シズさんから、暴走したイフリートを分離してから、1週間が経過した。
だが、シズさんは、未だに目を覚まさない。
俺とリムルは、シズさんのそばに居た。
エボル「まだ目を覚まさないな。」
リムル「そうだな………。それはそうと、エボル。」
エボル「ん?」
リムル「お前は言ったよな?シズさんを助ける方法があるって。」
エボル「ああ。…………丁度いい。話すよ。イフリートを分離したシズさんをどうやって助けるのか。」
俺とリムルは、お互いに向き合う。
さて、何から話すかな。
エボル「まず………一つ言っておくと、現在、シズさんの命は、風前の灯だ。」
リムル「どういう事だよ………!?」
エボル「イフリートが、シズさんの命を延命していたんだ。」
リムル「それじゃあ………助ける方法は無いって言うのかよ………!?」
やはり、そういう反応になるよな。
でも、助けられないことはない。
エボル「いや、ある。」
リムル「ど、どうやって助けるんだ!?」
エボル「ちょっと待ってな。」
俺はエンプティボトルを取り出して、自分の体に当てる。
すると、俺の成分とエボルトの遺伝子がボトルに充填される。
リムル「そのボトルは?」
エボル「ああ。エボルトの遺伝子が入っているボトルだ。これを使えば、助かるかもしれない。」
そう。
エボルトの遺伝子を使えば、どうにかなるんじゃないかと思ったのだ。
まあ、劇中では、そんな描写は無いが。
どうするか考えていると。
シズ「………スライムさん、ブラッド族君。」
リムル「シズさん!」
エボル「目が覚めたんだな。」
シズさんが目を覚ました事に、リムルは安堵の表情を浮かべる。
シズさんは、微笑を浮かべる。
シズ「さっきの話、全部聞かせて貰ったよ。」
エボル「え?」
聞いてたのか。
俺たちが驚いている中、シズさんは、言葉を紡げる。
シズ「…………私が助かるその方法、お願いしていいかな………?」
エボル「良いのか?」
シズ「うん………。あなた達にお礼がしたいし、力になりたい。だから………お願い。」
シズさんは、弱々しくも、どこか力強く言う。
それを見たリムルは、俺の方を向いてくる。
エボル「分かった。」
俺は、そう言って、ボトルをシズさんに向ける。
頼むぞ、これで助かってくれ。
そう思いながら、シズさんにボトルを当てる。
すると、全ての知識が尋ねる。
全ての知識『告。個体名、
エボル『ああ。』
全ての知識の問いに、そう答える。
ボトルの成分がシズさんの中に入っていく。
全ての知識が報告する。
全ての知識『告。個体名、
エボル『お、おう………………。』
まさか、そうなるとはな。
それには、俺も驚く。
リムルは、シズさんに尋ねる。
リムル「シズさん……………大丈夫なのか?」
シズ「うん。まるで、全盛期の頃みたい。ありがとうね、ブラッド族君。」
エボル「いや、助かって良かった。」
俺は、シズさんが助かって、ホッとする。
助けられて良かった。
俺は、ある提案をする。
エボル「なあ、リムル。シズさんの体をコピーして貰えば?」
リムル「ええっ!?いや、流石にそんな事は…………。」
シズ「うん。スライムさんも、もしかしたら、人間の街に行くかもしれないから、その時に便利だよ。」
リムルは渋るが、俺とシズさんの説得を受けて、シズさんを捕食して、すぐに吐き出す。
その際、2人は若干照れ臭そうにしていた。
そして、リムルが人間の姿になる。
リムルは、幼いシズさんの様な姿になった。
すると、外から声が聞こえてくる。
リグルド「おや、これは皆さんお揃いで。皆さんもお見舞いですかな?」
カバル「ええ、リグルドさんもっすか。」
リグルド「はい、シズ殿の着替えをお持ちしたところです。リムル様、エボル様、失礼します。」
そう言って、リグルドが入ってくる。
どうやら、エレン達も居るみたいだな。
すると、皆が驚く。
それはまあ、当然の反応だな。
すると、嵐牙が現れる。
嵐牙「我が主………!」
「「「え?」」」
リグルド「その姿は………!?」
「「「えぇぇぇぇ!?」」」
カバル「そっちの小さい女の子が………リムルの旦那ぁ!?」
エボル「やぁ。………その通りだよ。そこに居るのは、リムルだ。」
俺は、そう言う。
俺たちは、事情を話す事に。
すると。
シズ「み、見ないでぇぇぇ!!」
リムル「うわっ!?」
シズさんはそう叫んで、リムルに布団を投げつける。
まあ、裸だったからな。
間接的に、自分の裸を見られたようなものだし、流石に恥ずかしいよな。
ちなみに、俺は視線を逸らしていた。
流石に、そんな事をしたら、変態のレッテルを貼られてしまうからな。
そんな中、ギドが口を開く。
ギド「本当に………リムルの旦那でやんすか?」
リグルド「間違いありません!」
嵐牙「見くびるな!姿形が変わったくらいで、分からないと思うか!!」
カバル「ああ、いや………。そういう事じゃ無くて………何か、ちっこいシズさんぽいっつーか………。」
エボル「本当だよ、リムル。」
リムル「ああ、ホレ。」
リムルがそう言うと、人間としての姿から、スライムとしての姿に戻る。
すると、カバルとギドが驚いた様な表情を浮かべる。
カバル「ふへ〜………。」
ギド「見事なもんでやんすね………。」
カバルとギドがそう言う中、エレンさんは、シズさんの方に向かう。
エレン「良かったよ〜!シズさんが助かって!」
シズ「うん。ブラッド族君のおかげで、助かったよ。」
シズさんは、泣くエレンを宥めていた。
やっぱり、この三人は、良い人達だと確信出来るな。
その日は、夕方になってしまったので、エレン達は村に泊まった。
その翌日。
カバル「色々と世話になったな。じゃあ、そろそろお暇するわ。」
ゴルド「国に帰るのか?」
カバル「ああ、ギルマスにこの森の調査報告とシズさんのことも、報告しないといけないからな。悪い様には言わない。」
エレン「リムルさん達のことも、伝えておくね。」
ギド「旦那達も何かあったら頼るといいでやすよ」
エボル「ああ、そうさせてもらうよ。」
シズ「皆、元気でね。」
エレン「シズさんも。」
カバル「エボルの旦那。シズさんを助けてくれて、ありがとうございます。」
エボル「気にすんな。俺が助けたいと思って、助けたんだから。」
カバル達は、そう言って、立ち去ろうとするが、何かを思い出したのか、立ち止まる。
カバル「あっ………と、最後にもう一つ。シズさんに、話があります。」
シズ「どうしたの?」
すると、三人は頭を下げる。
「「「シズさん!ありがとうございました!」」」
シズ「三人とも………。」
カバル「俺、あなた達に心配されない様なリーダーになります!」
ギド「あなた達と冒険できた事、一生の宝にしやす!」
そして、エレンは、シズさんを抱きしめる。
エレン「ありがとう………。シズさんの事、お姉ちゃんみたいって、思ってました。」
シズ「三人も、元気でやってね。それと、いつでも会いに来て良いよ。」
やっぱり、三人は良い人たちだ。
この三人が、シズさんの仲間で、本当に良かった。
すると、リムルが声をかける。
リムル「ところで、お前らの装備、ボロッボロだな。」
「「「ひどっ!」」」
リムルがそう言うと、三人は装備を隠す様にして、俺は笑い、シズさんは苦笑した。
そうして、俺たちはカイジン達が作った試作品の防具を渡す。
カバル「おおっ!憧れのスケイルメイル!」
エレン「スゴい!なにコレ!?軽い上に頑丈、ていうかめっちゃキレイ!」
ギド「いっ、良いんでやすか、あっしにはもったいない代物で!?牙狼の毛皮まで使用されってやっせ!?」
リムル「餞別だよ。ウチの職人の力作さ。」
ギド「職人?」
エボル「おーい。」
俺が呼ぶと、カイジン達が出てくる。
カイジン「まっ、力作つっても、試作品だけどな。」
ガルム「着心地はどうだい?」
ドルド「細工は隆々ってね。」
ミルド「うん、うん。」
「「喋れよ!」」
ミルドが喋らないのは、相変わらずみたいだな。
気を取り直した俺は、彼らを紹介する事に。
エボル「紹介するよ。右から、カイジン、ガルム、ドルドにミルドだ。」
カバル「カイジン!?マジで!?」
エレン「腕利きで超有名な鍛治職人の!?」
ギド「ガルムにドルド、ミルドってあのドワーフ三兄弟!?」
カバル「ありがとうございます!これ、家宝にします!」
エレン「嬉しいです!」
ギド「夢の様でやんす!」
そんな風に、三人は喜んでいた。
やっぱり、カイジンは相当有名な鍛治職人なのだな。
三人は、今までのことを吹き飛ばす大はしゃぎしたのち、帰って行った。
その後、俺とリムルは、シズさんと一緒に話をするべく、テントへと向かっていた。
だが、この時の俺は、知らなかった。
俺とリムルを中心として、世界が激動の時代になっていく事を。
そして…………。
干上がった荒野に、一体の
すると、そこに一体の鳥のよいなマスクをし、白い紳士服を着ており、杖を持った者が近づいていく。
その者が、豚頭族を見つめると。
???「お前に名前と食事をやろう。」
その者がそう言う。
豚頭族は、その者を見つめると、問う。
豚頭族「…………あなたは?」
ゲルミュッド「ゲルミュッド。俺の事は、父だと思うがいい。」
そう言うと、豚頭族は、訝しげな表情を浮かべる。
それを見たゲルミュッドは。
ゲルミュッド「………このまま死ぬか?」
そう問う。
それに対する豚頭族の答えは。
豚頭族「………名前を………そして、食事を……。」
ゲルミュッド「お前の名は、ゲルド。」
ゲルド「ゲルド…………。」
ゲルミュッド「やがて、ジュラの大森林を手中に収め、
そう言って、ゲルミュッドは、ゲルドに肉を与え、ゲルドはその肉を食べる。
これが、やがて大きな出来事に繋がってくる事は、誰も知らない。
今回はここまでです。
少し、短めとなりました。
エボルの手によって、シズさんは救われました。
まあ、全ての記憶のサポートのおかげですが。
そして、いよいよ豚頭族が動き出そうとしています。
次回は、大鬼族戦です。
オリジナルの大鬼族が出て来ます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
次回、エボルの姿が変わります。