ロキファミリアの4人目   作:暇人M.MAX

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だいぶ端折ってます。
リハビリで描いたます。


ファミリア生誕
小人族との邂逅と発足


世界を放浪して早数年。

異世界転生したので世界を旅したいと思った。

しかも、エルフに転生したので時間は有り余るぐらいある。

閉鎖した里を抜け出し自由気ままに過ごしてきた。

旅を続けてきても満たされないこの身は何を望んでいるのだろうか。

旅を続けて気づいたことがある。

この世界は異世界でも、ダンまちの世界だということに。

 

「今日も鍛錬かフィン?」

 

「ああ、アリス。今日は神探しだよ。鍛えれる限界までは鍛えたつもりだ。あとは名を上げるだけだ」

 

農村プレブリカで出会った黄金色の小人族、フィン・ディムナと出会った。

ロキファミリアの団長となる男性は14歳。つまり、原作の20年以上も前になる。

なんで、こんな中途半端な時期に転生したのやら。ちなみに私は14歳です。村を飛び出したのは10の時。

同じ宿屋に泊まっているため顔を洗いに宿の裏手にある井戸

まで来たら先客としてフィンがいた。

 

「それなら今日近くの森で光の柱を見た。あれは神が降りてくる時か、帰る時のものと酷似してた。もしかしたらもう村の中にいるかもしれない」

 

「それは良い知らせだ。親指も疼いてるから当たりかもしれない」

 

「頑張りたまえ。私は森で狩りをしてくるよ。メリサに兎の肉を頼まれてね」

 

「なら今日の晩御飯は期待できそうだね」

 

軽く話それぞれの目的地へと向かって別れた。

 

●●●●●

 

兎を数匹狩り、血抜きと解体を済ませて村へと戻り目的の酒場に足を踏み入れた。

 

「だひゃひゃひゃひゃひゃひゃー‼︎」

 

店に入ると下品な笑い声が聞こえてきた。

 

「あっ、アリス。いらっしゃい」

 

「ああ、メリサ。これ頼まれてた兎肉だ。それよりなんだこの騒ぎは」

 

私は兎肉をメリサに渡してこの喧騒の理由を問いただす。

 

「あ、ありがとう。フィンが念願の神様を連れてきてね。フィンの話が面白かったらしくて大笑いしてるの」

 

「へぇー、ちょっと挨拶するかな」

 

「フィンならあっちの席よ」

 

メリサはフィンのいる方に指を指す。私は礼を言ってフィンがいる方へと足を運ぶ。

 

「やぁ、フィン。どうやら神を見つけたらしいな」

 

「今朝ぶりだねアリス。君の言った通り、まだファミリアを作ってない神を見つけてね」

 

「それはよかった。しかし、その女神が君の主神か?」

 

「いや、まだ入団を認められてなくてね面談中と言ったところかな」

 

雑談をしている中、先ほどまで大笑いしてた神、ロキは私の方を見て固まっていた。

 

「び」

 

「「び?」」

 

「美少女エルフ来たーーーーーーーー‼︎」

 

この酒場にいた全員が耳を塞いだ。

 

●●●●●

 

「なぁなぁ、アリスたんもうちのファミリアに入ってぇな」

 

同じ宿屋のため帰り道は一緒になる。その際に、私はロキに絡まれていた。

 

「生憎だが、誰かに束縛される気はないんだ。他を当たってくれ」

 

「そう言わずに、今ならうちを独り占めやぞ」

 

「君には先約のフィンがいるだろう」

 

「フィンは男や。うちは女の子に興味があるんや。男女は別の部屋に寝泊まりするやろ。なら夜はうちとアリスたんの2人っきりや」

 

原作で知ってたが、無類の女好きロキはしょっちゅう好みの子を勧誘しているらしい。私もどうやら彼女のお眼鏡にかなったらしい。嬉しくないが。

フィンは苦笑いしながら着いて来ている。

 

「はぁ、ファミリアに入るつもりはない。世界を旅してる途中だし、フィンの野望も知っている。最終的にオラリオに住み着くなら世界を見て回ることはできないだろう」

 

「ええやんか、いつかはオラリオに行くけどすぐに行くわけじゃないし」

 

「入らないったら入らない」

 

宿屋に着くまでこの話は平行線を辿り続けた。

 

●●●●●

 

フィンが恩恵を受けた次の日。

私とフィン、ロキは近頃モンスターの動きが活発になっていて困っていると商人から依頼を受けて山の中腹まで来ていた。

 

『グガァ⁉︎』

 

フィンから放たれた一閃によりモンスターは絶命する。

何度かフィンの戦闘を見てきたが、これまでとは比べ物にならないほど冴えていた。

 

「これが『神の恩恵』か、なるほど良いね」

 

フィンは腕試しのためモンスターの群れを相手に戦い続ける。

 

「凄まじいな、これが恩恵の力か」

 

私はその光景を見ながら戦慄する。

故郷の森はモンスターが発生しやすい、そのため里の戦士たちも十二分に強かった。しかし、その者たち以上に今のフィンは強い。

 

「いーや、うちらの恩恵は促進剤。ただのきっかけに過ぎん」

 

「つまり、どう言う意味だ」

 

「あれらはフィンの中にあった可能性や。本来なら目覚めるかも分からなかった力。うちはそれをちょっと叩き起こしただけや」

 

私はロキを守りながらフィンの戦闘を見守り続けた。

 

●●●●●

 

戦闘は終わりフィン達と雑談をしながらモンスターの処理をしていく。魔石を取り出して、灰の中からドロップアイテムを取り出す。

 

「しかし、アリスたんも強いな。恩恵を授かっていないのにかなり戦えるやん」

 

「私の里は辺鄙でな。モンスターが生まれやすい。人類の生存域の境界線ギリギリに位置してる。そのためか里のエルフはそれなりに強いんだ」

 

「ん?うちあんまり下界に興味なかったからそう言う情報に詳しくないんやけど」

 

私の話をいまいち理解できずに首を傾げるロキ。そんなロキに助け舟を出すフィン。

 

「エルフの里はウィーシェの森を除いて普通は排他的でね。森の奥地に里をつくり外部との接触を極力控えてるんだよ。だから、あんまりエルフの里の情報は少ない」

 

「フィンの言う通りだ。外の人間を近づけさせず限られたやり取りで済ませている。私の里は物心つくと訓練を積ませる。5歳で戦場に立たされ、10を超える前に死ぬ子供が多い。」

 

「5歳って、どんだけ戦闘集団なんや。でも、なんで里を抜けたんや?」

 

「戦闘の度に誰かが死ぬ。話したことのない同胞が死んだ、少し挨拶した者が死んだ、友が、親が、兄弟が、大切な仲間が死んだ。それでも外部に助けを求めない同胞達、そんな毎日に嫌気がさしたのか、それとも恐怖したのか。今では思い出せないが、外の世界に興味があったのも事実だったしね」

 

少し辛気臭い話になってしまった。話題を変えるためにフィンへと話をふる。

 

「それよりも、フィン。どう思う、このモンスターの異常に」

 

「多種のモンスターが多すぎるね。同一種なら納得が行くんだけど」

 

「縄張り争いか、それとも」

 

「「強大なモンスターによって群れが率いられてるか」」

 

大きな音がこだまする。

私とフィンは急いで崖を駆け上がり音の発生源を確認する。

村の方から煙が上がっている。

城壁は破壊されモンスターが雪崩れ込んでいる。

 

「どうするんや?」

 

ロキは私達に問う。

 

「「そんなの決まっている」」

 

私とフィンの声が重なる。

 

「「行こう。村を救ける」」

 

●●●●●

 

急いで村へと戻る。

メリサが襲われそうなところを間一髪でフィンが助けた。

 

「これは手遅れだな。住民の避難が済むまで持ち堪えるしかないなフィン」

 

ここにくるまで何体ものモンスターを屠ってきた。それなのに一向に減る気配がない。いずれこちらが消耗して負けるのは目に見えてる。

 

「何を言ってるんだい、アリス。モンスターを殲滅する。これは決定事項だ」

 

後ろ向きな私の意見に反対するフィン。

敗北必須なこの状況にフィンはただ1人勝利を見据えていた。

 

「待って。フィン!」

 

そんなフィンを止める声を発するメリサ。

 

「先に行ってる、フィン」

 

私は駆け出す。幼き頃から繰り返してきたモンスターの殲滅。この世界に転生して絶望した。物語で見た華やかな世界とは違い破滅に向かう灰色の世界だった。故郷は破滅を食い止めるために戦う戦場。里を抜け出し平和な街を見つけた。その街へ二度目の訪問をするとモンスターに滅ぼされていた。

旅を続けために道を歩けばモンスターに襲われる。

どこにも平和は無く、力なき者は淘汰され涙を流す。

行く当ても無く彷徨ってこの村へと来た。そして、光に出会った。

 

『こんな小人族ごときに後れを取って良いのかい?異種族の同胞達よ』

 

貧弱であるはずの小人族の発破を聞いた。

いずれ最強の長となる勇者と出会った。弱さを知り、絶望を知り、恐怖を知っているはずの男はそれでも勇気を手放していなかった。

状況は一変した。フィンの鼓舞により立て直した戦士達はモンスターを確実に倒していた。戦力は拮抗したように見えた。

 

「う、うぁぁぁぁぁー!」

 

悲鳴が響いた。

6メートルを超える巨体が1人の戦士を投げ飛ばした。

一撃が多くの戦士達を屠る。

あれを倒さなければ勝利は無い。しかし、倒す手段が無い。

黄金の光が赤い小さな光を放ちモンスターへと突進する。

 

「フィン!」

 

いつもの冷静なフィンと違い。荒れ狂ったようにモンスターを殲滅する。

絶望に見えた巨大なモンスターを追い詰め。多くのモンスターを屠る。

しかし、爆炎がフィンへと襲いかかる。

 

「なっ⁉︎フィン⁉︎」

 

フィンの激変により勝ったと思った。

じきにモンスターは倒し尽くせると、そう思ってしまった。

 

「飛竜だと!なんでこんなとこに!」

 

里でも数えるほどしか見たことのない強敵。

しかも、数が尋常ではない数十匹の群れ。

 

「竜の谷からだいぶ離れてるぞ。神の眷属達は何をしている」

 

地上にて竜種が発生しやすい場所、竜の谷。

そこは地上に多くの被害を与えている場所と言ってもいい。

神の眷属達が常に警戒をしていると聞いている。何匹かは取り逃しているのだろうがあの群れは多すぎる。

本来ここにはいるはずのない強敵。ダンジョンのモンスターではないとはいえポテンシャルは高いモンスターの群れを相手に消耗し切った戦力ではジリ貧だ。

フィンも辛うじて塞いだようだが所々怪我が見られる。

 

「ちぃ⁉︎このままでは全滅だ」

 

私は逆転の一手を見出すため、とある人物の元へと走り出す。

 

●●●●●

 

「ファミリア結成からヘルモードすぎんか?なんやねん、初っ端から飛竜って。天界でのうちの行いが災いしたと考えても不幸すぎるやろ」

 

巨体のモンスターをフィンが魔法を使って倒し歓喜したのも束の間に飛竜によるブレスがフィンを襲った。

フィンの凶戦士化に恐怖していたメリサはその光景に絶望していた。

ロキもまた、フィンの敗北を予期した。

 

「ロキ!」

 

「アリスたん、どないしてこっちへ⁉︎」

 

前線で戦っている筈のアリスの来訪に驚く。

 

「空を飛ぶ飛竜に逃げることは出来ない。あれを倒さなければ全滅だ。戦力の要であるフィンも空を飛ぶ相手には槍の投擲以外手が出せない。それをするにも数が多すぎる」

 

「そんなのわかっとるわ!」

 

事実を突きつけられてロキは叫ぶ。

退屈な天界を去り、未知を求めて下界へと降りてきた。しかし、こんなヘルモードを味わうために来たわけでもない。

 

「ああ、ジリ貧だ。だからギャンブルだが、逆転の一手が欲しい」

 

「?自分、何言ってるんや?」

 

「魔法だよ、ロキ。私に恩恵を授けてくれ」

 

「⁉︎」

 

唯一の打開策は広範囲高威力魔法での一網打尽。

それが、アリスが出した答え。

 

「でも、確実に魔法が目覚めるか分からんで?」

 

「ああ、たしかにギャンブルだ。しかし私は魔法種族であるエルフだ。魔法を発現する確率は高い、あとはこの戦場を打開できる魔法であるかだ」

 

「良いんかうちで?」

 

「構わない」

 

「なら場所も選ぶ時間はない。はよ背中をみせい」

 

早速、恩恵を授ける準備をする。

ロキは指に針を刺し血を出す。アリスは背中をはだけさせロキに背を向ける。

 

(フィンも希少だったけど、アリスたんはフィン以上のレアものや、魔法が3つ発現にスキルも複数所持やと)

 

刻まれたステータスに驚愕するロキ。

魔法種族であるエルフでもせいぜい一つの魔法の発現が当たり前、なのにアリスは最初から3つ発現していた。それも3つともチート級のレアマジック。

そして、スキルもレア中のレア。

 

(直接的な攻撃魔法はないけど、これならこの戦場を打開できる。何より、この魔法はとってもうちの眷属らしいやん)

 

「ええか、アリスたん。ステータスを映す暇はないから、あの飛竜の大群を思い浮かべて、うちの言葉に続けて言うんやで」

 

「ああ、わかった」

 

3つのうちの一つ。この戦場を打開するための魔法をロキは選択する。

 

「創生」

 

「創生」

 

ロキの言葉に続けて詠唱。

超短文詠唱と呼ばれるそれはたったの二言。

 

『オフレスキャ・レイコウス』

 

紡がれた魔法は、怪物創造魔法。

自身の思い浮かべた怪物達を魔力によって形成する魔法。

アリスが創造するは飛竜の大群。

本来なら精神力が足りずに不発に終わる筈の魔法はレアスキルによって精神力の消費を限りなく抑えている。

 

異界精神(エリアン・スピリッツ)

転生者たるアリスは世界を超えた強固な魂を持つ。故に、他の者達よりも強固な精神を併せ持つ。

アリスとその他の精神力とは質そのものが違う。本来なら消費する筈の精神力を大幅に削減できるレアスキル。

 

「行け、飛竜」

 

アリスは自身が作り出した飛竜達に命令を下す。

飛竜達へと襲いかかる。飛竜対飛竜により空の対処は済んだ。後は地上のモンスターのみとなる。

ロキとアリスはフィンへと目を向ける。

そこには苦戦しているフィン。魔法の効果は切れており、先ほどのブレスにより穂先の折れた槍でなんとかモンスターを倒している。

 

「ロキ、他に魔法はないのか⁉︎」

 

「あるで!次は最強の槍を思い浮かべるんや」

 

「「創造」」

 

思い浮かべるは前世で観たアニメの青い槍兵が持つ真紅の槍。

 

『スミーダ』

 

武器創造魔法。

自身が思い浮かべる武器を魔力にて形成する魔法。

第一級武器、特殊武器、異界の武器だろうと作り出す。

 

「受け取れ、フィン!」

 

ありったけの力でフィンへと投げつける。

 

●●●●●

 

ジリ貧だ。

空にいる飛竜は仲間割れをしたのか飛竜同士で争っている。

状況は振り出しに戻った。魔法は切れた、武器は破壊された。それでもなんとか喰らいつける。しかし、倒し切る前に他の者達が死ぬ。

 

「受け取れ、フィン!」

 

はるか後方からアリスの叫び声が聞こえる。

それと同時に飛来する魔槍。咄嗟に身を翻しながらそれを掴む。

少し、長いが扱えないほどではない。ましてや、今まで使ってきた槍とは比べ物にならないほどの業物。持っただけでわかる。これはただの槍ではないと。

 

『グガァーーーー!』

 

2体目巨体のモンスター『アイレン』が雄叫びを上げた。

絶望に続く絶望。モンスターの大群、モンスターを率いる強敵、竜種の強襲、そして2体目のラスボス。まさに絶望的な試練。

1人ならフィンはここで詰んでいた。だが、フィンは1人ではなかった。魔槍からアリスの魔力を感じている。

 

「その槍の名前は『ゲイ・ボルグ』、真名を叫べば力を発揮する」

 

(僕は君と出会えた幸運に感謝するよ。ここから始めよう、僕たちの英雄譚を)

 

アイレンの猛攻を交わしながら前へと進む。

 

「貫け!『ゲイ・ボルグ』!!」

 

必殺の一槍。

赤い光が穂先に集中する。

自身を殺しうる一槍にアイレンは回避しようとする。

ステータスを強化してないフィンの動きならアイレンは躱せる筈だった。

 

『グガァ⁉︎』

 

しかし、躱したはずの一槍がアイレンを刺し穿いた。

因果逆転の一槍。当たったと言う事象を先に決めつける必中の槍。それがゲイボルグの真価である。

 

モンスターは全滅しアリスが創り出した飛竜も消滅する。

フィンの手にあった槍も消えた。

 

●●●●●

 

あの後、フィンは何も言わずに村を出ていた。

ロキと私はフィンの後に続き村を出た。

 

「よかったのか、フィン?」

 

あの戦闘の後、私達。フィンに向けられたのは賞賛ではなく畏怖だった。

フィンが魔法を使った後の戦闘はまさに凶戦士そのもの。英雄譚で語られるような華やかさはなく、泥臭さもない虐殺に近いそれは人々を恐れさせるには十分だった。

怪物を創り出した私にもフィンほどではないが畏怖を向けられた。

 

「良いんだ、アリス。僕が居たらかえって気を使わせるからね。このまま次の村、あるいは町に向かうよ」

 

「そうか。なら、私も同行させてもらおう」

 

「?良いのかい?」

 

「ああ、何よりロキの恩恵を受けちゃったからな。最低でも一年は同行するよ」

 

「そうかい。なら改めてよろしく、アリス」

 

「ああ、よろしくフィン」

 

「うちもよろしくな」

 

「「ロキもよろしく」」

 

握手を交わす私達。

 

この出会いは果たして良運だったのかは分からない。本来の未来とはかけ離れた結末を迎えるかもしれない。それでも、私はこの出会いが終末を防ぐ希望の一欠片だと信じている。

世界は滅亡へと歩んでいる。今の平和は紙一重でいつ崩れるか分からない。プレブリカでの戦闘で少なくない死者が出た。共に酒を飲んだ者がいた、共に語らいあった者がいた。

明日死ぬのは自分か、それとも大切な者か。

死ぬのは怖いし、誰かが死ぬのは見たくない。

でも、今日確かに希望を見た。勇気という、光を見た。

今は小さな光かもしれない。でも、勇気と言う病に魅せられた猛者達が奮い立ち明日へ駆け出す。

 

「英雄の船、アルゴノゥト」

 

「「?」」

 

「なんでもない」

 

唐突な呟きに2人は首を傾げる。

フィン、貴方は英雄候補として名乗りをあげた。そして、今日確かに英雄の片鱗を見た。その勇気は人工なのかもしれない、偽物なのかもしれない。でも、今日貴方の勇気に魅せられて突き動かされた者達が確かにいた。次代の英雄は君なのか、それとも今日の猛者達の誰かか。でも、その英雄の中にもきっと君が持つ勇気がある筈だ。

勇気に偽物も本物も関係ない。

アルゴノゥトという光に魅せられて英雄達は生まれた。

なら、フィンと言う勇気が新たな英雄を生むかもしれない。

最後の英雄は、未知か勇気、風、猛者、それ以外なのか。

私には分からない。それでも確かに勇気と言う光は明日へと向かって走っている。

 

1人は一族の復興のため。1柱は未知を求めて。

そして、私は明日へと向かって旅立った。

 




もし、フィンがメリサと結ばれたらティオネはどうしたたのだろう。
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