【リメイク更新中】ウルトラ世界で星を狩る蛇【こっちは未完】   作:Emerihhi

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今回は導入のようなものなので、本格的な始動は次回からになります。

始めに言っておきますと、主人公の意識は3:7で日本人:エボルトです。
そこそこエボルトみが強いです。序盤では外道度が低めってのと原作知識ぐらいしか成り代わり要素は出てきません。

それでは、お楽しみいただけると幸いです。


序章
第0話 墜落


失敗した。

 

その言葉だけが脳内を駆け巡る。

みんなみんな消えてしまった。

俺だけがみっともなく無様を晒してなお生きている。

パンドラボックスを片手に宇宙を走り、ブラッド星から遠ざかる。宇宙一つまらない星だとまで思っていた、たった1つの故郷から。

 

逃げるしかない。今の俺に勝ち目はない。

 

わかってる。それでも俺は勝たなきゃいけなかった。

だって、俺だけがキルバスの異常性を知っていたのだから。

 

別に止めなくてもいいんじゃないか?

どうせ勝てないんだ、俺は俺で好きにすればいい。

ああ、そうだ。止めなければいい。そう思ったことだってある。

だが放っておけば最後に待つのは宇宙の消滅。

やるしかない。

 

俺にしかできなかった。

俺にしかできないことだった。

これこそが俺が生まれてきた(エボルトに成った)理由なのだと、遠い記憶が訴えていた。

 

『やめろクソ兄貴!』

『エボルトか…お前が俺に勝てると思うのか?』

『いいや。でもなァ、もうやるしかねえんだよ!』

 

また負けた。勝てなかった。逃げるしかなかった。

フェーズ4が保てる内にブラックホールで離脱する。それしかなかった。

 

『…あばよ、クソ兄貴。できれば二度と会いたくねえ』

 

エボルトリガーが火花を散らす。キルバスとの戦闘で壊れたか。だが今は駄目だ。後少しでいい、もう少しだけ持ってくれ。必死に思うも、その願いは届くことなく、エボルトリガーは端から少しづつ石化していく。不味い、堕ちる。

 

パキン…!

 

近場の惑星に着陸しようとするも間に合わず、ついにエボルトリガーが完全に石化。フェーズ1:コブラフォームまで逆戻りし、俺は飛行能力を失った。もう動く気力さえない。後はは慣性と引力に導かれるまま、どこへ向かうかもわからない旅路に出るだけ。俺にできることと言えば、キルバスに出会わないよう祈るくらい。

…終わった。ここまでか。

まだ何もできていないのに俺は。

まだ俺は…!

 

目の前が真っ暗になる。

視界が黒に染め上げられる直前、エメラルド色に輝く星が見えた。

それが最後だった。

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

光の国の発着スペース。

本来であれば光の国の住人や外交などで稀にやってくる宇宙人たちが使用するその場所へ、ウルトラマンゼロはいた。久しぶりにウルトラの星へ帰ってきたゼロは、まず宇宙警備隊本部に顔を出そうとし―――しかしふと足を止め、空を仰ぐ。

 

「…ん?」

 

雲などあるはずもないその空に浮かぶ黒い点。それは徐々に大きくなり、こちらに近づいてくる。

すわ襲撃かと身構えたとき、よく見るとそれがヒトの形をしていることに気づく。

 

「なんだアレ…人か!?」

 

地球人と同じくらいの大きさのそれは重力に引かれ、速度を上げながら落ちてくる。もはやそれは小さな隕石と変わらず、地表へぶつかれば少なくない損害を与えるだろう。しかし光の国の近くには隕石になり得るものはなかったはずだが、という考えが頭をよぎるも軽く首を振ってその考えを打ち消す。

まずはアレを回収するのが先だ。

このままだと地面へ激突する衝撃であいつも傷を負う。最悪死ぬかもしれない。

ゼロは空へ飛び立った。一度それを追い越す高さまで飛び、すぐさま身を翻してそれへ追いつく。

そして今なお落下を続けるそれを優しく手で包み、ゆっくりと速度を落としていく。

そうして地面ギリギリで止まった後に手を開くと、その中にはやはり人がいた。

 

(こいつ、どっかで見た気がするんだよな…)

 

謎の既視感に苛まれながらも、ゼロは予定を変更し、まずはクリニックへと足を向けた。

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

「彼はブラッド族ですね」

 

唐突なゼロの来訪に一通り驚いた後、ひとまずの処置としてそれにエネルギーを与え、念の為治癒カプセル(2~3m用)に入れるとウルトラの母は言った。

 

ブラッド族。別名を星狩り族とも呼ばれる悪名高き宇宙人。

その小さな体に見合わず、彼らの力はウルトラマンを相手取ることも可能なほどに強い。

となると携えていた箱は惑星破壊兵器の”パンドラボックス”か?

自分はとんでもないことを仕出かしたかもしれない…と血の気が引いていくゼロ。それを眺めつつ、母は笑う。

 

「大丈夫。ゼロは何も間違ったことは…」

「おい」

 

誰かに横槍を入れられ、文句を言ってやろうと横を向くとそこには誰もいない。どこにいるんだとあたりを見回していると、ここだ、こっちだ、と声がする。声に言われるままに顔を右へ、下へと動かすと、自分の足元にそれはいた。

 

赤を主体に青と金で装飾された肢体。サイズはやはり人間大で、ところどころに星に関連するモチーフがあしらわれている。顔の意匠は牙を剥く蛇を思わせ、低く地を這うような声も相まってこの男の第一印象は完全に”蛇”で固定された。いつの間にやらカプセルから抜け出していたらしい。

 

「お前、あんだけ怪我しといてもう歩けるのか!」

「まあな。ウルトラマンゼロ、お前がいるってことはここはウルトラの星か?…なら都合がいい」

 

一気に緊張感が高まる。一体何をする気か。母を背後に庇い、構える。

 

(ブラッド族はある種のウルトラ族の天敵とまで言われる。俺一人で戦えるか?確か、ブラッド族を相手取るとき警戒すべきはサイズ差と憑依能力。とにかくまず母を逃して――)

 

「頼む!俺に壊していい惑星をくれ!!」

 

予想の斜め上を行く行動に思考が止まった。

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

「頼む!俺に壊していい惑星をくれ!!」

 

もうこれしか方法はなかった。

俺は進化しなければならない。

だが今の俺は宇宙警備隊に目をつけられると困る。

新兵ならまだしも、ベテランや幹部クラスが来ると最悪逃亡もできずに死ぬ。

なら、もう宇宙警備隊自体に惑星破壊の許可をもらうしかない。

 

この際言ってしまうが、俺は宇宙警備隊が嫌いだ。

いつもいつも俺の邪魔をしてくるあいつらが嫌いだ。

それでも俺は頭を下げる。

俺は生き残らなければいけない。

キルバスを殺すまで死ねない。

もっと強く。もっと進化する。

 

一か八かだ。

 

俺はエボルトに成った。

だから、俺がキルバスを倒す。

 

それが、俺の”仮面ライダー”としての使命だ。

 

 

蛇は覚悟を決めた




次回、エボルトDOGEZA!デュエルスタンバイ!

今作ではエボルトを”男”と表記することがあります。
公式では性別不明となっていますが、声色や口調が男寄りなのでウルトラの皆さんには男認識でいかせてもらいます。ゾフィーあたりは理解しているかもしれませんが、暫定的に男扱いをします。(単純に成主が男性ということもあります)

はい。
そういうことなので、次回をお待ちいただけると幸いです。
読んでいただきありがとうございました!

書溜めてたのはここまでなので、ここからは不定期亀更新になります。
どうか気長にお待ち下さい。

アルファベット表記の上にカタカナのルビは

  • あったほうがいい
  • 別になくてもいい
  • どっちでもいい
  • そんなことより続きかけコラ
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