第二部開始。
基本的にはアニメをベースに、原作漫画も参考資料的に使っていくイメージで構築していきます。
プロローグ2:これまでのことと、これからのこと
これは
家族の過干渉を嫌って(と、単に起きるのがクソ遅いので)朝食のタイミングをズラしている姉が、珍しくオレや両親と顔を合わせて食事をしていたのだが……
「ねぇ恭助、虹夏にはいつ告白するの?」
「──っ!? んッ、ンゴフッッ」
突然のことに驚いて、口にしていた味噌汁を噴き出しかける。
まさか、父さんと母さんがいる時にこの話題を出すとは思わなかった。
「そうねぇ。ママも気になるわぁ。早く孫の顔が見たいんだけど……」
「あ、冠婚葬祭の費用なら心配いらないよ?」
「どうしてそうなるこの色ボケ共がァ!!!」
こうなるから、
「え?」
「だって……」
「な、なんだよ」
「虹夏ちゃんの方は『
「それたぶん
「その『何年も前』から告白しないでいるから、いつまで経ってもライクのままなんでしょ?」
「うぐっ」
……そう。ウチの姉は普段頭カラカラのちゃらんぽらんだが、昔からこの件については真面目な意見を出してくれている。サポートも的確だ。
姉の言う通り、問題はオレにある。
「……けど、なんで今その話をするんだよ。ちょっと前までなんだかんだ『急がなくてもいい』って……」
「状況が変わった」
「……と言うと?」
「
「…………」
つまり来年は虹夏ちゃんの、再来年はオレの受験がある。
しかもオレが目指しているのは、
そして大学が別れれば……当然、会う機会が減る。
「……もう、今年しか残ってないのか」
「そういうこと。だから、今まで通りの方針じゃ間に合わない。ただでさえ2年前の文化祭ライブ以降、
これについてはオレが何も行動をしなかったとかではなく、虹夏ちゃんの受験に合わせ、オレと彼女が組んでいたバンドを解散したからだ。
別に関係は悪化してないけれど、接点が一つ減ってしまったが故の『後退している』という評価。
「だからそろそろ一気に距離を縮めて、告白するまでの見通しをつけてもらう」
「…………分かった。ちゃんと、考えておく」
「──そういうワケだから。父さんも母さんも、ゴールデンウィークに恭助を拘束するような予定は立てないでね」
……なるほど、両親がいる時に話したのはそういうことか。ついでにさりげなく『まさか大型連休を無駄にはしねぇよなぁ?』と釘も刺されてしまった。
「……映画にでも誘ってみるわ」
たしか先月、ファンタスティックな魔法動物が登場する映画の続編が公開されていた筈だ。人気の作品だからまだまだ上映枠は残っているだろうし、内容も老若男女問わず楽しめるようになっている。あのシリーズで大きな『ハズレ』を引くことはあるまい。前作の終わりがちょっと暗かったのが気がかりだけど……そういったところも含めて話題のタネにはなる。
「ん、偉い。いい心がけ。
──そんな偉い弟くんに、お姉ちゃんがイイものを
そう言って姉は、一枚のチケットを手渡してきた。
「ライブハウス、スターリー……ってコレ、まさか!?」
「うん。私と虹夏のバンド──『結束バンド』の初ライブ」
姉は9歳の時、『
「開催日は5/9……ほぼ来週じゃんか! なんだよオイ、もっと早く言えよなぁ」
「あぁ、それは…………ごめんごめん。ちょっち、事情があって」
「事情だぁ? どうせまた姉貴のものぐさだろ?」
「…………そういうことにしといて」
「あぁ? マジでなんかあったのか」
「教えない」
「なんだよ気になるじゃねぇか。言えよ姉貴ー、なぁ──」
*
──なんでか
いや、理由は分かるけど。
正直、仮に今日から合わせ練習を始められたとしても……本番までに
故に虹夏は、恭助に無様な姿を見せるくらいなら──と思い、誘わなかったのだ。
だがライブハウスで正式に演奏をする以上、活動履歴は残る。いつまでも隠せるものじゃあない。なら潔く当たって砕けた方がマシというものだ。
──それに、恭助が居れば
打算塗れの自分にちょっぴり自己嫌悪しながら、私は朝食を終えて席を立った。
山田恭助
2007年10月20日生誕。身長178cm、体重72kg。姉と同じく容姿端麗・高身長・筋肉質の三点セット持ちである。更には記憶力も並以上という反則具合。(ただし勿論リョウほどの瞬発力は流石に無い)
性格は昔と変わらず温厚なのだが……姉共々顔だけ見て近寄ってくる連中が多いので、人避け目的で口調がかなり悪くなっている。後は両親からの過度な溺愛に反発し続けたことも原因。