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品種保護及び主要農作物種子法(昭和三十八年法律第百四十一号)

上諭

 

 朕、議会の議決を経て品種保護及び主要農作物種子法を裁可し茲に之を公布せしむ。

 

 御名 御璽  

 

内閣総理大臣

農林大臣

大蔵大臣

通商産業大臣

 

第一章 総則

 

第1条

 この法律は、主要農作物および地域に伝わる伝統農産物の優良な種子の生産、保存及び普及を促進し、品種の育成の振興と種苗の流通の適正化に関する制度、新品種の保護のための品種登録に関する制度、指定種苗の表示に関する規制等について定め、種子の生産について圃場審査その他の措置を行うことにより、もって農林業及び水産業の発展に寄与することを目的とする。

 

第2条 

 この法律で「主要農作物」とは、稲、大麦、はだか麦、小麦及び大豆をいい、「伝統農産物」とは、特定の地域で古くからその土地で栽培され、気候風土に適応した特徴的な在来農産物で、品種改良されることなく受け継がれてきた品種をいう。

2 この法律で「圃場審査」とは、都道府県が、種子生産圃場において栽培中の主要農作物の出穂、穂ぞろい、成熟状況等について審査することをいい、「生産物審査」とは、都道府県が、種子生産圃場において生産された主要農作物の種子の発芽の良否、不良な種子及び異物の混入状況等について審査することをいう。

3 この法律において「農産物、林産物又は水産物である植物」とは、農産物、林産物及び水産物の生産のために栽培される種子植物、しだ類、せんたい類、多細胞の藻類その他政令で定める植物をいい、「植物体」とは、農産物、林産物又は水産物である植物の個体をいう。

4 この法律において「品種」とは、重要な形質に係る特性(以下単に「特性」という。)の全部又は一部によって他の植物体の集合と区別することができ、且つ、その特性の全部を保持しつつ繁殖させることができる一の植物体の集合をいう。

5 この法律において「種苗」とは、農作物(稲、大麦、はだか麦及び小麦を除く。)、林産物又は水産物である植物体の全部又は一部で繁殖の用に供されるものをいう。

6 この法律において「加工品」とは、種苗を用いることにより得られる収穫物から直接に生産される加工品であって政令で定めるものをいう。

7 この法律において品種について「利用」とは、次に掲げる行為をいう。

 一 その品種の種苗を生産し、調整し、譲渡の申出をし、譲渡し、輸出し、輸入し、又はこれらの行為をする目的をもって保管する行為

 二 その品種の種苗を用いることにより得られる収穫物を生産し、譲渡若しくは貸渡しの申出をし、譲渡し、貸し渡し、輸出し、輸入し、又はこれらの行為をする目的をもって保管する行為(育成者権者又は専用利用権者が前号に掲げる行為について権利を行使する適当な機会がなかった場合に限る。)

 三 その品種の加工品を生産し、譲渡若しくは貸渡しの申出をし、譲渡し、貸し渡し、輸出し、輸入し、又はこれらの行為をする目的をもって保管する行為(育成者権者又は専用利用権者が前二号に掲げる行為について権利を行使する適当な機会がなかった場合に限る。)

8 この法律において「指定種苗」とは、種苗(林業の用に供される樹木の種苗を除く。)のうち、種子、胞子、茎、根、苗、苗木、穂木、台木、種菌その他政令で定めるもので品質の識別を容易にするため販売に際して一定の事項を表示する必要があるものとして農林大臣が指定するものをいい、「種苗業者」とは、指定種苗の販売を業とする者をいう。

9 農林大臣は、農業資材審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴いて、農産物、林産物又は水産物である植物について農林省令で定める区分ごとに、第四項の重要な形質を定め、これを公示するものとする。

 

第二章 主要農作物の種子の生産及び普及

 

第3条 

 都道府県は、あらかじめ農林大臣が都道府県別、主要農作物の種類別に定めた種子生産圃場の面積を超えない範囲内において、譲渡の目的をもつて、又は委託を受けて、主要農作物の種子を生産する者が経営する圃場を指定種子生産圃場として指定する。

2 その経営する圃場について前項の指定を受けようとする者は、農林省令で定める手続に従い、都道府県にその申請をしなければならない。

 

第4条 

 指定種子生産圃場の経営者(以下「指定種子生産者」という。)は、その経営する指定種子生産圃場について圃場審査を受けなければならない。

2 指定種子生産者は、次条の規定により交付を受けた圃場審査証明書に係る指定種子生産圃場において生産された主要農作物の種子について、生産物審査を受けなければならない。

3 圃場審査及び生産物審査(以下本条において「審査」という。)は、指定種子生産者の請求によつて行う。

4 都道府県は、指定種子生産者から前項の請求があったときは、当該職員に、審査をさせなければならない。

5 審査の基準及び方法は、農林大臣が定める基準に準拠して都道府県が定める。

6 前項の農林大臣が定める基準は、主要農作物の優良な種子として具備すべき最低限度の品質を確保することを旨として定める。

7 第四項の規定により、審査を行う当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の要求があったときは、これを呈示しなければならない。

 

第5条 

 都道府県は、圃場審査又は生産物審査の結果、当該主要農作物又はその種子が前条第五項の都道府県が定める基準に適合すると認めるときは、当該請求者に対し、農林省令で定める圃場審査証明書又は生産物審査証明書を交付しなければならない。

 

第6条 

 都道府県は、指定種子生産者又は指定種子生産者に主要農作物の種子の生産を委託した者に対し、主要農作物の優良な種子の生産及び普及のために必要な勧告、助言及び指導を行わなければならない。

 

第7条 

 都道府県は、主要農作物の原種ほ及び原原種ほの設置等により、指定種子生産圃場において主要農作物の優良な種子の生産を行うために必要な主要農作物の原種及び当該原種の生産を行うために必要な主要農作物の原原種の確保が図られるよう主要農作物の原種及び原原種の生産を行わなければならない。

2 都道府県は、都道府県以外の者が経営する圃場において主要農作物の原種又は原原種が適正且つ確実に生産されると認められる場合には、当該圃場を指定原種ほ又は指定原原種ほとして指定することができる。

3 第三条第二項の規定は前項の指定について、第四条から前条までの規定は同項の指定原種ほ又は指定原原種ほにおける主要農作物の原種又は原原種の生産について準用する。

 

第8条 

 都道府県は、当該都道府県に普及すべき主要農作物の優良な品種を決定するため必要な試験を行わなければならない。

 

第三章 伝統農産物の保存及び継承

 

第9条

 都道府県知事は、その区域内において栽培されている農産物のうち、第二条第一項に規定する伝統農産物に該当し、且つ、保存の必要があると認めるものを、審議会の意見を聴いて、指定伝統農産物として認定することができる。

2 都道府県知事は、前項の規定による認定をしたときは、これを公示するとともに、農林大臣に報告しなければならない。

 

第10条

 都道府県は、指定伝統農産物の種子の消滅を防止するため、自ら保存圃場を設置し、又は適切な栽培能力を有する者を指定して保存圃場を管理させなければならない。

2 前項の規定により指定された保存圃場の管理者(以下「伝統種子保存者」という。)に対しては、都道府県は、予算の範囲内において、保存に要する費用を補助することができる。

 

第11条

 指定伝統農産物の名称又はこれと混同を生ずるおそれのある名称は、当該指定伝統農産物の種苗以外の種苗について、これを使用してはならない。

 

第12条

 第四条から第六条までの規定は、指定伝統農産物の種子の生産及び審査について準用する。この場合において、第六条中「普及」とあるのは「保存及び継承」と読み替えるものとする。

 

第四章 品種登録制度

 

第13条 

 次に掲げる要件を備えた品種の育成(人為的変異又は自然的変異に係る特性を固定し又は検定することをいう。以下同じ。)をした者又はその承継人(以下「育成者」という。)は、その品種についての登録(以下「品種登録」という。)を受けることができる。

 一 品種登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた他の品種と特性の全部又は一部によって明確に区別されること。

 二 同一の繁殖の段階に属する植物体のすべてが特性の全部において十分に類似していること。

 三 繰り返し繁殖させた後においても特性の全部が変化しないこと。

2 農林大臣は、前項第一号に掲げる要件に該当するかどうかの判断をするに当たっては、品種登録出願に係る品種(以下「出願品種」という。)と公然知られた他の品種との特性の相違の内容及び程度、これらの品種が属する農産物、林産物又は水産物である植物の種類及び性質等を総合的に考慮するものとする。

3 品種登録出願又は外国に対する品種登録出願に相当する出願に係る品種につき品種の育成に関する保護が認められた場合には、その品種は、出願時において公然知られた品種に該当するに至ったものとみなす。

 

第14条 

 品種登録は、出願品種の名称が次の各号のいずれかに該当する場合には、受けることができない。

 一 一の出願品種につき一でないとき。

 二 出願品種の種苗に係る登録商標又は当該種苗と類似の商品に係る登録商標と同一又は類似のものであるとき。

 三 出願品種の種苗又は当該種苗と類似の商品に関する役務に係る登録商標と同一又は類似のものであるとき。

 四 出願品種に関し誤認を生じ、又はその識別に関し混同を生ずるおそれがあるものであるとき(前二号に掲げる場合を除く。)。

2 品種登録は、出願品種の種苗又は収穫物が、日本国内において品種登録出願の日から一年さかのぼった日前に、外国において当該品種登録出願の日から四年(永年性植物として農林省令で定める農産物、林産物又は水産物である植物の種類に属する品種にあっては、六年)さかのぼった日前に、それぞれ業として譲渡されていた場合には、受けることができない。但し、その譲渡が、試験若しくは研究のためのものである場合又は育成者の意に反してされたものである場合は、この限りでない。

 

第15条 

 品種登録を受けようとする者は、農林省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した願書を農林大臣に提出しなければならない。

 一 出願者の氏名又は名称及び住所又は居所

 二 出願品種の属する農産物、林産物又は水産物である植物の種類

 三 出願品種の名称

 四 出願者が保持していると思料する出願品種の特性

 五 出願品種の育成をした者の氏名及び住所又は居所

 六 前各号に掲げるもののほか、農林省令で定める事項

2 前項の願書には、農林省令で定めるところにより、農林省令で定める事項を記載した説明書及び出願品種の特性を保持していることを証する図面、写真その他の資料を添付しなければならない。

3 育成者が二人以上あるときは、これらの者が共同して品種登録出願をしなければならない。

 

第16条 

 出願者は、一件につき二千円を超えない範囲内で農林省令で定める額の出願料を納付しなければならない。

2 前項の規定は、出願者が国であるときは、適用しない。

3 第一項の出願料は、国と国以外の者が共同して品種登録出願をする場合であって、品種登録により発生することとなる育成者権について持分の定めがあるときは、同項の規定にかかわらず、同項の農林省令で定める出願料の額に国以外の者の持分の割合を乗じて得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。

4 前項の規定により算定した出願料の額に十円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。

 

第17条 

 出願者の名義は、変更することができる。

2 出願者の名義の変更は、相続その他の一般承継の場合を除き、農林省令で定めるところにより、農林大臣に届け出なければ、その効力を生じない。

3 出願者について相続その他の一般承継による名義の変更があったときは、その一般承継人は、遅滞なく、農林省令で定めるところにより、その旨を農林大臣に届け出なければならない。

 

第18条 

 従業者、法人の業務を執行する役員又は国若しくは地方公共団体の公務員(以下「従業者等」という。)が育成をした品種については、その育成がその性質上使用者、法人又は国若しくは地方公共団体(以下「使用者等」という。)の業務の範囲に属し、且つ、その育成をするに至った行為が従業者等の職務に属する品種(以下「職務育成品種」という。)である場合を除き、あらかじめ使用者等が品種登録出願をすること、従業者等がした品種登録出願の出願者の名義を使用者等に変更すること又は従業者等が品種登録を受けた場合には使用者等に育成者権を承継させ若しくは使用者等のため専用利用権を設定することを定めた契約、勤務規則その他の定めの条項は、無効とする。

2 従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより、職務育成品種について、定められた対応をしたときは、使用者等に対し相当の対価の支払を請求することができる。

3 使用者等又はその一般承継人は、従業者等又はその承継人が職務育成品種について品種登録を受けたときは、その育成者権について通常利用権を有する。

 

第19条 

 同一の品種又は特性により明確に区別されない品種について二以上の品種登録出願があったときは、最先の出願者に限り、品種登録を受けることができる。

2 品種登録出願が取り下げられ、又は却下されたときは、その品種登録出願は、前項の規定の適用については、初めからなかったものとみなす。

3 育成者でない者がした品種登録出願は、第一項の規定の適用については、品種登録出願でないものとみなす。

 

第20条 

 日本国内に住所及び居所(法人にあっては、営業所)を有しない外国人は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、育成者権その他育成者権に関する権利を享有することができない。

 一 その者の属する国又はその者が住所若しくは居所(法人にあっては、営業所)を有する国が、千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約を締結している国(以下「締約国」という。)又は同条約を締結している政府間機関(以下「政府間機関」という。)の構成国(以下「締約国等」と総称する。)である場合

 二 その者の属する国又はその者が住所若しくは居所(法人にあっては、営業所)を有する国が千九百六十一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約を締結している国(同条約第三十四条(2)の規定により日本国がその国との関係において同条約を適用することとされている国を含む。以下「同盟国」という。)であり、且つ、その者の出願品種につき品種の育成に関する保護を認める場合(前号に掲げる場合を除く。)

 三 その者の属する国が、日本国民に対し品種の育成に関してその国の国民と同一の条件による保護を認める国(その国の国民に対し日本国が育成者権その他育成者権に関する権利の享有を認めることを条件として日本国民に対し当該保護を認める国を含む。)であり、且つ、その者の出願品種につき品種の育成に関する保護を認める場合(前二号に掲げる場合を除く。)

 

第21条 

 次の各号に掲げる者は、当該各号に定める場合には、当該出願の時に、農林省令で定めるところにより、優先権を主張することができる。

 一 締約国、政府間機関又は同盟国に対する品種登録出願に相当する出願(以下「締約国出願」と総称する。)をした者又はその承継人(日本国民、締約国等若しくは同盟国に属する者又は日本国、締約国等若しくは同盟国に住所若しくは居所(法人にあっては、営業所)を有する者に限る。) 締約国出願のうち最先の出願をした日(以下「締約国出願日」という。)の翌日から一年以内に当該締約国出願に係る品種につき品種登録出願をする場合

 二 前条第三号に規定する国であって日本国民に対し日本国と同一の条件により優先権の主張を認めるもの(締約国及び同盟国を除く。以下「特定国」という。)に対する品種登録出願に相当する出願(以下「特定国出願」という。)をした者又はその承継人(日本国民又は当該特定国に属する者に限る。) 特定国出願のうち最先の出願(当該特定国に属する者にあっては、当該特定国出願)をした日(以下「特定国出願日」という。)の翌日から一年以内に当該特定国出願に係る品種につき品種登録出願をする場合

2 出願者が前項の規定により優先権を主張した場合には、締約国出願日又は特定国出願日から品種登録出願をした日までの間にされた当該出願品種と同一の品種又は特性により明確に区別されない品種についての品種登録出願、公表、譲渡その他の行為は、当該品種登録出願についての品種登録を妨げる事由とはならない。

 

第22条 

 農林大臣は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、品種登録出願の補正をすべきことを命ずることができる。

 一 品種登録出願がこの法律又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。

 二 出願者が第十六条第一項の規定により納付すべき出願料を納付しないとき。

2 農林大臣は、前項の規定により品種登録出願の補正をすべきことを命じられた者が同項の規定により指定した期間内にその補正をしないときは、その品種登録出願を却下することができる。

 

第23条 

 農林大臣は、品種登録出願を受理したとき(前条第一項の規定により品種登録出願の補正をすべきことを命じた場合にあっては、その補正が行われたとき)は、遅滞なく、次に掲げる事項を公示して、その品種登録出願について出願公表をしなければならない。

一 品種登録出願の番号及び年月日

二 出願者の氏名又は名称及び住所又は居所

三 出願品種の属する農産物、林産物又は水産物である植物の種類

四 出願品種の名称

五 出願公表の年月日

六 前各号に掲げるもののほか、必要な事項

2 農林大臣は、出願公表があった後に、品種登録出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、又は品種登録出願が拒絶されたときは、その旨を公示しなければならない。

 

第24条 

 出願者は、出願公表があった後に出願品種の内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後品種登録前にその出願品種を業として利用した者に対し、補償金の支払を請求することができる。

2 前項の規定による請求権は、品種登録があった後でなければ、行使することができない。

3 出願公表後に品種登録出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、又は品種登録が第六十一条第一項の規定により取り消されたとき等は、第一項の規定による請求権は、初めから生じなかったものとみなす。

 

第25条 

 農林大臣は、出願者に対し、出願品種の審査のために必要な出願品種の植物体の全部又は一部その他の資料の提出を命ずることができる。

2 農林大臣は、出願品種の審査をするに当たっては、現地調査又は栽培試験を行うものとする。但し、出願品種の審査上その必要がないと認められる場合は、この限りでない。

3 農林大臣は、関係行政機関、学校その他適当と認める者に対し、前項の規定による現地調査又は栽培試験の実施に関して必要な協力を依頼することができる。

4 栽培試験の項目、試験方法その他第二項の栽培試験の実施に関して必要な事項は、農林省令で定める。

 

第26条 

 農林大臣は国立試験場に前条第二項の規定による現地調査又は栽培試験を行わせることができる。

2 農林大臣は、前項の規定により国立試験場に現地調査又は栽培試験を行わせるときは、自らは当該現地調査又は栽培試験を行わないものとする。

3 国立試験場は、農林大臣の同意を得て、関係行政機関等に必要な協力を依頼することができる。

4 国立試験場は、現地調査又は栽培試験を行ったときは、遅滞なく、その結果を農林大臣に通知しなければならない。

5 出願者は、現地調査又は栽培試験に係る実費を勘案して農林省令で定める額の手数料を国(国立試験場が行う場合は国立試験場)に納付しなければならない。

 

第27条 

 農林大臣は、出願品種の名称が第十四条第一項各号のいずれかに該当するときは、出願者に対し、名称を変更すべきことを命ずることができる。

 

第28条 

 農林大臣は、品種登録出願が第十三条第一項又は第十四条等の規定に違反するときは、その品種登録出願について、文書により拒絶しなければならない。

 

第29条 

 農林大臣は、品種登録出願につき前条の規定により拒絶する場合を除き、品種登録をしなければならない。

2 品種登録は、農林省に備える品種登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。

 一 品種登録の番号及び年月日

 二 品種の属する農産物、林産物又は水産物である植物の種類

 三 品種の名称

 四 品種の特性

 五 育成者権の存続期間

 六 品種登録を受ける者の氏名又は名称及び住所又は居所

3 農林大臣は、前項の規定による品種登録をしたときは、当該品種登録を受けた者に対しその旨を通知するとともに、これを公示しなければならない。

 

第30条 

 育成者権は、品種登録により発生する。

2 育成者権の存続期間は、品種登録の日から二十五年(第十四条第二項に規定する品種にあっては、三十年)とする。

 

第31条 

 育成者権者は、登録品種及び当該登録品種と特性により明確に区別されない品種を業として利用する権利を専有する。

2 登録品種の育成者権者は、当該登録品種に係る次に掲げる品種が品種登録された場合にこれらの品種の育成者が当該品種について有することとなる権利と同一の種類の権利を専有する。

 一 変異体の選抜、戻し交雑その他の農林省令で定める方法により、登録品種の主たる特性を保持しつつ特性の一部を変化させて育成され、且つ、特性により当該登録品種と明確に区別できる品種

 二 その品種の繁殖のため常に登録品種の植物体を交雑させる必要がある品種

3 登録品種が、前項第一号の農林省令で定める方法により、当該登録品種以外の品種の主たる特性を保持しつつ特性の一部を変化させて育成された品種である場合における同項及び次条第二項の規定の適用については、前項中「次に」とあるのは「第二号に」と、同条第二項中「前条第二項各号」とあるのは「前条第二項第二号」とする。

 

第32条 

 育成者権の効力は、次に掲げる行為には、及ばない。

 一 新品種の育成その他の試験又は研究のためにする品種の利用

 二 登録品種(登録品種と特性により明確に区別されない品種を含む。以下この項において同じ。)の育成をする方法についての特許権を有する者又はその特許につき専用実施権若しくは通常実施権を有する者が当該特許に係る方法により登録品種の種苗を生産し、又は当該種苗を調整し、譲渡の申出をし、譲渡し、輸出し、輸入し、若しくはこれらの行為をする目的をもって保管する行為

 三 前号の特許権の消滅後において、同号の特許に係る方法により登録品種の種苗を生産し、又は当該種苗を調整し、譲渡の申出をし、譲渡し、輸出し、輸入し、若しくはこれらの行為をする目的をもって保管する行為

 四 前二号の種苗を用いることにより得られる収穫物を生産し、譲渡若しくは貸渡しの申出をし、譲渡し、貸し渡し、輸出し、輸入し、又はこれらの行為をする目的をもって保管する行為

 五 前号の収穫物に係る加工品を生産し、譲渡若しくは貸渡しの申出をし、譲渡し、貸し渡し、輸出し、輸入し、又はこれらの行為をする目的をもって保管する行為

2 育成者権者、専用利用権者若しくは通常利用権者の行為又は前項各号に掲げる行為により登録品種、登録品種と特性により明確に区別されない品種及び登録品種に係る前条第二項各号に掲げる品種(以下「登録品種等」と総称する。)の種苗、収穫物又は加工品が譲渡されたときは、当該登録品種の育成者権の効力は、その譲渡された種苗、収穫物又は加工品の利用には及ばない。但し、当該登録品種等の種苗を生産する行為、当該登録品種につき品種の育成に関する保護を認めていない国に対し種苗を輸出する行為及び当該国に対し最終消費以外の目的をもって収穫物を輸出する行為については、この限りでない。

 

第33条 

 都道府県が第八条の規定に基づき決定した優良な品種(以下「奨励品種」という。)と、育成者権の目的となっている登録品種とが同一又は特性により明確に区別されない場合において、当該都道府県は、当該登録品種の育成者権者と、当該奨励品種の普及に関する条件についてあらかじめ協議しなければならない。

2 前項の協議において、公共の利益のため特に必要があると認めるときは、農林大臣は、当事者の申し出により、当該登録品種の通常利用権の許諾、対価の額及び支払方法について必要な裁定を行うことができる。

3 都道府県又は農業協同組合が、第一項の協議に基づき、又は農林大臣が定める基準に従い、農家に対して種苗を供給する行為については、育成者権の効力は及ばない。

4 前項の規定に基づき供給された種苗を栽培する農家が、当該栽培により得られた収穫物を自己の農業経営において次期作の種苗として利用する行為については、育成者権の効力は及ばない。但し、政令で定める栄養繁殖植物については、この限りでない。

5 育成者権者は、自己の権利を侵害していることを知らずに、都道府県、市町村又は農業協同組合から供給を受けた種苗を栽培している者に対し、損害賠償の請求をすることができない。

 

第34条 

 登録品種(登録品種であった品種を含む。以下この条において同じ。)の種苗を業として譲渡の申出をし、又は譲渡する場合には、当該登録品種の名称(第六十条第二項の規定により名称が変更された場合にあっては、その変更後の名称)を使用しなければならない。

2 登録品種が属する農産物、林産物又は水産物である植物の種類又はこれと類似の農林水産植物の種類として農林省令で定めるものに属する当該登録品種以外の品種の種苗を業として譲渡の申出をし、又は譲渡する場合には、当該登録品種の名称を使用してはならない。

 

第35条 

 育成者権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができない。

2 育成者権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその登録品種等を利用することができる。

3 育成者権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その育成者権について専用利用権を設定し、又は他人に通常利用権を許諾することができない。

 

第36条 

 育成者権は、次に掲げる場合には、消滅する。

 一 育成者権者である法人が解散した場合において、その育成者権が民法第七十二条第三項の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。

 二 育成者権者である個人が死亡した場合において、その育成者権が民法第九百五十九条の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。

 

第37条 

 育成者権者は、その育成者権について専用利用権を設定することができる。

2 専用利用権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録品種等を利用する権利を専有する。

3 専用利用権は、品種の利用の事業とともにする場合、育成者権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。

4 専用利用権者は、育成者権者の承諾を得た場合に限り、その専用利用権について質権を設定し、又は他人に通常利用権を許諾することができる。

5 第三十条第一項の規定は、専用利用権に準用する。

 

第38条 

 育成者権者は、その育成者権について他人に通常利用権を許諾することができる。

2 通常利用権者は、この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録品種等を利用する権利を有する。

 

第39条 

 登録品種の育成をした者よりも先に当該登録品種と同一の品種又は特性により明確に区別されない品種の育成をした者は、その登録品種に係る育成者権について通常利用権を有する。

 

第40条 

 登録品種等の利用が継続して二年以上日本国内において適当にされていないとき、又は登録品種等の利用が公共の利益のため特に必要であるときは、当該登録品種等につき業として利用しようとする者は、当該登録品種の育成者権者又は専用利用権者に対し通常利用権の許諾につき協議を求めることができる。

2 前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、同項に規定する者は、農林大臣の裁定を申請することができる。

3 農林大臣は、前項の規定による申請があったときは、その旨を当該申請に係る育成者権者、専用利用権者その他その登録品種に関し登録した権利を有する者に対し通知し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。

4 農林大臣は、登録品種等につき利用がされることが公共の利益のため特に必要である場合を除き、当該登録品種等につき利用が適当にされていないことについて正当な理由がある場合は、通常利用権を設定すべき旨の裁定をしてはならない。

5 農林大臣は、第二項の裁定をしようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。

6 通常利用権を設定すべき旨の裁定においては、通常利用権を設定すべき範囲並びに対価及びその支払の方法を定めなければならない。

7 農林大臣は、第二項の裁定をしたときは、その旨を当事者及び当事者以外の者であってその登録品種に関し登録した権利を有するものに通知しなければならない。

8 前項の規定により当事者に第六項の規定による裁定の通知があったときは、当該裁定の定めるところにより、当事者間に協議が調ったものとみなす。

 

第41条 

 通常利用権は、前条第二項の裁定による通常利用権を除き、品種の利用の事業とともにする場合、育成者権者(専用利用権についての通常利用権にあっては、育成者権者及び専用利用権者。次項において同じ。)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。

2 通常利用権者は、前条第二項の裁定による通常利用権を除き、育成者権者の承諾を得た場合に限り、その通常利用権について質権を設定することができる。

3 前条第二項の裁定による通常利用権は、品種の利用の事業とともにする場合に限り、移転することができる。

4 第三十五条の規定は、通常利用権に準用する。

 

第42条 

 育成者権、専用利用権又は通常利用権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定めをした場合を除き、当該登録品種等を利用することができない。

2 育成者権、専用利用権又は通常利用権を目的とする質権は、育成者権、専用利用権若しくは通常利用権の対価又は登録品種等の利用に対しその育成者権者若しくは専用利用権者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行うことができる。但し、その払渡し又は引渡し前に差押えをしなければならない。

 

第43条 

 育成者権者は、専用利用権者、質権者又は第十八条第三項、第三十九条若しくは第四十条第一項の規定による通常利用権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その育成者権を放棄することができる。

2 専用利用権者は、質権者又は前条の規定による通常利用権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その専用利用権を放棄することができる。

3 通常利用権者は、質権者があるときは、その承諾を得た場合に限り、その通常利用権を放棄することができる。

 

第44条 

 次に掲げる事項は、登録しなければ、その効力を生じない。

 一 育成者権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、放棄による消滅又は処分の制限

 二 専用利用権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は育成者権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限

 三 育成者権又は専用利用権を目的とする質権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限

2 前項各号の相続その他の一般承継の場合は、遅滞なく、農林省令で定めるところにより、その旨を農林大臣に届け出なければならない。

3 通常利用権は、その登録をしたときは、その育成者権若しくは専用利用権又はその育成者権についての専用利用権をその後に取得した者に対しても、その効力を生ずる。

4 第十八条第三項又は第三十九条の規定による通常利用権は、登録しなくても、前項の効力を有する。

5 通常利用権の移転、変更、消滅若しくは処分の制限又は通常利用権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅若しくは処分の制限は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。

 

第45条 

 育成者権者又は専用利用権者は、自己の育成者権又は専用利用権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

2 育成者権者又は専用利用権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した種苗、収穫物若しくは加工品又は侵害の行為に供した物の廃棄その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。

 

第46条 

 育成者権者又は専用利用権者が故意又は過失により自己の育成者権又は専用利用権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為を組成した種苗、収穫物又は加工品を譲渡したときは、その譲渡した種苗、収穫物又は加工品の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に、育成者権者又は専用利用権者がその侵害の行為がなければ販売することができた種苗、収穫物又は加工品の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、育成者権者又は専用利用権者の利用の能力に応じた額を超えない限度において、育成者権者又は専用利用権者が受けた損害の額とすることができる。但し、譲渡数量の全部又は一部に相当する数量を育成者権者又は専用利用権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする。

2 育成者権者又は専用利用権者が故意又は過失により自己の育成者権又は専用利用権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、育成者権者又は専用利用権者が受けた損害の額と推定する。

3 育成者権者又は専用利用権者は、故意又は過失により自己の育成者権又は専用利用権を侵害した者に対し、その登録品種等の利用に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。

4 前項の規定は、同項に規定する金額を超える損害の賠償の請求を妨げない。この場合において、育成者権又は専用利用権を侵害した者に故意又は重大な過失がなかったときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。

 

第47条 

 他人の育成者権又は専用利用権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があったものと推定する。

2 品種登録簿に記載された登録品種の審査特性により明確に区別されない品種は、当該登録品種と特性により明確に区別されない品種と推定する。

3 登録品種について利害関係を有する者は、ある品種が品種登録簿に記載された当該登録品種の審査特性により当該登録品種と明確に区別されない品種であるかどうかについて、農林省令で定めるところにより、農林大臣の判定を求めることができる。

4 農林大臣は、前項の規定による求めがあったときは、必要な調査を行った上で判定を行い、当該求めをした者及び当該登録品種の育成者権者に対し、その結果を通知するものとする。

 

第48条 

 育成者権又は専用利用権の侵害に係る訴訟において、育成者権者又は専用利用権者が侵害の行為を組成したものとして主張する種苗、収穫物又は加工品の具体的態様を否認するときは、相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない。但し、相手方において明らかにすることができない相当の理由があるときは、この限りでない。

 

第49条 

 裁判所は、育成者権又は専用利用権の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、当事者に対し、当該侵害の行為について立証するため、又は当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な書類の提出を命ずることができる。但し、その書類の所持者においてその提出を拒むことについて正当な理由があるときは、この限りでない。

2 裁判所は、前項但し書に規定する正当な理由があるかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、書類の所持者にその提示をさせることができる。この場合においては、何人も、その提示された書類の開示を求めることができない。

3 裁判所は、前項の場合において、第一項但し書に規定する正当な理由があるかどうかについて前項後段の書類を開示してその意見を聴くことが必要であると認めるときは、当事者等、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該書類を開示することができる。

4 前三項の規定は、育成者権又は専用利用権の侵害に係る訴訟における当該侵害の行為について立証するため必要な検証の目的の提示について準用する。

 

第50条 

 育成者権又は専用利用権の侵害に係る訴訟において、当事者の申立てにより、裁判所が当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な事項について鑑定を命じたときは、当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならない。

 

第51条 

 育成者権又は専用利用権の侵害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。

 

第52条 

 裁判所は、育成者権又は専用利用権の侵害に係る訴訟において、その当事者が保有する営業秘密について、次に掲げる事由のいずれにも該当することにつき疎明があった場合には、当事者の申立てにより、決定で、当事者等、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該営業秘密を当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用し、又は当該営業秘密に係るこの項の規定による命令を受けた者以外の者に開示してはならない旨を命ずることができる。但し、その申立ての時までに当事者等、訴訟代理人又は補佐人が第一号に規定する準備書面の閲読又は同号に規定する証拠の取調べ若しくは開示以外の方法により当該営業秘密を取得し、又は保有していた場合は、この限りでない。

 一 既に提出され若しくは提出されるべき準備書面に当事者の保有する営業秘密が記載され、又は既に取り調べられ若しくは取り調べられるべき証拠の内容に当事者の保有する営業秘密が含まれること。

 二 前号の営業秘密が当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用され、又は当該営業秘密が開示されることにより、当該営業秘密に基づく当事者の事業活動に支障を生ずるおそれがあり、これを防止するため当該営業秘密の使用又は開示を制限する必要があること。

2 前項の規定による命令(以下「秘密保持命令」という。)の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。

 一 秘密保持命令を受けるべき者

 二 秘密保持命令の対象となるべき営業秘密を特定するに足りる事実

 三 前項各号に掲げる事由に該当する事実

3 秘密保持命令が発せられた場合には、その決定書を秘密保持命令を受けた者に送達しなければならない。

4 秘密保持命令は、秘密保持命令を受けた者に対する決定書の送達がされた時から、効力を生ずる。

5 秘密保持命令の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

 

第53条 

 秘密保持命令の申立てをした者又は秘密保持命令を受けた者は、訴訟記録の存する裁判所に対し、前条第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、秘密保持命令の取消しの申立てをすることができる。

2 秘密保持命令の取消しの申立てについての裁判があった場合には、その決定書をその申立てをした者及び相手方に送達しなければならない。

3 秘密保持命令の取消しの申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

4 秘密保持命令を取り消す裁判は、確定しなければその効力を生じない。

5 裁判所は、秘密保持命令を取り消す裁判をした場合において、他に当該秘密保持命令が発せられた訴訟において当該営業秘密に係る秘密保持命令を受けている者があるときは、その者に対し、直ちに、秘密保持命令を取り消す裁判をした旨を通知しなければならない。

 

第54条 

 秘密保持命令が発せられた訴訟に係る訴訟記録につき、民事訴訟法第九十二条第一項の決定があった場合において、当事者から同項に規定する秘密記載部分の閲覧等の請求があり、且つ、その請求の手続を行った者が当該訴訟において秘密保持命令を受けていない者であるときは、裁判所書記官は、同項の申立てをした当事者に対し、その請求後直ちに、その請求があった旨を通知しなければならない。

2 前項の場合において、裁判所書記官は、同項の請求があった日から二週間を経過する日までの間、その請求の手続を行った者に同項の秘密記載部分の閲覧等をさせてはならない。

3 前二項の規定は、第一項の請求をした者に同項の秘密記載部分の閲覧等をさせることについて民事訴訟法第九十二条第一項の申立てをした当事者のすべての同意があるときは、適用しない。

 

第55条 

 育成者権又は専用利用権の侵害に係る訴訟における当事者等が、その侵害の有無についての判断の基礎となる事項であって当事者の保有する営業秘密に該当するものについて尋問を受ける場合においては、裁判所は、一定の要件を満たすと認めるときは、決定で、当該事項の尋問を公開しないで行うことができる。

2 裁判所は、前項の決定をするに当たっては、あらかじめ、当事者等の意見を聴かなければならない。

3 裁判所は、前項の場合において、必要があると認めるときは、当事者等にその陳述すべき事項の要領を記載した書面の提示をさせることができる。

4 裁判所は、前項後段の書面を開示してその意見を聴くことが必要であると認めるときは、当事者等、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該書面を開示することができる。

5 裁判所は、第一項の規定により当該事項の尋問を公開しないで行うときは、公衆を退廷させる前に、その旨を理由とともに言い渡さなければならない。

 

第56条 

 故意又は過失により育成者権又は専用利用権を侵害したことにより育成者権者又は専用利用権者の業務上の信用を害した者に対しては、裁判所は、育成者権者又は専用利用権者の請求により、損害の賠償に代え、又は損害の賠償とともに、業務上の信用を回復するのに必要な措置を命ずることができる。

 

第57条 

 育成者権者は、第三十条第二項に規定する存続期間の満了までの各年について、一件ごとに、六百円を超えない範囲内で農林省令で定める額の登録料を納付しなければならない。

2 前項の規定は、育成者権者が国であるときは、適用しない。

3 第一項の登録料は、育成者権が国と国以外の者との共有に係る場合であって持分の定めがあるときは、同項の規定にかかわらず、同項の農林省令で定める登録料の額に国以外の者の持分の割合を乗じて得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。

4 前項の規定により算定した登録料の額に十円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。

5 第一項の規定による第一年分の登録料は、第二十九条第三項の規定による公示があった日から三十日以内に納付しなければならない。

6 第一項の規定による第二年以後の各年分の登録料は、前年以前に納付しなければならない。

7 前項に規定する期間内に登録料を納付することができないときは、その期間が経過した後であっても、その期間の経過後六月以内にその登録料を追納することができる。

8 前項の規定により登録料を追納する育成者権者は、第一項の規定により納付すべき登録料のほか、その登録料と同額の割増登録料を納付しなければならない。

 

第58条 

 利害関係人は、育成者権者の意に反しても、登録料を納付することができる。

2 前項の規定により登録料を納付した利害関係人は、育成者権者が現に利益を受ける限度においてその費用の償還を請求することができる。

 

第59条 

 農林大臣は、登録品種の特性が保持されているかどうかについて調査の必要があると認める場合は、育成者権者又は専用利用権者に対し登録品種の植物体の全部又は一部その他の資料の提出を命ずることができる。

2 農林大臣は、前項に規定する場合には、その職員に現地調査を行わせ、又は国立試験場に栽培試験を行わせるものとする。

3 第二十六条第三項及び第四項並びに第二十二条の規定は、前項の現地調査又は栽培試験に準用する。

 

第60条 

 農林大臣は、登録品種の名称が第十四条第一項第二号から第四号までのいずれかに該当する場合であることが判明したときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、育成者権者に対し、相当の期間を指定して、当該登録品種について同項各号のいずれにも該当しない名称を提出すべきことを命ずることができる。

2 農林大臣は、前項の規定により第十四条第一項各号のいずれにも該当しない名称が提出されたときは、品種登録簿に記載して当該登録品種の名称をその提出された名称に変更しなければならない。

3 農林大臣は、前項の規定により登録品種の名称を変更したときは、その旨を、当該登録品種の育成者権者に通知するとともに、公示しなければならない。

 

第61条 

 農林大臣は、次に掲げる場合には、品種登録を取り消さなければならない。

 一 その品種登録が第十三条第一項の規定に違反してされたことが判明したとき。

 二 品種登録がされた後において、登録品種が第十三条第一項第二号又は第三号に掲げる要件を備えなくなったことが判明したとき。

 三 品種登録がされた後において、育成者権者が第十六条の規定により育成者権を享有することができない者になったとき。

 四 第五十七条第五項に規定する期間内に第一年分の登録料が納付されないとき。

 五 第五十七条第七項に規定する期間内に登録料及び割増登録料が納付されないとき。

 六 第五十九条第一項の規定により資料の提出を命じられた者が正当な理由なくこれに従わないとき。

 七 前条第一項の規定により登録品種の名称の提出を命じられた者が正当な理由なくこれに従わないとき。

2 農林大臣は、前項第一号から第三号まで、第六号又は第七号の規定による取消しをしようとするときは、あらかじめ、当該品種登録に係る育成者権者、専用利用権者その他登録した権利を有する者に対し、その理由を通知して、弁明をなし、及び有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。

3 前項の規定による弁明の聴取に際して、農林大臣は、必要があると認めるときは、利害関係人の参加を許すことができる。

4 育成者権は、第一項の規定により品種登録が取り消されたときは、消滅する。

5 農林大臣は、第一項の規定による品種登録の取消しをしたときは、その旨を、当該品種登録に係る育成者権者に通知するとともに、これを公示しなければならない。

 

第62条 

 日本国内に住所及び居所(法人にあっては、営業所)を有しない者の育成者権その他育成者権に関する権利については、農林省の所在地をもって民事訴訟法第五条第四号の財産の所在地とみなす。

 

第63条 

 品種登録についての審査請求については、行政不服審査法第十八条の規定は、適用しない。

2 品種登録についての審査請求の審理は、当該品種登録に係る育成者権者又は専用利用権者その他登録した権利を有する者に対し、相当な期間をおいて通知した上で行わなければならない。

 

第64条 

 次に掲げる事項は、農林省に備える品種登録簿に登録する。

 一 育成者権の設定、移転、消滅又は処分の制限

 二 専用利用権又は通常利用権の設定、保存、移転、変更、消滅又は処分の制限

 三 育成者権、専用利用権又は通常利用権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅又は処分の制限

2 この法律に定めるもののほか、品種登録及び品種登録簿に関して必要な事項は、農林省令で定める。

 

第65条 

 何人も、農林大臣に対し、農林省令で定めるところにより、次に掲げる請求をすることができる。

 一 品種登録出願及び登録品種に関する証明の請求

 二 品種登録簿の謄本又は抄本の交付の請求

 三 品種登録簿又は第十五条第一項の願書若しくはこれに添付した写真その他の資料(農林大臣が秘密を保持する必要があると認めるものを除く。)の閲覧又は謄写の請求

 

第66条 

 前条第一項の規定による請求をする者は、実費を勘案して農林省令で定める額の手数料を納付しなければならない。

2 前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者が国であるときは、適用しない。

 

第67条 

 登録品種の種苗を業として譲渡する者は、農林省令で定めるところにより、その譲渡する登録品種の種苗又はその種苗の包装にその種苗が品種登録に係る旨の表示(以下「品種登録表示」という。)を付するように努めなければならない。

 

第68条 

 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

 一 登録品種以外の品種の種苗又はその種苗の包装に品種登録表示又はこれと紛らわしい表示を付する行為

 二 登録品種以外の品種の種苗であって、その種苗又はその種苗の包装に品種登録表示又はこれと紛らわしい表示を付したものの譲渡又は譲渡のための展示をする行為

 三 登録品種以外の品種の種苗を譲渡するため、広告にその種苗が品種登録に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為

 

第69条 

 新品種の保護に関し条約に別段の定めがあるときは、その規定による。

 

第五章 指定種苗

 

第70条

 種苗業を営もうとする者は、農林省令で定めるところにより、次の事項を農林大臣に申請し、その登録を受けなければならない。但し、農林省令で定める種苗業者については、この限りでない。

 一 氏名又は名称及び住所

 二 取り扱う指定種苗の種類

 三 その他農林省令で定める事項 

2 前項の事項中に変更を生じたときも、また同項と同様とする。

3 前二項の規定による申請は、新たに営業を開始した場合にあってはその開始後二週間以内に、第一項の事項中に変更を生じた場合にあってはその変更を生じた後二週間以内にこれをし、その登録を受けなければならない。

4 登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

 

第71条

 農林大臣は、前条第一項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

 一 この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者

 二 精神の機能の障害により種苗業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者

 

第72条

 農林大臣は、第70条の登録の申請があったときは、前条の規定により登録を拒否する場合を除き、農林省令で定める事項を種苗業者登録簿に登録しなければならない。

 

第73条 

 指定種苗は、その包装に次に掲げる事項を表示したもの又は当該事項を表示する証票を添付したものでなければ、販売してはならない。ただし、掲示その他見やすい方法をもってその指定種苗につき第一号から第四号まで及び第六号に掲げる事項を表示する場合又は種苗業者以外の者が販売する場合は、この限りでない。

 一 表示をした種苗業者の氏名又は名称及び住所

 二 種類及び品種(接木した苗木にあっては、穂木及び台木の種類及び品種)(品種が判明しない場合には、その旨)

 三 生産地

 四 種子については、採種の年月又は有効期限及び発芽率

 五 数量

 六 その他農林省令で定める事項

2 前項第三号に掲げる生産地の表示は、国内産のものにあっては当該生産地の属する都道府県名をもって、外国産のものにあっては当該生産地の属する国名をもってこれをしなければならない。

3 前二項に規定するもののほか、需要者が自然的経済的条件に適合した品種の種苗を選択するに際しその品種の栽培適地、用途その他の栽培上又は利用上の特徴を識別するための表示が必要であると認められる指定種苗については、農林大臣は、その識別のため表示すべき事項その他の当該表示に関し種苗業者が遵守すべき基準を定め、これを公表するものとする。

4 農林大臣は、前項の規定により定められた基準を遵守しない種苗業者があるときは、その者に対し、その基準を遵守すべき旨の勧告をすることができる。

 

第74条 

 農林大臣は、第七十三条の規定に違反した種苗業者に対し、同条各号に掲げる事項を表示し、若しくは当該事項の表示を変更すべき旨を命じ、又はその違反行為に係る種苗の販売を禁止することができる。

2 農林大臣は、指定種苗に関する基準についての勧告を受けた種苗業者がその勧告に従わなかったときは、当該種苗業者に対し、期限を定めて、当該基準を遵守すべきことを命ずることができる。

 

第75条 

 農林大臣は、優良な品質の指定種苗の流通を確保するため特に必要があると認められるときは、当該指定種苗の生産、調整、保管又は包装について当該指定種苗の生産を業とする者及び種苗業者が遵守すべき基準を定め、これを公表するものとする。

2 農林大臣は、前項の規定により定められた基準を遵守しない指定種苗の生産を業とする者又は種苗業者があるときは、これらの者に対し、その基準を遵守すべき旨の勧告をすることができる。

3 農林大臣は、前項の勧告に従わない指定種苗の生産を業とする者又は種苗業者があるときは、その旨を公表することができる。

 

第76条 

 農林大臣は、その職員に、種苗業者から検査のために必要な数量の指定種苗を集取させることができる。但し、時価によってその対価を支払わなければならない。

2 前項の場合において種苗業者の要求があったときは、その職員は、その身分を示す証明書を提示しなければならない。

 

第77条 

 農林大臣は、必要があると認めるときは、農林省令で定める区分により、国立試験場又は農林省の設置するその他の機関(以下「国立試験場等」という。)に、種苗業者から検査のために必要な数量の指定種苗を集取させることができる。但し、時価によってその対価を支払わなければならない。

2 農林大臣は、前項の規定により国立試験場等に集取を行わせる場合には、国立試験場等に対し、当該集取の期日、場所その他必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。

3 国立試験場等は、前項の指示に従って第一項の集取を行ったときは、農林省令の定めるところにより、同項の規定により得た検査の結果を農林大臣に報告しなければならない。

4 第一項の場合において種苗業者の要求があったときは、同項の規定により集取をする国立試験場等の職員は、その身分を示す証明書を提示しなければならない。

 

第78条 

 農林大臣は、前条第一項の集取の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、国立試験場等に対し、当該業務に関し必要な命令をすることができる。

 

第79条 

 農林大臣は、この法律の施行に必要な限度において、種苗業者に対し、その業務に関し必要な報告を命じ、又は帳簿その他の書類の提出を命ずることができる。

 

第80条 

 第七十二条から第七十四条まで及び前条に規定する農林大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。

2 この章に規定する農林大臣の権限は、農林省令で定めるところにより、その一部を地方農政局長に委任することができる。

 

第六章 罰則

 

第81条 

 育成者権又は専用利用権を侵害した者は、十年以下の懲役刑若しくは四百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 

第82条 

 詐欺の行為により品種登録を受けた者は、三年以下の懲役刑又は百五十万円以下の罰金に処する。

 

第83条 

 第六十八条の規定に違反した者は、三年以下の懲役刑又は百五十万円以下の罰金に処する。

 

第84条 

 秘密保持命令に違反した者は、五年以下の懲役刑若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

3 第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

 

第85条 

 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。

 一 第七十三条の規定により表示すべき事項について虚偽の表示をした指定種苗を販売した者

 二 第七十四条第一項又は第二項の規定による処分に違反して指定種苗を販売した者

 

第86条 

 次の各号のいずれかに該当する者は、十五万円以下の罰金に処する。

 一 第七十条第一項の規定による登録を受けずに種苗業を営んだ者、又は虚偽の登録をした者

 二 正当な理由がないのに第七十六条の集取を拒み、妨げ、又は忌避した者

 三 第七十七条の規定による報告若しくは書類の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の書類を提出した者

 

第87条 

 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第八十一条、第八十五条又は第八十六条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して次の各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

 一 第八十一条 一億五千万以下の罰金刑

 二 第八十二条又は第八十三条 五千万円以下の罰金刑

 三 第八十五条又は前条第一号若しくは第三号 各本条の罰金刑

2 前項の場合において、当該行為者に対してした第八十四条第二項の告訴は、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴は、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。

3 第一項の規定により第八十一条又は第八十四条第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの規定の罪についての時効の期間による。

 

第88条 

 第二十六条並びに第七十六条の規定による命令に違反した場合には、その違反行為をした国立試験場等の役員は、一万円以下の過料に処する。

 

第89条 

 次の各号のいずれかに該当する者は、五千円以下の過料に処する。

 一 第三十四条の規定に違反した者

 二 第六十七条の規定に違反した者

 

 

附 則

 

 

第1条

 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。

 

第2条

 農産種苗法(昭和二十二年法律第百一号)は、廃止する。

 

第3条

 主要農作物種子法(昭和二十七年法律第百二号)は、廃止する。

 

第4条 

 改正後の品種保護及び主要農作物種子法(以下「新法」という。)第二条第九項に規定する重要な形質の指定については、農林大臣は、この法律の施行前においても審議会の意見を聴くことができる。

 

第5条 

 この法律の施行の際現に旧農産種苗法(昭和二十二年法律第百十五号。以下「旧法」という。)第七条第一項の規定による登録の出願がされている品種については、当該出願の日に新法第十五条第一項の品種登録出願がされたものとみなす。この場合において、新法第十四条第二項中「品種登録出願の日から一年さかのぼった日前」とあるのは「品種登録出願の日前」と、新法第二十三条第一項中「品種登録出願を受理したとき」とあるのは「この法律が施行されたとき」と、新法第二十八条中「該当するとき」とあるのは「該当するとき又はその出願品種が旧法第一条の二第一項に規定する農林水産植物の種類に属する品種でないとき」と読み替えるものとする。

2 農林大臣は、新法の適用上必要と認められる範囲内において、前項の規定により新法第十五条第一項の品種登録出願がされたものとみなされた品種についての出願者に対し、相当の期間を指定して、品種登録出願の補正をすべきことを命ずることができる。この場合において、新法第二十二条第二項中「前項」とあるのは「附則第五条第二項」と、新法第二十三条第一項中「受理したとき(前条第一項」とあるのは「施行されたとき(附則第五条第二項」と読み替えるものとする。

3 この法律の施行の際現に農産種苗法に基づき届け出ている種苗業者は、施行の日から六月間に限り、新法第七十条第一項の登録を受けたものとみなす。その期間内に登録の申請があった場合において、その期間を経過したときは、その申請について登録又は拒絶の処分があるまで、同様とする。

 

第6条 

 この法律の施行の際現に旧法第十二条の四第一項の規定による品種登録を受けている品種で同条第二項の有効期間が満了していないものについては、当該期間が満了するまでの間は、その品種について新法第三十条第一項の規定による育成者権が発生しているものとみなす。この場合において、新法第五十七条第一項中「第三十条第二項に規定する存続期間の満了までの各年」とあるのは、「旧法第十二条の四第二項の有効期間が満了するまでの各年」と読み替えるものとする。

2 前項の規定により育成者権が発生しているものとみなされた品種についてこの法律の施行の際現に旧法第十二条の五第二項第七号に該当している使用者等又はその一般承継人については、新法第十八条第三項の規定による通常利用権を有するものとみなす。

3 第一項の規定により育成者権が発生しているものとみなされた品種についてこの法律の施行の際現にされている旧法第十二条の五第二項第一号の許諾は、新法第三十八条第一項の規定による通常利用権の許諾とみなす。

 

第7条 

 附則第五条第一項の規定により新法第十五条第一項の品種登録出願がされたものとみなされた品種のうち、商標法の一部を改正する法律(平成三年法律第六十五号)の施行前に旧法第七条第一項の規定による登録の出願があったものについては、新法第十四条第一項中「次の各号のいずれか」とあるのは「第一号、第二号又は第四号」と、新法第二十七条中「第十四条第一項各号のいずれか」とあるのは「第十四条第一項第一号、第二号又は第四号」と、新法第六十条第一項中「第十四条第一項第二号から第四号までのいずれか」とあるのは「第十四条第一項第二号又は第四号」と読み替えるものとする。

2 前条第一項の規定により育成者権が発生しているものとみなされた品種のうち、商標法の一部を改正する法律の施行前に旧法第七条第一項の規定による登録の出願があったものについては、新法第六十条第一項中「第十四条第一項第二号から第四号までのいずれか」とあるのは、「第十四条第一項第二号又は第四号」と読み替えるものとする。

3 前二項の規定の適用を受ける品種の名称を表示する商標の当該品種の種苗についての使用については、商標法の一部を改正する法律による改正後の商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第三十七条の規定にかかわらず、なお従前の例による。但し、第一項の規定の適用を受ける品種について登録がされないことが確定したときは、この限りでない。

 

第8条 

 新法第三十一条第二項第一号に該当する品種であって、この法律の施行前に育成されたものについては、同項の規定にかかわらず、同項の育成者権者の権利は及ばないものとする。

2 前項の規定の適用を受ける新法第三十一条第二項第一号に該当する品種については、新法第二十四条第一項の規定にかかわらず、その利用に対する補償金の支払を請求することができないものとする。

 

第9条 

 この法律の施行の際現に登録品種等の種苗を用いて農業を営んでいる者で新法第三十二条第二項の政令で定めるものに該当するものについては、当該種苗を最初に育成者権者、専用利用権者又は通常利用権者により譲渡された登録品種等の種苗とみなして、同項の規定を適用する。

 

第10条 

 この法律の施行前に旧法第十二条の十二第二項の規定により納付された各年分の登録料は、新法第五十七条第一項の規定により納付された当該各年分の登録料とみなす。

2 この法律の施行前に旧法第十二条の四第一項の規定による品種登録を受けた品種であってこの法律の施行の際旧法第十二条の十二第四項に規定する期間が経過していないものに係る第一年分の登録料については、新法第五十七条第一項の規定にかかわらず、なお従前の例による。

 

第11条 

 この法律の施行の際現に旧法第一条の二第二項の規定により農林大臣の指定を受けている種苗は、新法第二条第八項の規定により農林大臣が指定した種苗とみなす。

2 この法律の施行前に旧法第二条第一項及び第二項の規定による届出をした者は、新法第七十条による届出をしたものとみなす。

3 この法律の施行の際現に旧法第三条第三項の規定により定められている基準は、新法第七十三条第一項の規定により定められた基準とみなす。

4 この法律の施行前に旧法第三条第四項の規定によりされた勧告は、新法第七十三条第二項の規定によりされた勧告とみなす。

5 この法律の施行の際現に定められている表示の基準は、新法第七十三条の規定に基づき農林大臣が定める表示の基準とみなす。

 

第12条 

 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 

第13条 

 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 

第14条

 商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。

 第四条第一項第十四号中「農産種苗法(昭和二十二年法律第百一号)第七条第一項」を「品種保護及び主要農作物種子法第十五条第一項」に改める。

2 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。

 第六十九条第二項中「農産種苗法」を「品種保護及び主要農作物種子法」に改める。

3 印紙税法(明治三十二年法律第十二号)の一部を次のように改正する。

 別表第一中「農産種苗法による種苗業者登録」を「品種保護及び主要農作物種子法による種苗業者登録」に改める。

 










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