転生したらブラッド族だった件   作:仮面大佐

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第8話 大鬼族の襲来

 エレン達が、俺たちの村から去った後、俺たちは、村の開発を着々と進めていた。

 カイジン達が、衣類、住居、道具作成を進めて、リグルド達、ゴブリン・ロードによって、村の統治を行う流れが出来上がっていた。

 その間、俺たちは、一つの天幕へと入っていった。

 誰も通さない様に頼んである。

 リムルは、シズさんの仮面を取り出す。

 イフリートの暴走の際に、ヒビが入っていたが、修復出来たらしい。

 

エボル「シズさんの仮面、直ったんだな。」

リムル「ああ。シズさん、直ったぜ。」

シズ「うん、ありがとうね。………それと、お願いがあるんだけど………。」

リムル「お願い?」

シズ「その仮面、スライムさんが受け取ってくれないかな?」

 

 シズさんは、リムルに対して、そう言ったのだ。

 リムルは、シズさんに聞く。

 

リムル「………それって、シズさんの大事な物なんじゃ………。」

シズ「今の私には、必要ない物だから。スライムさんに受け取って欲しいんだ。」

エボル「…………受け取ってやれ、リムル。」

リムル「ああ。受け取るよ。」

 

 リムルは、シズさんから、仮面を受け取る。

 その後、俺たちは、ヴェルドラが居た洞窟へと向かう事にした。

 向かう途中、リグルドが話しかけてくる。

 報告をしに来たのだ。

 

リグルド「報告は以上です。」

リムル「ああ。ありがとさん。」

エボル「報告ご苦労。」

リグルド「ああ、それと。」

「「ん?」」

リグルド「………リムル様は、今日もご食事の必要がないのでありますか?」

リムル「ああ。どうせ、スライムの体じゃあ、味なんてしない………。」

エボル「おい。今、人間の姿を得ただろ?」

リムル「あっ!リグルド!」

リグルド「はっ。」

リムル「今日から、俺も一緒に飯を食うよ!」

リグルド「なんと!では、今日は宴会ですな!」

エボル「ああ。頼む。」

リグルド「はっ!」

 

 そう言って、リグルドは去っていく。

 そう、リムルは、スライムの姿では味がしないので、これまで食事には参加しなかったのだ。

 ちなみに、俺は、味を感じる事は出来たが、流石にリムルが不憫なので、俺も食事をしていない。

 俺たちは、今日の夕飯の事を考えながら街の外へと向かうと、リグル達がいた。

 

リムル「よう、リグル。」

リグル「リムル様!エボル様!シズ殿!」

エボル「食料調達、ご苦労様。」

リグル「ありがとうございます。これから、森へ向かう所です。」

エボル「今夜は宴会だ。美味しそうな獲物を頼む。」

ゴブタ「今日は、リムル様達も食べるっすか?」

リムル「おうよ!なんせ、この体には味覚があるからな!」

ゴブタ「いっぱい食べたら、おっぱいも育つっすかね?」

 

 ゴブタがそんなセクハラ発言をすると、リムルに思いっきり蹴られる。

 まあ、自業自得だし。

 すると、シズさんがゴブタに近寄る。

 

シズ「ゴブタ君。そういうのは言っちゃダメなんだよ?ね?」

ゴブタ「は、はいっす………………。」

 

 シズさんがそう言うと、黒笑を浮かべ、ゴブタは引き攣った表情で答える。

 それを見たリグルは、すぐに頭を下げる。

 

リグル「すいません!ゴブタには、きっちり教育させるので!では、特上の牛鹿をご用意しましょう。」

エボル(牛鹿………牛と鹿が合体した様な動物の事か?)

リムル「おう、頼むな。」

リグル「お任せ下さい!最近は、森の奥から移動してくる魔獣が多いので、獲物は豊富なんです。」

エボル「………何かあったのか?」

リグル「いえ。環境の変化によって、魔獣の移動がありますからね。大した事は無いと思うのですが。」

 

 そういう魔獣の移動がある場合は、何か強い存在に追われて、移動するという場合があるからな。

 つまり、何か強い存在が居ると警戒した方が良さそうだ。

 すると、リムルの影から、嵐牙が現れる。

 恐らく、思念伝達で、嵐牙を呼んだのだろう。

 

嵐牙「お呼びですか?我が主。」

リムル「嵐牙。リグル達と森に同行してくれ。」

エボル「何も無いとは思いたいが、念の為に、俺からも頼む。」

嵐牙「心得ました。お任せ下さい。遠慮はいらぬ。我を連れてゆけ、リグル殿。」

 

 そう言う嵐牙。

 かっこいいのだが、尻尾をブンブンと振っていると、ただの犬にしか見えない。

 俺たちは、リグル達を見送って、ヴェルドラの洞窟へと向かう。

 封印の洞窟に到着して、俺たちは、リムルの方を見ていた。

 

シズ「ここが、ヴェルドラが封印されていた洞窟……………。」

リムル「それで、何するんだよ?」

エボル「ちょっと、確かめたい事があってな。リムル、少し分身体を作ってくれないか?」

リムル「おう。」

 

 そう言って、リムルは分身体を作った。

 やっぱり、シズさんに似てるよな。

 

リムル「それで、どうするんだよ?」

エボル「何。こうするんだよ。」

 

 俺はそう言って、スライムみたいな状態になって、リムルの分身体に向かう。

 リムルの分身体にしばらくいて、俺はリムルの分身体から離れる。

 そして、姿を変える。

 リムルの姿をコピーしたのだ。

 その方法は、『ビルドNEW WORLD 仮面ライダークローズ』にて、キルバスが桐生戦兎の姿をコピーしたのと同じ方法だ。

 

エボル「こんな感じかな。」

リムル「え!?俺やシズさんにそっくりだ!」

シズ「本当だ………………。」

エボル「まあ、いつまでも石動惣一の体を借りる訳にはいかないしね。」

 

 俺はそう言って、近くの水たまりを覗く。

 見た目は、リムルの姿をコピーして、少し男寄りにした物だ。

 灰色の長髪に、血のような赤色の瞳をしていた。

 これはこれでありだな。

 その後、リムルのスキルの確認をしたりした。

 その際、ヴェルドラの残滓を吸収したドラゴンフルボトルがシズさんと共鳴していて、シズさんに託した。

 しばらくして、休憩がてら、シズさんに聞く。

 

リムル「なあ、シズさん。」

シズ「どうしたの?」

リムル「実は、2人の事は、占いで知ったんだけど、その時に、5人の子供が居たんだけど、何なんだ?」

 

 リムルの質問に対して、シズさんは表情を暗くして答える。

 

シズ「…………その子達は、国によって召喚されたんだけど、不完全な状態で召喚されたから、大量の魔素で死んじゃう。だから、私たちは、あの子達を助けたいの。」

 

 そう語った。

 シズさん曰く、不完全な状態で召喚された十歳未満の子どもは、数年もしない内に大量の魔素によって死んでしまうらしい。

 それを、国は召喚したのにも関わらず、捨てたのだ。

 それは、到底許される行為ではない。

 だが、救う手段は、シズさんが知っていた。

 というより、シズさんこそが、その証拠なのだ。

 上位精霊と同化させれば、死を免れる事が出来るらしい。

 ただ、シズさんが上手く行かなかった理由としては。

 

シズ「私とイフリートは、馬が合わなかったんだと思う。イフリートは、魔王レオンへの忠誠心が強かったから。」

 

 と、語っていた。

 シズさんは、魔王の一人、レオン・クロムウェルを憎んでいたらしく、イフリートとの不一致が、寿命が縮まった結果になってしまったのだろう。

 俺としては、その子達を助けたいと思う。

 突然異世界に召喚され、捨てられたのは、余りにも不憫だ。

 だが、魔王か……………。

 そう簡単には会えないよな。

 そう思っていると。

 

嵐牙『リムル様!エボル様!』

エボル『嵐牙!?思念伝達か!』

全ての知識『個体名嵐牙からの思念伝達。声音から、救援要請と推測。』

エボル『嫌な予感が的中したか!救援に向かうぞ!』

全ての知識『了。』

 

 嵐牙からの思念伝達を聞いて、俺とリムルは立ち上がる。

 ちなみに、俺も思念伝達を習得していた。

 

リムル「シズさん!行くぞ!」

シズ「どうしたの?」

エボル「嵐牙達が襲われているんだ!助けに行こう!」

シズ「ええ!」

リムル「エボル!一応、これをつけとけ!」

 

 リムルはそう言って、俺にシズさんの仮面を投げ渡す。

 

エボル「この仮面は?」

リムル「複製品だ!一応、お前も妖気(オーラ)を抑えとけ!」

エボル「分かった!」

 

 俺は仮面を付け、嵐牙達の元へと向かって行く。

 すると、ゴブタが転がってくる。

 

エボル「ゴブタ!大丈夫か!?」

ゴブタ「斬られたっす!超痛いっす!!」

リムル「落ち着け。傷は浅い。」

 

 周囲には、警備班が倒れており、その先には、二人の人物が。

 人間では無い事は確かで、見た所、角が生えている。

 

エボル「なんだ、お前ら?」

ゴブタ「あっ!リムル様とエボル様じゃないですか!心配で来てくれたんすね!ていうか、エボル様は姿が変わったっすか?」

リムル「そうだな。元気そうだし、回復薬はいらないな。」

ゴブタ「冗談っす!欲しいっす!」

エボル「素直にそう言えば良いのに。」

 

 俺はそう呟いて、ゴブタに回復薬をぶっかける。

 ゴブタが回復される中、嵐牙は、大槌を持った者と2本の刀を持った者と交戦していた。

 嵐牙がその二人に向かおうとした瞬間、地面から炎が立ち上り、嵐牙は怯む。

 木々の間に、桃色の髪の人物がいて、その指先から炎が出ていた事から、あの炎は、その人物による物だと思う。

 

リムル「嵐牙!」

 

 リムルは、嵐牙を呼ぶと、嵐牙はすぐに戻ってきた。

 

嵐牙「主達よ!申し訳ありません。我が居ながら、この様な………!」

 

 すると、武器をぶつけ合う音が聞こえてきて、そちらを向くと、リグルが、紫色の髪の人物と金髪の人物と交戦していた。

 だが、リグルが劣勢になっていた。

 

リムル「戻れ、リグル!」

 

 リグルは、リムルの呼びかけにすぐに応じて、こちらに戻る。

 見た所、重傷ではないな。

 

リグル「リ、リムル様、エボル様!申し訳ありません………!」

リムル「安心しろ。あとは俺たちに任せて、ゆっくり休め。」

リグル「ありがとうございます………。」

エボル「嵐牙。倒れている者たちは、どうしたんだ?」

嵐牙「はっ。魔法によって眠らされています。あの桃色の髪の仕業です。」

 

 嵐牙が視線を向ける先には、襲撃者達が全員揃っていた。

 数は七人。

 その内、武器を持っているのは六人で、桃色の髪の人物は、魔法による支援の役割だろう。

 多分、全員が強い。

 これは、変身する事も考慮に入れるか。

 すると、リグルが口を開く。

 

リグル「面目ありません。まさか、大鬼族(オーガ)に出くわすとは………。」

エボル「大鬼族(オーガ)か………。」

 

 やはり、人間では無いな。

 それも、大鬼族(オーガ)

 だとすると、かなり厄介な事になりそうだな。

 まあ、まずは対話から。

 

リムル「おい、お前ら。事情は知らないが、うちの者が失礼したな。」

エボル「話し合いに応じる気はないか?」

 

 俺たちの問いかけに、大鬼族(オーガ)達は黙っていた。

 実力差は明白。

 だが、ゴブタとリグルの二人は致命傷ではないし、他の連中も眠らされている。

 何か、理由があるのか?

 すると、リーダー格の大鬼族(オーガ)が口を開く。

 

大鬼族「正体を現せ!邪悪な魔人どもめ!」

「「は?」」

 

 そのリーダー格の言葉に、俺たちは首を傾げる。

 

リムル「お、おいおい!ちょっと待て!俺たちが何だって!?」

エボル「どういう意味だ!?それに、こんなイケてる悪者、居るわけないだろ。」

シズ「それは、自分で言う事なのかな…………。」

大鬼族「魔物を使役するなど、普通の人間に出来る芸当ではあるまい。見た目を偽り、妖気(オーラ)を抑えている様だが、甘いわ!」

大鬼族「正体を現せい!」

大鬼族「黒幕が直々に出向いてくれるとは、好都合な物。」

 

 えぇぇぇ………。

 大鬼族(オーガ)の恨みを買った覚えはないぞ!?

 ていうか、まあ、見た目を偽ってるのは、合ってるなぁ………。

 人間としての姿だけでなく、ブラッドスタークとしての姿もあるしな。

 

エボル「ちょっと待て………。」

大鬼族「ふん。答えを聞くまでも無い。貴様らの正体は、仮面が物語っている。」

「「仮面?」」

 

 仮面って、俺たちが持ってるこれの事か?

 ちょっと待った。

 それを聞いたシズさんが叫ぶ。

 

シズ「ちょっと待って!2人の仮面は、私たちが預けた物と複製品よ!」

大鬼族「同胞の無念。その億分の一でも、貴様らの首で贖ってもらおう!邪悪なる豚どもの仲間め!」

 

 不味いな………戦る気満々だよ。

 ていうか、同胞の無念に邪悪なる豚どもの仲間?

 やっぱり、何か訳ありみたいだな。

 そう思いながら、トランスチームガンを取り出す。

 嵐牙が話しかける。

 

嵐牙「どういたしますか?」

リムル「どうって………。お前はあの桃色を相手しろ。」

嵐牙「はっ!」

エボル「殺すなよ。殺したら、更に連中の憎しみが湧きそうだ。」

嵐牙「はっ………。」

リムル「残りは、俺達でどうにかするよ。」

エボル「シズさん、いけるか?」

シズ「うん。」

嵐牙「しかし、たった3人で、六体の大鬼族(オーガ)を相手に………。」

エボル「問題ないさ。」

嵐牙「それでこそ、主達です!」

 

 俺はそう言って、コブラロストフルボトルを振り、キャップを閉めて、トランスチームガンに装填する。

 

コブラ!

 

 装填すると、待機音が流れてくる。

 俺は、姿を変える際の言葉を言う。

 

エボル「蒸血。」

 

 そう言って、トリガーを引く。

 すると、トランスチームガンから煙が出てきて、俺を包み込む。

 

ミストマッチ!

コ・コッ・コブラ………コブラ………!

ファイヤー!

 

 俺は、ブラッドスタークに変身する。

 

大鬼族「す、姿を変えたところで何も変わらん!」

 

 そう言って、俺達に迫り、刀を振り下ろすが、俺たちはすぐに躱す。

 リムルが黒色と青色の大鬼族の元に向かい、シズさんが紫色の大鬼族に向かう中、俺は金髪の大鬼族を相手にする。

 金髪の大鬼族は、女性の様だ。

 

大鬼族「私を相手に、たった1人で挑むなんてね。舐められた物ね。」

エボル「どうかな?」

 

 俺はそう言って、その金髪の大鬼族と戦う。

 金髪の大鬼族は、刀を使っている様で、俺はスチームブレードを使って、応戦する。

 時折、トランスチームガンを撃つ。

 俺は、スチームブレードのバルブを回転させる。

 

アイススチーム!

 

 アイススチームを発動して、スチームブレードに冷気を纏わせて斬撃する。

 すると、金髪の大鬼族の腕が氷結する。

 

大鬼族「なっ!?腕が……………!?」

エボル「悪く思うなよ。」

 

 金髪の大鬼族が驚く中、スチームブレードのバルブを回転させる。

 

エレキスチーム!

 

 エレキスチームを発動して、スチームブレードに電気を纏わせて、峰打ちをする。

 すると、金髪の大鬼族は気絶する。

 リムル達の方は、リムルは麻痺吐息で黒色の大鬼族を気絶させ、青色の大鬼族には、身体装甲で攻撃を受け止め、反撃をする。

 シズさんは、ドラゴンフルボトルを振った影響か、剣に蒼炎を纏わせて、紫色の大鬼族と戦い、そのまま倒す。

 

リグル「おお!」

ゴブタ「流石っす!」

大鬼族「あんなに簡単に………。」

 

 リグルとゴブタは、歓声を上げ、桃色の髪の大鬼族は、驚いていた。

 俺は、リムル達と合流して、残りの二人の方を見る。

 

エボル「さて………。」

リムル「どうする?」

大鬼族「…………あの者たちは、かなりの強者ですじゃ。ご油断召されるな、若。」

 

 警戒心を抱かれたか。

 まあ、無理もないか。

 流石に、話すか。

 

リムル「なあ……ここら辺にしないか?」

エボル「そろそろ、俺達の言い分も聞いてほしいんだが………。」

大鬼族「黙れ!邪悪な魔人め!!」

エボル「ええとな………。」

 

 あれ?あの白い老人の大鬼族が居ない。

 いや、気配を感じない。

 リーダー格の大鬼族の言葉を聞きつつ、周囲を警戒する。

 

大鬼族「確かに貴様らは強い。だからこそ確信が深まった。やはり貴様らは、奴らの仲間だな!」

エボル「奴ら………?」

大鬼族「たかが豚頭族(オーク)ごときに………我ら大鬼族(オーガ)が敗れるなど、考えられぬ!」

エボル「オーク?」

 

 待って。

 それって、俺ら無関係だぞ。

 現在、村にオークなんて、誰一人居ないわけだし。

 

リムル「おい………さっきから何を………。」

大鬼族「黙れ!全ては、貴様ら魔人の仕業なのだろうが!!」

エボル「魔人?」

大鬼族「とぼけるな!」

リムル「待ってくれ………それは誤解……。」

エボル「リムル!しゃがめ!」

 

 俺たちの背後に、あの爺さんが現れ、俺たちの首を飛ばそうとしていた。

 すかさず俺は、リムルと爺さんの間に入り、トランスチームガンを撃つ。

 

大鬼族「なぁ………!?気配は完全に絶っていた筈………!?」

エボル「悪いな。俺の第六感っていう感じかな?」

大鬼族「化け物どもめ………!鬼王の妖炎(オーガフレイム)!」

 

 驚いた爺さんがすぐに下がり、リーダー格が、炎の攻撃をしてくるが、俺たちには、熱変動耐性がある。

 炎の攻撃は効かない。

 俺たちが悠然と炎から出てくるのを見て、リーダー格と爺さんは唖然となった。

 

エボル「悪いな。俺たちに炎は効かない。」

リムル「どうやら、俺はお前達を侮っていた様だ。少し、本気を見せてやろう。」

 

 そう言うと、俺とリムルは、オーラを全開にする。

 それには、大鬼族も驚いていた。

 だが、真に驚くべきは、その先だった。

 何せ、黒炎がリムルの左手から上がったのだ。

 それには、シズさんも驚く。

 

エボル『………何、あれ?』

全ての知識『告。個体名リムル=テンペストが、個体名井沢静江(シズエ・イザワ)の体を取り込んだ際に得たユニークスキル、変質者を用いて獲得したスキルだと推測。』

エボル『…………なるほど。』

 

 そんなスキルを得たのかよ。

 そして、あの黒稲妻を使い、目の前にあった岩を破壊する。

 やっぱり、黒稲妻、威力高すぎるだろ。

 だが、今の状況では、役に立つ。

 

エボル「どうする?」

リムル「まだやるか?」

シズ「こっちの話を聞いて欲しいの。」

 

 そう言うと、リーダーは顔を歪める。

 ビビっている様だな。

 そのまま逃げてくれ。

 すると、あの爺さんがリーダーに話しかける。

 

大鬼族「若。姫を連れてお逃げください。ここはワシが………。」

大鬼族「黙れ、爺。………凄まじいな。悲しいが、我らでは、貴様らには遠く及ばぬようだ。だが、俺には、次期頭領として育てられた誇りがある!無念に散った同胞の無念を晴らさずして、何が頭領か!叶わぬまでも、一矢報いてくれるわ!」

大鬼族「若………。それでは、ワシもお供致しましょうぞ!」

 

 やばい、リムルの炎が逆効果になった。

 まあ、事情は分からないが、恐らく、何者かに故郷を襲われ、同胞を虐殺されたのだろう。

 どうしたもんか………。

 すると、嵐牙と交戦していた筈の桃色の髪の大鬼族が、リーダーの前に来る。

 

大鬼族「お待ち下さい、お兄様!この方達は、敵では無いかもしれません!」

大鬼族「そこを退け!」

大鬼族「いいえ!」

大鬼族「………何故だ!?里を襲った奴と同じく、仮面をつけた魔人では無いか!お前もそう言っただろう!?」

大鬼族「はい………ですが、冷静になって考えて見てください!これだけの力を持つ魔人様達が、姑息な手段を用いて、豚どもに我らの里を襲撃させたのは、不自然です!それこそ、たった3人で我らを皆殺しに出来るでしょうから!確かに、この3人は異質ではありますが、里を襲った者達とは、無関係なのではないでしょうか?」

 

 どうやら、気付いてくれたみたいだな。

 あと、もう一押しってところか。

 

リムル「少しは、人の話を聞く気になったか?」

エボル「じゃあ、その炎、さっさと始末してくれ。危なくてしょうがない。」

リムル「ああ。」

 

 リムルは、炎をしまう。

 そして、俺は変身解除する。

 リーダーは、訝しげな声を出す。

 

大鬼族「何者なんだ、お前達は?」

リムル「俺?俺はただのスライムさ。」

エボル「そして、俺は新たに生まれた種族、ブラッド族さ。」

大鬼族「スライムにブラッド族?」

リムル「そう。スライムのリムルに。」

エボル「ブラッド族のエボルだ。」

 

 そう言って、リムルは人間としての擬態を解く。

 俺は、そのままだが。

 

大鬼族「ほ、本当に………!?」

シズ「本当よ。スライムさんが持ってる仮面は、私が託した物。何なら、2人の仮面が、あなた達の里を襲った者と同じ物か、確かめても良いわ。」

大鬼族「ああ………。」

 

 大鬼族は、俺たちから仮面を受け取って、それを検分する。

 

大鬼族「似ている気はするが………。」

大鬼族「これには、抗魔の力が備わっている様です。」

大鬼族「しかし、あの時の魔人は、妖気(オーラ)を隠してはおらなんだ。」

大鬼族「では………。」

 

 誤解だと気付いたリーダーは、俺たちの前に跪く。

 

大鬼族「申し訳ない。どうやら、追い詰められて、勘違いをした様だ。どうか、謝罪を受け入れて欲しい。」

リムル「うむ。苦しゅうない。」

エボル「大丈夫だ。まあ、立ち話もなんだ。一先ず、村に戻るとしよう。君たちも来てくれ。」

 

 俺の言葉を聞いたリーダーは、驚いた表情を浮かべる。

 

大鬼族「良いのか?」

リムル「色々と事情を聞きたいしな。」

大鬼族「………そちらの仲間を、傷つけてしまったが………。」

エボル「そりゃあ、俺らも、そちらの仲間を傷つけてしまったからな。お互い様さ。それに、死人が出なかったから、良しとしよう。」

リムル「それに、今日は、俺たちの村で宴会をやるんだ!」

シズ「人数が多い方が良いでしょう?」

 

 俺は、大鬼族の動けなくなった面子に回復薬を使う。

 ちなみに、爺さんは、ゴブタに謝ったが、ゴブタは爺さんに恐怖していた。

 そして、理由も分からず戦いになってしまったが、何とか終結した。

 俺たちは、村へと戻っていく。




今回はここまでです。
エボルは、新たな人間態の姿を得ました。
外見は、リムルやシズさんをベースにしつつ、中性的な感じになり、髪は灰色の長髪で、目は血のような赤です。
そして、オリジナルの大鬼族が出ました。
次回は、名付けの話です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
エボルが仮面ライダーエボルの力を手に入れるのは、もう少し先です。
豚頭族戦が終わったら、しばらくは転スラ日記のエピソードをやろうと思います。
シズさんがクローズになるのは、あと少しです。
ブラックホールフォームになるのは、ファルムスの侵攻辺りですね。
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