引き篭もりアーカイブ   作:有機栽培茶

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生存報告
本当は先週のうちに投稿するはずだったんです!い、色々あって…課題とか誕プレで買ったサンブr……まあなんか色々あったんです!
ちなみにバニートキちゃんは当たりました。アリス…?聞かないでくれ。
あとこの辺りの話はストーリーをなぞるだけなのでもうダイジェストでいいかなと思い始めている。


第二試験

 

 その日、先生は私の依頼主、桐藤ナギサに呼び出されていた。要件はもちろん補習授業部の件だ。『トリニティの裏切り者を洗い出せ。』、それが桐藤ナギサから、シャーレの先生への依頼であり、先生が…言ってしまえば、たかが数名の問題児のために駆り出された理由である。

 

 ゲヘナ・トリニティ間の平和条約、『エデン条約』を邪魔しようと企む裏切り者の排除。それができないのであれば容疑者である補習授業部全員を退学させる。

 

 もはや脅迫にも近く、そして桐藤ナギサにとっても避けたい選択でありながらも取らざるをえない選択に対して、先生はこう言い放った。

 

 

「私は誰かを疑うことに時間を費やすつもりはないよ。あの子たちの頑張りが報われるように最善を尽くすだけ。」

 

 

 スピーカー越しでも思わず下腹部がキュンとなるようなキザなセリフを吐いたのだ。

 

 先生にとって生徒はどこまで行っても庇護対象であり、疑うべき相手ではないのだろう。なにせ桐藤ナギサからあのような事前情報を受け取っておきながら補習授業部の面々に対して一切の疑いの目を向けることなく、聖園ミカから真実を伝えられた後でさえも何も変わらなかった彼がそのような依頼を受けるわけがないのだから。は〜かっけ、一生推せる。アル様の次に推せるわ。

 

 だが、対する桐藤ナギサはそう簡単には靡かない。

 彼女は今疑心暗鬼の闇の中にいるのだ。何処からか得た『裏切り者』の情報に振り回され、何も信用することができない。寵愛……ハナコの言葉を借りるのであれば偏愛を向けていたヒフミに対してすら疑いの目を向けている。否、向けざるをえないのだろう。

 たとえそれがどんな善人であろうと、それが真実かどうかはわからない。人の心は所詮本人以外、誰にもわからないのだから。

 

 故に彼女は先生に対してこう言った。

 

 

「…承知しました。どうか頑張ってください。先生。

 

 

 私は、私なりに頑張りますので。」

 

 

 

 その言葉の意味を私はわずか数日後に知ることとなった。

 

 

 

 

 

 

 いつも通りのキーボードを叩く音と、液晶画面から放たれるカラフルな光が支配する暗闇、私の生息域を破ったのは勢いよく開かれた扉と、少し焦ったような声だった。

 

 

「ククク……ガ◯ダムだか、ダブルオーだか知らないけど……口だけ達者でも、意味は…ない!……はい、KO、私の、勝ちー……なんで負けたか、明日までに考えて……───「コモリちゃん!」──ぴぁ!?」

 

 

 いきなり開かれた部屋の扉。

 私が隠れたゲーミングチェア越しに見えたのは焦った様子の先生とヒフミだった。

 

 なんだ驚かすなよと言う安堵と、そして普段は礼儀の二文字を知る彼女達が何故このような私の心臓に悪い蛮行をしたのかと言う疑問が浮かび上がってきた。

 

 

「…ヒフミに、先生……いきなりどうしたの?驚いて、心臓が口から射出されるとこだった…」

「ご、ごめんなさい…あ!そうじゃなくて!コモリちゃんはもうお知らせを見ましたか!?」

「お知らせ…?ソシャゲのイベント通知は見たけど…」

「違います!これを見てください!」

 

 

 そう言って彼女は私に可愛らしいデコレーションのされたスマホの画面を見せてきた。

 

 私はその液晶に映し出された文章に目を滑らせる。そして…持っていたエナドリの空き缶を握りつぶした。

 

 

「ああ…なる、ほど……やってくれたな桐藤ナギサ。」

 

 

 その画面に写し出されていたものは、一言で言えばもうすぐ訪れる第二次特別学力試験に関する変更のお知らせだった。

 

 

 一つ、既存の試験範囲をその約3倍の範囲へ拡大。

 

 二つ、60点から90点への合格ラインの引き上げ。

 

 そして三つ。試験会場の変更。

 

 

「… ゲヘナ自治区第15エリア77番街、廃墟の1階…」

 

 

 ゲヘナ自治区。聞き間違いでも読み間違いでもなんでもなく、端末の画面にはそう映し出されている。

 

 ふざけている。この一言に尽きるな。

 

 

「ど、どうしましょうコモリちゃん…」

「…」

 

 

 ヒフミが不安そうな眼差しでこちらを見つめてくる。

 …桐藤ナギサ。容疑者候補と言うだけで補習部という括りを押し付け、彼女達の退学を企んでいた時点で思っていたが、本当に奴は手段を選ばない。確かにその行動の必要性は理解できる。

 

 トリニティ・ゲヘナ間の平和を目指すエデン条約。その重要性は、たかが4人の生徒とは釣り合いにならないほどに大きい。

 

 だが、理解できることと、それに納得できることとはイコールではない。

 

 …故に、私は彼女達に手をかそう。

 

 

「…ヒフミ、アズサ達は…?」

「も、もう会場に向かう準備をしています。」

「そう……」

 

「コモリ、何か、解決札があるの?」

「先生………あるには、ある。」

「え!?」

「これは…小型通信機…これを耳にはめてもらえば、私がみんなに答えを伝える。そうすれば、合格は可能……」

「!」

「……でも、ヒフミは、みんなはそんなことしたくない…違う…?」

「…はい」

 

 

 まあそうだよな。あんだけみんなで頑張ったんだ。たとえナギサがズルにも等しい行為をして妨害してこようが、今までの努力を裏切るようなことはしたくないだろう。

 

 

「…だったら、私ができるのは、会場までの護衛。」

「え!?コモリちゃんもきてくれるんですか!?」

「それは無理。」

「即答!?」

 

 

 当たり前だろう。私なんかがゲヘナ領を歩いたら速攻でチンピラのカモになりさがる。護衛どころか保護対象だ。

 

 

「…これを、使う。」

 

 

 そう言って私がコントローラーを握ると同時に暗闇の中に一つの赤い光が灯る。そしてそれはガシャンガシャンと音を立て、暗闇から姿を現した。

 

 

「…掃除屋?」

 

 

 剥き出しの骨格に剥き出しの回路、ところどころに最低限付けられた装甲と、そして私が便利屋68戦と、たった今桐藤ナギサの護衛にあてている“掃除屋”とは違った、単眼の頭部。

 

 

「掃除屋の後継機として、私が作り出した……Chirashi-1…別名、散し屋…!」

「ちらし…散し屋って、あの時の?」

 

 

 そう!あの時先生と便利屋68のみんなにボコボコにされヴァルキューレに引き渡されたあの『散し屋』だ!

 従来の装甲はボコボコにされて使い物にならないからひっぺがしてあるし色々改造しているからわからないのも無理もない。前までの丸々とした外見とは違って内部フレームは結構細身だからな。鉄◯のグシ◯ンと似たようなものだ。

 

 

「…光輪システムもないし、機動性も操作性も悪い。唯一優れていることろと言えばパワーだけ……それでも、チンピラ程度から貴方達を守ることくらいは、できる……………と思いたい…」

「すごい不安なんだけど。」

「大丈夫、敵の攻撃に当たらなければいいだけ…」

「無理じゃない????」

「もーまんたい…くくく…プロゲーマーを、舐めないほうがいいよ先生…」

 

 

 先生の的確な指示のもと闘えば負けはしないだろうし、先生はヘイローを持たない銃弾一発で死ぬ私と同様貧弱生物。肉壁ならぬ鉄壁は一つでも多いほうがいい。

 

 そして、この機体は確かに“掃除屋”とくらべれば低性能だ。だが、以前に比べ改良されたコントローラーによって操作性は以前に比べ良好。コントローラー自体のサイズもゲームのコントローラーサイズほどになったし、接続も強くラグも極小。

 

 つまり、掃除屋ほどじゃないにしろこれは私にとってはそこらのゲーム機以上の玩具というわけだ。

 

 そう、ゲーマーである私にとっては銃器以上の宝物。銃撃?当たらなければ問題ない。火力が足りない?殴り倒せばいい。そのためのパワーだ。

 

 つまりこれさえあれば向かう所敵なしというわけだ。

 

 

 ……風紀委員長?正義実現委員会の委員長?あれは例外だ。参考にしてはいけない。

 

 

 

 

 

「『さあ行こう先生。彼女達のための道は私が切り開こう。』」

 

 

 

 

 

 試験は、会場に向かう時点で始まっているも同然なのだから。




ちょっとした自己満足

掃除屋(敵orストーリー戦闘仕様)
神秘装甲、ノーマル
(ステータスはステージによって変更)
EXスキル「殲滅プロトコルα」コスト5
指定した敵に攻撃力の1017%分のダメージを与えた後、対象に接近、ライフルで薙ぎ払うことで扇状の範囲の敵に210%のダメージ及びスタンを付与。
ノーマルスキル「緊急退避」
装弾数が0になった時、地面を叩き割り、蹴り上げることで即席の障害物を生成。
バッシブスキル「単独戦闘システム」
フィールドに味方がいない時攻撃力を26.6%増加。
サブスキル「ベネディクトゥスの光輪」
被ダメージ量が14%減少。攻撃速度を23.8%上昇。

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