引き篭もりアーカイブ   作:有機栽培茶

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ウイが来てくれたので早速ウイ喫して精神の安定を図っています。

※めちゃクソ長いしその半分はコモリちゃんの説明話なので脳死で読みたい方は会話文がで始める半分くらいから読むといいかもです。
自分でも妄想を深めすぎて何書いてるかわからない。()


起動

 

 ───並行世界。

 

 

 パラレルワールドにマルチバース。

 諸君はそんな言葉を耳にしたことはないだろうか。

 

 そう。SFものなどで使われるような設定だな。

 所謂、自分たちが今存在している世界…現実世界と仮定しよう。それに対してまた別の現実世界とは何かが違った世界が存在するというものだ。その世界には自分ではない自分がいて、友人ではない友人がいる。同じようで少し違う。あったかもしれないまた別の可能性だとか、そんな設定もあったな。

 

 まあ簡単に言えばゲームで作られたもう一つのセーブデータのようなものである。

 

 

 とまあここまで長々と話したが、いったいこんな話が何に関係あるのか。

 それは勿論、私とアイムが掘り起こしてしまったあの白骨死体に繋がるのだ。

 

 

 結論から言おう。

 アレは私の成れの果てである。正確に言えば別の世界の私の、だがな。

 

 死亡したのはおそらく3〜4年前の間。死因は胸部に受けた銃弾。骨にその痕跡が残っていたし、それに“夢”で見た。

 

 

 ……なんだその反応は。呆れてものも言えない?そんなことがあり得るわけないだろ?死体を発見してSAN値チェック失敗したか?だと?

 

 

 いいから真面目に聞け。そもそもの話、並行世界の存在そのものは以前から知っていた。何せその証明材料が私そのものなんだから。

 だってそうだろ?前世の記憶、だなんておかしなものを持っているんだ。それもこの世界がゲームとして存在する世界の記憶をだ。

 

 この記憶が何か偶然の産物、狂人の妄想だと切り捨ててもいいが、本物だとするのなら並行世界というものが存在することは明らかだ。

 

 現実世界で我らが統括P殿がこの世界を感知してゲームにしたのか。はたまた統括P殿がゲームを作り上げたがために生まれたのかはわからないが、この『ブルーアーカイブ』の世界と『現実世界』の、少なくとも二つの並行世界が存在することは確かな事実となるのだから。

 

 ならこの二つの世界以外にも並行世界があってもおかしくはない。そういうことだ。もしかしたら他のゲーム、モ◯ハンやらア◯クナイツもあるかもしれないな。

 

 

 おっと話がズレた。

 

 並行世界というものが存在することはわかっていただけたと思う。では次にこの死体が私だと確信を持って言える理由だが…死亡推定年数から考えて存在するはずのない、『私の考えた掃除屋のロゴ』が刻印されたピースメーカーが埋まっていたというのも理由の一つであるが、もっと大きな理由は度々私が見る”夢“である。

 

 

 あー!またふわふわとした理由だなと思っただろ!

 

 まあコレはしょーがない。私もちゃんとした確信には至っていないからな。

 

 夢っていうのはどこからともなく無から湧いて出てくるものじゃなくて、人が今までに記憶してきた情報がごちゃ混ぜになって見せられてるものってのは知ってると思う。というか普通に考えたらそうだよな。全然身に覚えのない男の顔とかが突然出てきたらそれはもうホラーなんだわ。

 

 んで、そんな夢なんだが…当然私はあの飛行戦艦に乗ったことも棺桶に入った私自身を見下ろすなんてのも経験したことがない。

 

 つまりホラー展開…ってわけじゃない。

 

 

 コレの原因についてもちょっとした予想があって、見事にそれは的中した…と思う。

 

 

 元理事たちに拉致された時、あの時私は自分の所持品を確認してただろう?

 服にレギンス、そして『ミサンガ』。

 私という人間について知ってる人はここで少しの違和感を持ったと思う。『新戸コモリとかいう引き篭もりがミサンガなんてオシャレするわけがない。』って。

 

 …ちょっと待て。違う違う。そうじゃない。するからね?私だって一応花の女子高生なんだから。

 

 あー…なんだっけ?そうだ。『ミサンガなんてあってもなくても変わらないようなものの有無をわざわざ私が記録に残すのか。』ってことだ。私は結構大雑把だからな。必要のない情報はわざわざ書いたりしない……つもりだ。

 

 ってことはだ。逆説的に考えれば『ミサンガ』は重要なキーアイテムということになる。

 

 

 てれれってれーじゃじゃじゃじゃーん

 

 み゛ーざーん゛ーがー

 

 じゃなくて、正式名称はエンチャンター。付与するやつって意味だ。

 その効果はコレで触れたものに反神秘属性を付与するというもの。鉄パイプでぶっ叩いてもびくともしない生徒(私は例外とする)に対しても、コレと一緒にパイプを握りながらぶっ叩いたら有効打を与えられるようになる。所謂神秘特攻だ。素材は『神秘破壊弾』と同じもの。

 

 もしもの時の緊急用として身につけていたコレだが、その性質上、神秘を持つものに触れると淡く発光するという性質を持っている。(私の場合神秘量が少なすぎたのか発光しなかった。)

 

 

 そして私はそんなエンチャンターを推定”私“の死体にくっつけた。

 

 結果は無反応。少しも光ることはなかった。

 

 

 死んでるんだから当然?いや違う。

 以前黒服に教えてもらった情報なのだが、生徒は死亡直後に大半の神秘をヘイローの崩壊と共に失うが、少量の神秘は残り香のように最低5年にわたって残り続ける。どうやってそんな闇の深い情報を手に入れたのかとも思ったが……その情報をもとに考えるとこの死体にも少量の神秘が残っていてもおかしくはない。いや、残っていないとおかしいのだ。

 

 にも関わらず死体から神秘は検出されなかった。

 

 

 つまり、”私“はなんらかの形で死亡前に神秘を失っている。

 

 ではその神秘はどこに行ったのか。

 

 ここでようやくもう一つの謎、『掃除屋の持つベネディクトゥスの光輪』に繋がるというわけだ。

 

 

 ベネディクトゥスの光輪。擬似神秘再現装置。それが真価を発揮するには再現元の神秘が必要となる。では、“掃除屋”が発現させているヘイローの元となった神秘は誰のものか。

 

 ここまで語ればもう分かっただろう。

 もう一人の私の神秘は、ベネディクトゥスの光輪の素材として使われているのだ。

 

 じゃあそのあっちの私の神秘がこの記憶とどう関わるのか、だが…私はこの現象を神秘の干渉と呼んでいる。

 通常あり得ない、一つの世界に二つの、全く同じ神秘が、それも身近に存在する。それによって起こる神秘の混線。その結果私の記憶にあっちの世界の私の…というか私の神秘を持つ“掃除屋”が見た記憶が流れ込んできていたのではないか。という仮説だ。もしかしたら私の神秘が弱いのもコレが関係しているのかもしれない……まあ、希望的観測ではあるが。

 

 どうだ?なかなか的を得てるんじゃないだろうか。

 

 

 …ここまで偉そうに語ったんだが、実はコレらの考察、結構前の頃から気づきかけていた事実でもあるんだ。多分物作りをしたことのある人ならわかると思うが、自分の作ったものってのは癖とかそういうので、記憶から忘れ去られていてもなんとかく『あれ?コレ俺が作ったやつじゃね?』ってなるものだ。

 そんな感覚で私は掃除屋に初めからつけられていた『ベネディクトゥスの光輪』が自分作のものであると確信して堂々と先生に『私が作ったが?』なんて言い切っていた。コレで違ったら飛んだほら吹きになるところだったが。

 それに私のチートじみた創造能力の制約でもある『同じものは作れない』を掻い潜って複製できたことからもコレが『この世界の私』が作ったものではないと分かっていた。

 

それらの情報を整理すれば簡単にこの事実には辿り着けたんだ。まあ確信に変わったのはついさっきなんだけどさ。

 

 

「ふぁ……ぁ……」

 

 

 

 …ふぅ。長く語ったせいで眠くなってきた。観測者諸君もこんな長文をわざわざ読んでいるかは知らないがご苦労だった。

 読んでいない諸君にまとめると、『死体は並行世界の私』『ベネディクトゥスの光輪は並行世界の私が作ったもので込められた神秘もあっちの世界の私のもの』『存在しない記憶はあっちの世界の私の神秘越しに流れ込んできた掃除屋のみてきた記憶』『掃除屋はあっちの世界の私が何かあってこっちに流してきた作品の一つ』ってことくらいか?

 

 ああ、あと多分この船もそうなんだろう。明らかにオーバーテクノロジーだし、こんなものが作れるのはチート持ちの私くらいだろうしな。

 

 

 ……てかよくよく考えたらこんな壮大な仮説でも今は意味のないものだ。仮説を検証するにしても今は没収されてる掃除屋に搭載された『私の神秘』を調べなきゃいけないし、それまでは仮説は所詮仮説に過ぎない。掃除屋とあっちの世界の私が何をしようとしてたのかとか、何でゲマトリアなんかに入ったのかとか調べたいことはあるが、それは今じゃない。

 今必要なのはこの遭難状態からの脱出方法であって私の謎の答え合わせじゃないんだから。

 

 

「…ん…だから…寝るね……」

「待て待て待て待て!!」

 

 

 わしわしわしとそれなりの力でゆすられる。

 重たい瞳を開けて見てみると目の前にはごっつい人形のロボットが!元理事である。

 

 

「…なに…?私…眠いんだけど……」

 

 

 私はジロリと元理事を睨み返す。

 私はね、徹夜と重労働で眠たくて眠たくて、とぉーっても機嫌が悪いんだ。その上、昨日の謎が気になって仕方ないであろう観測者諸君に一から十まで説明したせいでさらに疲れた。あ?お前が勝手に話しただけだろ?うるさいうるさいうるさい!とにかく眠いんだ!!

 

 

「眠い、じゃなくてだな…そろそろコレの説明をしてくれないか?」

 

 

 そう言って彼が指差したのは私が丸まって寝る準備万端な椅子の前に設置されたなんか小難しいコンソールのような機械盤。そしてその機械盤の向こうにも設置された複数の制御装置。

 簡単に言って仕舞えばそこは昨日の船の制御中枢、艦橋であった。

 

 

「…見たまんま…じゃ、寝るから…」

「おい!…はぁ…信号弾を見て何があったのかって急いで来て見たら…えらいものを見つけたもんだな。」

「ええ…あの、私も眠いのでちょっと眠っていいですか?」

「ダメに決まってるだろ!?」

 

「ごめんねコモリちゃん。少し起きてもらってもいいかな?」

「…先生が、そういうのなら、仕方ない…」

 

 

 寝ぼけ眼で再度辺りを見回した。

 場所は昨日の船の艦橋で、そこにいるのは先生とカンナさんにアル様達。そして情報屋の二人に元理事と黒服、そしてPMC兵が数名。休眠中のPMC兵を除いた全員がここに集結していた。

 そして、艦橋に設置された窓の外には登りきった太陽が燦々と雪景色を照らしていた。

 

 ああ、そうだった。昨日アイムが打ち上げた信号弾を見た待機組の奴らも到着して、この船について調査を開始する、そんな状況だった。眠すぎて忘れていたよ。

 

 

「はぁ…しかしとんでもないものを見つけたな。通信機じゃなくて飛行船を見つけるなんてな。」

「飛行戦艦」

「そこはどうでもいいだろう…それで?動くのか?コレは。」

 

 

 ゴンゴンっとコンソールを叩いてみる。壊れた機械は斜め45度で叩くと治るというが実際は素直に修理に出したほうがいいだろう。

 

 

「んー…わからない……確かに、私は、機械いじりが得意……でもこんなのは、初めて……見た感じリアクターとか、主要な部分は無事……けど、うんともすんとも動かない…燃料が切れてるのかも…?黒服は、何かわかった…?」

「…無名の司祭の遺物…?いや、違いますね……どのオーパーツとも一致しない…実に興味深い…」

「…ダメそう。」

「そ、そうか…」

 

 

 この中で頼れそうな黒服も何やらぶつぶつと役に立ちそうにない。

 

 

「…どうやら行き詰まっているようね?」

 

 

 そんな時だった。私のちょうど背後から、神々しいオーラが漂ってきたのは。(コモリ視点)

 そう!我らがアル様である。

 さすがはアル様。私たちがわからなかったこの船が動かない原因に気付いたのか。

 そんな期待を胸に抱き…そして同時に小さな不安感を抱きながら見上げた彼女は────

 

 

「壊れた機械は斜め45度で叩けば治るのよ!」

「あ、社長待って。」

 

 

 ちょうどコンソールに手刀を叩き込もうとしているところだった。

 

 繰り返し言おう。壊れた機械は斜め45度で叩くと治るというが実際は素直に修理に出したほうがいいだろう、と。

 

 

「てりゃ!!」

 

 

 ごん!と硬質な音を立てて少し凹みを作ったコンソールは────次の瞬間火花を散らしてその画面に砂嵐を表示した。

 

 

「こここ、壊れちゃった!?!?」

「…あーあ。止めたのに…」

「…アルちゃん、コレは流石にまずいんじゃない?」

「あああ!アル様は悪くありません!こんなに脆い機械が悪いんです!」

 

 

 白目をむいてパニック状態に陥りそうなアル様。

 しかし─────

 

 

 

『ザザ……システムの正常な動作を確認。……生体認証───新戸、コモリ──一致。ようこそ。マスター。』

 

 

 

 船にはどうやらこのくらいの衝撃が目覚めにはちょうど良かったらしい。

 

 

「…うご、いた…?さすがアル様…!!こんな、戦艦の、治し方を知ってるなんて…!」

「……そ、そうよ!ほらね!言った通りじゃない!機械は斜め45度で叩くと治るのよ!!」

「…でも、アル様は私の部屋にある機械には触らないでね……?」

「なんでよ!?」

 

 

 だってゲーム機とか壊されたらやだし…

 

 

「それでどうだ!?動くのか!?」

「近い。でかい。うるさい。セクハラ?」

「はいはいうちの生徒から離れてくださいね。」

 

 

 興奮気味な元理事とそれを引っ張っていく先生を横目にコンソールで指を滑らせてみる。生体認証で『新戸コモリ』とか言ってたし、そもそも私が作った船だろうからセキュリティ面は問題なく通過できる。というかコレを作ったあっちの私はセキュリティ意識が低いのか最初のログインにしかパスワードかけてなかった。

 だが問題はどこでどんな操作ができるかだ。夢で見るあっちの私の記憶も断片的で、しかも意味深なシーンしか映さないでこういう重要な情報は落としてくれなかったからな……あっちの私の役立たずめ。

 

 手探りでやるしかなさそうだが…と、そこでふと思いつく。

 

 

「…あ、あ…んん。hey S◯ri?この船の状況を教えて?」

『了解しました。』

 

 

 …いけるんだ…というかS◯riなのか。

 

 

『検索中…検索完了。損傷率15%。エンジン稼働可能率65%。燃料残量45%。自動防衛システム起動可能。神秘残量…計測不可。理想郷システム条件未達成。起動不可。重力制御システム異常なし。自己修復システム起動中』

 

「…つ、つまり?」

 

『飛行可能』

 

 

 瞬間、歓声が湧き上がった。

 

 

「帰れる!帰れるのね!?帰りは熊の毛皮で暖を取らなくていいのね!?帰ったら焼肉よ!!!」

「こんなオイルも凍るような雪原とはおさらばだ!私は、帰ったらこの功績で理事に返り咲く…いや、それ以上にも…!」

「長かったようで短かったような…いやぁ…とりあえず、帰ったら銭湯にでも行きましょうか。…コモリさんも呼んだらきてくれますかね…いや、でも断られたらどうしよう…」

「…お前そんな女々しいキャラだったか…?」

「くっくっく…研究が捗りますね…」

「この数日間さわれなかったゲームが……あ、仕事…ユウカに怒られる…」

「ふふ…私も帰ったら休暇でも……いや、その前に私がいない間に問題が起こっていないといいが…」

 

 

 …なんか少しどんよりとした人が2名ほどいるが殆どが帰れることへの喜びをそれぞれの形で露わにしていた。

 

 そしてその後の行動は早かった。

 

 

「そうと決まれば帰る準備をしなくてはな!」

 

 

 この船に行きの飛行船のような不備がないかチェックする組と、船の操作方法を確認する組。そして飛行船跡に置いてきた荷物と休眠状態のPMC兵を呼びにいく組を元理事の指示のもと分けることにした。

 まず第一のグループに数だけは多いPMC兵と元理事に情報屋、第二グループには私と先生とカンナさん。そして第三グループには黒服とアル様達、という構成に分けられることとなった。

 

 

「私も船に残りたかったのですが…」

 

 

 そうごねる黒服を引きずってアル様達は出発して行った。

 おそらく彼女達が帰ってくるのは夕方ごろだろう。そして出発は明日の朝あたりになるはずだから、それまでに操作方法を頭に叩き込まないといけない。

 

 そう考えて私は再びコンソールを開いた。

 

 

 

 

 ────警戒もせず、油断し切った状態で。

 

 だからそうなるまで気づけなかった。

 

 

「うわっ!?」

 

 

 一緒に船の説明を見ていた先生の悲鳴。そちらを向こうとして、気づく。側頭部に当てられた冷たい金属の感触。

 目だけを動かして横を見れば、PMC兵に押さえつけられた先生の姿と、私に銃を突きつけるアイムの姿。

 

 ようやく思い出した。

 忘れていた、目を背けていた現実。ここ数日命を共にした仲間が、本来は私の持つ一つのデータをめぐって“誘拐”という強行に打って出た敵だという事実。

 

 

「っ!先生!」

「カンナちゃん!」

 

 

 音を聞きつけたのかドアを破って入ってくるカンナさん。彼女はすぐさま銃を構え───バチバチという音と背中から漏れ出る光と共に気を失って倒れた。そのすぐ後ろにはスタンガンを持ったホムラと、大柄な体のロボット…元理事が立っていた。

 

 

「…っ!元、理事…!」

「制圧ご苦労。よくやってくれた。」

「…いえ、仕事、ですからね。」

 

 

 悠々とした足取りで彼は歩いてきて、そして先ほどまで私が座っていた椅子───この船の艦長が座るであろう椅子にどっかりと座った。

 

 

「……なんの、つもり…?」

 

「なんの?そんなもの言わずともわかるだろう?私と貴様達は敵同士。敵と一緒に仲良く脱出なんてバカみたいなことすると思ったか?この船は我々で独占し、奴らにはこの雪原で永遠に雪遊びでもしていてもらう。」

 

「く……黒服と、残りのPMC兵はどうするつもり…?」

「そんなもの昨日の夜のうちに起こして船に詰め込んであるさ。そして黒服……やつも私の仲間ではないからな。船に載せるつもりはない。」

「…くそ…」

「おっと。先生からそのカードを取り上げろ。…何もさせはせんよ。」

「く…!」

 

 

 先生がどこからともなく取り出したカードはPMC兵によって取り上げられてしまった。

 打つ手なし。完全に詰み状態だ。

 油断した。油断してしまった。私のミスだ。わかっていたはずなのに。気づいていたはずなのに。

 

 …きっと、“掃除屋”の私なら気づけていた簡単なミス。絆されてしまっていた。一緒に寝たからとか、一緒にご飯を食べたからだとか、一緒に相撲を取ったからだとか。……友達、だなんて言われたからだとか。

 理由をつけて、彼らは敵ではないと思い込んでしまっていた。

 

 私はすでに“傭兵”からただの無力な、先生やアル様の役に立てない“生徒”に成り下がってしまっていた。

 

 

「……情報。貴方が、欲しがっていた、不正の証拠…全部渡すから…だから、アル様達だけでも船に乗せて、ほしい…」

 

「断る。もうそんなちっぽけなものはいらん。何せこんな巨大兵器が手に入ったのだからな!コレさえあれば、もう会社に縛られる必要もない。この武力を持って私はカイザーの社長に…いや!いなくなった連邦生徒会長に変わってキヴォトスの支配者に…!!」

 

 

 

 牢屋にでもぶち込んでおけ。必要になるかもしれん。その声を最後に、私の意識は暗転したのだった。




自分でもうまくまとめれたかわからない設定まとめ
そもそも一章で終わらすつもりで、仄めかす程度で終わらせるつもりだった設定達。ネタバレ注意。

・『掃除屋』は並行世界のコモリが作ったロボ。ベネディクトゥスもそうだけどコモリは自分(もう一人の自分)が作ったって確信してたから「私が作った」と言った。
・コモリのチート(?)は何でも(何でもとは言っていない)創造できることだが一度作成したものは再び作れない。しかしベネディクトゥスの光輪はあっちの自分が作ったものなので複製できた。
・ベネディクトゥスの中身はコモリ(あっちの)の神秘。夢とか船を開けた時の変な行動もそれ関係。
・『掃除屋』は何らかの原因(後々明かす)でこちらの世界へ転移後『あっちの世界のコモリ』から与えられた任務を達成するためにキヴォトスを放浪して、金稼ぎや情報収集のため傭兵『掃除屋』になったりゲマトリアとの関係を築いていた。→その後SRTか風紀委員か知らないけど交戦からの大破。コモリに拾われる。
・あっちの世界のコモリと掃除屋は何らかの目的を持って行動して、失敗した。飛行戦艦もその関係。
・あっちの世界のコモリは掃除屋の有無の関係上ずっと傭兵傭兵してるし能力への理解の高い。こっちのコモリの上位互換。
・『あっちの世界』はプレ先時空。

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