対人関係の気風
・相手や状況に合わせて言葉を選び、自分や相手の考えや感情を正確かつ効果的に伝え、受け取れる能力が豊か
・失敗に対する寛容の文化があり、原因を解決した者の再出発を妨げる烙印はあまり押されない。公務員や企業の評価制度は加点方式。
政治・メディア
・政治討論でも、節度・道義・敬意がベースとなっており、反対の意思を示す際は対案を示しつつ鋭く論じる文化が確立している。
・社会報道は正義を示すよりも、事象への理解を深める報道へと変化しており、エスプリが利いた政治風刺や一般的な教養番組も娯楽的地位を獲得している。
・コントや物まね番組などのお笑い番組も新しい芸能の一形態として評価されているが、あまりにも他人の人格を貶めるような内容はNGとされる。
・ドッキリ番組は、仕掛けられる側の危機管理意識を問う番組と化している。
日常の美意識
・清潔感・節度・公共マナーが制度による強制ではなく自ずから身についている行為として定着している
・公共空間では、だれかが見ているからではなく、自分がそうありたいから。と振舞う事が一般的。
子どもたちの様子
・思慮深く、羞恥心を言語化できる力がある
・「学ぶこと=立派になること」という文化が自然に共有されている
教師・学校文化
・道徳授業は「理念を押しつける場」ではなく、「語り合い、問い返す場」として機能
・管理ではなく信頼する文化がベースにあり、校則も内面を形にする言葉として運用されている
・不登校の子どもも、欠席ではなく「自己との対話期間」として包摂されるようになっている。
上諭
朕、議会の協賛と枢密顧問の諮詢を経たる教育基本法を裁可し茲に之を公布せしむ。
内閣総理大臣
国務大臣
宮内大臣
司法大臣
外務大臣
内務大臣
文部大臣
農林大臣
国務大臣
郵政大臣
商工大臣
厚生大臣
国務大臣
運輸大臣
大蔵大臣
労働大臣
国務大臣
建設大臣
国務大臣
国務大臣
前文
われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。われらは新たに国家再建に向かって出発するにあたって、建設へのたゆまざる意欲を奮い起こすとともに、大戦の被害による精神の虚脱と道義の廃頽を克服し、心を合わせて道義の確立に努めねばならない。道義を確立する根本は、自己の自主独立である人格の尊厳にめざめ、利己心を越えて公明正大なる大道を歩み、自律する心をもつ人間となることにある。
われらは、身を慎んで無礼の挙動なく、常に自分を引きしめて自儘にせず、両親に孝し、兄弟友愛し、夫婦相睦み、子を慈しみ、朋友を信じ、長上を敬い、幼少を扶け、宗族相和し、郷党相結び、人の難を救い、急を援け、常に国憲を重んじ国法に遵い、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、他の人格の尊厳を貴び重んじ、私心を脱して互いに敬愛し、深い和の精神に貫かれた家庭、社会、国家を形成しなければならない。自主独立の精神と和の精神とは、道義の精神の両面である。
われらは普遍的にして個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底し、自国だけの利害にとらわれることなく、世界の平和と文化に心を向け、公明正大なる精神に生きなければならない。それによって国家は、他の何ものにも依存しない独立の精神と気魄をもって、新しい建設の道を進み、世界の文化に寄与しうる価値をもった独自の文化の形成に向かうことができ、他の諸国家との和協への道を開き、世界の平和に貢献することができるのである。われらは独善に陥ることなく、俯仰天地に愧じない生活にいそしみ、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを希求するものである。
われらは、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進するものである。
ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する。
第一章 教育の目的及び理念
第1条(教育の目的)
教育は、人格の完成を目指し、道義的判断力と知的探究心を養うとともに、平和で民主的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値を尊び、勤労と責任を重んじ、自主独立の精神と道義に基づき、公共の精神と世界的視野を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
第2条(倫理と義務の教育)
教育は、自由と責任を両輪とし、自律的な判断力に基づき、社会人として、また教養ある世界人としての高貴なる人間の義務を遂行する道徳的判断力を養成することを重んずる。この倫理的判断力と自己の責任における義務の遂行は、自由なる社会において人類共通の道義を確立し、世界永遠の平和を可能にする礎である。
第3条(科学教育の振興)
科学は、人類を破壊に導くための手段ではなく、未利用資源の開発や生存の豊富化、人類をあらゆる不幸と困窮から解放するための平和的手段として、その教育が振興されなければならない。国及び地方自治体は、知的探究心を尊重し、実際生活に即した科学教育の推進に努めなければならない。
第4条(女子教育の促進)
教育は、性別にかかわらず、すべての人の能力の開花と社会への貢献を促すものである。特に女子教育においては、貞節と慈愛という従来の婦徳の一部を内包しつつも、自ら行動し得る新しい女性を育成し、新たに獲得した自由を有効適切に発揮し、世界の女性と手を携えて、平和の原動力となることへの育成を期して行われなければならない。
第5条(家庭教育の尊重)
教育の出発点は家庭にあり、とりわけ、母性の深い愛情と責任は、子供の生涯にわたる人格形成の礎として尊重される。母親は、子供に生命を与えるだけでなく、子が成人した時、自己の生命を保持し、あらゆる環境に耐え忍び、平和を好み、協調を愛し、人類に寄与する強い意志を持った人間に育成する責任を負う。国及び地方自治体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
第二章 学校教育
第1条(義務教育)
国民は、その保護する子女に、別に法律で定めるところにより、10年の普通教育を受けさせる義務を負う。義務として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。
第2条(義務教育の無償)
国または地方自治体は、義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担及び相互の協力の下、その実施に責任を負い、国または地方自治体の設置する学校においては、授業料を徴収しない。
第3条(学校の性質)
法律に定める学校は、公の性質をもつものであって、国または地方自治体の外、法律に定める法人のみが、これを設置することができる。
第4条(学校における教育)
法律に定める学校においては、教育の目標が達成されるよう、教育を受ける者の心身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。この場合において、教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われなければならない。
第5条(男女共学)
男女は、憲法の理念に従い、互いに敬重し、協力し合わなければならないものであって、教育上男女の共学は、認められ、推奨される。但し、特定の理由により別途の教育方式が必要とされる場合は、地域社会の要望に基づいて柔軟に対応することができるものとする。
第6条(私立学校の尊重)
私立学校の有する公の性質及び学校教育において果たす重要な役割に鑑み、国及び地方自治体は、その自主性を尊重し、教育への干渉とならない様に配慮しつつ、助成その他の適当な方法によって私立学校教育の振興に努めなければならない。
第三章 教員
第1条(教員の使命及び研修)
法律に定める学校の教員は、知識の伝達者にとどまらず、人格形成の導き手として不断の研鑽と倫理性を保持しなければならない。教員は、全体の奉仕者としてその崇高な使命を自覚し、研究と修養に励み、その職責を遂行するものとする。
第2条(教員の身分と待遇)
教員の身分は尊重され、その待遇の適正とともに、養成および研修の充実が図られなければならない。
第四章 教育と政治・宗教
第1条(教育の非政治性)
国または地方自治体の設置する教育施設、教員、また、そこで就業する者は、特定の思想、政党を支持し、またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
第2条(政治的教養)
良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。自己の信条にはあくまで忠実であるべきであるが、異なる信条と意見を交わす時は、自己の立場も自己に対立する立場も等しく、ともに国家の全体に立脚せることを自覚し、相互の自由と平等を認め、理解と寛容の上に立って同胞愛を失わず、かつ私利私欲に流れることなく、公明正大に行わなければならない。
第3条(宗教教育の尊重)
宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、憲法の安寧秩序、公衆の健康若しくは道徳または他の者の基本的な権利及び自由を保護するために必要な制限、国民一般の義務に反しない限り、教育上これを尊重しなければならない。
第4条(教育施設における宗教的活動の制限)
国または地方自治体の設置する教育施設の教員等は、宗教に関する寛容と理解を促進する教育活動を行うことができる。ただし、その活動が、特定の宗教を支持し、または反対することを目的としてはならない。
第五章 教育の機会均等と多様性の尊重
第1条(教育の機会均等)
教育は、人種、性別、身分、地域、職種、宗派、党派、経済的地位によって差別されてはならない。
第2条(経済的理由による就学支援)
国及び地方自治体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。
第3条(障碍者教育への配慮)
国及び地方自治体は、障碍のある者がその状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。
第4条(原住民・国内言語への配慮)
国及び地方自治体は、日本国に居住する北海道、千島、台湾における原住民の集団が自らの言語、文化を維持し、発展させる権利に配慮しなければならない。その言語及び陋習とされた民族の文化は、日本国憲法及びそれに基づいた法律に反しない限り尊重されなければならず、国及び地方自治体は、教育上必要な配慮を講じなければならない。また、方言を含む国内の言語について文化的及び社会的な必要性に等しく配慮し、教育上必要な支援を講じなければならない。
第六章 生涯学習及び教育行政
第1条(生涯学習の振興)
国及び地方自治体は、国民一人ひとりが、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に活かすことのできる社会の実現が図られなければならない。個人の要望や社会の要請に応え、家庭及び勤労の場所その他社会において行われる教育は、国及び地方自治体によって奨励されなければならない。
第2条(社会教育施設の整備)
国及び地方自治体は、図書館、公民館、博物館等の社会的教育施設の設置、学校の施設の利用その他適当な方法によって教育の目的の実現に努めなければならない。
第3条(連携と協力)
学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。
第4条(教育行政)
教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。教育は国民全体のための教育であることを忘れず、一部特定の人種、身分、地域、職種、宗派、学派、党派の利益のための手段とみなされてはならない。
第5条(政府の責務)
政府は、教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、次の事項について基本的な学習基準を定め、これを議会に報告するとともに、公表しなければならない。
一 教育振興に関する基本的な方針と施策について定め、道義の確立と公共の精神の向上を目指すこと。
二 地域の実情に応じた基本的な学習基準を定め、全国共通の教育水準を維持しつつ、地域の特性を活かした発展的な学習と指導の工夫を促すこと。
附則
第1条(関係法令の制定)
この法律に掲げる諸条項を実施するために必要がある場合には、適当な法令が制定されなければならない。
第2条(施行期日)
この法律は、公布の日から、これを施行する。
因みに大戦の総括
【手段が誤っているのならどんな高邁な理想を掲げてもそれは誤りにしかならない】
事実上の敗戦を単なる「負け」ではなく、「誤った手段(武力)を選んだことへの痛切な自己批判」として定義し直しています。
教訓:「世界を救う」や「共栄」という目的があったとしても、武力という手段を選んだ瞬間に、それは理想ではなくただの侵略になる。
歴史教育は、「なぜその時、その選択をしたのか」という因果関係を徹底的に検証する科目になりました。
例:「理想を掲げながら武力という安易な手段に逃げた時、国はどう滅びるか」を、感情論ではなく論理として教えています。
道徳は生存権と他者への敬意と知恵を持つ者の責任を教える教科です。
例①:資源を無駄にすることは、自分だけでなく未来の世代や他国の生存権を奪う「悪」である
例②:他国を力で屈服させる(手段の誤り)のではなく、教育と知恵を分かち合うことで共に歩む「徳」を教えます。
例③:「技術を売って大金を得る」ことと「技術を守って国を存続させる」ことのどちらが正しい選択かを議論