もしもこんな日本だったら   作:fire-cat

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満洲人民共和国憲法

前文

 

 日本帝国主義支配体制によって我が満洲にもたらされたものは、無謀な侵略戦争による民衆の生命と財産の大規模な破壊、悲惨にみちた窮乏と飢餓とであった。

 日本帝国主義は特権身分である天皇を頂点として、軍閥と官僚によって武装され、資本家地主のための搾取と抑圧の体制として、満洲に君臨し、この地に住まう者に政治的には奴隷的無権利状態を、経済的には植民地的に低い生活水準を、文化的には蒙昧と偏見と迷信と盲従とを強制し、無限の苦痛を与えこれに反対する人民の声は、死と牢獄とをもって威嚇され弾圧された。

 われらは苦難の現実を通じて、このような汚辱と苦痛にみちた専制政治を廃棄し、人民に主権をおく人民主義的制度を建設することが急務であると確信する。これこそかつて日本軍国主義が建前として謳った五族協和の理念を真に民族協和の理念に高め人民と近隣諸国人民との相互の自由と繁栄にもとづく友愛を決定的に強めるものである。

 ここにわれらは、人民の間から選ばれた代表を通じて民族協和、人民主義の思想を根幹とした憲法を定め人民のための政治が行われるところの人民共和政体の採択を宣言し、この憲法を決定するものである。

 封建制の廃止、寄生地主的土地所有制の廃絶と財閥的独占資本の解体、基本的人権の確立、人民の政治的自由の保障、人民の経済的福祉の擁護に基調をおく憲法こそ、満洲人民の民主主義的発展と幸福の真の保障となるものである。満洲人民の圧倒的多数を占める勤労人民大衆を基盤とするこの人民的民主主義体制だけが帝国主義者の企てる専制抑圧政治の復活と侵略戦争への野望とを防止し、人民の究極的解放への道を確実にする。それは我ら満洲に住まう者の民主的祖国としての満洲の独立を完成させ、われらの国は国際社会に名誉ある当然の位置を占めるだろう。満洲人民はこの憲法に導かれつつ、政治的恐怖と経済的窮乏と文化的貧困からの完全な解放をめざし、全世界の民主主義的な平和愛好国家との恒久の親睦をかため、世界の平和、人類の無限の向上のために、高邁な正義と人道を守りぬくことを誓うものである。

 我ら満洲の地に住まうものはこの政治思想の実現に向け新たなる国家の建設に邁進する。

 

 

第1章 満洲人民共和国

 

 

第1条 

 満洲は人民共和制国家である。

 

第2条 

 満洲人民共和国の主権は人民にある。主権は憲法に則って行使される。

 

第3条 

 満洲人民共和国の政治は人民の自由な意志にもとづいて選出される議会を基礎として運営される。

 

第4条 

 満洲人民共和国の経済は封建的寄生的土地所有制の廃止、財閥的独占資本の解体、重要企業ならびに金融機関の人民共和政府による民主主義的規制にもとづき、人民生活の安定と向上とを目的として運営される。

 

第5条 

 満洲人民共和国はすべての平和愛好諸国と緊密に協力し、民主主義的国際平和機構に参加し、如何なる侵略戦争をも支持せず、またこれに参加しない。

 

 

第2章 人民の基本的権利と義務

 

 

第6条 

 満洲人民共和国のすべての人民は法律の前に平等であり、すべての基本的権利を享有する。

 

第7条 

 この憲法の保障する基本的人権は不可侵の権利であって、これを犯す法律を制定し、命令を発することはできない。

 政府が憲法によって保障された基本的人権を侵害する行為をなし、また命令を発した場合は人民はこれに服従する義務を負わない。

 

第8条 

 人民は満洲人民共和国の法律と自己の良心以外には如何なる権威またはどの様な特定の個人にたいしても服従または尊敬を強要されることはない。人種、民族、性別、信教、身分または門地による政治的経済的または社会的特権はすべて廃止され今後設置され得ない。

 

第9条

 皇帝、貴族それに類する制度はこれを廃止する。称号、勲章その他の栄典は人民共和国への多大なる貢献を称揚した栄典を除き如何なる特権をも伴わず栄典の授与は与えられた者にたいしてのみ効力をもつ。

 

第10条 

 人民は民主主義的な一切の言論、出版、集合、結社の自由をもち、労働争議および示威行進の完全な自由を認められる。この権利を保障するために民主主義的政党ならびに大衆団体にたいし印刷所、用紙、公共建築物、通信手段その他この権利を行使するために必要な物質的条件を提供する。民主主義的大衆団体の国際的連携の自由は保障され助成される。

 

第11条

 前条に拘らず帝国主義的、全体主義的、反民主的な一切の言論、出版、集合、結社の自由は認められない。

 

第12条 

 人民に信仰と良心の自由を保障するため宗教と国家、宗教と学校は分離され、宗教的礼拝、布教の自由とともに反宗教的宣伝の自由もまた保障される。

 

第13条 

 人民は居住、移転、国内外への移住、国籍の離脱ならびに職業選択の自由をもつ。

 

第14条 

 人民の住宅の不可侵と通信の秘密は法律によって保護される。

 

第15条 

 人民は身体の不可侵を保障され、何人も裁判所の決定または検事の同意なしには逮捕拘禁されることはない。公務員による拷問および残虐な行為は絶対に禁止される。

 

第16条 

 何人も裁判所で裁判を受ける権利を奪われず、裁判は迅速公平でなければならない。

 

第17条 

 人民を抑留、拘禁した場合、当該機関は例外なく即時家族もしくは本人の指名する個人に通知しなければならない。また本人の要求があれば拘束の理由は直ちに本人および弁護人の出席する公開の法廷で明示されなくてはならない。

 

第18条 

 何人も自己に不利益な供述をすることを強要されない。強制、拷問または脅迫のもとでの自白もしくは長期にわたる抑留または拘禁の後の自白は、これを証拠とすることはできない。何人も自己に不利益な自白だけによっては有罪とされず、または刑罰を科せられない。

 

第19条 

 被告人は如何なる場合にも弁護の権利を保障され、事件の資料について精通する権利と法廷において自国語で陳述する権利とを保障される。

 

第20条 

 如何なる行為もあらかじめ法律によってこれにたいする罰則を定めたものでなければ刑罰を科せられない。刑罰は犯罪の重要さに応じて科せられる。

 何人も同一の行為のために二度処罰されることはない。

 

第21条 

 死刑はこれを廃止する。

 

第22条 

 国家は裁判の結果無罪の宣告をうけた被告人にたいしては精神上、物質上の損害を賠償しなければならない。

 

第23条 

 受刑者の取扱いは人道的でなければならない。受刑者の労賃と労働時間は一般企業の労働条件を基準として決定される。

 女子の被拘禁者にたいしては特にその生理的特性にもとづく給養を保障し、妊娠、分娩の際には衛生的処置を保障しなければならない。

 

第24条 

 刑罰は受刑者の人民共和国市民としての社会的再教育を目的とする。受刑者にたいして合法的に科された刑罰を更に加重するような取扱を行った公務員はその責任を問われる。

 

第25条  

 受刑者を含む被拘禁者にたいして進歩的民主主義的出版物の看読を禁止することはできない。

 

第26条 

 勤労にもとづく財産および市民としての生活に必要な財産の使用・受益・処分は法律によって保障され、その財産は相続を認められる。社会的生産手段の所有は公共の福祉に従属する。財産権は公共の福祉のために必要な場合には法律によって制限される。

 

第27条

 人民はすべての国家機関の公務員に選任される権利をもつ。

 

第28条 

 人民は個人または団体の利害に関しすべての公共機関に口頭または文書で請願または要求を提出する権利をもつ。何人もこの請願または要求をしたために如何なる差別待遇もうけることはない。

 

第29条 

 女子は法律的・経済的・社会的および文化的諸分野で男子と完全に平等の権利をもつ。

 

第30条 

 婚姻は両性の合意によってのみ成立しかつ男女が平等の権利をもつ完全な一夫一婦を基本とし純潔な家族生活の建設を目的とする。社会生活において非民主的かつ封建的な戸主制度またはそれに類する家督相続制はこれを廃止する。夫婦ならびに親族生活において女子にたいする圧迫と無権利とをもたらす法律はすべて廃止される。

 

第31条 

 寡婦およびすべての生児の生活と権利は国家および公共団体によって十分に保護される。

 

第32条 

 人民は労働の権利をもち、労働の質と量に相応しい支払をうける仕事につく権利をもつ。この権利は民主主義的経済政策にもとづく失業の防止、奴隷的雇傭関係および労働条件の排除、同一労働に対する同一賃金の原則、生活費を基準とする最低賃金制の設定によって現実に確保され、労働法規によって保障される。

 

第33条

 満洲人民共和国は、相互扶助を特徴とし、私的な利益追求を目的としない協同組合の社会的機能を認める。最も適切な手段によりその発展を支援し又適切な管理を行うことで協同組合の性格目的を保障する。法律は協同組合の保護およびその発展への対策を講じる。

 

第34条

 労働の経済社会的向上を目的とし且つ生産活動の必要性と調和する形態において、満洲人民共和国は法律で規定する方法および制限範囲内で労働者が企業管理および運営に協力する権利を認める。

 

第35条 

 勤労者の団結権、団体交渉・団体協約その他団体行動をする権利は保障される。

 

第36条

 労働の期間および条件は労働者の健康、人格的威厳または家庭生活を破壊するものであってはならない。18歳以下の未成年者はその身心の発達を阻害する労働にたいして保護され、16歳以下の幼少年労働は禁止される。

 

第37条 

 人民は休息の権利をもつ。この権利は多くとも1週40時間までの労働制、少なくとも1週1日、1年21日以上かつ少なくとも10日間の連続した休暇を取得できる有給休暇制、休養のための諸施設ならびに労働諸法規によって保障される。

 

第38条

 勤労婦人は国家および雇主からその生理的特性にたいする配慮をうけ、産前産後の有給休暇、母子健康相談所、産院、保育所等の設備によってその労働と休息の権利を保障される。

 

第39条

 人民は老年、疾病、労働災害その他労働能力の喪失および失業の場合に物質的保障をうける権利をもつ。この権利は国家または雇主の負担による労働災害予防設備、社会保険制度の発展、無料施療をはじめとする広汎な療養施設によって保障される。

 

第40条

 家のない人民は国家から住宅を保障される権利をもつ。この権利は国家による新住宅の大量建設、遊休大建築物、大邸宅の開放、借家人の保護によって保障される。

 

第41条

 すべての人民は教育をうけ技能を獲得する機会を保障される。初等および中等学校の教育は義務制とし、費用は全額国庫負担とする。上級学校での就学には一定条件の国庫負担制を実施する。

 企業家はその経営の便宜のために被傭者の就学を妨げることはできない。

 

第42条

 満洲人民共和国に居住する全ての民族は自らの言語、文化を維持し、発展させる権利を有し、言語及び陋習とされた民族の文化は、憲法及びそれに基づいた法律に反しない限り尊重される。公的機関において自らの言語を使用する権利については法律で定める。

 

第43条 

 満洲人民共和国は人民の科学的研究、芸術的創造の自由を保障し、人民のあらゆる才能と創意の発展を期し、研究所、実験所、専門的教育機関、文化芸術諸施設を広汎に設置する。

 

第44条 

 満洲人民共和国は民主主義的活動、民族解放運動、学術的活動の故に追究される外国人にたいして国内避難権を与える

 

第45条 

 満洲人民共和国に居住する外国人の必要な権利は法律によって保障される。

 

第46条

 人民は満洲人民共和国の憲法を遵守し、法律を履行し、社会的義務を励行し、共同生活の諸規則に準拠する義務をもつ。

 

 

第3章 国会

 

 

第47条

 満洲人民共和国の最高の国家機関は国会である。

 

第48条

 国会は主権を管理し人民にたいして責任を負う。

 

第49条 

 国会はつぎの事項を管掌する。

1 内外国政に関する基本方策の決定

2 憲法の実行の監視

3 憲法の変更または修正

4 法律の制定

5 予算案の審議と確認

6 政府首席の任免と首席による政府員の任免の確認

7 国会常任幹事会の選挙、国会休会中において常任幹事会の発布した諸法規の確認

8 人民から提出された請願書の裁決

9 満洲人民共和国最高検事局検事の任命

10 会計検査院長の任命

11 各種専門委員会の設置

 

第50条

 国会は法律の定める定員数からなる代議員によって構成される一院制議会である。

 

第51条 

 満洲人民共和国の立法権は国会のみがこれを行使する。

 

第52条 

 代議員として選挙され、かつ代議員を選挙する資格は、政治上の権利を有する18歳以上のすべての男女に与えられる。選挙権、被選挙権は定住、資産、信教、性別、民族、教育その他の社会的条件による如何なる差別、制限をも加えられない。

 

第53条 

 代議員の選挙は比例代表制にもとづき平等、直接、秘密、普通選挙によって行われる。

 

第54条

 代議員はその選挙区の選挙民にたいして報告の義務を負う。選挙民は法律の規定に従って代議員を召還することができる。

 

第55条

 国会は4年の任期をもって選挙される。

 

第56条

 国会は代議員の資格を審議する資格審査委員会を選挙する。国会は資格審査委員会の提議により個々の代議員の資格の承認または選挙の無効を決定する。

 

第57条

 国会は必要と認めた場合にはすべての問題に関して査問委員会および検査委員会を任命する。すべての機関および公務員はこれらの委員会の要求に応じて必要な資料と書類を提供する義務を持つ。

 

第58条

 国会の会期は年2回を原則とする。臨時国会は国会常任幹事会の決定および代議員3分の2以上の要求によって召集される。

 

第59条 

 国会は代議員数の3分の2以上の出席によって成立する。

 

第60条

 法律は国会において代議員の単純多数決によって成立し、国会常任幹事会議長および書記の署名をもって公布される。

 

第61条 

 国会における議事はすべて公開とする。

 

第62条

 国会は議長1名、副議長2名を選挙し、議事の進行、国会内の秩序の維持にあたらせる。

 

第63条 

 代議員は国家反逆罪による逮捕を除き国会の同意がなくては逮捕されない。国会の休会中は国会常任幹事会の承認を必要とし次期国会の同意を要する。

 

第64条

 国会には代議員の3分の2以上の決議にもとづき解散を告示する権限がある。

 

第65条

 国会の任期が満了するかまたは国会が解散された場合には、40日以内に総選挙が施行される。

 

第66条 

 総選挙施行後30日以内に前国会常任幹事会は新国会を召集する。

 

第67条

 国会は25名の国会常任幹事会を選挙する。

 

第68条

 国会常任幹事会は議長および副議長各1名を選挙し、議長は満洲人民共和国を代表する。

 

第69条 

 国会常任幹事会はつぎの事項を管掌する。

1 国会の召集および解散、総選挙施行の公告

2 国会休会中政府首席による政府員の任免の確認。ただしこれについては国会の事後確認を必要とする

3 国会の決定による人民投票の施行の公告

4 政府の決定および命令のうち法律に合致しないものの廃止

5 赦免権の行使

6 国際条約の批准

7 外国における満洲人民共和国全権代表の任命および召還

8 満洲人民共和国駐剳外国代表者の信任状および解任状の受理

9 民主的栄典の授与

 

第70条

 国会の任期が満了するかまたは国会が解散された場合には、国会常任幹事会は新たに選挙された国会によって、新国会常任幹事会が選出されるまでこの権限を保持する。

 

 

第4章 政府

 

 

第71条 

 政府は満洲人民共和国の最高の行政機関である。政府首席は国会によって任命され、首席の指名にもとづき国会の承認をえた政府員とともに政府を構成する。

 

第72条 

 政府は国会にたいして責任を負い、国会の休会中は国会常任幹事会にたいして責任を負う。各政府員は政府の一般政策について全体的に、個人的行動については個人的に責任を問われる。

 

第73条 

 国会が政府にたいする不信任案を採択した場合には政府は総辞職する。

 

第74条 

 政府は次の事項を管掌する。

1 一般的中央行政事務の遂行のために現行諸法規にもとづいて決定又は命令を発布し、かつその執行を検査すること

2 各省およびその管轄下にある国家の諸機関を統一的に指導すること

3 満洲人民共和国の発展、公共の秩序の維持および基本的人権の保障のために必要な諸措置の施行

4 各省に附属する特別委員会または事務局の組織

5 対外関係の一般的指導

6 政府の権限に関する問題につき各省の訓令または指令もしくは地方議会の決定または命令で国法に合致しないものの取消

 

第75条 

 政府の命令は満洲人民共和国の全領域にわたって施行される。政府の命令の公布には当該政府員の署名と首席の副署とを必要とする。

 

 

第5章 国会財政

 

 

第76条

 国家財政の処理には国会の議決を必要とする。

 

第77条

 租税の賦課および徴収は変更されない限り一年を限って効力をもつ。人民に多大な負荷を強いる消費税はこれを廃止する。

 

第78条

 国費の支出または国家債務の負担は国会の議決を経るを必要とする。

 

第79条

 政府は毎会計年度の予算を作成し、国会の審議をうけ承認をえなければならない。事業計画については政府は毎年事業計画書を作成し、国会に提出しなければならない。

 

第80条

 国家財政の決算はすべて毎年会計検査院の検査をうけ、政府は次年度にその検査報告とともにこれを国会に提出しなければならない。

 

第81条

 会計検査院長は国会によって任命され、職務の遂行につき国会に責任を負う。

 

第82条

 会計検査院の組織と権限は法律によって定められる。

 

 

第6章 地方制度

 

 

第83条 

 満洲人民共和国はその領土内に、地方制度を認める。地方制度は法律にもとづいて運営される。

 

第84条 

 地方制度は第52条から第54条を基準とする選挙法によって選挙される地方議会を基礎として運営される。

 

第85条 

 地方議会はそれぞれの行政機関を選任する。行政機関はそれぞれの地方議会ならびに上級機関に責任を負う。

 

第86条

 地方議会はそれぞれの行政機関の活動を統轄し地方予算を審議、確認し、法律の範囲内において地方的問題を議決しまたは命令を発布する。

 

第87条

 政府機関の地方支部の活動は地方の権力機関の行政と合致するよう法律によって調整される。

 

 

第7章 司法

 

 

第88条

 満洲人民共和国における裁判は人民の基本的権利の尊重を根本精神とし、人民の名により最高裁判所、地方裁判所、地区裁判所によって行われる。

 

第89条

 裁判はこれを公開しその審理には陪審員の参加が必要である。

 

第90条

 満洲人民共和国の最高裁判機関は最高裁判所である。

 

第91条

 最高裁判所の裁判官は国会の推薦にもとづき人民の信任投票によって五年の任期をもって選任される。

 

第92条

 各下級裁判所の裁判官はそれぞれ地方の議会の推薦にもとづきそれぞれの地域の人民の信任投票によって四年の任期をもって選任される。

 

第93条

 裁判官は独立し憲法と法律にのみ服従する。

 

第94条

 検事の任務は人民が法律を正確に遵守する事を監督する事にある。

 

第95条

 最高検事局の検事は五年の任期をもって国会により任命される。

 

第96条

 下級検事局の検事は最高検事局の検事の確認を経て上級検事局がこれを任命する。

 

第97条

 検事局機関は、最高検事局の検事にだけ服従し、一切の地方機関から独立してその職務を行う。

 

 

第8章 公務員

 

 

第98条

 公務員は満洲人民共和国全人民の利益に奉仕し官僚主義に陥ってはならない。

 

第99条

 公務員は廉潔を旨とし、一切の汚辱行為、職権濫用行為をすることを厳禁される。

 国家は公務員およびその家族に必要な生活手段を保障する。

 

第100条

 行政機関の公務員のうち議会によって任免されるもの以外はその行政機関の長が任免する。

 

第101条

 人民は公務員の罷免を議会その他の公共機関に要求する権利をもつ。

 

第102条

 議会は公務員の活動を監視し、議会の認証によって執行機関の長が任免する公務員にたいして罷免を要求する権利をもつ。

 

第103条

 警察署の責任者はその署の管轄区域内の人民によって選出され、警察制度が官僚的支配機構として固着することを阻止する。

 

 

第9章 憲法改正

 

 

第104条

 満洲人民共和国憲法の改正発案権は国会に属する。

 

第105条

 満洲人民共和国の地方上級議会は、代議員の三分の二以上の同意をもって憲法改正の提案権をもつ。

 

第106条

 満洲人民共和国の憲法の改正は、国会代議員の三分の二以上の出席によって開会される国会において、三分の二以上の多数をもって採択されねばならない。

 

第107条

 満洲人民共和国の共和政体の破棄および特権的身分制度の復活は憲法改正の対象となりえない。

 

第108条

 この憲法の各条規は、ソビエト社会主義共和国連邦憲法に反しない限り適用される。

 

 

第10章 経過規定

 

 

第109条

 この憲法は公布後、180日後に施行される。

 

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