引き篭もりアーカイブ   作:有機栽培茶

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時代(受験勉強)や環境(新しく出る神ゲーとイベント)のせいで… 俺は悪くないんだよ…小説の投稿が遅れたのは時代や環境のせいだ!!もう…嫌なんだ。(言い逃れイナー)
以下ちょっとした怪文書。↓
────────────────────────

『個体名“先生”の意識の覚醒を確認。録音音声を再生します。』

 シャーレのソファーの上で目が覚めると、自分の視界にはロボットの機械的な目がドアップで映った。

『「ザザ、ザー…カンペは……あった………えと…せ、先生、ちょっとお時間いただきます。」』

 よく見るとそれはいつもコモリのそばにいる掃除屋で、彼から流れている音声はコモリのものだ。

『「えー…はい。日曜日なのに、休日出勤なさった、先生のせいで、たまたま時間の空いてた自分が当番になりました。はい…でもめんどくさいから、録音で……んー……何話せばいいんだろ……まあ、いいや。最近、ゲームの友達が、主人公のビジュに惚れて、新しいゲーム始めたんだって……たしか、スター…なんとかって……んで、始めたら…他にも、推せるキャラがいたらしくて……なんだっけ?スヴァ…なんちゃらってやつ……『初星5これってもう運命だろ!』って叫んでたっけ…先生はやって…』」

「コモリ!ダメですよクエストを放棄しては!」
「んー…ねむ……勇者アリスよ…やめなされ…クエストは、もう代行を出したから大丈夫…」
「ダメです!このクエストは自分でやらなければいけません!」
「やだぁ……まだ、寝てたい、の……」

 …扉の向こうから何やら話し声が聞こえてきた。時計はもう仕事を始める時間を指している。当番らしいし、彼女にも少し手伝ってもらおうか。

「うぅ…なんか嫌な予感…」
「おはようございます!先生!」

※以下本編です。


切り落とされた火蓋

 

「あの…くそ鳥女…髄液が紅茶にでも置換されてるのか……くそ…」

「コ、コモリちゃん?大丈夫?」

「大丈夫に見えますかちくしょう……先生、そこの、取って…飲む。」

「あ、はい。」

 

 

 ぐびっ、ぐびっと音を立てて缶の底に残っていたエナジードリンクを飲み干し、思いっきり机の上に叩きつけた。

 

 やあ諸君、私だ。某紅茶中毒者にしてやられた私だよ。

 

 あーーーくそ!まじで!あの《言葉にするのも憚られるスラング》!!

 あくまで予想…いやもう確信に近いのだがおそらくナギサからの情報で何をとち狂ったのかあんな都心部に温泉があると確信した温泉開発部(バカども)の爆発によって、ただでさえイオリとの戦闘である程度の修理費が確定していた“散し屋”が消滅。先生が拾ってきたネジ一本を残して爆発四散した。

 あの機体に何百万かけたと思ってる!?貴重でもう手に入らないかもしれないオーパーツまで組み込んでたんだぞ!?くそがっ!

 しかも今回の仕事はお友達料金として無償。つまり収入もゼロ!大損だ!

 

 

「だ、大丈夫?」

「だから、これが、大丈夫に、見える…!?」

「ごめんなさい。」

 

 

 あの後すぐにナギサに向けてクレームのメッセージを送りつけたが返信はない。怒りのまま電話だって繋げてみたが例のメッセージが流れるだけで応答なし。護衛としてつけた掃除屋からの位置情報で居場所はわかるがこの調子じゃあ取り合ってもらえないだろう。

 

 この怒り、どうしたものか。

 

 もう依頼とかほっぽり出して大暴れしてやろうか。別に私よくよく考えたら退学になっても多少不便になるだけでやってけるし。身分偽装くらいできるし、以前依頼でちょっかいかけた万魔殿あたりに貸しを作るとか言って掛け合えば、身分の一つや二つくらいは作れるしな。私、いや、“掃除屋”の名の影響力は高いのだ。それにあそこの議長バカだしなんとかなるだろ。

 

 

「コモリちゃんなんかいけないこと考えてない?」

「考えてませーん…」

 

 

 まあそんなことしたらアル様や先生に迷惑がかかるためやらないが。やらないが、本気を出せば私の方が強いことを覚えておいてほしい……!!我掃除屋ぞ!?奥歯ガタガタ言わせてやろうか!?

 

 

「ぬわあああああああああ!」

「お、落ち着いてコモリちゃん?」

「これが、落ち着いて、いられますか…!」

「それよりナギサが今どこにいるかわかる?」

「そんなことっ………はぁ…居場所は、わかります……だけど、多分、無理…護衛に追い返されるのがオチ…」

 

 

 はぁ…まあ、一旦落ち着こうか。ずっとキレていても意味はない。

 

 私は先述した通りにナギサの居場所がわかる。だがその場所はこれまでの『なんか偉そうなティーパーティルーム』ではなく、おそらくセーフルームの内の一つ。そう、そんな場所に隠れていると言うことは“話すことはない”という意思表示に等しい。たとえ先生でも会うことは叶わないだろう。まあ!私が暴れ出せば話は別だがな!

 

 

「ダメだよ?」

「あ、はい。」

 

 

 …先生がダメと言うならやめるけど……うーん…もう少し先生も過激になってもいいと思うんだ。何かを成し遂げたいのならそれ相応の行動をしないと。アル様達だって便利屋68としての誇りを守るため、不正な依頼や闇の深そうなものには手を出さず、時には悪として打ち倒してきたのだから。

 

 ああ…やはりアル様達は最高………っ!そうだ!そうじゃないか。

 

 ハルカ先輩を思い出せコモリ。先輩はアル様の意志を汲み取り、あの人が動けない時率先してあの人のためになる行動をしていた。ならば私もそれをすべきではないか?

 

 大前提として先生は生徒の味方。そして桐藤ナギサもまた生徒の一人。故に彼は手を出すことができない……だが、私は違う。私ならば同じ生徒として、ただの喧嘩として手を出すことが─────

 

 

「ダメだからね?」

「わかってる…!」

「絶対わかってない…!」

 

 

 まあ冗談はさておき……いや流石に冗談だよ。私だってハルカ先輩の行動にアル様がドキマギしてるのは知っている。ただそれが結果的に良い方向に転がりつくのを知ってるから私は止めないけど。

 

 

「そう、いえば…最後の試験って…」

「…明日、だね。」

「……」

 

 

 そう、もうすでに現在時刻夜の10時。そして補習授業部のみんなにとっての最後のチャンスである第三試験は明日。

 …今日まで彼女たちは何度も模試や勉強会を行いナギサの引き上げた合格点に達するよう努力していたことは私も知っているが……おそらく今回も無駄に終わるだろうな。あのナギサが最後だけは手加減をしてくれる…なんてことはないだろう。と言うか、『ない』と言い切れる。

 

 正義実現委員会が動いた。ティーパーティからの要請によってトリニティ第十九分館───つまり、彼女たちが試験を受ける会場が『エデン条約に必要な重要書類を保護する』と言う名目で厳戒態勢に入り立ち入りが不可能と言える状況に陥っているのだ。

 

 事実上試験を受けること自体が不可能となったわけだ。

 

 打つ手なし。私にはもう何もできない。敢えてできるとしたら彼女たちの退学後の身分をツテを使って作るくらいか。…こう、何もできないってのは憂鬱だな。

 

 

「はぁー……ん?…誰?」

「こ、こんばんは先生とコモリちゃん。まだ起きていらっしゃいましたか。」

「いや…私はこれが、平常運転…」

「ヒフミも、眠れない感じ?」

「は、はい。」

 

「私もきちゃいました♡」

「明日は試験なのに、何してるのよ。休むことも大事だっていったのはそっちでしょ!?」

 

 

 …「私もきちゃいました♡」じゃないんだけど。ここ私の部屋なんだけど。ここを夜の女子会の会場にしないでほしい。陽キャオーラに耐えられない。あと部屋が散らかってて恥ずかしいからあんま見ないでほしい。

 

 って勝手に話進めんな。そういうのは自分達の部屋でやれ。私の場違い感がすごい。

 …はぁ、まあいいや。私には彼女達に何か文句を言う勇気はないからな。大人しく聞いてやるよ、と視線はそのままゲームをしながら聞き耳を立てる。

 

 内容はさっき私が前述したとおりのことだ。シスターフッド…このトリニティにおけるティーパーティーに並ぶとされるでっかい組織の人間と伝のあるハナコが聞いてきたらしい。一度はコハルの先輩であるハスミという人に事情を説明して通してもらおうと考えたらしいが、私たちを助けることはティーパーティーから明確な離反と捉えられる可能性がある行動であり、その先輩がコハルの願いを受け入れるにせよ断るにせよ巻き込むわけにはいかないとして断念。

 

 

「……私のせいだ。」

 

 

 そんなお通屋のような部屋の扉を開けて入ってきたのは、これまた暗い表情をしたアズサだった。

 

 

「アズサちゃん!?ど、どこに行ってたんですか?」

「……」

「みんな、聞いて。話したいことがある。」

「アズサちゃん…?」

 

 

「…ティーパーティーのナギサが探している『トリニティの裏切り者』は、私だ。」

 

 

 そう口にしたアズサの顔は少し青褪めており、その手も震えている。無理もない。ソレはこれまで友人のように接してきた、いわば苦楽を共にした仲間を裏切るような発言に等しいのだから。

 

 その言葉を皮切りに、彼女は次々と自身の正体を打ち明けていく。自身の出身校はアリウス分校だと言うこと。ティーパーティーのメンバーであるミカを騙し、トリニティに身分を偽り潜入していること。そして任務を達成するため───桐藤ナギサのヘイローを破壊するために潜入していると言うことを。

 

 しかしこの行動は予想外。まさか自らそのことを打ち明けるとは。そんなことをして仕舞えば任務の障害となり得るのは目に見えているだろうに。何せここにはお人好しの先生と、桐藤ナギサのボディーガードとして雇われた『掃除屋』がいるのだから。もし私たちが障害にならない。もしくは桐藤ナギサを恨み、その計画に加担してくれると予想しての告白だとしたら愚かがすぎる。このアズサがそんなことをするとは思えない。

 

 では、なぜ?

 

 

「明日の朝、アリウス分校の生徒達がナギサを狙ってトリニティに潜入する。」

 

 

「………私は、ナギサを守らなきゃいけない。」

 

 

 

 ……ほう?

 

 

 

「ま、待って!?おかしくない?よくわかんないけどティーパーティをやっつけにきたんでしょ!?なのに守るってどういうこと!?話が合わなくない!?」

 

「……つまり…アズサは、エデン条約締結を阻止したい…もしくは、今、この状態で、エデン条約が実現することを望まない、アリウスと……アリウスの企みを、阻止したい誰かとの、二重スパイ……そういう、こと…?」

 

「コモリ!?いたの!?」

「………ここ、私の部屋…」

 

 

 …おそらく、アズサの言いたいことを要約すると、こんな感じなのだろう。

 アリウス分校。存在自体は知っていたし、もしまだ活動を続けていたのなら横槍を入れる可能性が高いと考えていた組織の一つ。だが、その出身のアズサがこのような立場にいるとは。私でさえその存在を詳しく掴むことができなかったアリウスにティーパーティやトリニティ側の人間がアズサのような間者を送り込むことができるとは考えにくい。ということはアリウス内部での意見の分裂…?その可能性が高そうだが……

 

 

「……それは、誰の命令?場合によっては、その人物と…」

「…これは誰かに命令されたわけじゃない。私自身の判断だ。」

 

 

 ……は?

 

 

「桐藤ナギサがいなければ、エデン条約は取り消しになってしまう。あの平和条約が無くなればこの先、キヴォトスの混乱はさらに深まるだろう。………その時また、アリウスのような学園が生まれないとは思えない………。」

 

 

 …だ、だから、自分の判断で、自分の学園を裏切ったと?

 

 

 ……理解、できない。

 それは、私には到底取れない選択だ。自己犠牲の塊。トリニティのため。キヴォトスのため。自分たちのような存在を生まないために。自らの居場所を失うことになろうとも全てを騙し、守ろうとするなんて。

 

 

「本当にごめん。私のことを恨んでほしい。今のこの状況は全て、私がもたらしたことだから……」

「……それは違うよ。」

 

 

 そして、そんな彼女を受け入れ、その先の見えない茨の道を共に歩もうとする彼女たちもまた、私には理解のできないもので…

 

 

「…何も諦める必要はありません。」

「桐藤ナギサさん……彼女を、アリウスの襲撃から守りましょう。」

 

 

 …それでいてかつて私が見た(憧れ達)に酷似していて、とても眩しかった。

 

 

「………どうするつもり?」

「コモリちゃん…?」

「…予想される敵兵力は、最低でもアリウスの小隊クラス。おそらく、その実力も、アズサから分かるように高いものと推測……貴方達のようなただの生徒が敵う相手じゃ、ない。」

「……」

「…それに、ナギサが貴方達を信じて素直に守られるとは思えない。おそらく、彼女は貴方達のことも敵と認識して、『護衛』を差し向ける。」

「護衛…?」

「…みんな、私がなんで、ここにいるか知らないの…?」

 

 

 ブラックマーケットの都市伝説。金さえ積まれればなんでもやる傭兵。そして、桐藤ナギサが雇った切り札、『掃除屋』。

 

 

「…それが、私。」

 

 

「きっと、このままいけば、みんなは私…掃除屋と、戦うことになる。私はみんなを………いや、貴方達は、私の仕事の邪魔になる。だから、あとは私に任せることをお勧め、する…。」

 

 

「そんな…!」

「……」

 

 

 …おそらく、話に聞くアリウスというのは、“本物”だ。銃火器をおもちゃとしか思っていないような奴らとは違う。()()()()()。だから、彼女達には…

 

 

「…コモリちゃんは、優しいですね。私たちを心配してくれているんでしょう?」

 

「……ハナコ…」

 

「でも大丈夫です。何せ今ここには正義実現委員会のメンバーと、ゲリラ戦の達人と、ティーパーティーの偏愛を受ける自称平凡な人と、トリニティのほぼ全てに精通した人と、ちょっとしたマスターキーのような『シャーレ』の先生までいるんです。」

 

 

 そして彼女は、『それに…』と付け加え、

 

 

「可愛くて最強の傭兵さんもいるんですから。」

「……え?」

 

 

 そう言って手を差し出してきた。

 

 

「桐藤ナギサを守る。手段は違うかもしれませんが、目的は同じです。」

「…」

「それでもダメなら、私たちに雇われてはくれませんか?“金さえ積めばなんでもやる傭兵”、なのでしょう?」

「……」

 

 

 ……これは、多分、彼女達を止めることは初めから無理だったんだろうな。

 

 

「…高くつく、よ。」

「それなら心配ありません。私たちにはシャーレの先生(財布)がついてますから。」

「え!?」

「………先生、このウェーブキャットの、ぬいぐるみを要求、する…」

「よ、よかった…ぬいぐるみ程度なら……まって?プレミア?ほ、ほかのに…」

「値切り交渉は、却下…」

「そんな…」

 

 

 ナギサからの報酬が支払われなかったらほとんどタダ働きなんだ。これくらい要求させてくれ。

 

 

 

 

「作戦内容は一旦、私にお任せください。さあ、今こそ力を合わせる時です。行きましょう!」

 

 

 

 エデン条約を巡る大作戦が、今始まった。




原作が神すぎて割り込む余地がない件。やっぱ原作のストーリーに沿った話より一章みたいなオリジナルの方が描きやすい……逃げていい?()
あとガチャは水着アズサじゃなくてコハルが出ました。えっちなのは死刑!!!

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