もしもこんな日本だったら   作:fire-cat

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栄典法 (昭和二十七年法律第三十三号)

上諭

 朕、議会の議決を経て国民の休日及び祝日に関する法律を裁可し茲に之を公布せしむ。

 

 御名 御璽  

 

内閣総理大臣

国務大臣

宮内大臣

司法大臣

外務大臣

内務大臣

文部大臣

農林水産大臣

国務大臣

郵政大臣

通商産業大臣

厚生大臣

国務大臣

運輸大臣

大蔵大臣

労働大臣

国務大臣

建設大臣

国土大臣

防衛大臣

児童家庭大臣

 

 

第1章 総則

 

第1条(目的)

 この法律は、日本國憲法に規定する栄典について、その基本的事項を定めることを目的とする。

 

第2条(賞勲の趣旨)

 国家又は公共に対し功労のある者を表彰するため、これに勲章、褒章、賞杯又は賞状を授与する。賞勲は、人を評価するものではなく、国家又は公共に対する功績の大きさを評価するものである。

 

第3条(叙位の趣旨)

 国家又は公共に対し功労のある者を表彰するため、これに位を授与する。叙位は、人を評価するものではなく、功績を称え宮中における席次を定めるものである。

 

第4条(宮中席次の効力)

 位による席次は、宮中儀式上における席次であって、職務上の序列に関するものではない。

2 位の詳細は、政令でこれを定める。

 

 

第2章 賞勲

 

第1条(勲章の種類)

 勲章は、菊花勲章、桐花勲章、旭日勲章、宝冠勲章、瑞宝勲章、文化勲章及び産業勲章の七種とする。

 

第2条(菊花勲章)

 菊花勲章は、国家又は公共に対し、桐花大綬章を授与する功労より著しく優れた功労のある者に、天皇がこれを授与する。

2 菊花勲章は、大勲位菊花章頸飾、大勲位菊花大綬章及び大勲位菊花章に分け、大勲位菊花大綬章を正章とし、大勲位菊花章を副章とする。

3 大勲位菊花章頸飾は、特別の場合に限り、大勲位菊花大綬章を授与された者に天皇が授与する。

4 皇族及び外国の元首に対しては、第2条及び本条第1項の規定にかかわらず、特にこれを授与することができる。

 

第3条(桐花勲章)

 桐花勲章は、桐花大綬章のみとし、旭日大綬章を授与されるべき者のうち、その功績が特に優れている者に天皇がこれを授与する。

2 皇族及び外国人に対しては、第2条及び本条第1項の規定にかかわらず、特にこれを授与することができる。

 

第4条(旭日勲章)

 旭日勲章は、旭日大綬章、旭日重光章、旭日中綬章、旭日小綬章、旭日双光章、旭日単光章及び青色桐葉章の七等級とし、国家又は公共に対し顕著な功績のある者に、天皇がこれを授与する。

2 皇族及び外国人に対しては、第2条及び本条第1項の規定にかかわらず、特にこれを授与することができる。

3 旭日大綬章及び旭日重光章は、正章及び副章から成る。

 

第5条(宝冠勲章)

 宝冠勲章は、宝冠大綬章、宝冠牡丹章、宝冠白蝶章、宝冠藤花章、宝冠杏葉章、宝冠波光章及び宝冠章の七等級とし、社会の様々な分野における功績の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者に、天皇がこれを授与する。

2 外国人に対しては、第2条及び本条第1項の規定にかかわらず、特にこれを授与することができる。

3 宝冠大綬章及び宝冠牡丹章は、正章及び副章から成る。

 

第6条(瑞宝勲章)

 瑞宝勲章は、瑞宝大綬章、瑞宝重光章、瑞宝中綬章、瑞宝小綬章、瑞宝双光章、瑞宝単光章及び瑞宝桐葉章の七等級とし、国及び地方公共団体の公務又は公共的な業務に長年にわたり従事して功労を積み重ね、成績を挙げた者に、天皇がこれを授与する。

2 外国人に対しては、第2条及び本条第1項の規定にかかわらず、特にこれを授与することができる。

3 瑞宝大綬章及び瑞宝重光章は、正章及び副章から成る。

 

第7条(文化勲章)

 文化勲章は、文化の発展向上にめざましい功績を挙げた者に、天皇がこれを授与する。

 

第8条(産業勲章)

 産業勲章は、技術又は生産方法など産業の発達に関し特に優れた功労のある者に、天皇がこれを授与する。

 

第9条(勲章の製式)

 菊花勲章、桐花勲章、旭日勲章、宝冠勲章、瑞宝勲章、文化勲章及び産業勲章の製式及び着用式は、政令でこれを定める。

 

第10条(褒章)

 次に掲げる者を表彰するため、これに褒章を授与する。

 一 自己の危難を顧みず人命を救助した者

 二 徳行が著しい者

 三 業務に精励し公衆の模範とすべき者

 四 学術、技術又は芸術上の発明、改良又は創作に関し事績が著明な者

 五 教育、衛生、社会福祉、産業経済の発達等に力を尽し成績が著明な者

 六 公益を目的とする事業に協力し著しい貢献をした者

2 褒章の製式及び着用式は、政令でこれを定める。

 

第11条(飾版の授与)

 すでに褒章を授与された者に、重ねて同種の褒章を授与すべき事績があるときは、その都度、その者に銀飾版一個を授与する。銀飾版が五個以上に達したときは、五個ごとに金飾版一個と引き換えて授与する。

 

第12条(賞杯及び賞状)

 勲章又は褒章を授与するに当たり、あわせて賞杯又は金員を授与することができる。

2 表彰されるべき功労又は事績に次ぐ功労又は事績のある者を表彰するため、これに賞杯又は賞状を授与する。

3 功労又は事績のある団体を表彰するため、賞状を授与する。

4 賞杯又は賞状による表彰は、内閣総理大臣に委任することができる。

 

第13条(記章)

 国家的祝典又は事業の記念の標章として記章を設ける。

2 記章の制定、名称、製式、着用式及び授与される者の範囲は、その都度法律で定める。

 

第14条(死亡叙勲)

 表彰されるべき者が死亡した場合には、特旨を以てその死亡の日の前日に遡り、当該栄典を授与することができる。

 

第15条(着用及び保存)

 勲章、褒章及び記章は、これを授与された本人に限り着用することができる。

2 勲章、褒章又は記章を授与された者が死亡したときは、その遺族は、これを保存することができる。

3 勲章、褒章又は記章を授与された者は、政令で定めるところにより略章を着用することができる。

 

第16条(類似標章の着用禁止)

 勲章、褒章又は記章と類似の体裁を有する標章は、これらが通常着用されるような事情の下において着用してはならない。ただし、外国の勲章等(外国の標章で、この法律による勲章、褒章又は記章に相当するものをいう。以下同じ。)及び政令で指定する標章は、この限りでない。

 

第17条(譲渡等の禁止)

 授与された勲章、褒章、記章及び賞杯は、これを質入れし、売買し、又は差押えの対象とすることができない。

 

第18条(返納及び返還)

 勲章を授与された者が、さらに同一の勲章で上級のものを授与されたときは、下級の勲章を内閣総理大臣に返納しなければならない。

2 勲章、褒章、記章、賞杯又は賞状を授与された者は、理由を付してこれを返還することができる。団体についても同様とする。

 

第19条(栄典の失効)

 勲章、褒章又は記章を授与された者が、死刑、懲役又は無期若しくは二年以上の禁錮に処せられたときは、その栄典は効力を失う。ただし、刑の執行猶予の言渡しを受けたときは、この限りでない。

2 前項ただし書の規定により効力を失わなかった場合において、その刑の執行猶予の言渡しを取り消されたときは、その栄典は効力を失う。

 

第20条(栄典の剥奪)

 勲章、褒章又は記章を授与された者が、次の各号の一に該当するときは、栄典審議会の議を経て、情状により、その栄典を剥奪することができる。

 一 死刑、懲役又は二年以上の禁錮に処せられ、刑の執行猶予の言渡しを受けたとき。

 二 二年未満の禁錮に処せられたとき。

 三 弾劾に関する法律により罷免されたとき。

 四 公務員として懲戒免職の処分を受けたとき。

 五 その他その栄誉を保持するに適しない非行があったとき。

 

第21条(栄典の返納義務)

 前二条の規定により栄典が効力を失い、又は剥奪されたときは、本人又はその遺族は、速やかに当該栄典を内閣総理大臣に返納しなければならない。

 

第22条(着用停止)

 勲章、褒章又は記章を授与された者が、法令により拘禁されたときは、その間、これを着用することができない。懲役若しくは禁錮の執行猶予又は仮出獄の期間中も同様とする。

 

第23条(外国勲章等の佩用)

 日本国民は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、外国の勲章等を日本国内で佩用することができない。

 

第24条(栄典授与の上申)

 地方公共団体の長は、その地域内に居住する者で、この法律の規定による栄典を授与するに値する者があると認めるときは、その功労又は事績を付して内閣総理大臣にこれを申し出ることができる。

2 外国人の場合にあっては、前項の申出は、外務大臣を経由して行うものとする。

 

 

第3章 叙位

 

第1条(位階)

 位は、正一位、従一位、正二位、従二位、正三位、従三位、正四位、従四位、正五位、従五位、正六位及び従六位の十二階とする。

 

第2条(叙授の種別)

一位は親授とし、二位以上四位以上は勅授とし、五位以下は奏授とする。

 

第3条(叙位の対象)

 位は、華族のほか、次の各号の一に該当する者に、その功労に応じこれを授与する。

 一 国家又は公共に対し著しい功労のある者

 二 賞勲された者

 三 現に官職にある者、および現に職務に従事している者

 

第4条(死亡叙位)

 前条に掲げる者が死亡した場合においては、特旨を以てその死亡の日の前日に遡り、位を追贈することができる。

2 故人にして勲績が顕著である者には、特旨を以て位を追贈することができる。

 

第5条(礼遇)

 有位者は、宮中席次規程に定められたその位に相当する礼遇を享ける。

 

第6条(礼遇の停止)

 有位者が次の各号の一に該当するときは、その礼遇を享けることができない。

 一 禁治産又は準禁治産の宣告を受けた者

 二 破産手続開始の決定を受け、復権を得ない者

 三 刑事訴訟の係属中で、勾留または保釈若しくは責付を受けている者。

 四 禁錮以上の刑に当たる罪により起訴され、その判決が確定していない者

 

第7条(位の喪失)

 有位者が次の各号の一に該当するときは、その位を失う。

 一 死刑、懲役又は三年以上の禁錮に処せられたとき。ただし、刑の執行猶予の言渡しを受けたときを除く。

 二 国籍を喪失したとき。

 

第8条(位の剥奪)

 有位者が、その品位を保つことができないとき、又はその体面を汚辱する行為があったときは、情状により、その礼遇を停止し、又はその位を剥奪することができる。

2 第2章第20条各号の一に該当する場合もまた、情状によりその位を剥奪することができる。

 

第9条(位の返上)

 有位者が、その品位を保つことが困難な事情があるときは、位の返上を請願することができる。

 

第10条(適用除外)

 本章は、国内外の皇族、王族および公族には適用されない。

 

 

第4章 栄典審議会

 

第1条(設置及び権限)

 内閣総理大臣の諮問に応じ栄典に関する重要事項を調査審議するため、総理府の附属機関として栄典審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 内閣総理大臣は、菊花勲章、桐花勲章、勲二等旭日重光章以上の旭日勲章、宝冠大綬章、瑞宝大綬章、文化勲章及び産業勲章の授与(死亡者又は外国人に対するものを除く。)並びに栄典の剥奪に関する案件を閣議にかけるには、あらかじめ審議会の議決を経なければならない。

 

第2条(組織)

 審議会は、委員十五人をもって組織する。

2 委員は、公正で識見のある者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。

 

第3条(任期)

 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

 

第4条(その他)

 この法律に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

 

第5条(栄典審査・第三者評価制度)

 栄典制度の公平性及び妥当性を確保するため、栄典審議会の下に、外部有識者による栄典制度評価委員会を設置する。

2 評価委員会は、勲章及び褒章の授与の基準、運用状況、剥奪及び返納の事例等について、年次で評価を行い、内閣総理大臣及び栄典審議会に対してその所見を提出する。

3 前項の評価は、事案の秘密保持に十分留意しつつ、公正かつ制度改善を目的として行われなければならない。

4 評価委員会の構成、手続その他必要な事項は、政令で定める。

 

 

第5章 附則

 

第1条(施行期日)

 この法律は、公布の日から施行する。

 

第2条(経過措置)

 この法律の施行の際現に授与されている従前の菊花章、文化勲章及び褒章は、それぞれこの法律により授与されたものとみなす。

2 この法律の施行の際現に授与されている従前の旭日章、宝冠章、瑞宝章及び記章は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。

3 この法律の施行前に旧外国勲章佩用願規則(明治十八年太政官布告第三十五号)により外国の勲章等の佩用の免許を受けた者については、第27条の規定による内閣総理大臣の認可があったものとみなす。

 

第3条(旧褒章の取扱い)

 この法律の施行の際現に褒章を授与されている者は、この法律の施行後も、従前の褒章を着用することができる。

2 前項に規定する者に対して第15条の規定により飾版を授与すべきときは、本人の申出により、従前の褒章をこの法律の規定による褒章と引き換えるものとする。

 

第4条(審議会委員の任期の特例)

 この法律の施行後最初に任命される審議会の委員のうち、内閣総理大臣の指名する七人の任期は、第4章第3条の規定にかかわらず、一年とする。





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