書き直すかも、これ。
独自進化する日本の未来
1. 人口動態
1990年代後半のアジア通貨危機において、日本政府が「雇用維持」を最優先した支援を行い、国内でも「平成景気」が再燃した結果、第二次ベビーブーム世代は安定した経済基盤を得て、1997年から2002年にかけて第三次ベビーブームを引き起こした。
この影響で2020年代においても、他の先進諸国でみられる生産年齢人口の激減は起きていない。高齢化は進んでいるが、それを支える豊富な若年層人口は、国内消費市場の活力を維持し、デフレ経済への突入を防ぐ防波堤となっている。2020年代後半から30年代にかけて、第三次ベビーブーム世代が出産適齢期を迎えるため、第四の波が来る可能性は十分にあると考えられている。
2. IT・技術: TRONとヤタガラスによる「情報主権」
欧米諸国で主流となっているWindowsとインターネットによる標準化の影響は日本には及んでいない。これは1984年のTRONプロジェクトにから始まったTRONアーキテクチャとヤタガラス衛星網によるところが大きい。
官公庁・教育・インフラがTRONで統一されているため、日本におけるWindowsは「互換性のないホビー用OS」に留まった。TRONは堅牢性が高く、また海外からのサイバー攻撃に対して構造的な耐性を持つ。
また、日本独自の準天頂衛星システムーヤタガラスーは、アジア・オセアニア地域においてGPSを凌駕するインフラとなっている。これにより、自動運転、物流管理、防災システムにおいて日本規格がアジア標準となっている。
この結果、世界は異なる規格と価値観を持つブロック経済圏が並立している。すなわち、アメリカ・イギリスを中心とする海洋同盟が主体のドル圏。日本、ROC、ASEANを主体としたアジア経済圏である円圏。USSRを中心とするユーラシア大陸経済圏であるEEIO・ルーブル圏。欧州連合(EU)のユーロ圏である。
幾度かグローバルスタンダード構想が上がっているがその度に立ち消えとなっている。
日本企業は、無理に欧米流に合わせる必要がなく、アジア市場(円圏)という広大な内需を背景に、終身雇用、カイゼン、道義的資本主義を中心とする日本流の経営を貫いている。
3. 人工知能-「知性ある道具」としての進化と共生
AI技術は、大きく二つに分かれる。TRON圏でみられる自律分散型AIとウィンテル圏でみられる巨大中央頭脳型AI(通称:ビッグ・ブラザー)である。
TRON圏でみられる自律分散型AIはTRONアーキテクチャの思想である「どこでもコンピュータ(ユビキタス)」と、国民の高いプライバシー意識・職人気質が融合し、端末側で処理が完結し、特定のタスクにおいて人間を高度に補助する仕組みとなっている。
その技術的特徴はTRON OSの強みである「リアルタイム制御」とAIが融合していることにある。
工場、災害現場、自動運転などの通信遅延を許さない現場での判断能力に特化し、阿吽(A-UN)プロトコルと呼ばれる機器同士―信号機と車、家電と住居―が、中央サーバーを介さずに互いのAIを通じて協調動作する通信規格から成り立つ。
国民総背番号制による行政データの把握が進んでいる反面、民間企業による個人データの無断収集・利用は厳しく制限されている。個人のライフログやAIの学習データは、個人の所有物として暗号化され、手元の端末や家庭内サーバー等のローカルに保存される。AIは「持ち主のために」のみ学習し、外部にデータを出さないことが原則とされる。
社会におけるAIの役割はいくつかに分かれる。
匠(Takumi)システムと呼ばれる技能継承AIは、「AIが人間の仕事を奪う」のではなく、「AIが人間をマイスターにする」という思想が貫かれている。
これは学校や職場において、学習者が装着したパワードスーツやVRゴーグルを通じ、熟練工や伝統工芸士の微細な手つき、勘所をセンサーで記録し、AIが解析・再現して師匠の動きを直接体に伝えるシステムで、高齢化した職人の身体機能を補い、現役期間を延ばすという役割も兼ね備えている。
守り人(Moribito)と呼ばれるパーソナル・エージェントは、B-TRON搭載の携帯端末―通称:手帳―に常駐する執事AIであり、ユーザーにとっては「道具」以上「友人」未満の、信頼できる「相棒」として認識されている。
機能としてはスケジュール管理、健康状態のモニタリング、行政手続きの代行を行うほか、ユーザーの言葉にできない意図を文脈から読み取る能力に長けている。
4. 創作・文化とAI
イラストや小説をAIに全自動で生成させることは技術的に可能だが、文化的に不粋であり魂が入っていないとして忌避される傾向が強い。魂が入っていない作品は、コミケ等の場でも評価されない。
一方で、背景描画、着色、校正、考証などの「下働き」をAIに任せることは推奨され、クリエイターは監督・脚本家としてAIを指揮する立場となる。
5.防災と「予知する国土」
ヤタガラス衛星網と地上の無数のセンサー(TRONチップ)が連動し、AIがリアルタイムで国土の状態を監視し、災害発生直後の被害を予測する。地震の際の津波到達地点の精密シミュレーションや河川氾濫の予兆検知を行い、個人の端末へ最適な避難ルートを指示する。
日本におけるAI関連年表
1984年:TRONプロジェクト開始。組み込みAIの基礎研究がスタート。
1990年代後半:「TRON人工知能分科会」発足。ロボット制御・自律分散システムに注力。
2000年代前半:「AI倫理基本法」制定。責任主体は人間であるとしてAIの権利能力を否定。学習データの透明性と出所明示を義務付け。
2010年代後半:「匠(Takumi)システム」実用化。重要無形文化財保持者(人間国宝)の技をデジタルアーカイブ化する国家事業開始。
2020年代後半:「パーソナル・エージェント権」の確立。AIが学習した「個人の人格データ」をデジタル遺産として定義。死後、遺族がAIを通じて故人の記憶にアクセスする「デジタル彼岸」の概念が普及。