ちなみに水着小隊はまだミユちゃん以外うちのシャーレに来てくれません。
あと混乱された方がいたので普通に最新話としてお送りいたします。
それと総評価数300ありがとうございます。
やあ観測者諸君。私だ。
幽霊か、だと?…失礼な。まだこの身にはちゃんと血が通っているし生命活動もちゃんとしてる。大体幽霊だったらこんな記録残せないでしょうが。
とりあえず、現状を整理しよう。
自身の体に異常は、今のところなし。四肢は全部揃ってるし、怪我といっても少し擦りむいたくらい。大事に至るようなものではない。
しかし問題点として体温の低下が挙げられる。私自身滅多に外に出ないゆえにキヴォトス人が前世の“人間”に比べてどこまで耐えられるのかはわからないが、早急に解決したほうがいい問題ではあるだろう。
次に鹵獲されていた掃除屋。PMC兵との交戦によって欠損した左腕以外には、これと言って目立った損傷は見られない。しかしクソ元理事野郎の指示でメインバッテリーが抜き取られ、その上先ほどの騒動で紛失されたときた。今探索に向かっているものがいるが、それでバッテリーが見つかるのは希望的観測がすぎる。サブバッテリーや自己発電で短時間の稼働は可能だが、状況の打開策には使えない。
そして最後に、観測者諸君が最も気になっているだろう周囲の状況についての解説を行おう。
勘のいい者はこの記録に付けられたタイトルと私のみに起こっている問題からある程度察することができただろうが…──
───簡単に言えば雪原である。
「くちゅん」
一面銀世界。
見るだけならば美しいものだが、実際その場に身を投じてみればわかる。ここは地獄だ。寒いタイプの地獄だ。
引き篭もりの私の生存圏から遠く離れた環境だ。
ほらみろ、鳥肌がすっごい立ってる。息も真っ白だ。全身が振動する例のマッサージ器具みたいになってる。このままじゃ凍え死んじまう。
「…コ、コモリちゃん、少し離れてもらっていいかな?先生首締まりそう。」
「……や。」
「ぐえ」
故にこうして先生という名の湯たんぽにしがみつく必要があったんですね。この〜コートなんて羽織ってあったかそうな格好しやがってからに。私なんて無職Tシャツ一枚だぞ!?ヘイローあっても私の貧弱さは変わらないんだぞ!?
「は、はは!流石の掃除屋様も寒さには弱いらしいですね!」
「ずびっ…」
パチパチと燃える焚き火の向こう。私が湯たんぽ──先生にしているのと同じ様に元理事にしがみついている情報屋の二人組が口を開いた。
「こここ、子鹿の様に震えて!私が温めてあげましょうか!?」
「…そんな事言う前に、自分の現状を、見直すべき…」
「あったかいんですよこの人!元理事だって良いって言ってますし!」
「…良い加減離れろ。」
「ほら!」
明らかに拒否してただろ…。
「…はぁ、いつまでやってるんですか。」
「ぐ…あ、カンナ。」
後ろからの声に先生の首を絞める手を緩めて後ろを振り返る。そこには金髪ケモ耳ギザ歯イケメンとか言う拘束されていた時は気づかなかった『打ち上げられた魚ちゃん』こと『イケメンおねーさんのかんな?さん』がコーヒー缶を片手に持ち、数人のPMC兵を引き連れて立っていた。
んー…?かんな…?なんか聞いたことある気がするけど…思い出せないな。まあ所詮ヴァルキューレだ。注意を配るべき生徒も少数であったはずだし、まあ名前覚えてないってことは一般隊員の一人だろう。
「ほら、コモリさん。私のジャケットを貸してあげますからそろそろ先生を離してあげてください。」
ほーん?優しいじゃん?確かにあったかそうだもんね。貴方のそのジャケット。てかデカいな。どこがとは言わんけどデカいな。
「……だが、断る。」
…くくく。確かに貴方のジャケットはあったかいだろう…だが!その暖かさと先生の温もりと地味にタバコ臭い先生の体臭は等価ではないのだ!!
「…は?」
「ぴぃ!?」
嘘です冗談ですごめんなさい貴方のジャケットの方がいい匂いしそうですしそっちにします。
「ぷっ、あはは!引き剥がされてやんの!」
「…むぅ。」
こちらを指差し嘲笑うアイム。
その時だった。後ろから缶が潰れる音がしたのは。
「……いい加減にしてくれませんか?こんなわけのわからない状況に巻き込まれて、しかも指名手配犯三名と、シャーレ所属になったとは言え元凶悪犯罪者一名と共に雪山に遭難なんていう頭の痛くなるような状況に巻き込まれたこっちの身にもなってくれませんかね?」
そう口早に自らの感情を抑えるようにして言い放った彼女の額には青筋が浮かんでいた。
「…ヴァルキューレ警察学校所属公安局長、尾刃カンナ。貴様、カイザーPMC理事である私にそんな口を聞いてタダで済むと…」
「“元”、でしょう。犯罪者。」
「ひんっ」
なぜか大きな態度をとっていた元理事もギロリと睨まれた瞬間縮こまってしまった。よっわ。
……ん?公安局ちょ…は?
「え、あ…ゔぁ、ヴァルキューレ警察学校…?」
「?はい。そうですが?」
「公安局…?」
「ええ。」
「その……局、長……?」
「です。」
…………まじぃ?
「ちょっ!?と、突然土下座なんてどうしたんですか!?」
「…こう、さん…うぅ…掃除屋こと、新戸、コモリは、ひぐ…投降、します……ぅえ…痛くしないでぇ…」
「狂犬」。彼女の辞書には『諦め』の二文字はなく、どんな難事件にも執拗に聞き込み全てを明らかにするという……実際に彼女に拷問をされたという不良生徒に聞いたから間違いない。
「ふえぇぇぇ…」
「あはは。カンナまた怖がられてる。」
「先生…笑ってないでなんとかいってくださいよ。」
てか掃除屋時代の要注意リストにガッツリ載せてたのになんで忘れてたんだ私!!あああ…きっとこれから私は彼女に拷問されて昔やらかした罪を全部吐き出されて豚箱行きにされるんだぁ…
「はぁ…」
「ぴぇ…!?」
「いい加減泣き止んでください。そもそも捕まえませんから。」
「ほんとぉ…?爪、剥がさない…?歯抜かない…?指おらない…?肉を少しずつ削いで行ったり…」
「しませんよ……あなたの中で私はどんなイメージなんですか…」
ほんとぉ?本当に拷問しない?
あ、ヨシヨシされた。これは信じられるヨシヨシだ。ああ、心がポカポカする…表情筋がへにゃる〜
「…情報屋、本当にあれが掃除屋なのか?」
「ええ。そうですよ?多分、おそらく、きっと。」
「情報屋名乗るなら確定させろよ。というかなんで公安局長なんて誘拐してきたんだ?そんな指示出してないぞ?」
「…普通に睡眠薬効かなくて、顔見られて仕方なく…」
「…本当にプロかお前ら…」
んふぅ…なんか変な声出た。
「あの、隊長。報告よろしいですか?」
「ん、ああ。頼む。」
「…お前ら今公安局長に向かって隊長って言ったのか?確かに奴にお前らを貸したのは私だが隊長と呼ばれるべきなのはどちらかというと私だと思うのだが」
「頼りないからでは?」
「ひんっ…」
カンナ公安局長の後ろについていたPMC兵の一人が報告を述べる。彼がいうには飛行船はほぼ全損と言っていいほどの状態。食料や兵器を含む物資は8割ほどを損失。兵力は21名が行動不能。物資の節約のため、状況の把握ために動いている15名を残して他は待機中だそうな。
てかPMC兵って生きてるのかな……生きてたら21名死亡ってだいぶやばい気がするな…
「周辺地理の把握はまだですがこれまでの飛行船の移動経路からレッドウィンター領の奥地と予測されます。」
「通信機器はどうだ?」
「全滅です。黒服さんに見てもらってはいますが希望は持てません。」
レッドウィンター…情報は少ないが確か前世での赤っぽい国々をモデルにした学園だった気がするな。…できればあまり関わりたくない。
と、いうか。通信機器が全滅か。なかなかまずい状況かもしれないと思い始める。掃除屋にもそういった機能は搭載されているが…これは最終手段にした方が良いかもしれないな。少なくとも武器も抵抗する手段もない今この状態で切るべき手札ではない。
多分、まずいと思ったのは元理事側も同じだったのだろう。彼は神妙な顔つき(雰囲気?)で先生に声をかけた。
「先生、ここはお互い協力し合わないか?」
「…協力だって?」
「そうだ。流石にこんな極限状態、お互い敵対したままではまずいだろう?」
「……」
「それとも先生と、公安局長、そこの引き篭りの三人だけでこの状況を突破できるとでも?」
「……」
「お前のその懐に隠してあるカードを使っても難しいだろう?」
先生は私を見た。
…え?ちょ、何その目。私に目をやった瞬間諦めの感情浮かべるのやめてもらっていいですか?いやまあ私がこん中で一番貧弱なのは事実だけどさぁ!
別に協力するのはいいんだよ!?異論ないよ!?
でもさぁ!いいんだけどさぁ!!
「…わかった。貴方が今回したことも、ホシノたちにしたことも許したわけじゃないけど一旦は協力しよう。」
なんか納得いかない!!!!
なんか最近あんま上手く書けないなと第1章を読み直したら今よりだいぶ読みやすい気がする…うぅ…がんばろ…
あとなんか短いと思った方。前回が長がっただけです。普通は3000文字くらいです。というかそのくらいで勘弁してください。
投稿時間について
-
7:00
-
12:00
-
6:00
-
9:00
-
0:00
-
その他(コメント欄にお願いします)