もしもこんな日本だったら   作:fire-cat

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1946~ ネタ集① 憲法第2章第34条をめぐる弊害?・労働基準法・昭和という時代

1946 ー 憲法第2章第34条をめぐる弊害? ―

 

 

「憲法第2章第34条だが戸籍について触れるのであれば家紋についても考慮して頂きたい」

「四辻男爵、その理由は?」

「以前、家紋を悪用した詐欺に巻き込まれたことがあってな。もう少しで犯罪者の片棒を担ぐどころではなく主犯にでっち上げられるところであった。その時は何とか免れたが今後同じような犯罪も考えられる。法律で家紋の扱いについても定めた方が良いのではないだろうか?」

「確かに」

「家紋なんて封建制の名残だ! そもそもそんなものを利用する犯罪があることがおかしい。家紋などと言うものはこれを機会に廃止すべきである!」

「家紋は封建制とは違うものである。苗字の公称ができなかった江戸の昔でも庶民は家紋を所有し使用していただろう。西洋の紋章とは違う」

「家紋が封建制の名残というならあんたの羽織や墓から家紋を削ったらどうだ?」

「まぁまぁ。紋は色々と扱いが難しいが法制定は一考の余地があると思う」

「商標と同じと考えて法規制を行ったほうがいいのか?」

「それはちとやりすぎでは?」

「いやいや。他人の家紋を悪用するような奴が増えるとなると家紋の登録やある程度の商標登録規制や罰則を設けた方が良い」

「そこまで必要か? 今後は洋装が広がっていくだろう? 洋装に家紋はつけないからそのうち廃れていくだろ?」

「家紋を付けるのは何も着物だけじゃないだろう? 墓や提灯だってあるじゃないか。すぐに廃れるとは思えん。それに庶民にまで紋があるのは日本だけだったはずだ。我が国の文化なのだから、こんな世情では大切にしたい」

「まぁ、条文に入れてもさほど悪い影響もないだろうしな」

「いや、影響については検討した方が良いと思うが」

「憲法に定めるのであれば法律も何らかの修正が必要になる」

 

 ― 数十年後 ―

 

「この子の七五三の祝いに着物を仕立てないとな」

「娘ですから女紋をつけませんと。ところでうちの女紋はなんでしたっけ? 私の紋で良かったのかしら?」

「どうだったかなぁ。お袋に聞いておくか」

「そうですね。間違えると面倒ですもの」

「全くだ。民法やら何やらに紋の規定があるからな。憲法第2章第34条がこんなところに影響があるなんてな。作った時にわからなかったのかね」

「多分、難しかったのでは? 定紋や女紋は着物や提灯に普通に付いていましたから」

「後の事も考えて法律を作って欲しいもんだ」

 

◇◆◇◆◇

 

1965 ― 労働基準法(昭和二十二年法律第五十六号 改定:昭和四十年法律第八十六号)一部抜粋 ―

 

第32条 

 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

 

第40条

 使用者は、労働者に、事業の継続に必要不可欠な保安作業を除き、午後十一時より午前二時の間に労働させてはならない。

 

第41条

 災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合においては、使用者は、行政官庁の許可を受けて、その必要の限度において第32条から前条まで若しくは第60条の労働時間を延長し、又は第42条の休日に労働させることができる。ただし、事態急迫のために行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に遅滞なく届け出なければならない。

 前項ただし書の規定による届出があった場合において、行政官庁がその労働時間の延長又は休日の労働を不適当と認めるときは、その後にその時間に相当する休憩又は休日を与えるべきことを、命ずることができる。

 公務のために臨時の必要がある場合においては、第一項の規定にかかわらず、官公署の事業(別表第一に掲げる事業を除く。)に従事する国家公務員及び地方公務員については、第32条から前条まで若しくは第60条の労働時間を延長し、又は第42条の休日に労働させることができる。

 

第42条 

 使用者は、労働者に対して、国民の休日及び祝日に関する法律で定められた休日の他に毎週少くとも二回の休日を与えなければならない。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

1965 ー某週刊誌に掲載された経営者の言葉ー

 

「労働基準法? そんなもの守れば会社がつぶれる。会社を潰しでも良いのか?」

 

 

ーその記事への各界の反応ー

 

「畏れ多くも陛下の御懸念も無く御名御璽を頂いた法律を守れないとは!」

「何を考えているのやら。労働者の保護は憲法に定められているだろうに。憲法遵守は国民の義務の筈だが」

「三流経営者じゃな。経営者の義務を解っとらん。此奴、よもや我がグループの一員では無かろうな? 一員であれば即刻叩き出さねばならん。我がグループに犯罪経営者は要らぬからな」

 

◇◆◇◆◇

 

1984 ― 昭和という時代 ―

 

 

「朕は譲位を行おうと思う」

「陛下、何をおっしゃいます。まだまだ陛下にはお励み頂かねば」

「皇太子も立派になった、もうここらで位を譲っても良かろう」

「しかし……」

「元々朕が六十になった時に譲位を行うつもりではいたのだ。その願いは叶わなかったが」

「何故に?」

「人生の区切りとして譲位を行おうとな。元々は先の大戦の責を背負うつもりでいたのだが、奇妙な縁によってこの御位に就いたまま今日まで歩んできたのだ」

「陛下……」

「気がつけば昭和も六十年。そろそろ昭和と言う時代を休ませてやりたい。六十年と言ったら人生では還暦であろう? 巷の民は皆定年で引退する頃合いだ。昭和も還暦で引退させて労ってやりたい」

「陛下……」

「激動の時代だった故な。もう労ってもよかろう」

 

◇◆◇◆◇





二風谷ダム問題とか、扱ってみたい。だが書けん(:_;)

第2章第59条で少数民族の文化等の尊重が憲法に記載されているので、多分、同化政策がなくなったり、北海道旧土人保護法は憲法施行と同時に廃止されて別の法律ができたりして、少数民族の扱いもかなり変わっているはずだからだいぶ経緯が違うんだろうが、書けん(:_;)



※第1話の【日本を取り巻く環境】、大分手直しが入っています。
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