転生したらブラッド族だった件   作:仮面大佐

2 / 23
第1話 ゴブリン達との出会い

 こうして、俺とスライムは、暴風竜ヴェルドラの話を聞く事にした。

 見た目に反して、この竜、意外と話好きで親切だと分かった。

 

ヴェルドラ「なんと、お前ら、異世界からの転生者か。」

スライム「そうなんすよ!超大変だったんすよ!」

颯太「大変そうなのが、伝わってきます。」

 

 このスライム、前世では三上悟というらしく、ゼネコン勤務のサラリーマンらしい。

 俺は、前世では大学生だと伝えると。

 

スライム「お前、恋人とか居たのか?」

颯太「いや、彼女居ない歴=年齢ですよ。」

 

 そう伝えると、納得した様だ。

 すると、ヴェルドラが口を開く。

 

ヴェルドラ「物凄く稀な生まれ方をしたな。転生者は偶に生まれてくるし、異世界人も時たまやって来るが、異世界からの転生者は、我の知る限り、事例はない。」

颯太「そうなんですか。」

スライム「異世界人って、自分達以外にも居るんですね。」

ヴェルドラ「うむ。奴らは、こちらの世界に渡る時、望んだ能力を得られるらしいぞ。」

 

 なるほど。

 つまり、俺がエボルトの能力を望んだから、手に入れたって事か。

 まあ、本音を言うと、仮面ライダービルドの方が良かったのだが。

 まあ、エボルも悪くないしな。

 

スライム「ちょっとその異世界人を探して、会ってみようかな。」

颯太「そうだな。」

ヴェルドラ「なんだ?もう行ってしまうのか?」

((露骨に寂しそうだな!))

 

 俺とスライムは、そう思う。

 ていうか、この竜、本当に人間臭いよな。

 まあ、俺、今、エボルトなんだけどな。

 

スライム「え〜っと、もうちょっと此処に居ようかな?」

颯太「まあ、どうせ暇だし。」

ヴェルドラ「そうかそうか!ゆっくりしていくが良いぞ。」

 

 スライムは、気になる事があったのか、ヴェルドラに質問をする。

 

スライム「ええと………ヴェルドラさんは、ここから動けないんですか?」

ヴェルドラ「うむ。300年前に勇者に封印されて以来、このままよ。もーヒマでヒマで………。」

颯太「(勇者、居るんだ………。)どうして、封印されたんですか?」

ヴェルドラ「よくぞ聞いてくれた!300年前、ちょっとうっかり、街一つを灰にしちゃってな。」

颯太(ちょっとうっかりで済むレベルじゃねぇ。)

 

 それでうっかりとか、どうなってんだ。

 まあ、人間と竜では、感覚が違うか。

 その間、ヴェルドラは語った。

 自分の目の前に勇者と名乗る人物が現れ、応戦した。

 だが、その勇者に負け、封印されたらしい。

 その勇者は強く、UQスキル・絶対切断で圧倒し、UQスキル・無限牢獄で封印したのだ。

 それ以来、300年の間ずっとこの洞窟の中で、一人でいたらしい。

 その際、一つ思った事がある。

 

颯太「もしかして、見惚れてて負けたんじゃないんですか?」

ヴェルドラ「ばっ………そんな訳なかろう!やや小柄でほっそりとしていて、白い肌に黒い髪を一つに纏めていて、深紅の小さな唇……。」

スライム(がっつり見てんじゃないすか。)

 

 分かった。

 こいつ、人間が好きなのだ。

 自分が負けた話であるのにも関わらず、楽しそうに語っている。

 それにしても、300年間一人で過ごすなんて、寂しいだろうな。

 すると、スライムが提案する。

 

スライム「…………よし。じゃあ、俺と………いや、俺達と友達にならないか?」

颯太「良いね。」

ヴェルドラ「何!?スライムとブラッド族とやらの分際で、この暴風竜ヴェルドラと友達だと!?」

スライム「い、嫌なら良いんだけど………。」

ヴェルドラ「馬鹿者!誰も嫌だとは言っておらぬではないか!!」

颯太「じゃあ、どうすんの?」

ヴェルドラ「そうじゃなぁ………。どうしてもと言うのなら、考えてやっても………良いんだからね。」

((ツンデレか!!))

 

 おいおい、女の子ならまだしも、竜のツンデレなんて、今日日流行らないだろ。

 素直じゃないので、追い討ちをかける事に。

 

スライム「どうしても、だ!決定な!嫌なら絶交。二度と来ない。」

颯太「まあ、そういう事で。」

ヴェルドラ「ちょっ………!し、仕方ないであるな。友達になってやる。感謝せよ!」

スライム「素直じゃないなぁ。」

颯太「まあ、よろしくな。」

 

 そうして、ヴェルドラと友達になった。

 なったのは良いのだが、ヴェルドラの対処をどうするかだ。

 

スライム「………で、どうする?」

ヴェルドラ「ん?」

颯太「この封印だよ。………流石に、300年間一人で過ごすのは、可哀想だからな。」

ヴェルドラ「…………お前達!」

颯太(そんなウルウルした目で俺を見つめないでくれ!怖い!)

 

 それはともかく、どうしたものか。

 一応、全ての知識(パンドラ)に出来るかどうか、聞いてみるか。

 

颯太(全ての知識。無限牢獄を破る事は、出来ないか?)

全ての知識『解。このスキルでは、無限牢獄を破る事は叶いません。』

颯太(そっかぁ………。ブラッドスタークじゃ、無限牢獄を破る事なんて、不可能だろうしな。)

 

 ていうか、ビルド系列の仮面ライダーは、結界を破る力なんて、無いからな。

 さて、どうしたもんか。

 すると、スライムが何かを思いついたのか、ヴェルドラに話しかける。

 

スライム「………俺の胃袋に入る気はないか?」

ヴェルドラ「…………。」

颯太「………すいません、説明下さい。」

スライム「おう。」

 

 スライム曰く、俺のUQスキル、全ての知識と似た様なスキル、『大賢者』というスキルがあるらしく、スライムが大賢者と捕食者というスキルで解析して、ヴェルドラも内側から破壊できないか確かめるらしい。

 スライムの胃袋の中は、隔絶された空間の為、魔力が漏れることは無いとの事。

 これなら、ヴェルドラの消滅を気にせずに、解析出来るな。

 すると、ヴェルドラは。

 

ヴェルドラ「………ククク………クハハハ………クハハハハハハハハハハ!!!」

颯太(おお、笑いの三段活用。)

ヴェルドラ「それは面白い!是非やってくれ!!お前に、我の全てを委ねる!」

 

 随分とあっさりだな。

 スライムは、戸惑った様で、ヴェルドラに尋ねる。

 

スライム「おいおい。そんなに簡単に信じて良いのか?」

ヴェルドラ「無論だ。ここでお前達の帰りを待つより、共に『無限牢獄』を破った方が面白そうだ!」

颯太「そっか………。」

 

 まあ、一人より皆の方が良いしね。

 それに、一々洞窟に戻るよりも、一緒に居た方が良いに決まってる。

 そうして、スライムはヴェルドラを捕食しようとするが、ヴェルドラが待ったをかけた。

 

ヴェルドラ「おっと、その前に。」

「「?」」

ヴェルドラ「お前達に名をやろう。そして、お前達も我らの共通の名を考えよ。」

颯太「どういう事?」

ヴェルドラ「同格である事を、魂に刻むのだ。」

 

 ヴェルドラ曰く、人間でのファミリーネームと同じで、ヴェルドラが俺たちに名前をつける事で、名持ちの魔物の仲間入りになる。

 そんなこんなで、俺とスライムは、考える。

 

颯太(暴風竜だから…………ストーム?サイクロン?ハリケーン?いや、しっくり来ないな。)

 

 俺、名付けとか苦手なんだよな。

 ゲームキャラに名前をつける場合は、大抵そのゲームキャラのデフォルトネームか、自分の名前だし。

 すると、一ついいのが思いついた。

 

颯太「(テンペスト………良いじゃん!)スライムさん、決まりました?」

スライム「ああ。」

颯太「じゃあ、同時に言いましょう。」

スライム「そうだな。」

「「テンペストはどうだ?」」

 

 どうやら、考えている事は同じみたいだな。

 すると、ヴェルドラが反応した。

 

ヴェルドラ「何いいいいい!!テンペストだとおおおおおおお!!!」

颯太「ダメでした………?」

ヴェルドラ「素晴らしい響きだあああああ!!今日から我は、ヴェルドラ=テンペストだああああああああ!!!」

スライム「気に入ったのかよ………。」

 

 一々大袈裟な竜だな。

 だけど、嫌いじゃ無い。

 すると、ヴェルドラが、まずはスライムの方に名前を付ける。

 

ヴェルドラ「そして、まずスライムのお前には、『リムル』の名を与えよう。今日から、リムル=テンペストを名乗るが良い。」

リムル「リムル………!」

ヴェルドラ「そして………確か………。」

颯太「あ、ブラッド族です。」

ヴェルドラ「そうか。なら、ブラッド族のお前には、『エボル』の名を与えよう。今日から、エボル=テンペストを名乗るが良い。」

エボル「ありがとうございます!」

 

 こうして、俺は颯太改め、エボルという名前を得た。

 魂に、エボル=テンペストという名前が刻まれたのだった。

 その後、リムルが『捕食者』を発動して、ヴェルドラが消えた。

 

リムル「さて、外に向かうか。」

エボル「そうだな。ヴェルドラの為にも。」

 

 俺たちは、外へと向かって歩き出す。

 ただ、暴風竜ヴェルドラの消滅は、周辺の国に大きな衝撃を与えた事を、今の俺たちは知らない。

 リムルと話している中、俺のブラッドスタークの力の話になった。

 

リムル「えっ!?エボルって、仮面ライダーになれるのか!?」

エボル「ああ。まあ、厳密には、ブラッドスタークは仮面ライダーじゃないんだけどな。」

リムル「ちょっと、変身してくれよ。」

エボル「分かった。」

 

 リムルに頼まれ、俺は無限収納から、トランスチームガンとコブラフルボトルを取り出す。

 その際、人間態として、石動惣一の姿に変わる。

 そして、トランスチームガンにコブラフルボトルを装填する。

 

コブラ!

 

 装填すると、待機音が流れてくる。

 俺は、姿を変える際の言葉を言う。

 

エボル「蒸血。」

 

 そう言って、トリガーを引く。

 

ミストマッチ!

コ・コッ・コブラ………コブラ………!

ファイヤー!

 

 すると、俺の姿が変わる。

 ブラッドスタークに変身した。

 すると、リムルは興奮する。

 

リムル「おおお!本当に仮面ライダーになった!」

エボル「だろ?」

 

 そう言って、俺は変身解除する。

 そうして、移動を再開する。

 気になる事があり、俺は全ての知識に聞く。

 

エボル(なあ、フルボトルって、どうやって作るんだ?)

全ての知識『解。マスターが望めば、フルボトルを作る事ができます。あと、ヴェルドラの残留していた魔素を吸収して、ドラゴンフルボトルとドラゴンエボルボトルが完成しました。』

エボル(分かった。)

 

 なるほど、そういう事か。

 ていうか、ヴェルドラの魔素を吸収していたのか。

 俺とリムルは、進んでいく。

 その際に、魔鉱石やヒポクテ草を回収したりした。

 何か、使えそうな気がしたからな。

フルボトルの作成にも。

 魔物と全く遭遇しなかったと言う訳でもなく、黒蛇(ブラック・サーペント)甲殻トカゲ(アーマーサウルス)、エビルムカデ、黒蜘蛛(ブラックスパイダー)巨大蝙蝠(ジャイアントバット)といった魔物と遭遇した。

 それらを倒して、リムルの捕食者で取り込んでいく。 

 だが。

 

リムル「キツいんだけど…………。」

エボル「大丈夫か?」

 

 リムルは、ぐったりとしていた。

 何せ、一部グロくなった状態で食わざるを得ないとなると、キツイだろうな。

 ちなみに、リムルは『超音波』というスキルを用いる事で、声を出せる様になった。

 ちなみに、リムルの方から、タメ口で良いと言われ、タメ口で接する事に。

 あと、俺も魔物のスキルなどを獲得した。

 やり方としては、キルバスが戦兎の姿を擬態した時みたいにだ。

 そんなこんなで先に進むと、巨大な扉が現れる。

 長い間放置されていたのか、全体的に錆び付いている。

 

リムル「ここが、出口か?」

エボル「多分な。」

 

 さて、どうしようかな。

 すると、扉が開いていく。

 しかも、人間の気配が三人する。

 俺とリムルは、即座に柱に隠れる。

 

盗賊「ふう、やっと開いたでやす。鍵穴も錆び付いていて、ボロボロでやすよ。」

剣士「仕方ねぇって、300年誰も入っていないんだろ?」

魔法使い「いきなり魔物に襲われたりしないですよね?………まぁ、いざという時は『強制離脱(エスケープ)』使いますけど。」

 

 そう話していた。

 話してみたいのは山々だが、今の俺の姿は、エボルトだ。

 そんな状態で前に出たら、確実に襲われる。

 

盗賊「じゃあ、アッシの技術(アーツ)、『隠密』を発動しやすよ。」

エボル(隠密?)

 

 盗賊風の男がそう言って、両手の拳を合わせると、彼らの姿が見えなくなった。

 ただ、奥へ進んでいくのは分かった。

 何せ、足跡はそのまま残っているのだから。

 

エボル「へぇ。あんなのあるんだ。」

リムル「全く、けしからん奴だ!後で友達になる必要があるな。」

エボル「………お前、何する気だよ。」

 

 俺が呆れる中、あの三人は奥へと進んでいた為、その隙に外へと出る。

 若干、勘付かれた気がするが、気のせいだろう。

 それにしても、久しぶりの外は、気持ちいい物だ。

 俺たちは、周囲の散策を行う。

 その間に、リムルは発声練習をしていた。

 俺は、周辺に生えている果物とかを食べていた。

 外に出てからは、魔物に襲われていない。

 一回だけ、魔物が来た事があるのだが。

 

リムル「カキノキ、クリノキ、カキクケコ。」

エボル「美味いな。」

 

 ちなみに、食事に関しては、問題なく出来るそうだ。

 すると、五体の狼の魔物が来たのだ。

 

狼「グルルル………。」

リムル「あ?」

エボル「何の用だ?」

 

 そう聞くと、狼達は一目散に逃げ出す。

 何だったんだろうか。

 そんな感じに、周囲を彷徨っていると、目の前にゴブリンの一団が現れる。

 どうやら、面白おかしいエピソードを早速用意出来そうだ。

 すると、リーダーのゴブリンが話しかける。

 

ゴブリン「グガ、つ………強き者達よ、この先に何かようですか?」

エボル「強き者達?」

リムル(それって、俺たちの事か?)

 

 俺とリムルが自分を指差すと、ゴブリンは頷く。

 すると、リムルが喋ろうとする。

 

リムル「えーっと、初めまして。」

エボル「!?」

ゴブリン「ヒイイイイイイィィィ!!!」

リムル「俺はスライムの、リムルと言う……。」

エボル「リムル、ストップ!」

 

 俺は、爆音を鳴らすリムルを止める。

 ゴブリン達は、すっかり萎縮してしまった。

 

ゴブリン「貴方様の力は十分理解しました!どうかお声を鎮めてください!」

リムル「あれ?思念が強すぎたか?」

エボル「アレは、ヴェルドラ並みだったぞ。」

 

 そうして、リムルは思念を抑えて、俺と共にゴブリン達の話を聞く事に。

 曰く、どうやら強力な魔物の気配が近づいてきたから、警戒に来たようだ。

 その強力な魔物というのが、俺たちの事だろう。

 

ゴブリン「強き者達よ、貴方達を見込んでお願いしたい事があります。」

「「お願い?」」

 

 俺たちは、ゴブリン達が住む村へと案内された。

 村、といっても、集落というのが近いが。

 ヴェルドラの鼻息だけで吹き飛びそうな気がする。

 俺たちは、村長から話を聞く事に。

 

村長「初めまして、私はこの村の村長をしています。」

エボル「初めまして。」

リムル「俺たちにお願いとは、何ですか?」

 

 リムルがそう聞くと、村長と先ほどのゴブリンが頷き合い、訳を話し始めた。

 

村長「実は最近魔物の動きが活発になっているのですが、ご存じでしょうか?」

エボル「………活発になってんのか?」

リムル「さあ………?」

村長「我らの神が、一月程前にお姿をお隠しになったのです。その為に近隣に住む他の魔物達が、この地にちょっかいを出すようになったのです。」

エボル(あれ?何か、嫌な予感がする。その神って………ヴェルドラだよな。)

 

 アイツ、魔物除けになってたのか。

 という事は、俺たちが元凶って事になるよな。

 悪い事をしたな。

 

村長「我々も応戦をしたのですが、戦力的に厳しく………。」

ゴブリン「それで、貴方達に!」

リムル「力を貸してほしいと………。でも俺スライムなんで、期待に添えるかどうか?」

エボル「俺も、生まれたばかりだから、あまり期待出来ないですよ。」

村長「ハハハ、ご謙遜を。」

ゴブリン「ご謙遜を。」

「「ん?」」

 

 どういう事?

 俺だって、生まれたばかりだぞ。

 まあ、ブラッド族なので、大丈夫だと思うが。

 すると、村長とリーダーは理由を話す。

 

村長「ただのスライムにそれだけの『覇気』は出せませんよ。さぞかし名の知れた魔物だとお見受けします。」

ゴブリン「そちらの方も、それ相応の『覇気』を感じるので、相当なお力を持った魔物とお見受けします。」

エボル「え?」

 

 気になった俺は、全ての知識に頼む。

 

エボル(全ての知識。第三者視点に切り替え。)

全ての知識『了。』

 

 そう言って、第三者視点に切り替わると、俺とリムルから、膨大な魔素が漏れ出ている事が分かる。

 え。

 

エボル(これが原因か!通りで、洞窟を出てから、魔物に襲われないわけだ!!)

 

 これ、前世で言うところの、社会の窓を全開にして歩いている様な物だぞ!

 やっべぇ。

 すると、リムルが芝居がかった言葉を言う。

 

リムル「………フッ、さすが村長。わかるか?」

エボル「おい?」

 

 何とか、魔力を引っ込める事に成功した。

 ゴブリン達は、自分達を試していたと誤解している様だ。

 まあ、そっちの方が都合が良い。

 ていうか、あの三人は、よく俺たちに気付かなかったな。

 村長曰く、この地に牙狼族が襲ってきたのだ。

 本来、狼一匹につきゴブリンの戦士が十人がかりで相手をしても、勝てるかどうか分からない程の強さらしい。

 その戦いで多数のゴブリンの戦士が、討死した。

 この村には、名持ちの守護者のようなゴブリンがいたが、そのゴブリンも討死し村は危機に瀕している。

 

村長「牙狼族は全部で百匹程度です。」

リムル「………こっちの戦力は?」

村長「戦えるものは雌も含めて六十匹程です。」

 

 絶望的な戦力差だ。

 さて、どうしたものか。

 一つ、気になった事があるので、聞いてみる事に。

 

エボル「なあ。その名持ちのゴブリンは、勝てないと分かっていながら、戦ったのか?」

村長「いえ、牙狼族の情報は………その戦士が命懸けで知らせてくれた物なのです。その戦士は………私の息子で、これの兄でした。」

エボル「…………すまない。配慮が足りなかったな。」

 

 勝てないと分かっていても、仲間の為に情報を集めたのか。

 家族や仲間の為に。

 すると、リムルが口を開く。

 

リムル「………村長、仮に俺達がお前達を助けるとして、見返りはなんだ?お前達は、俺達に何を差し出せる?」

「「……………。」」

エボル「リムル…………。」

 

 言いたい事は分かる。

 無償の助けは、後に俺達を苦しめてしまう事になる。

 だからこそ、体裁を整える必要があるのだ。

 すると、村長とリーダーは、口を開き、深く頭を下げる。

 

村長「…………我々の忠誠を捧げます!我らに守護をお与えください!さすれば我らは、お二人に忠誠を誓いましょう。」

ゴブリン「誓いましょう!」

エボル(…………なんだかんだ、俺はお人好しだな。)

 

 俺は、人から頼まれると、断りきれない性格だったのだ。

 それに、今の俺は、ブラッドスタークなのだ。

 放ってはおけない。

 エボルトとは違うブラッドスタークになってみせるか。

 すると、狼の遠吠えが聞こえてくる。

 恐らく、件の牙狼族だろう。

 村長とリーダーは、怯える仲間達を落ち着けようとする。

 俺は、リムルに話しかける。

 

エボル「どうする?リムル。」

リムル「そうだな。」

エボル「助けるぞ。」

リムル「ああ。」

 

 俺たちは、外へと出る。

 その際、俺は石動惣一の姿になる。

 

リムル「怯える必要はない。」

エボル「そうだぜ。これから倒す相手だし。」

村長「では………!」

リムル「ああ。お前達のその願い、暴風竜ヴェルドラに代わり、このリムル=テンペストと。」

エボル「エボル=テンペストが聞き届けよう!」

 

 俺たちがそう言うと、感極まったのか、その場にいるすべてのゴブリンが、頭を深く下げる。

 

村長「我らに守護をお与え下さい!さすれば、今日より我らは、貴方様方の忠実な僕です!」

 

 そうして、俺とリムルは、ゴブリン達の守護者になる事に。




今回はここまでです。
颯太改め、エボルは、魔物のスキルなどを獲得していきます。
人間態は、しばらくは石動惣一の姿ですが、しばらくしたら、別の姿に変えます。
ちなみに、ヴェルドラの魔素を吸収した事で、ドラゴンフルボトルとドラゴンエボルボトルが誕生しました。
次回は、牙狼族との戦いです。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
エボルの未登場形態であるエボルタンク、エボルロック、エボルダイナソーに関しては、出すかどうかは未定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。