ようこそTSメスゴリラのいる教室へ   作:薔薇尻浩作

10 / 10
今回Fワード多用しています。苦手な方はご注意下さい初投稿です。


次回「戸塚死す」デュエルスタンバイ‼︎

 

5月になった。起床して、毎朝のルーチンをこなし、シャワーを浴びてスッキリした頃にはもうイイ時間だ。

雑な朝食とお気に入りのプロテインを平らげて、いざ登校しようとした時だった。

散々放置していた端末に、珍しくも朝っぱらからメッセージが2件も来ていた事に俺は今ようやく気づいた。

 

1件は橋本から。簡単な朝の挨拶と何ポイント振り込まれたのかという質問。

何のこっちゃ。と一瞬、頭にクエスチョンマークが浮かんだものの、そう言えば毎月1日に10万ポイント振り込まれるんだったと思い出した。

早速残高を確認したはいいが、そもそも俺は財布に幾ら入っているか気にしないで買い物するタイプ。

実家ではカード払いが常だったこともあり、昨日までに幾らポイントが残っていたのかも覚えていない。つまり、今朝何ポイント振り込まれたのかなんか分からない。というワケだ。

 

いや、もしかしたら端末の機能で幾ら振り込まれたか。みたいなのを調べられるのかもしれねーけど、そこまで操作方法とか真剣に覚えてないし。

っていうか毎月10万ポイント振り込まれるのがルールなんじゃねーの?

朝っぱらからモヤっとする気分になりつつも、もう1件のメッセージを開く。差出人は京介からだ。だがその内容を見た俺は思わず声が出ちまった。

 

 

「ポイントが振り込まれてない。ってマジか?」

 

 

最近良く感じるようになった、この学校独特のキナ臭さ。

先日、橋本が言っていた5月になったら分かる。と言った謎の言葉の真意が、ようやく輪郭を作り始めた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう、姐さん。メッセージは読んでくれたかい?」

 

「Hey 橋本。読んだけどよー、そもそも残高が幾つだか覚えてねーから、今朝に何ポイント振り込まれたか良く分かってねーんだわ」

 

「えぇ……その返しは想像してなかったわ。ちなみに俺に振り込まれたポイントは92000ポイント。クラスのやつらも皆同じ額だってさ」

 

 

鞄を置いてマッサージチェアーを起動するなり橋本から声をかけられたので今朝のメッセージについての話をする。

しかし92000ポイント? 何だってそんな中途半端な額なんだよ。いや、つーか、そもそも……。

 

 

「はぁ? 毎月10万ポイントって話はどこに消えたんだよ」

 

「あー、だよな。やっぱ姐さんなら、そこは疑問に思うよな。だけど、そこら辺は先生がホームルームとかでしっかり説明してくれると思うぜ。待ちに待った種明かしのお時間。ってヤツさ」

 

「はぁ? 一体全体どういう意味……?」

 

 

今朝もギリギリで登校したせいか、会話の途中だと言うのにあっという間にチャイムに遮られる。

タイミングの悪さに舌打ちを打ちながらマッサージチェアーの電源を落とすと同時に真嶋が教室に入って来た。

相変わらずのエリート面……と言いたいところだが、何だか今朝はヤケに機嫌が良さそうに見えた。オマケに普段は手ぶらだというのに丸めた大きなポスターのような物を持っている。

なーんかいつもと様子が違う気がするぜ。

 

 

「諸君、おはよう。今朝のホームルームは毎年長く時間を取っている。さて、現時点で質問がある者は挙手をするように」

 

 

気持ちテンション高めの真嶋がそう言ったので俺はチェアーに踏ん反り返りながら手を挙げた。すると俺以外にも葛城が挙手をしていた。まあ、多分聞く事は同じだろう。

 

 

「ふむ。では先ず葛城から聞こう」

 

「はい。今月振り込まれたポイントが、先月よりも些か額が少なくなっていました。一応、確認させて頂きたいのですが、これは学校側の不手際では無く、正常に、正当な金額が振り込まれている。と考えて宜しいのでしょうか」

 

「ああ、その通りだ。ポイントは日付けが変わった瞬間に、何の問題もなく正常な額が振り込まれている」

 

「そうですか。ありがとうございます」

 

 

そう言って葛城は頷いて座っちまった。何つーか、誰もつっこまないどころか「ああ、やっぱり」みたいな声が聞こえてくるんだが……いやいや、おかしいよな?

 

 

「おいおいちょっと待てよ真嶋……センセー‼︎ 毎月10万ポイントっつー話はどこに行っちまったんだよ? それに他クラスのダチなんか未だ振り込まれて無いってパニくってるぜ⁉︎ 流石に色々とおかしいだろうがよ⁉︎」

 

 

思わず立ち上がって俺が声を張り上げると真嶋のオッサンは面倒くさそうな顔つきに変わった。完璧に問題児を見る目なのは、もはや今更だよな。

 

 

「剛力、何度でも言うが敬語を使え。そもそも、お前の質問は前提が間違っている」

 

「あぁん? 前提?」

 

「ああ。お前はどうやら毎月10万ポイントが振り込まれる。と勘違いしていたようだが……ふむ、良い機会だ。これを見るが良い」

 

 

一つ頷いた真嶋は丸めた画用紙を広げると黒板に貼り付けた。そこに書いてあったのは……何じゃこりゃ?

 

 

「これは、各クラスに配布されたポイント。という事でしょうか?」

 

 

やや困惑気な葛城の様子も無理は無い。

画用紙にデカデカと書かれていたのは各クラスの名前と、その横には数字。

ちなみにAクラスは920。Bクラスは650。Cクラスは490。Dクラス……0⁉︎

え、0ポイント配布って、実質1円も支給されて無ぇってコトかよ⁉︎

 

 

「ふむ。葛城の意見は一部正しいが完璧では無いな。これは各クラスが保有しているCP(クラスポイント)。この数字を100倍したものが毎月1日に諸君のPP(プライベートポイント)として振り込まれる。このCPは君達Aクラスの生徒の実力を反映した成績だと思ってくれて構わない」

 

 

あー? つまりCPが920だから今月は92000のPPが振り込まれた。

うーん、つまりその理屈で行くと……

 

 

「なあセンセーよお。つまり、クラスによって貰える小遣いが違うって事かよ? そりゃちょっと理不尽なんじゃ無ぇか? Dクラスなんかこのままじゃ、生活出来ないじゃねーか」

 

 

立ったままなのも間抜けなので、着席して脚を組みながら真嶋センセーに質問すると、先ほどよりはマシな顔つきで返事をくれた。

 

 

「いいや、これは理不尽では無い。正当な評価だ。入学式の挨拶でも言われただろう? この学校は実力が全て。実力至上主義の教室だ。と。そもそも全クラス入学直後には1000のCPが平等に配布されていた。Dクラスは顕著だが、授業態度や校則違反等によって大きく減額されたに過ぎない。つまりは自業自得だな」

 

 

 

授業態度と校則違反で減額……?

あ、あれぇ? もしかして俺、ヤバかったり……するのか?

 

 

「それから剛力はポイントが配布されなければ生活出来ない。と意見していたがその心配は無用だ。何故なら学校の敷地内にある施設には様々な無料商品が売られている。学食には無料の定食がある。学生寮もタダで使える。正当な理由さえあれば制服やジャージもタダで支給される。決してポイントが配布されなければ生活出来ない。なんて事は無い筈だ」

 

 

無料商品はスーパーなんかで見たことあったけど、無料の定食なんかあるのか? 何だかんだ言って学食は行ったことないから知らなかったぜ。

……にしても、何でクラス毎にここまで露骨に差が出るかね?

 

 

「さて、説明に戻ろう。このCPは各クラスの成績に連動するところまでは話したな。この並びを見て君達も何となく察しただろう。この学校のクラス分けには重要な意味がある。入学時点で優秀、優等生と判断された者はAクラスへ。そうで無い、つまり言葉は悪いが劣等生、不良品だと判断された者はDクラスへ。つまり君たちは学年で最も優秀な生徒の集団だと言うわけだ」

 

 

真嶋のそんな言葉にクラスメイトは嬉しそうに騒ついた。隣の橋本もニヤリと笑っているが、反応の薄さから察するにクラス分けの意味を内心知っていたのかもな。

つーか葛城や有栖なんか当然。とばかりに頷いている。何だか知らなかった俺の方がバカみたいだぜ。

 

 

「入学してからの1ヶ月間。我々学校側は君たちの授業態度や生活態度を監視していた。誇っていいぞ。素晴らしい結果だと言えるだろう。一部を除いて遅刻欠席は無し。一部を除いて授業態度も完璧。一部を除いて教師への敬意を忘れぬ学生の鑑と言っても過言では無い謙虚な姿勢。一部を除いて完璧と言えるだろう……一部を除いて

 

 

一部を除いてって何だよその台詞‼︎ 嫌味ったらしい奴だなあのオッサン‼︎

俺だって結構反省してるんだぞこの野郎⁉︎

おいコラ橋本⁉︎ チラチラこっち見るんじゃねーよ⁉︎

 

 

「歴代のAクラスでも5月の時点で900CP以上を残した事は無かった。これは偉業と言っても良いだろう。驕ることは許されないが、それでも私は君たちの事を誇りに思うぞ。……ああ、勿論。一部を除いて、だが」

 

 

ギロリ。と音立ちそうな鋭い目つきでこちらを嫌味ったらしく睨みつける真嶋のオッサン。

流石にバツが悪い気持ちになって目を逸らす。クラス単位で評価されるって事はつまりは連帯責任ってやつかよ……メンドクセー‼︎

 

 

「さて、話を戻す。今後様々な試験やイベントでこのクラスポイントは増減する事もあり得るだろう。例えばだが、もしもBクラスが今月のCPを921以上残していた場合、クラスの入れ替わりが発生する。下剋上とでも言えば分かり易いだろう。その場合、元Bクラスは新しくAクラスに昇格。元AクラスはBクラスへ降格。という形になる」

 

 

何だよ、もー‼︎ タダでさえ居心地が悪いのに難しい話なんかしないでくれよー。

つーか下剋上ってなんだよ⁉︎ クラスが入れ替わったぐらいで何だって話だ。

 

 

「さて、この学校に入学した諸君の殆どは、この学校の非常に高い進学率と就職率に惹かれて入学を希望したことだろう。結論から言うなら、進学や就職。それらについて学校側が補償するのは卒業時にAクラスに在籍していた生徒のみ。それ以外のクラスについては一切の補償はしない」

 

 

「なっ⁉︎」

 

 

ドドン。と擬音が鳴りそうな勢いで宣言した真嶋の言葉に思わずと言った様子で葛城が身を乗り出して絶句した。

つーか葛城だけじゃねーな。殆どの生徒が騒ついてるし、気の弱いヤツなんて軽くパニくってる。橋本も「おいおいマジかよ」なんて言いながら冷や汗流してる。

そもそもこの学校に進路の補償。なんていう特典があるコト自体。俺は今知ったんだが。

 

 

「理不尽だと思うかも知れないがこれは学校運営側が決めた方針だ。覆ることは決して無いと覚悟を決めなさい。真の実力者ならきっと結果も着いてくる筈だ。先程も言ったが、決して驕る事なく、己の実力を磨き続けなさい。……さて、次はこちらを見てほしい。」

 

 

何つーかさっきから実力実力ってしつけーなー。実力っつー言葉がリフレインして混乱してきたぜ。しかも、まだ何かあるのかよー。

そんな感じで内心疲れ切っている俺を他所に真嶋は別の画用紙を黒板に貼り付けた。しかもその内容は……げっ⁉︎ それ公表すんのかよ⁉︎

 

 

「これは先日行った小テストの結果だ。流石はAクラスの諸君。一部を除いて……いや、もう良いか。はっきり言ってしまおう、1名を除けば素晴らしい結果だと言えよう」

 

 

1位の有栖が満点。2位の葛城が90点。他の奴らも殆どが80点台。低いやつでも65点は取ってる。にも関わらず……。

 

 

「あ、姐さん。30点は……流石に、不味くね?」

 

「いや、難易度。高くなかったか? アレ?」

 

「その、言いづらいんだが……最後の3問以外は中学時代の基礎レベルだと思うんだけど」

 

「……マジで?」

 

「マジでだ」

 

 

第40位。つまりはダントツのビリッケツの俺の点数は30点。ぶっちゃけ英語以外は殆ど分からなかったから点数が低いのは仕方ないとして……え? アレで難易度低かったの? マジで⁉︎

 

 

「剛力。これが小テストで良かったな。もしこれが本番の中間や期末テストだったなら赤点として退学処分を受けていた事だろう」

 

 

赤点で退学⁉︎ 何だそりゃ⁉︎

 

 

「はあああぁ⁉︎ Wh……What……Are You fucking kidding me⁉︎(つまんねー冗談を吐かしてんじゃねえよ⁉︎)

 

 

しかも補習も無しで一発アウトだと⁉︎ 留年とかも無し⁉︎

幾ら何でも酷すぎるだろ⁉︎

 

 

「残念ながら冗談でも何でもない。この学校では1科目でも赤点を取ったら即刻退学処分だ。ちなみに赤点のボーダーラインはクラスの平均点割る2。小数点以下は四捨五入。今回で言うなら38点以下は赤点となる」

 

 

おいおいおい⁉︎ ちょっとシャレにならねーぞ⁉︎

今回の小テストは科目がごちゃ混ぜだからまだしも、本番のテストは科目毎に別れてるんだよな……このまま行ったら英語は満点取れてもそれ以外が全部赤点だって有り得る‼︎

クソッタレが‼︎

思わず机を軽く殴る。流石に入学して半年も経たずに退学はダサ過ぎる‼︎

 

 

「Fuck‼︎」

 

「口が悪いぞ。剛力」

 

「おFuckですわ‼︎」

 

「……気色が悪いぞ。剛力」

 

「後半ただの悪口じゃねーかこの野郎‼︎」

 

「あ、姐さん‼︎ 落ち着けって⁉︎」

 

 

思わず立ち上がって噛み付くも焦った様子の橋本に止められる。クソッ……ムカつくのは確かだがここで暴れても碌なコトにはならねーよな。

「ハアアァァ」とデカい溜息着いて机の上で項垂れた。マジでどうしよう……?

 

 

「剛力。それから勿論、他の生徒達も良く聞きなさい。君たちはAクラスに選ばれた優秀な生徒達だ。中間テストまであと3週間。君たちが力を合わせれば誰一人として赤点を取らずに試験を乗り切る事が出来る筈。私は、そう確信している。実力を示す最初の試練だと思い、全力で励みなさい……」

 

 

真嶋のオッサンがなんかごちゃごちゃエールみたいな台詞を言っているけど正直、机の上でチーズみたいにへばり付いている俺の耳には聞こえなかった。

ボンヤリした頭で前を見ると葛城や有栖がセンセーに何やら質問している姿が見えるも、どうにも頭に入って来ない。

 

……マジでどうしたもんかなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、姐さん。大丈夫か?」

 

「……大丈夫に見えるかよー」

 

「いや、見えない……あの、何つーか、元気出してくれよ? まだテストまでは時間あるんだし、な?」

 

 

長ったらしいホームルームが終わり、1時間目が始まるまでの15分程度の空き時間。

橋本が不器用ながらに元気づけようしてるんだろうな、俺に恐る恐るって感じで声を掛けて来た。

 

 

「幸いウチのクラスには勉強が得意なヤツが多いし、姐さん1人教えるくらいワケないって」

 

「そーかもだけどよー」

 

 

確かに入学当初の俺ならともかく、今ならクラスメイトとはそれなりに仲が良くなっている。葛城も有栖も頼めば勉強ぐらい教えてくれるだろう。

だがクラスの連中に勉強を教わるのも、それはそれで問題がある気がするんだよなー。

 

 

「ぶっちゃけ派閥のゴタゴタに巻き込まれたりは嫌なんだよなー」

 

「いや、まあ気持ちは分かるけどさ」

 

 

現に前を向くと、もはや日常と化した風景がある。

つまり葛城派と坂柳派の各派閥にパックリ別れた集団が、次回の中間テストや今後の生活方針についてを真剣な顔して話し合っているワケ。

こんな状態でノコノコどっちかの派閥に勉強教えてー。なんて言っちまえばそのまま派閥の一員に飲み込まれちまいそうなんだよな。

 

 

「嫌いなんだよなー、政治の匂いは。小難しくて、おハイソな気がして、寒イボが立っちまうぜ」

 

「うーん俺もある程度は勉強出来るから、それなりになら教えられるけどよ。でも、流石に今の姐さんの立場なら、なり振り構っている余裕は無いんじゃないか?」

 

「まあ、そーなんだけどよー」

 

 

ハァ……なんかメンドクセー学校に来ちまったなぁ。ぶっちゃけ退学したところで何が困るってワケでも無い。国に帰れば仕事は腐るほどあるし、言っちゃ何だが日本のエリート企業の上役以上に稼いでいる自覚もある。

でもプライド的に考えて、バカ過ぎて半年も経たずに退学になりましたー。なんて屈辱過ぎる‼︎

 

 

「それにしても‼︎ Dクラスはヤバイですね葛城さん‼︎ たった1ヶ月で0ポイントって信じられない不良品っぷりですよ‼︎」

 

 

 

そんなこんなで頭を抱えている時、葛城派の集団から大声が聞こえた。ヒョロリとした体躯に緑がかった短髪。常に葛城の側に控えているアイツは戸塚だったか。

そんな戸塚の言葉で思い出した。Dクラスの京介。アイツは多分、俺以上に落ち込んでるんじゃないだろうか?

 

 

「あんま人のこと心配する余裕も無ぇけど、京介のフォローもしてやんなきゃな」

 

「ああ、例のDクラスの姐さんの親友? 確かにいきなり0ポイントはキッツイだろうな」

 

「授業態度のよろしく無い俺の言えたコトじゃねーけど、学級崩壊状態で授業がまともに聞こえなかったんだってよ」

 

「うわぁ……そりゃ酷いな。真面目に授業受けたい奴からしたら地獄みたいな環境だな」

 

「アイツ気が小せぇし泣き虫だからなー。飯ぐらいは奢ってやらねーとな」

 

 

何つーか、このクラス分けもだいぶ理不尽だと思う。

俺みたいなバカで粗暴なヤツが優秀なAクラス。京介みたいに真面目で可愛らしいヤツがDクラス。

そりゃ、京介自身も自分で勉強も運動も苦手って言ってたから仕方ないのかも知れないけどよ……だからって学級崩壊してるようなトコに真面目ちゃんを放り込むのは酷いだろう。

 

 

「俺、トイレから戻る時にたまたまDクラスの近く通ったんですけど、酷いもんでしたよ‼︎ 授業中なのに休み時間以上に五月蠅いんですよ⁉︎ 不良品の集まりっていう先生の説明聞いて、ようやく納得しましたよ‼︎」

 

 

まあ、クラス単位の評価。しかも連帯責任で、一々個人の適性や性格なんて見ていられないんだから仕方ないんだろうけどな。

 

 

「……にしても何で俺がAクラスなんだ? 普通に考えたらバカなんだからDクラスだろ?」

 

「いや、姐さんの人間離れした運動神経を見ておいて劣等生扱いは無いでしょう。俺、完璧にスポーツ特待生か何かかと思ってたし」

 

「単純な学力だけで判断してないワケね。有難いような、迷惑なような……」

 

 

 

例えば今騒いでいる戸塚の小テストは65点。

運動神経が比較的優れてる鬼頭や真澄は70点。

単純な学力だけで分けているワケでも無いのは何となく分かる。

にしても、俺みたいなバカが秀才の集まるクラスっていうのは違和感しか無ぇんだけど。

まさかとは思うが、パパンが金積んで裏口入学とか……無いか。あの人、そーいうの嫌いだし。

 

 

「俺、Aクラスで良かったですよ。あんな不良品共と同じ教室ならまともに授業も受けられなかったですよ、きっと‼︎ おまけに今こうして、全クラスにポイントが0になった事を知られてる訳でしょ⁉︎ 俺だったら恥ずかしくて自主退学しますよ‼︎」

 

 

自主退学……大丈夫だよな? 流石に京介もそこまで思い詰めて無いといいんだが。

とりあえず今日の昼食の時に話でも聞いてやらなきゃな。

 

 

「全く。これから不良品共はどの面下げて生活していくんですかね?」

 

「弥彦。そこまでにしておけ」

 

「あ、すみません葛城さん。まあ、不良品共の事なんかどうだっていいですよね」

 

 

 

どうやら騒いでいた戸塚を見かねたのか、葛城が軽く窘めた。まあ、下を見て安心したい気持ちも分かるが確かに大声で騒ぎ過ぎかもな。

坂柳派どころか葛城派の人間の一部すら迷惑そうに睨んでいる。やれ、リーダー様も大変だねぇ。

 

 

「どうせDクラスに入ってる奴らなんか」

 

 

あーあー。橋本の意見の通り、派閥だ政治だって嫌がってないで妥協するべきなのかなー?

そうするとどっちの派閥にお世話になる方が良いんだ?

葛城は人徳で。有栖は智謀で人を集めてる感じなんだよなぁ。

 

 

「揃いも揃って」

 

 

性格的には葛城は嫌いじゃ無いし、堅物だけど頼りになるヤツだと思う。

有栖は頭が良過ぎて話が合わないからな……でも本人は妖精さんみたいに可愛いし、何より愛しの真澄もいるし……

 

 

「どうしようもない屑ばかりでしょうしね‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今なんつったゴラァ……!?

 

 

 

 

 

.




あと2話ぐらい書いて、もう一つの方に集中したいなぁ。と。
感想、評価、すごくうれピィ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。