転生したらブラッド族だった件   作:仮面大佐

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第6話 爆炎の支配者

 翌日、俺とリムルと嵐牙は、丘の上で村を見ていたシズさんの元へ。

 昨夜、胸騒ぎがしたので、スチームブレードを作っておいた。

 リムルは、シズさんに話しかける。

 

リムル「俺たちの街、気に入って貰えたかな?」

シズ「ええ。とっても!」

 

 シズさんは、仮面を頭の左側に動かしながら笑顔でそう答えた。

 

エボル「それは、よかった。」

リムル「シズさんさえ良ければ、いつまでも居て良いんだぞ。」

シズ「ありがとう。…………でも、行かなきゃ。」

リムル「そっか………。」

シズ「ここに居たら、迷惑をかけちゃうかもしれないし。」

エボル「ん?」

 

 俺とリムルが首を傾げる中、シズさんは表情を暗くして、口を開く。

 

シズ「………私の旅の目的は………。」

リムル「目的?」

シズ「私を召喚した男を見つける事。」

エボル「見つけたら、どうするんですか?」

 

 俺のその問いには、シズさんは答えなかった。

 流石に、聞きすぎたか。

 すると、リムルが明るく答える。

 

リムル「分かった!残念だけど、いつでも遊びに来てくれ!歓迎するよ!なあ、嵐牙?」

嵐牙「勿論です!」

エボル「いつでも、熱烈歓迎だよ。」

シズ「ありがとう。嵐牙もありがとう。」

 

 そう言って、シズさんは嵐牙の顔を抱える。

 その後、村へと戻り、用意をしているエレンとシズさんを待つ。

 その際、考えていたのは、シズさんを召喚した男の事だ。

 

エボル(一体………誰がシズさんを召喚したんだ?炎への耐性は、恐らく、焼夷弾の炎で焼かれた結果、身に付いた物だろうけど………。もしかして、魔王か?)

 

 恐らく、魔王の可能性が高いな。

 だが、シズさんは一体、何をしようとしているんだ…………?

 そんな風に考えていると、シズさんとエレンがやって来る。

 

リグル「お、来た来た。」

エレン「お待たせ〜。」

ギド「待ちくたびれたでやすんよ。」

カバル「………ったく、女は支度が遅ぇよな。全く。」

 

 そんな中、シズさんは立ち止まる。

 俺たちが首を傾げながら見ていると、突然苦しみ出す。

 

シズ「ぐっ………!グゥゥゥゥ………!」

リグルド「どうかしましたか?」

エボル「シズさん………!?」

シズ「そんな………!もう………!?」

ギド「シズさん?」

カバル「おい、どうした………?」

 

 皆が心配する中、シズさんは倒れ、絶叫する。

 

シズ「グゥゥ………!アァァァァァ!!」

 

 すると、シズさんが着けている仮面にヒビが入り、そこから赤い光が立ち上る。

 

エレン「シズさん!シズさん!!」

エボル「何が起こってるんだ………!?」

全ての知識『告。対象の魔力が増大しました。警戒してください。』

 

 魔力が増大!?

 そんな風に驚いていると、赤い光は空へと届き、周囲に黒雲が現れ、太陽の光を遮る。

 すると、シズさんが少しずつ浮かび上がり、衝撃波がこちらに来る。

 俺たちは、倒れながらも、シズさんを見上げる。

 

エボル「皆!大丈夫か!?」

カバル「何だよ、これ………!危険手当くらい上乗せしてもらわねぇと………!」

ギド「だから、それはフューズの旦那に言うでやんすよ!」

エレン「シズさん!シズさん!」

 

 エレンがそう叫ぶ中、カバルが何かに気づいた様な反応をする。

 

カバル「シズ……?シズエ・イザワ………!?」

エレン「えっ?」

ギド「シズエ・イザワって………爆炎の支配者か………!?」

エレン「そ、それって、50年くらい前に活躍したって言う、ギルドの英雄よね!?シズさんが………!?」

ギド「爆炎の………!?」

カバル「くっ………!もう引退してんじゃなかったのか!?」

 

 やはり、カイジンが言っていたことは本当だったのか!

 俺たちは、リグルドとリグル、シールドに命令する。

 

リムル「リグルド、リグル。皆を避難させろ。」

リグルド「しかし………!」

リグル「リムル様………!エボル様………!」

エボル「このままじゃ、死人が出る!命令だ!大至急!」

リグルド「ははっ!承りました!」

 

 リグルドとリグルは、ゴブリン達やカイジン達を避難させるために動き出す。

 すると、シズさんが。

 

シズ「ハナ………レテ………。」

「「!!」」

シズ「オサエキレナイ………ワタシカラ………ハナレテ………。」

 

 シズさんは、そう言ったのだ。

 俺とリムルは、思念伝達で話し合う。

 

エボル『リムル………どうする?』

リムル『何とか、助けられないのか?』

エボル『もしかして、その召喚した男に、呪いを刻まれたんじゃ………。』

リムル『なら、どうにか、シズさんを助けないと………!』

エボル『ああ!』

 

 その為には、シズさんの内部に巣食う、何かを特定しないと………!

 すると。

 

全ての知識『告。解析の結果、個体名、シズエ・イザワには、イフリートが同化しており、現在、主導権を取り戻そうと暴走しています。』

エボル『マジか………!?なら、どうにかして、シズさんとイフリートを分離できれば……………!』

 

 なるほど、そういうことか!

 でも、問題はどうやって分離させるか。

 ていうか、いつの間に解析してたのか。

 すると、全ての知識が、今度は絶望的な事を言う。

 

全ての知識『告。個体名、シズエ・イザワからイフリートを分離すると、命の保証はありません。』

エボル『何っ!?』

全ての知識『個体名、井沢静江(シズエ・イザワ)は、イフリートによって延命されている状態です。イフリートが居なくなれば、個体名、井沢静江(シズエ・イザワ)の命は、持って一月未満。』

エボル『そんな………!?』

 

 それでは、シズさんを助けられないのと同義ではないか。

 仮面ライダーという力があるのに、シズさんを助けられないのか………。

 そんな風に打ちひしがれていると。

 

全ての知識『告。個体名、井沢静江(シズエ・イザワ)を助ける方法は、一つだけあります。』

エボル『何っ!?』

全ての知識『それは…………。』

 

 そう言って、全ての知識は語った。

 どうすれば、シズさんを助けられるのかを。

 俺は、それを聞いて、決意した。

 絶対にシズさんを助けると。

 俺は、リムルに思念伝達で伝える。

 

エボル『リムル。シズさんを助ける方法を見つけたぞ!』

リムル『でかした!それで、どうすれば良いんだ?』

エボル『俺がイフリートを抑える!リムルは、イフリートを食らってくれ!』

リムル『分かった!』

 

 実は、リムルには、シズさんとイフリートを分離した後、どうするのかは、まだ伝えていない。

 こればっかりは、今説明している余裕がない。

 何せ、もうシズさんは、限界なのだ。

 俺は、腰にトランスチームガンを取り出す。

 

カバル「何だそれ!?」

エボル「良いから、見てろ。」

 

 俺はトランスチームガンにコブラフルボトルを装填する。

 

コブラ!

 

 装填すると、待機音が流れてくる。

 俺は、姿を変える際の言葉を言う。

 

エボル「蒸血。」

 

 そう言って、トリガーを引く。

 

ミストマッチ!

コ・コッ・コブラ………コブラ………!

ファイヤー!

 

 俺は、ブラッドスタークに変身する。

 すると。

 

エレン「えぇぇぇ!?」

ギド「エボルの旦那の姿が………!」

カバル「変わった…………!?」

 

 カバル達は、俺の姿が変わった事に驚いていたが、リムルは嵐牙に乗って、俺の隣に来る。

 

エボル「準備は良いか?」

リムル「ああ。」

エボル「分離した後の事は、戦いが終わったら話す。今は、イフリートを取り込むのに専念してくれ。」

リムル「おう。お前を信じてるぞ。」

エボル「ああ。だから、俺もお前を信じる!」

リムル「おう!シズさん、あんたの呪いは俺達が解いてやる。」

エボル「だから、もう少し頑張ってくれ!」

シズ「オ………ネ………ガ………イ………。」

 

 シズさんは、そう言う。

 すると、限界が来たのか、シズさんの姿が、イフリートになる。

 

カバル「炎の精霊……イフリート………!」

ギド「間違いないでやす。シズさんは……!」

エレン「伝説の英雄………爆炎の支配者………!あ、あんなの、どうやっても勝てないんですけど!」

ギド「無理でやす………。あっしらはここで、死ぬんでやす………。短い人生だったでやすんね………。」

 

 エレン達が弱腰になっている中、イフリートは咆哮して、そこから、精霊の類を召喚して、俺たちの村に火を放っていく。

 

リムル「ちっくしょう………!折角作ったばっかりなのに………!」

エレン「いった〜い………!」

エボル「お前ら!早く逃げろ!」

カバル「……そんな訳にもいかねぇよ………!」

 

 カバルは、そう言って、剣を抜刀する。

 カバルだけでなく、エレンもギドも、武器を構えていた。

 

カバル「あの人がなんで殺意を剥き出しにしてるのか知らねーが………。」

ギド「俺達の仲間でやんすよ。」

エレン「ほっとけないわ!」

 

 良い仲間じゃないか。

 俺たちは、身構える。

 リムルが、イフリートに聞く。

 

リムル「念のために聞くぞ、イフリート!お前に目的はあるか!?」

 

 リムルがそう問う中、イフリートは何も答えずに、こちらに向かって攻撃して来る。

 俺とリムルは、ステップでそれを躱す。

 リムルは、反撃で水刃を撃つが、当たる直前で蒸発してしまった。

 

エボル『マジか……………なあ、全ての知識さん。イフリートには、どんな攻撃が通用するんだ?』

全ての知識『解。精霊族には、爪や牙などの攻撃は通用しません。有効なのは、魔法攻撃。』

エボル『分かった。どうにかするか。』

 

 俺は、トランスチームガンとスチームブレードを手に、イフリートに向かっていく。

 リムルは、イフリートが召喚したサラマンダーの相手をしていた。

 俺はあくまで時間稼ぎ。

 

エボル「ハアッ!フッ!でやっ!」

 

 俺は、衝撃波を放ちつつ、攻撃していく。

 俺とイフリートは、互角に戦っていた。

 リムルは、エレンの魔法を取り込み、取り込んだ魔法を使って、二体のサラマンダーを倒した。

 だが、一体が自爆をしようとしていた。

 

エボル「自爆!?」

カバル「こいつ、自爆を!?」

 

 まずい!

 リムルは距離的に間に合わない。

 あれを使うか!

 

エボル「ハアッ!」

 

 俺は、ブラッドスタークの両腕から伸びる蛇の尻尾状の針、スティングヴァイパーをサラマンダーに突き刺す。

 スティングヴァイパーを用いれば、強力な毒を撃ち込む事が可能だ。

 毒を撃ち込まれたことで、サラマンダーは跡形もなく溶けて分解される。

 

エレン「エボルさん!?」

カバル「いつの間に……………!?」

ギド「イフリートと戦っていたのではなかったでやすか!?」

エボル「大丈夫か!?後は俺たちに任せて、安全な場所に避難してくれ!」

エレン「わ、分かったわ!」

カバル「頼んだぜ……………!」

ギド「お願いしやす!」

 

 エレン達を避難させ、リムルと合流する。

 

リムル「おい、エボル!何だよ、さっきの能力は!?」

エボル「悪い、それに関しては、後でしっかり説明する。今はイフリートに集中するぞ!」

リムル「お、おお!」

 

 リムルは、嵐牙を避難させていた様だ。

 俺たちがイフリートと向かい合っていると、イフリートは分身をする。

 

エボル「分身!?」

リムル「俺に任せろ!水氷大魔散弾(アイシクルショット)!」

 

 リムルが魔法を放ち、イフリートの分身はあっという間に消える。

 

エボル「リムル!」

リムル「分身は任せろ!お前は本体を動けなくしてくれ!」

エボル「ああ!」

 

 俺は、イフリートに向かっていく。

 イフリートは咆哮して、俺と応戦する。

 俺とイフリートは、お互いに格闘戦を繰り広げていく。

 その戦いに、衝撃波が周囲に向かっていく。

 途中、スチームブレードを取り出して、バルブを回転させる。

 

アイススチーム!

 

 アイススチームを発動して、スチームブレードに冷気を纏わせて斬撃する。

 それにより、イフリートの一部が凍り、動きが少し鈍くなる。

 俺は、イフリートの動きを見ていた。

 どこかで隙が出来るのを確認しているのだ。

 すると、イフリートは俺の足元に魔法陣を出す。

 

エボル「何っ!?しまっ………………!?」

 

 イフリートの魔法が発動して、俺は炎に包まれる。

 俺は焼けてしまうのを覚悟したが、一向に焼ける気配はない。

 

エボル『あ、あれ?どういう事?』

全ての知識『……………告。熱変動耐性により、炎の攻撃は自動で無効化されています。』

エボル「あ。」

 

 そういや、そんなのを獲得していたな!

 全ての知識さん、すいません。

 ブラッドスタークとかの方に夢中になってて、忘れてたんです。

 だが、これは使えるな!

 イフリートは、標的をリムルに変えようとしていた。

 それを感じて、すぐにスチームブレードを分解して、トランスチームガンと合体させる。

 

ライフルモード!

 

 トランスチームガンをライフルモードにして、コブラロストフルボトルを装填する。

 

コブラ!

 

 コブラロストフルボトルを装填した後、スチームブレードのバルブを再び回転させる。

 

エレキスチーム!

 

 そして、トリガーを引く。

 

スチームショット!

コブラ!

 

 すると、ライフルモードのトランスチームガンから、コブラのように曲がりくねるエネルギー弾が発射され、イフリートに巻きつく。

 しかも、エレキスチームによって、電気が纏われているので、痺れたのか、動きが鈍い。

 

リムル「エボル!」

エボル「ふん!残念だったな!炎の攻撃は、俺には効かない!油断したみたいだな。リムル!」

リムル「お、おお!」

 

 リムルは、捕食者を発動して、イフリートを取り込む。

 イフリートは消えて、その場には、シズさんが転がっていた。

 俺は一息吐いて、変身解除する。

 

エボル「ふぅ……………何とかなった。」

リムル「エボル、お疲れさん!」

エボル「ああ。」

 

 俺たちはそう話して、シズさんに駆け寄る。

 すると、シズさんが目を覚まし、俺とリムルを見てくる。

 

シズ「ありがとう………スライムさん、ブラッド族さん。」

 

 その言葉に、俺とリムルは、笑みを浮かべる。

 こうして、この戦いは、幕を閉じたのだった。

 一方、リムルに取り込まれたイフリートは、暗く何もない空間にいた。

 そこで炎で脱出を試みるも、ただ遠くまで飛び、消えていくだけだった。

 すると。

 

ヴェルドラ「観念せよイフリート、貴様にはこの空間を破れん。」

 

 ヴェルドラがイフリートに話しかけていた。

 イフリートは、唖然としながらヴェルドラを見上げていた。

 

ヴェルドラ「貴様の敵う相手ではないわ。リムルとエボルは、我の盟友ぞ。我は、暴風竜、ヴェルドラ=テンペスト。心ゆくまで相手をしてやろう。」

 

 イフリートが呆然とする中、ヴェルドラの高笑いが響く。




今回はここまでです。
イフリートとシズさんを分離する事に成功しました。
ブラッドスタークとしての特性や、スチームブレードなどを有効活用しました。
ただ、シズさんの命は風前の灯です。
果たして、どのように救うのか。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
エボルの運命の人は、ルミナスですが、どういう感じに距離を縮めましょうか?
追記
エボルのイメージCVは、坂本真綾さんです。
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