すると、ゴブタは震えて、首を抑えながら床に倒れる。

 しかも、緑色の肌が、紫色になっていく。

 

リムル「ああっ………。」

エボル「うわぁ………。」

ゴブタ「うぐぐ………!」

黄歌「……………。」

紅丸「……………。」

白老「……………。」

シズ「……………。」

 

 それを見ていた俺たちは唖然となり、黄歌、紅丸、白老は顔を青ざめ、口を抑えていた。

 まるで、新たな犠牲者が出てしまった事に恐れながら。

 しばらくすると、ゴブタの天に伸ばした手が、床に力無く倒れる。

 この場は、静寂が包まれる。

 紫苑がつぶやく。

 

紫苑「…………あれっ?」

黄歌「紫苑………。」

リムル「紫苑。」

紫苑「は………はい!」

リムル「今後、人に出す飲食物を作る時は、紅丸の許可を得てからするように!」

 

 しれっと、紅丸が巻き込まれた。

 本当に、あれは酷い。

 食材の怨念が聞こえた気がするぞ。

 それを見ていたシズさんは。

 

シズ「なんでだろう……………命の危険を感じた気がする……………。」

 

 そんな風に呟いていた。

 俺たちがそんな風にしている一方、蜥蜴人族(リザードマン)のガビルは、近隣のゴブリン村から、着実に協力を取り付けていた。

 尤も、豚頭族の侵略に恐れをなしたゴブリン達が、勝手に軍門に下ってるだけだが。

 

部下「う〜ん………。これで、総勢7千匹になりましたな。」

部下「さっすが、ガビル様!交渉も上手!」

ガビル「いやいや、精一杯やって、たまたま結果が出ているだけの事。」

 

 ガビルは、部下の褒めに、謙遜した態度をとる。

 すると、別の部下が、口を開く。

 

部下「謙遜すんなよ。実力だよ。」

部下「そうですよ!もっと自信を持ってくださいよ!」

部下「然り。次期、蜥蜴人族の首領なのだからな。」

ガビル「そ………そうか?」

 

 部下からそう言われたガビルは考える。

 

ガビル(やっぱり、我輩………いけてるのかもしれん!)

 

 ガビルはそんな風に思い、部下達に話しかける。

 

ガビル「あ〜。それで、次はどこに向かうのだ?この辺りに、他に村はあるのか?」

部下「もう一つ、集落があるって話ですよ。」

部下「しかし、先ほどの村の者が、おかしな事を言っておった。」

ガビル「おかしな事?」

 

 ガビルが、三人の部下の真ん中の青色の蜥蜴人族に尋ねる。

 

部下「何でも、牙狼族を操るゴブリンの集落だとか。」

ガビル「はあ?ゴブリンが牙狼を?そんな訳ないだろう。」

部下「ごもっとも。更に言えば、そのゴブリン達の親玉、スライムにブラッド族という人間だという。」

ガビル「はあ?」

 

 ガビルは、その言葉に耳を疑った。

 スライムは色んな魔物の食糧になり、人間が居るというのは聞いた事がないからだ。

 

ガビル「状況がよく分からぬが………。ならば!そのスライムとそのブラッド族とやらを支配下に置けば、牙狼族をも支配出来るという事だな。」

部下「おおっ!」

部下「一石二鳥!」

部下「なんて奥深い考えだ!やはり、あんたについてきて良かったぜ!」

ガビル「フフッ。我輩に任せておくがいい!」

部下「いよっ!ガビル様!あっ、そ〜れ!」

『ガビル!ガビル!ガビル!ガビル!』

ガビル「フフフ………!フフフフ………!ヌア〜ハッハッハッ!!」

 

 部下達がガビルコールをして、手拍子も、ガビルが乗っている竜もする。

 それには、ガビルは高笑いを浮かべる。

 俺たちの村に向かうようだ。

 一方、俺とリムルは、カイジンと黒兵衛が話し合うのを見ていた。

 

カイジン「へぇ〜………。焼き入れんの時の温度、勘なのかい?」

黒兵衛「んだ。火の色を見れば、大体分かるだよ。」

カイジン「俺は、測るなあ………。」

黒兵衛「おらも戻しの時は、きちっと測るだよ。」

カイジン「ああ。外が寒いと、粘りが出ねぇからな。」

 

 それを見ていた俺とリムルは。

 

リムル『黒兵衛すっかりカイジンと意気投合してるよな。』

エボル『ああ。二時間も、専門的な会話が続くくらいにはな。』

黒兵衛「あっ、それだったら、おらがいい土を教えてやるだ。」

カイジン「それはありがてぇ。」

 

 そんな俺たちは、うっかり中座するタイミングを逃して、今に至る。

 すると、カイジンと黒兵衛は、こちらを見てくる。

 

カイジン「なっ?」

黒兵衛「鍛造って、面白いべ。」

リムル「おっ………おう。」

エボル「そうだな。」

 

 カイジンと黒兵衛は、そんなふうに言い、再び専門的な会話に戻る。

 すると、リグルドが入ってくる。

 

リグルド「リムル様とエボル様はいらっしゃいますかな?」

リムル「ナイスタイミング!」

エボル「どうした?リグルド。」

リグルド「リムル様、エボル様。蜥蜴人族の使者が訪ねてきました。」

 

 蜥蜴人族の使者が遂に、この村にも来たか。

 俺とリムルは、リグルドと共に使者がいる場所に向かおうとすると。

 

紅丸「リムル様、エボル様。」

アルビノ「ん?」

紅丸「俺たちも同席して構わないか?蜥蜴人族の思惑が知りたい。」

リムル「勿論だ。」

エボル「ああ。」

 

 さて、蜥蜴人族は、何を考えているのか。

 敵なのか味方なのかを、見定めなければならないな。

 俺は、リムル、リグルド、紅丸、紫苑、黄歌、白老、シズさんと共に、蜥蜴人族の一団がいる場所へと向かう。

 ちなみに、人間としての姿で向かった。

 そこには、蜥蜴人族が並んでいたが、使者が居ない。

 

リムル「どいつが使者だ?」

エボル「ん?」

 

 すると、蜥蜴人族達は、槍で地面を突く。

 すると、先頭に居た三人の後ろにいた蜥蜴人族達が、二つに分かれて、その奥から、竜みたいなのに乗った蜥蜴人族が現れる。

 随分と芝居かかった登場だな。

 すると、その使者が槍で地面を突くのをやめさせて、大きくジャンプする。

 

ガビル「我輩は、蜥蜴人族のガビルである。お前らも配下に加えてやろう。光栄に思うが良い!」

部下「よっ!ガビル様!」

部下「最高!」

部下「かっこいい!」

部下「いかしてる!」

「「「「「「「「はあ?」」」」」」」」

 

 ガビルは、部下に盾の光の反射で自分を光らせるという、少し痛い演出をする。

 ていうか、配下に加わる?

 俺たちが?

 すると、1人の蜥蜴人族の部下が口を開く。

 

部下「ご尊顔をよ〜く覚えておくがよいぞ。このお方こそ、次の蜥蜴人族の首領となられる戦士!」

ガビル「ふ〜ん!」

部下「頭が高い!」

「「「「「「「「はぁ?」」」」」」」」

 

 なんだアイツ、偉そうに。

 何様のつもりだ。

 すると、リムルの方からミシミシという音が聞こえてきた。

 

リムル「えっ………ちょ………紫苑さん、やめて!スライムボディーが、スリムボディーになっちゃう〜!!」

紫苑「うう〜………!はっ………。」

リムル「うっ………。」

紫苑「すみません、すみません!」

 

 紫苑は、リムルを潰しそうになり、紅丸にリムルを持たせて、高速で謝る。

 黄歌は、青筋を立てていた。

 一方、リグルドは咳払いしながら、ガビルに話しかけていた。

 

リグルド「ゴホン!恐れながら、ガビル殿と申されましたかな。配下になれと突然申されましても………。」

ガビル「やれやれ。皆まで言わねば分からんか?貴様らも聞いておるだろう?」

エボル「豚頭族の侵攻に関してか?」

ガビル「どうやら、人間にしては、話が分かる者がおるようだな。」

エボル「それはどうも。」

 

 やっぱり、そんな所か。

 どうやら、蜥蜴人族達も、豚頭族の事を脅威に感じているみたいだな。

 とはいえ、なぜこんな奴が使者なんだか…………。

 ちなみに、俺は妖気を抑えており、普通の人間として認識されている様だ。

 

ガビル「しからば、我輩の配下に加わるが良い。このガビルが、貧弱なお前達を、豚頭族の脅威より守ってやろうではないか!貧弱な……貧弱……貧弱………ワオ〜。」

 

 ガビルは、俺たちを見ながら、そう言う。

 まあ、この村は、貧弱な奴は居ないからな。

 ちなみに、ガビルは、紫苑と黄歌のおっぱいを見て、ワオと言った。

 すると、ガビルはしゃがみ、部下達と話し合う。

 

ガビル「ゴブリンが居ないようだが………。」

部下「あれ〜?」

部下「ここは確かに、ゴブリンの村のはず………。」

部下「っていうか、貧弱な奴が誰も居ないよ。」

 

 そんな風にガビル達は話し合っていた。

 俺とリムルは、思念伝達で話し合う。

 

エボル『どう思う?リムル。』

リムル『まあ、豚頭族が攻めてくるのなら、蜥蜴人族との共闘ってのも、選択肢の一つではあるんだが………。』

エボル『アイツに背中を預けるのはなぁ………。』

リムル『真に恐れるべきは、有能な敵ではなく、無能な味方であるって………ナポレオンの言葉だっけ?』

エボル『うん。その言葉は、ナポレオンの名言だな。』

 

 そんな風に話している中、ガビルが咳払いをする。

 

ガビル「ああ〜ゴホン!聞けばここには、牙狼族を飼い慣らした者達が居るそうだな。その2人は幹部に引き立ててやる。連れてくるがいいぞ。」

 

 そんな風に言うと、紫苑が再びリムルを強く握りしめる。

 すると、紅丸が良い笑顔で。

 

紅丸「コイツ、殺して良いですか?」

リムル「フッ………良いよ。」

エボル「何許可出してんだ!ストップ!」

黄歌「エボル様。」

エボル「ど、どうした、黄歌?」

黄歌「私のグリスとしての力で、この者達を一掃して良いですか?」

エボル「後々面倒臭いからやめろ!」

 

 紅丸と黄歌が、そんな風に言うもんだから、俺は必死に抑える。

 一方、それを見ていたシズさんは。

 

シズ「お調子者なのかな……………。」

 

 そう呟いていた。

 

リムル「えっと………。」

エボル「牙狼族を飼い慣らしたっていうか、仲間にしたのは、俺たちなんだけど………。」

ガビル「スライムと人間が?冗談を言うでない。」

エボル「ん………。」

リムル「嵐牙。」

嵐牙「はっ!ここに!」

 

 リムルが嵐牙の名を呼ぶと、紫苑の影から、嵐牙が現れる。

 それも、本来の大きさの。

 

エボル「お前に話があるそうだ。」

リムル「聞いて差し上げろ。」

嵐牙「御意!ふん!」

 

 嵐牙は、スキル・威圧を発動して、周囲の蜥蜴人族は威圧に怯える。

 

紅丸「あれっ?あんなにデカかったですかね?」

リムル「アレが本当の大きさなんだよ。」

エボル「まあ、威嚇するには、あのサイズの方が何かと都合が良い。」

黄歌「なるほど………。」

 

 紅丸の疑問に、俺とリムルがそう答えると、黄歌が納得する。

 嵐牙は、ガビルに話しかける。

 

嵐牙「主達より、お前の相手をする命を受けた。聞いてやるから、話すが良い。」

ガビル「…………貴殿が、牙狼族の族長殿か?」

 

 へぇ。

 他の奴が萎縮してる中、平然としているな。

 根性があるのか、鈍いかのどちらかだが。

 

ガビル「美しい毛並み。鋭い眼光。流石、威風堂々たる佇まい。しかし………主がスライムと人間とは、些か拍子抜けであるな。」

リムル「ああん?」

エボル「あ?」

 

 どうやら、後者の方だな。

 鈍い奴だ。

 嵐牙も、怒っているのか、目を細める。

 

ガビル「どうやら、貴殿は騙されておるようだ。よかろう。この我輩が、貴殿を操る不埒者を、倒して見せようではないか!」

部下「ガビル様、かっけ〜!」

部下「見せてやって下さいよ!ガビル様!」

部下「ガビル無双を!」

部下「あっ、そ〜れ!」

部下達『ガビル!ガビル!ガビル!ガビル!』

 

 部下達が、ガビルコールをして、ガビルはポーズを取る。

 すると、嵐牙が呟く。

 

嵐牙「蜥蜴風情が………!我が主達を愚弄するか………!!」

リムル(あっ、やばい。)

エボル(アイツ、死んだな。)

 

 ガビルがポーズを取る中、嵐牙は周囲から赤いオーラを出しつつ、目を光らせて、ガビルに迫っていく。

 すると、後ろから鼻歌が聞こえてくる。

 

ゴブタ「て〜ん、てってって〜ん!」

嵐牙「グワァァァ!!」

 

 嵐牙が咆哮を出す中、ゴブタが後ろから現れる。

 

ゴブタ「おお〜いっ、何やってるんっすか?」

紅丸「ゴブタ!?」

リムル「お前、生きてたのか?」

エボル「死んだかと思った。」

ゴブタ「ま〜たまた、酷いっす。ちゃんと生きてるっすよ。」

 

 どういう事?

 そう首を傾げていると、全ての知識が伝える。

 

全ての知識『告。個体名紫苑の手料理に抵抗して、毒耐性を獲得したようです。』

 

 え、毒耐性?

 という事は、紫苑の料理は、毒があるのか?

 ていうか、俺とリムルは、毒耐性なんて持ってないのにな。

 そんな風に青褪めていると、嵐牙がゴブタを咥える。

 

嵐牙「いい所へ来たな。」

ゴブタ「えっ?」

 

 すると、嵐牙はゴブタに槍を持たせ、ガビルの前に置く。

 

ゴブタ「えっ?へっ?何すか、この状況!?」

嵐牙「蜥蜴。」

ゴブタ「ええっ?」

嵐牙「この者を倒せたのなら、貴様の話、一考してやろう。」

ゴブタ「な………何で?」

 

 嵐牙、意外と冷静だな。

 まあ、嵐牙が相手をすると、ガビルが死ぬからな。

 すると、ガビルがゴブタを侮ったのか、口を開く。

 

ガビル「構いませんぞ。部下にやらせれば、恥はかきませんからな。なあ、スライム殿に人間?」

エボル「ムカッ。」

 

 よし、言ったな。

 じゃあ、ゴブタには、遠慮なく行かせてあげよう。

 

リムル「ゴブタ!遠慮はいらん!やったれ!」

ゴブタ「ええっ!何なんすかもう………。」

エボル「お前が勝ったら、黒兵衛に頼んで、お前専用の武器を作ってやるよ!」

ゴブタ「ああっ!ほんとっすか?ちょっとやる気出たっす。」

リムル「負けたら、紫苑の手料理の刑な!」

ゴブタ「それだけは勘弁っす〜!」

 

 俺の言葉に、ゴブタは、オーラを出してやる気になる。

 リムルの言葉に、俺、黄歌、紅丸、リグルド、シズさんが顔を青褪め、当の本人は。

 

紫苑「何やら、非常に不愉快な会話です。」

 

 そう言われたもんだから、紫苑はリムルを捻る。

 今のは、リムルが悪い。

 ていうか、紫苑の奴、自分の料理が最悪なのを自覚してないのか!?

 ガビルは、槍を振り回す。

 

ガビル「ふ〜ん!」

部下達『ガビル様〜!』

ガビル「準備は良いかな?」

ゴブタ「おお〜!」

嵐牙「では、始めろ!ワオ〜ン!!」

 

 嵐牙は、試合開始の咆哮を出す。

 ガビルは、ゴブタを侮っていた。

 

ガビル「フッ………。偉大なるドラゴンの末裔たる我ら、蜥蜴人族が、ホブゴブリンなんぞに………。」

ゴブタ「ふ〜ん!」

ガビル「ん?」

 

 そんな事を口にする中、ゴブタは自分が持つ槍を思いっきりぶん投げる。

 

ガビル「ぬおっ!?」

 

 その槍は、ガビルには当たらずに、部下達の目の前の地面に突き刺さる。

 

ガビル「おのれ!小癪な!」

 

 ガビルはそう言って、槍をゴブタに向かって振るうが、既にゴブタは居ない。

 

ガビル「あっ………。バカな、消え………たあァァァァァ!!ァァァァ………。」

 

 ガビルは、背後に現れたゴブタの回し蹴りを頭にくらい、そのまま気絶する。

 部下の蜥蜴人族達は、呆然とする。

 まさか、ゴブタの奴、影移動を使いこなしているとはな………。

 

ゴブタ「ハァ〜………。」

嵐牙「終わりだな。勝負あり!勝者ゴブタ!」

紅丸「おっしゃ!」

リグルド「よ〜し!」

紫苑「やった!」

黄歌「ええ。」

シズ「うん。」

 

 すると、嵐牙とリグルドが、ゴブタを胴上げする。

 

リグルド「わっしょい!」

ゴブタ「アハハ………!」

リグルド「わっしょい!」

ゴブタ「高いっす!」

嵐牙「さすがは、ゴブタ!我が見込んだだけの事はある!」

リグルド「ようやった!ホブゴブリンの力を、よくぞ見せつけた!」

紫苑「見直したぞ。私に対する先ほどの失礼な発言は、聞かなかったことにしてやろう。」

黄歌「お見事です。貴方は強いですね。」

紅丸「俺たちと戦った時より、強くなっている様だな。」

白老「鍛えがいのありそうな才能を持っている様ですじゃ。」

シズ「凄いよ!強いわね!」

 

 どうやら、皆、ゴブタの勝利を確信してたみたいだな。

 それを見ていた俺たちは、思念伝達で話し合う。

 

リムル『まさかゴブタが勝つとは……。俺はてっきりいちゃもんつけてボコボコにするのかと。』

エボル『俺も。まあでも、良いじゃん。勝ったんだし。』

リムル『ああ。俺は空気の読める男だから、期待通りだったことにしよう。』

 

 そんな風に話し合って、俺はゴブタに声をかける。

 

エボル「よくやった!約束通り、黒兵衛に武器を頼んでおく!」

ゴブタ「やったっす!」

リムル「お前ら、勝負はゴブタの勝ちだ!」

部下達『…………ハッ!?』

 

 リムルがそう声をかけると、固まっていたガビルの部下達は、動き出す。

 

リムル「豚頭族と戦うのに協力しろという話なら、検討しておくが、配下になるのは断る。」

エボル「今日の所は、さっさとそこのソイツを連れて帰れ!」

 

 俺とリムルがそう言うと、部下達は、ガビルを抱える。

 

部下「い、いずれまた来るぜ!」

部下「然り、これで終わりではないぞ。」

部下「きっ!お………覚えてろ〜!!」

 

 そんな、三流の悪役が言うような捨て台詞を吐きながら、蜥蜴人族達は、走り去っていく。

 

リムル「さてと。」

エボル「俺たちも、今後の方針を立てないとな。」

 

 その夜、豚頭族を偵察しに行っていた蒼影、リグルド、レグルド、ログルド、リリナを始めとするゴブリン、カイジンを加え、会議をする事に。

 蒼影の報告に、俺たちは驚く。

 

蒼影「20万の豚頭族。その本隊が、大河に沿って北上している。そして、本隊と別動隊の動きから予想できる合流地点は…………ここより東の湿地帯。」

リグルド「つまり、蜥蜴人族の支配領域、と言う事ですな?」

蒼影「うん。」

リムル「20万か………。」

エボル「かなり多いな………。それにしても、豚頭族の侵攻目的はなんだ?」

 

 その言葉に、全員が考える。

 カイジンが口を開く。

 

カイジン「う〜ん………。豚頭族はそもそも、あまり知能の高い魔物じゃねぇ。この侵攻に、本能以外の目的があるってんなら、何かしら、バックの存在を疑うべきだろうな。」

黒兵衛「バックの存在だべか?」

リムル「例えば………。」

エボル「魔王とかか?」

 

 その言葉に、全員の視線が、俺たちに向く。

 そして、シズさんは何かを考えていた。

 

エボル「紅丸達の村に来た魔族、ゲルミュッドが関係しているなら………。」

リムル「………まっ、今の所、なんの根拠も無いが。」

 

 そう言って、俺たちはシズさんを見て、シズさんの意見を聞く。

 

エボル「シズさん的には、この状況はどう思うんだ?」

シズ「何度か、豚頭族(オーク)と戦った事があるんだけど、こんな大規模じゃなかったから、おかしいと思う。」

 

 シズさんからしても、異常だと思うか。

 すると、紅丸が口を開く。

 

紅丸「魔王が絡んでいるかどうかは、分からん。だが………。」

リムル「だが?」

紅丸「豚頭帝(オークロード)が出現した可能性は強まったと思う。」

エボル「確か、数百年に一度、豚頭族の中から生まれる、ユニークモンスターだったか?」

紅丸「はい。20万もの軍勢を、普通の豚頭族が統率出来るとは思えませんから。」

リムル「ふむ………。」

 

 紅丸の言葉を聞いていると、ルグルドが口を開く。

 

リグルド「居ないと楽観視するよりは、警戒するべきだと思います。」

リムル「そうだな。」

エボル「じゃあ、今後の方針も、豚頭帝が居ると仮定して、進めるべきだろうな。」

 

 リグルドの意見に、俺たちが頷いていると、蒼影の様子が変わる。

 

蒼影「あっ!」

リムル「どうした?」

蒼影「偵察中の分身体に、接触してきた者が居ます。」

エボル「接触?」

蒼影「リムル様とエボル様に、取り次いでもらいたいとの事。いかが致しましょう?」

リムル「誰だ?」

エボル「ガビルみたいな変な奴は、もうごめんだぞ。」

蒼影「変………ではありませんが、大変珍しい相手でして。その………樹妖精(ドライアド)なのです。」

一同『あっ………!』

リムル「樹妖精!?」

エボル「樹妖精って確か………。」

 

 ゲームだと、木の精霊みたいな存在だったな。

 すると、周囲が騒つく。

 

リグルド「樹妖精様が最後に姿を見せたのは、数十年以上前では無かったか?」

リムル「か………構わん。」

エボル「大丈夫なら、呼んでくれ。」

蒼影「はっ。」

 

 すると机の中心に強い風が起こる。

 紫苑、朱菜、黄歌、シズさんが俺たちの前に立つ中、蔦が伸びてきて固まり、そこから、1人の女性が現れる。

 鬼人達が俺たちの前で警戒する中、その樹妖精は口を開く。

 

トレイニー「魔物を統べる者と、地球外生命体の者、及びその従者たる皆様。突然の訪問、相すみません。私は、樹妖精のトレイニーと申します。どうぞ、お見知り置き下さい。」

リムル「俺は、リムル=テンペストです。で、そっちが………。」

エボル「エボル=テンペストです。えっと……トレイニーさん。いったい、なんの御用向きで?」

 

 俺とリムルは名乗り、俺が、トレイニーさんに用件を聞く事に。

 トレイニーさんは、口を開く。

 

トレイニー「本日は、お願いがあって、まかり越しました。」

リムル「お願い?」

エボル「それは、何ですか?」

トレイニー「リムル=テンペスト……魔物を統べる者。エボル=テンペスト……地球外生命体よ。貴方方に、豚頭帝の討伐を依頼したいのです。」

 

 トレイニーさんは、そう言った。




今回はここまでです。
大変長らくお待たせしました。
他の小説の投稿などで投稿出来ず、すいません。
今回は、ガビルとの邂逅の話です。
黄歌は、グリスに変身が可能になりました。
トレイニーさんも接触してきました。
次回は、開戦前の話です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日から、エボル関連のアイテムのセットが予約開始されましたね。
かなり大盤振る舞いですね。
自分も予約しようかなと思います。
これを逃したら、もう手に入らないでしょうし。
グレートクローズドラゴンも予約開始されましたね。
次回も楽しみにしてて下さい。
頑張ります。
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