引き篭もりアーカイブ   作:有機栽培茶

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え、あ、わ、わぁ……(評価くれって言ったら予想以上の爆撃を喰らってビビってる作者の図)
なんとか完結までは持ってくので!逃げないので!あんま期待しないでぇ!!


お買い物

 

「……大丈夫?」

「だ、だだだ、大丈夫、です……」

 

 

 人混みも多く、日光が容赦なく私の体を消し炭にしようと降り注ぐなか、私は便利屋68と予想外の先生を引き連れて商店街を歩いていた。誰かと一緒に外出するなんて久しぶり……というのはまあ置いておいて、こうしている間にも計画は進行中だ。

 注意していればわかるはずだが、進むにつれ、人ごみが減っていっている。本来この場所で、この時間ではショッピングを楽しむ多くの生徒が行き来しているはずだというのに。

 

 

「本当に大丈夫?すごい震えてるけど」

「ももも、問題ありません…気にしないでください…」

 

 

 だからと言って、私には十分驚異的な人数ではあるのだが!

 

 無論、私の体調のために人避けをしているわけではない。例のヘルメット団たちが私を襲うための場所を整えているのだ。私の方から人気のない場所に行くのは違和感が生まれてしまうからな。しかし、だからと言って人が大勢いるところで事を起こすのは下策も下策。

 私としても無関係の一般市民を巻き込むのは本意ではないし、こんな状態で暴れたら騒ぎを聞きつけたヴァルキューレあたりがすぐに飛んでくる。

 それでは純粋な便利屋68の実力を図ることができない。

 

 故にこのような小細工を仕組む必要があるのだが。

 

 

「…先生、この辺っていつもこんなに人少ないのかしら。」

「いや、前来た時はいっぱいいたよ。」

「……誘い込まれてるね。」

「本当に道あってるの〜?」

「ハルカ」

「全て消しちゃっていいんですよね!」

 

 

 まあ案の定バレるよね。

 気づいたらあたりに一般人は誰一人通らず、店も全部シャッターが降りている。代わりに私たちの前に立ち塞がるのは人の群れではなく、銃火器を構えたヘルメットの不審者たち。

 

 

「おいおいおい!コモリぃぃ!!!呑気にお買い物なんざいい身分じゃねぇか!!ああ!?」

「ひ、ひぃ!?」

 

 

 いやいい演技だな。ならばこちらも合わせねば無作法というもの…

 いやよく見たらめっちゃ冷や汗かいてる。当然か。彼女たちにとっては命懸けだからね。去り際に『失敗したらきついお仕置きが待っていると思え?』と言ったのが聞いているのだろう。別にただの威力偵察だから負けても何もしないけど。

 

 

「コモリさんは後ろに隠れてて。」

「ああん?なんだぁ?護衛でも雇ったのかぁ?無駄なことをよぉ…前も言ったろ?テメェが大人しく金さえ払ってくれりゃ私たちが守ってやるってヨォ?」

「う…うぅ…」

 

「…しっかりしなさい!」

 

「ぴぃ!?」

 

 

 ひぃ!?

 

 

「今貴方が誰に守られてるのか忘れたの!?あんな三下にビビってないでビシッと言っちゃいなさい!」

「さ、三下ぁ!?!?」

 

 

 な、なんか背中をバシッと叩かれた上に怒鳴られたんですけど!?

 ま、まあ、やれっていうなら…

 

 

「…………こ、この────

 

 

 

   クソダサヘルメットウーマン!!

 

 

 

「……は?」

 

 

 ─────っ!なんかめっちゃ心臓バクバクするんですけど!?なんかめっちゃ緊張したんですけど!?…直接人に悪口言うのってこんなに緊張するのか………でも、なんかスッキリした気がするな。なんかこう、胸が空くっていうか、なんか長年私の心の内で燻っていた感情が爆発したような───とにかくスッキリした。

 

 …ああ、そういえば、ああいう奴らを画面越しにボコったことはあったけど…直接、この体を晒して罵倒したことはなかったな。

 

 

「よく言ったわ!なかなかやるじゃない貴方!」

「てめぇ!このヘルメットのどこがダサいんだ言ってみろ!」

「う、うわぁあ!来ます!!」

「よ〜し!全部吹っ飛ばしちゃお〜!」

「うん、さっきのはかっこよかったよ。」

 

「よく頑張ったね。あとは先生たちに任せて。」

 

「は、はい…!」

 

 

 さぁて。始まった。お手並み拝見と行こうじゃないか。

 

 

 …震えてるのは別に恐ろしいからではない。武者震いというやつだ。涙目になっている?こ、これはあれだ。この目で直接戦闘を見るのは久しぶりだったからな。感動しているんだ。

 

 

 

 

 

 

 

「お、覚えてろ!!」

 

 

 結果から見れば圧勝であった。思わず手放しで拍手したくなるほど見事な指揮と、それに合わせることのできる便利屋68の実力の高さ。流石としか言えない。おそらく私にここまで綺麗な勝利を収めることができるのかと聞かれたら、無理、と答えるだろう。

 

 制圧すること自体はできる。しかし最低限の弾薬で、最低限の被弾で、完全な、それもこれほどの短時間での制圧は不可能なのだ。それほどまでに便利屋68は実に優秀な組織だったのだ。経営担当がなんでこんなにもやばい指揮ができるんだよ!いや、先生だからか……いや先生がなんで部隊の指揮できるんだよ!!!

 

 腰が抜けたのは内緒だ。

 

 

「よし!ざっとこんなものよ!」

「大丈夫?たてる?」

「ははは、はい…」

 

 

 手を差し伸べてくれた便利屋の一人、()()()私を睨みつけてきたカヨコさんに対して膝が笑っているのも秘密だ。

 

 

「あ、あ、ありがとう…ございます…」

「よし!じゃあこのまま買い物にGO〜!」

 

 

 

 

 

 その後は普通に買い物をして依頼は無事終わった。私の受難もまた、無事に終わったのだった。もう二度と外になんて出たくない。

 

 報酬?もちろん払ったさ。900に、追加で100に、アル社長が気に入った様子だったペロロ様ぬいぐるみ。合わせて一千万は出しておいた。(私にとって)珍しい経験をさせてもらったお礼だね。ん?渡す時?もちろん平然としていたよ。私の依頼でも千行くことは珍しいんだけど、さすがは便利屋68。彼女たちにとっては当たり前の金額なんだろう。

 

 

「はぁ…すごかった、な……」

 

 

 これで私は確信した。奴らは私にとって邪魔になる。脅威たり得る存在だ。

 おそらく彼女たちが掃除屋を退けたという噂は裏社会中に広まっていることだろう。つまり、私への対抗策としてこれからの依頼で接敵する可能性が高いというわけだ。

 

 …避けられない、か。

 

 やりあえば間違いなく大きな損害を被ることになる。今の掃除屋、厳密に言えばCleaner-MarkIが破壊される可能性もある。

 

 ……それに、これは個人的な感情ではあるのだが…………いや、やめよう。私は掃除屋。金さえ払えばなんでもこなす傭兵だ。そこに私情を持ち込むことは許されない。

 

 

「『また一緒に買い物に行きましょう!』…か」

 

 

 …なんというか、複雑な気分だ。

 

 

『考え込んでどうしました?』

 

 

 ん、ああ。そうだった。人と話しているときに別のことを考えるのは失礼にあたるな。

 

 

「【いや、すまない。少しな。】」

 

 

 ちなみに掃除屋の声は変声機を通した私の声だ。なかなか渋くいい感じに仕上がったと思っている。

 

 

『便利屋68のことですか?』

「【…まあ、そうだな。】」

『私も驚いてますよ。まさか貴方が負けるなんて。』

「【負けてない。あれは戦略的撤退だ。】」

『…貴方って稀に子供っぽいところがありますよね。』

「ぐ…」

 

 

 い、いや。私は事実を言っただけだ。それをどう捉えるかは相手次第なのはわかっているが…誰がなんて言おうと、あれは戦略的撤退なのだ。負けじゃない。

 

 

『まあいいでしょう。貴方が欲しているものはこれであっていますか?』

「【ああ。そうだ。】」

『ヘイローの破壊を可能とする爆弾…一体何に使うのかを聞いても?』

「【………】」

『いや、やめておきましょうか。私たちはあくまで商売相手でしかないのですからね。』

「【賢明な判断とだけ言っておこう。】」

『では話していたものは持ってきましたか?』

「【ああ。ここに。】」

『…なるほど。これが…』

「【偶然の産物の一つだ。私にも作り方はわからん。貴様が望む効果が現れなかったとしても責任は取れんぞ。】」

『ええ、わかっています。しかし…神秘の再現…そんなものが偶然…いや、偶然だからこそできたのか…?』

「【…これは貰っていくぞ。】」

『ええ。()()いつか会いましょう。』

「……」

 

 

 …私は二度と会いたくないがな。

 

 さて、と。()()()と呼べる代物が手に入ったわけだが…使う機会がないことを祈るとしようか。




コモリちゃんも転生者特有のアレがあります。特典ですね。そのおかげで色んなものが意図せずとも作ることができます。作り方はわかりません。代わりに身体能力ゴミカスですが。

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