転生したらブラッド族だった件   作:仮面大佐

8 / 23
第7話 救われる魂

 シズさんから、暴走したイフリートを分離してから、1週間が経過した。

 だが、シズさんは、未だに目を覚まさない。

 俺とリムルは、シズさんのそばに居た。

 

エボル「まだ目を覚まさないな。」

リムル「そうだな………。それはそうと、エボル。」

エボル「ん?」

リムル「お前は言ったよな?シズさんを助ける方法があるって。」

エボル「ああ。…………丁度いい。話すよ。イフリートを分離したシズさんをどうやって助けるのか。」

 

 俺とリムルは、お互いに向き合う。

 さて、何から話すかな。

 

エボル「まず………一つ言っておくと、現在、シズさんの命は、風前の灯だ。」

リムル「どういう事だよ………!?」

エボル「イフリートが、シズさんの命を延命していたんだ。」

リムル「それじゃあ………助ける方法は無いって言うのかよ………!?」

 

 やはり、そういう反応になるよな。

 でも、助けられないことはない。

 

エボル「いや、ある。」

リムル「ど、どうやって助けるんだ!?」

エボル「ちょっと待ってな。」

 

 俺はエンプティボトルを取り出して、自分の体に当てる。

 すると、俺の成分とエボルトの遺伝子がボトルに充填される。

 

リムル「そのボトルは?」

エボル「ああ。エボルトの遺伝子が入っているボトルだ。これを使えば、助かるかもしれない。」

 

 そう。

 エボルトの遺伝子を使えば、どうにかなるんじゃないかと思ったのだ。

 まあ、劇中では、そんな描写は無いが。

 どうするか考えていると。

 

シズ「………スライムさん、ブラッド族君。」

リムル「シズさん!」

エボル「目が覚めたんだな。」

 

 シズさんが目を覚ました事に、リムルは安堵の表情を浮かべる。

 シズさんは、微笑を浮かべる。

 

シズ「さっきの話、全部聞かせて貰ったよ。」

エボル「え?」

 

 聞いてたのか。

 俺たちが驚いている中、シズさんは、言葉を紡げる。

 

シズ「…………私が助かるその方法、お願いしていいかな………?」

エボル「良いのか?」

シズ「うん………。あなた達にお礼がしたいし、力になりたい。だから………お願い。」

 

 シズさんは、弱々しくも、どこか力強く言う。

 それを見たリムルは、俺の方を向いてくる。

 

エボル「分かった。」

 

 俺は、そう言って、ボトルをシズさんに向ける。

 頼むぞ、これで助かってくれ。

 そう思いながら、シズさんにボトルを当てる。

 すると、全ての知識が尋ねる。

 

全ての知識『告。個体名、井沢静江(シズエ・イザワ)に、エボルトの遺伝子を注入しますか?』

エボル『ああ。』

 

 全ての知識の問いに、そう答える。

 ボトルの成分がシズさんの中に入っていく。

 全ての知識が報告する。

 

全ての知識『告。個体名、井沢静江(シズエ・イザワ)に、エボルトの遺伝子が入った結果、ブラッド族と人間のハーフとなり、全盛期の頃にまで若返りました。』

エボル『お、おう………………。』

 

 まさか、そうなるとはな。

 それには、俺も驚く。

 リムルは、シズさんに尋ねる。

 

リムル「シズさん……………大丈夫なのか?」

シズ「うん。まるで、全盛期の頃みたい。ありがとうね、ブラッド族君。」

エボル「いや、助かって良かった。」

 

 俺は、シズさんが助かって、ホッとする。

 助けられて良かった。

 俺は、ある提案をする。

 

エボル「なあ、リムル。シズさんの体をコピーして貰えば?」

リムル「ええっ!?いや、流石にそんな事は…………。」

シズ「うん。スライムさんも、もしかしたら、人間の街に行くかもしれないから、その時に便利だよ。」

 

 リムルは渋るが、俺とシズさんの説得を受けて、シズさんを捕食して、すぐに吐き出す。

 その際、2人は若干照れ臭そうにしていた。

 そして、リムルが人間の姿になる。

 リムルは、幼いシズさんの様な姿になった。

 すると、外から声が聞こえてくる。

 

リグルド「おや、これは皆さんお揃いで。皆さんもお見舞いですかな?」

カバル「ええ、リグルドさんもっすか。」

リグルド「はい、シズ殿の着替えをお持ちしたところです。リムル様、エボル様、失礼します。」

 

 そう言って、リグルドが入ってくる。

 どうやら、エレン達も居るみたいだな。

 すると、皆が驚く。

 それはまあ、当然の反応だな。

 すると、嵐牙が現れる。

 

嵐牙「我が主………!」

「「「え?」」」

リグルド「その姿は………!?」

「「「えぇぇぇぇ!?」」」

カバル「そっちの小さい女の子が………リムルの旦那ぁ!?」

エボル「やぁ。………その通りだよ。そこに居るのは、リムルだ。」

 

 俺は、そう言う。

 俺たちは、事情を話す事に。

 すると。

 

シズ「み、見ないでぇぇぇ!!」

リムル「うわっ!?」

 

 シズさんはそう叫んで、リムルに布団を投げつける。

 まあ、裸だったからな。

 間接的に、自分の裸を見られたようなものだし、流石に恥ずかしいよな。

 ちなみに、俺は視線を逸らしていた。

 流石に、そんな事をしたら、変態のレッテルを貼られてしまうからな。

 そんな中、ギドが口を開く。

 

ギド「本当に………リムルの旦那でやんすか?」

リグルド「間違いありません!」

嵐牙「見くびるな!姿形が変わったくらいで、分からないと思うか!!」

カバル「ああ、いや………。そういう事じゃ無くて………何か、ちっこいシズさんぽいっつーか………。」

エボル「本当だよ、リムル。」

リムル「ああ、ホレ。」

 

 リムルがそう言うと、人間としての姿から、スライムとしての姿に戻る。

 すると、カバルとギドが驚いた様な表情を浮かべる。

 

カバル「ふへ〜………。」

ギド「見事なもんでやんすね………。」

 

 カバルとギドがそう言う中、エレンさんは、シズさんの方に向かう。

 

エレン「良かったよ〜!シズさんが助かって!」

シズ「うん。ブラッド族君のおかげで、助かったよ。」

 

 シズさんは、泣くエレンを宥めていた。

 やっぱり、この三人は、良い人達だと確信出来るな。

 その日は、夕方になってしまったので、エレン達は村に泊まった。

 その翌日。

 

カバル「色々と世話になったな。じゃあ、そろそろお暇するわ。」

ゴルド「国に帰るのか?」

カバル「ああ、ギルマスにこの森の調査報告とシズさんのことも、報告しないといけないからな。悪い様には言わない。」

エレン「リムルさん達のことも、伝えておくね。」

ギド「旦那達も何かあったら頼るといいでやすよ」

エボル「ああ、そうさせてもらうよ。」

シズ「皆、元気でね。」

エレン「シズさんも。」

カバル「エボルの旦那。シズさんを助けてくれて、ありがとうございます。」

エボル「気にすんな。俺が助けたいと思って、助けたんだから。」

 

 カバル達は、そう言って、立ち去ろうとするが、何かを思い出したのか、立ち止まる。

 

カバル「あっ………と、最後にもう一つ。シズさんに、話があります。」

シズ「どうしたの?」

 

 すると、三人は頭を下げる。

 

「「「シズさん!ありがとうございました!」」」

シズ「三人とも………。」

カバル「俺、あなた達に心配されない様なリーダーになります!」

ギド「あなた達と冒険できた事、一生の宝にしやす!」

 

 そして、エレンは、シズさんを抱きしめる。

 

エレン「ありがとう………。シズさんの事、お姉ちゃんみたいって、思ってました。」

シズ「三人も、元気でやってね。それと、いつでも会いに来て良いよ。」

 

 やっぱり、三人は良い人たちだ。

 この三人が、シズさんの仲間で、本当に良かった。

 すると、リムルが声をかける。

 

リムル「ところで、お前らの装備、ボロッボロだな。」

「「「ひどっ!」」」

 

 リムルがそう言うと、三人は装備を隠す様にして、俺は笑い、シズさんは苦笑した。

 そうして、俺たちはカイジン達が作った試作品の防具を渡す。

 

カバル「おおっ!憧れのスケイルメイル!」

エレン「スゴい!なにコレ!?軽い上に頑丈、ていうかめっちゃキレイ!」

ギド「いっ、良いんでやすか、あっしにはもったいない代物で!?牙狼の毛皮まで使用されってやっせ!?」

リムル「餞別だよ。ウチの職人の力作さ。」

ギド「職人?」

エボル「おーい。」

 

 俺が呼ぶと、カイジン達が出てくる。

 

カイジン「まっ、力作つっても、試作品だけどな。」

ガルム「着心地はどうだい?」

ドルド「細工は隆々ってね。」

ミルド「うん、うん。」

「「喋れよ!」」

 

 ミルドが喋らないのは、相変わらずみたいだな。

 気を取り直した俺は、彼らを紹介する事に。

 

エボル「紹介するよ。右から、カイジン、ガルム、ドルドにミルドだ。」

カバル「カイジン!?マジで!?」

エレン「腕利きで超有名な鍛治職人の!?」

ギド「ガルムにドルド、ミルドってあのドワーフ三兄弟!?」

カバル「ありがとうございます!これ、家宝にします!」

エレン「嬉しいです!」

ギド「夢の様でやんす!」

 

 そんな風に、三人は喜んでいた。

 やっぱり、カイジンは相当有名な鍛治職人なのだな。

 三人は、今までのことを吹き飛ばす大はしゃぎしたのち、帰って行った。

 その後、俺とリムルは、シズさんと一緒に話をするべく、テントへと向かっていた。

 だが、この時の俺は、知らなかった。

 俺とリムルを中心として、世界が激動の時代になっていく事を。

 そして…………。

 干上がった荒野に、一体の豚頭族(オーク)が歩いていたが、限界が来たのか、倒れる。

 すると、そこに一体の鳥のよいなマスクをし、白い紳士服を着ており、杖を持った者が近づいていく。

 その者が、豚頭族を見つめると。

 

???「お前に名前と食事をやろう。」

 

 その者がそう言う。

 豚頭族は、その者を見つめると、問う。

 

豚頭族「…………あなたは?」

ゲルミュッド「ゲルミュッド。俺の事は、父だと思うがいい。」

 

 そう言うと、豚頭族は、訝しげな表情を浮かべる。

 それを見たゲルミュッドは。

 

ゲルミュッド「………このまま死ぬか?」

 

 そう問う。

 それに対する豚頭族の答えは。

 

豚頭族「………名前を………そして、食事を……。」

ゲルミュッド「お前の名は、ゲルド。」

ゲルド「ゲルド…………。」

ゲルミュッド「やがて、ジュラの大森林を手中に収め、豚頭魔王(オークディザスター)となる者だ。」

 

 そう言って、ゲルミュッドは、ゲルドに肉を与え、ゲルドはその肉を食べる。

 これが、やがて大きな出来事に繋がってくる事は、誰も知らない。




今回はここまでです。
少し、短めとなりました。
エボルの手によって、シズさんは救われました。
まあ、全ての記憶のサポートのおかげですが。
そして、いよいよ豚頭族が動き出そうとしています。
次回は、大鬼族戦です。
オリジナルの大鬼族が出て来ます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
次回、エボルの姿が変わります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。