【リメイク更新中】ウルトラ世界で星を狩る蛇【こっちは未完】 作:Emerihhi
エボルト「エボルト成り代わり転生者の俺、仮面ライダーエボルはエボルトリガーの力を失い、ウルトラの星へ墜落してしまう!」
ゼロ「俺が助けてやったのにお前、なんだよあの態度」
エボルト「いいだろ別に。俺今SAN値ピンチなんだから見逃してくれよ」
ゼロ「元気なのか重いのかわかんねえな。まあいい、ともかく」
「「どうなる第1話!」」
第1話 再起/交渉
「頼む!俺に壊していい惑星をくれ!!」
目の前のブラッド族は恥もプライドもかなぐり捨てて地面に頭を擦り付けた。
ガシャン、と身に纏う鎧が床とぶつかり硬質な音を立てる。
唖然とするゼロたちを置き去りに、男はなおも続ける。
「俺はブラッド族のエボルト。お前らと敵対する気はない。俺の目的は唯一つ、
人間驚きすぎると一周回って冷静になると言うが、それはウルトラマンも同じだったらしい。妙に冴えた思考の促すままにゼロは質問を重ねる。
「…本当に敵対する意志がないなら、俺の質問に答えろ。まず、お前はなんで光の国に来た?次に、どうしてそんなに傷ついてる?最後に、なんで俺たちに惑星をくれって言うんだ?ウルトラマンは神じゃない。俺たちは宇宙を好きにしていいような存在じゃない」
「わかった、答えればいいんだな?」
エボルトは存外あっさりと質問に応じた。むしろこの質問を待っていたと言わんばかりにスムーズに説明していく。
「1つ目の答えは事故で、だな。わざとこっちに来たわけじゃない。詳しいことは2つ目に関わるから今は飛ばして、このまま2つ目に答えるぞ?2つ目は…キルバスにやられたからだ。俺の場合、星間航行を行うには、」
「ストップ!ちょっと待て。そのキルバスってやつは誰だ?」
「俺の兄だよ。ブラッド族の王…まあもう国どころか星もないんだが。キルバスは俺とは違って破滅型の快楽主義者だ。俺たちの母星はブラッド星って言うんだが、それを滅ぼしたのもキルバスだ。俺はなんとか逃げ出したが、何人生き残ってるんだろうなぁ。多分俺以外は3人だけだと思う。…続けていいか?」
「いいぜ、続けろ」
「じゃあさっきの続きからだな。俺の場合、星間航行を行うには…」
エボルトが言うことには、キルバスを倒したいが現時点でエボルトは大幅に弱体化しており、まともに勝負にならないだろうと。よって力を取り戻す必要があるが、そのためには星を滅ぼさなくてはならない。すると宇宙警備隊に目をつけられる。弱体化した身では警備隊に勝てない。それではキルバスを倒せない。そして星間航行に必要なエボルトリガーが壊れた今、そもそも破壊すべき惑星に自力で移動できない。ならどうすべきか?
―――警備隊そのものに惑星破壊の許可を貰えばいいじゃないか!
とかいう頭のおかしい発想の元、この暴挙に出たらしい。そもそも下手な侵略型宇宙人より余程危険なブラッド族を宇宙警備隊がみすみす見逃すと思っているのだろうか。若干哀れみの混じった目で見下ろしてくるゼロにむかっ腹が立つエボルトではあるが、ここが耐え時ととにかく我慢する。
膠着状態に陥った状況に、一石を投じたのはウルトラの母であった。
曰く、戦う気がないのであれば、とりあえずゾフィーのところへ連れて行ってはどうか、と。相手がブラッド族である以上、最終判断はゾフィークラスでないと不可能だろうし、ゾフィーなら正しい判断を下してくれるだろうという母の言葉に、ゼロは半ば渋々ではあるが頷いた。
・・・
「ゾフィー隊長!こいつどうしたらいいと思う!?」
執務室に入ってきたゼロの第一声に、宇宙警備隊隊長ゾフィーは徹夜で回転が鈍くなった頭を入口の方へ向けた。
「ゼロ、”こいつ”って誰…」
「こいつだよ!ほら!」
そう言ってゼロが差し出した手のひらを見ると、そこにいた鎧のようなものに包まれた人の形をしたものがこちらを見上げ、軽く右手を挙げて言った。
「よっ」
鎧にもスーツにも見えるガワ。腰の部分にはレバー付きのベルト――確かドライバーと呼ばれていたはずだ――と、それに装填された2本のボトル。間違いない。星狩りとして有名なブラッド族だ!
ゾフィーは一度ソレを見ると、なんだただのブラッド族か…と言わんばかりに視線を外すが次の瞬間勢いよく顔を戻し、全力で首を振る。
「いやいやいやいやどうしたらって、倒すべきじゃないか?というかなんでここに連れて来たんだい?」
「そう言いたくなるのは分かるけど、ちょっと事情が…」
〜事情説明長いのでカット〜
「と、いうわけだから俺に惑星をくれ。この通りだ」
エボルト、二度目の最終兵器DOGEZA。自分の手の上でDOGEZAするブラッド族にさすがのゼロもどうすればいいのかさっぱりわからず、所在なさげにもぞもぞしている。
「…個人的には、要求を飲んでもいいと思う」
少しの沈黙の後、ゾフィーの出した答えは肯定。てっきり自分と同じで反対だとばかり思っていたゼロは、驚きのまま半ば叫ぶように問いかけた。
「なんでだよ隊長!こいつ放って置くと絶対ろくなことにならねえ!」
「警備隊の任務の内でも、惑星ごと破壊しなければならないというものは滅多ににない…逆に言えば、極稀にではあるが、そういう任務もある。その場合、ウルトラキーなどを持ち出さずとも惑星をまるごと破壊…もっと言えば、確実に消し飛ばせるのは私ぐらいだ。だが、いくら規模が大きいと言えどその都度隊長が席を空けるのは少し不味い」
「だからって、こいつを使わなくてもいいじゃねえか。もっと他に方法はねえのかよ?」
感情的ではあるものの間違ってはいない反論をするゼロに、話の流れに乗る…ように見えて割り込む形で張本人のエボルトが声をかけた。
「いいや、惑星破壊にかけて俺たち…ああ、もう俺入れて4人しかいないんだったか…まあいい、俺たちブラッド族の右に出る者はいない。表面をかっさらう文明滅亡からコアまで壊す完全破壊までなんでもござれだ。ハハ、即戦力として丁度いいと思うがなァ」
邪悪な笑いを交えつつ自らをプレゼンする男に、ゼロの感じていた嫌悪感が増していく。―――が、思わず怒鳴りそうになったとき、ゾフィーがいつもの微笑のままに言った。
「いい加減にその演技、やめたらどうだい?お互い腹を割って話し合おう」
「…フゥン、分かるのか」
「もとから知っているだけだよ。
「ンン、まァな。俺は生まれつき他の奴らより感情が強めらしい。特に”怒”と”楽”が」
テンポよく交わされる会話についていけず、この時点でゼロはエボルト置き台と化していた。
「見た感じだと”楽”というより”愉”の方が近い気もするけどね。…こちらのメリットは君という便利な惑星破壊装置が得られることと、我々にとって相手が難しいブラッド族に対しての情報提供、そして即戦力足り得る君自身。君のメリットは安全保障と弱体化からの回復かな」
「もう一つ追加だ。キルバスをこの手で倒せる機会が巡ってくること」
「…君たちは同族意識が薄いと聞いていたけれど、誤解だったかな」
「いいや、合ってる。…それが俺の使命だった、それだけだ」
「使命、ね。まあ深くは聞かないよ」
「話がわかるな、助かる」
ゼロが頭から煙を出している間にも話は進んでいく。メリットとデメリット、付随するリスク。少しずつすり合わせを行い、交渉は着実に進んでいた。
「…じゃあ、君が信頼を勝ち取るまで、君は私預かりとしよう。惑星破壊のときも、最初の内は監視と実際にブラッド族が星を滅ぼす工程の見学を兼ねて私がついて行こう。それで問題なくやっていけたら、おいおいにはなるが監視も緩めるよ。普段はここ、私の執務室に居てくれ。というより、私と行動するように。ドライバーとトリガー、だったかな。それは宇宙科学技術局で修理してもらうといい。私からヒカリに頼んでおくよ。その代わり、技術提供もよろしく。」
「仰せのとおりに、隊長サマ。」
「というわけだからゼロ、今日は帰っていいよ。その様子だとまだ母以外は誰にも会ってないんだろう?セブンも会いたがってたよ」
そう言われ、後ろ髪惹かれる思いでゼロは部屋の外へ向かう。
「じゃあ、また…あ、エボルトお前、暴れるんじゃねえぞ!」
「誰がそんなアホなことするかよ」
そうしてドアを閉めた。
・・・
これで、第一関門クリアってとこか。
だがまだ何も始まっちゃあいない。いうなればこれはスタートライン。最低限たどり着かなければいけない場所だ。
これからだ。これから始まるんだ。誰にも邪魔はさせない。
―――『プロジェクト・リビルド』、プランAの始まりだ…!
お待たせしました第1話です。
ぜんっっっっぜんエボルト視点なくてすみません。気づいたらこうなってました。許してください。
次回、エボルトはじめてのおつかい
〜手のつけようがない星を吹き飛ばせ!ドン引きゾフィー隊長を添えて〜
ちなみに:エボルトはブラッド族の人数を数えるとき、サラッとキルバスをハブりました。
アルファベット表記の上にカタカナのルビは
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あったほうがいい
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別になくてもいい
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どっちでもいい
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そんなことより続きかけコラ