【リメイク更新中】ウルトラ世界で星を狩る蛇【こっちは未完】   作:Emerihhi

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前回のあらすじ!

ヒカリ「エボルトがナイトティンバーを壊した」
エボルト「すまんと言ってるだろう。許してくれ」
ゾフィー「それと新発見がひとつ。エボルトのコーヒーは恐ろしくマズい」
エボルト「『えぇ!?アレ自信作だったのに…でも今度のは美味しそうだぞ?ホラ』」
ゾフィー「私は飲まない。騙されないからな!!」
ヒカリ「あの黒い恐怖…黒い、くろい…ウッ」
ゾフィー「ヒカリしっかり!!」
エボルト「『失礼だな…ホラ』」
ゾフィー「やめろ!!!!」
エボルト「仕方ねえな、どうなる第5話!」

今回エボルトがやけにしおらしいですが、『こんなのド外道害悪宇宙人エボルトじゃない!』と感じてもとりあえず最後まで読んでいただけると幸いです。理由はちゃんとありますので…


第5話 …おや!?エボルトのようすが…?▼

エボルトがウルトラの星に墜落してはや数カ月。

ナイトティンバーの件など多少のいざこざはあったが、エボルトは案外ウルトラの星に馴染んでいた。

ある者はエボルトのことを『知能と情緒が釣り合っていない。いたずらっ子って言うには年取りすぎだしな…愉快犯ってのが一番近いか?』といい、またある者は『本気で叱られないギリギリのラインを狙ってる確信犯だ。能力の無駄遣いってやつだな』と評した。人により多少の相違はあるものの、『恐ろしくマイペースで性格も悪いが、根は悪いやつではないのかもしれない』というのが多数派の意見だった。

そして、以外にもエボルトは、ゼロをからかって遊びつつもなんだかんだ助言を与えたり、兄の愚痴を言うタロウと盛り上がったり(エボルトの兄の所業は愚痴で済むような次元を超えているが)、ゼットをゼロにけしかけて遊んだり、ヒカリとろくでもない企みをしては実験に誰かを巻き込んだり(被害者はだいたいゾフィー)と、どこかいたずらっ子のような、抜けている面も併せ持っていた。

ゾフィー自身も警戒こそ解いていないが、絆されている自覚はあった。

そんなときである。

エボルトが『アンタたちは完全に信用できると判断した。まだ誰にも話していない秘密を明かしたい』と言い出したのは。

 

「…で?その秘密ってのは何なんだよ」

 

しびれを切らしたゼロが、いささか高圧的にエボルトに問いかける。

『誰にも話していない秘密』と言うだけあって、この会話は重要度・機密性ともに高い。執務室にはウルトラ兄弟を始めとした実力者たちが集まり、本人はこの場にはいないが、録音された会話はウルトラの父に届けられることとなっている。

そんな中でもエボルトは、いつもの態度を崩さなかった。まるで演説でもしているかのように手を広げると、エボルトは妙にもったいぶって話し始める。

 

「前にブラッド族は一人に付き一個ずつパンドラボックスを持っているって言ったな?アレは嘘だ。というより、半分ウソで半分真実、だな」

「なっ…!?」

「パンドラボックスはブラッド星の力の源――お前たちにとってのプラズマスパークだ。お前たちは狩り(・・)のたびにプラズマスパークを持ち出すのか?そんなわけ無いだろ、そんなことしてたら星が滅んじまう」

 

いつもどおりの、人を食ったような、相手を煽る態度。やたらと目につく大げさな身振りも、『狩り』というフレーズを使っているのもわざとだろう。このブラッド族は、時折相手を試すかのような言動を取る。

―――まるで、幼い子供が『試し行動』*1をするかのように。

兄に裏切られたエボルトは、自分を裏切らない、捨てない存在を求めているように思えた。

 

「俺たちブラッド族は、各々の狩り(・・)の前に自分の力でパンドラボックスを複製(コピー)する。もちろん質は下がるが、星1つを滅ぼす程度なら造作もない。…まァ、許容量を超えてエネルギーを吸わせればダメになっちまうが」

「………」

「だが、その程度だ。オリジナルのパンドラボックスは、質のいいエネルギーを大量に吸収させれば…そうだな、最高で超時空消滅爆弾と同等の威力を発揮する、と言えばわかるか?」

「超時空消滅爆弾だと!?それならパンドラボックスは…宇宙を!?」

「Exactly!消し飛ばせる。…そしてこれは、本物だ。」

 

そう言ってエボルトは、芝居がかった仕草でパンドラボックスを叩く。

それを聞いた後では、ガン、ガンと室内に響き渡る硬質な音すらもが恐ろしく感じる。ウルトラマン(自分たち)なら指で挟むだけで潰してしまえそうな小さな箱が、宇宙一つを消し飛ばせるなど――果たして本当に、そんな事があっていいのか?

 

「ありえない、いやそんなことあってほしくないって顔だなァ、ゼロ?」

 

なにが面白いのか、エボルトはケラケラと笑った。いつもなら怒るところだが、今はそれに文句を言う気にもなれない。

『超時空消滅爆弾』

アレと?アレと同じ威力と言ったのか?信じられない。信じたくない。

でも、エボルトが本気で不快感を感じさせるふざけ方をしている時は、本当のことを話しているのだ。愉快げな声色の裏、苛つきを煽る動作のその奥には必ず、決して揺らがない真実がある。

エボルトは、他人を揺さぶる時に限って、嘘を吐かない。ああ、なんてことだ。

つまりあの箱は本当に―――

 

「アンタたちに話したのは、絶対に悪用しないという確信が持てたからだ。俺を失望させてくれるなよ」

「当たり前だろ!俺たちはそんなことしねえ!」

「ああ、絶対に悪用しないと誓おう。書面が必要なら作るが?」

 

ゼロが食い気味に答え、ゾフィーが冷静に返す。

エボルトは自分の周囲を囲んでいる面々を見回し、誰もが真剣に話を聞き頷く様子を確認した。

 

「いや、いらない。その言葉が聞けただけで十分だ……ありがとな

「ん?なんか言ったか?」

「いいや、なんにも」

 

エボルトは『なにも言ってない』と言い張るものの、その顔は不自然に背けられている。

ゼロはそれを見てニヤついている。なんとこのウルトラマン、『なんか言ったか?』とか言っておきながら全てをガッツリ聞いていたのである。もちろん、エボルトが小声ではあるものの勇気を振り絞って言った言葉もしっかり聞こえている。

そしてゼロに聞こえているということは、他の面々にも聞こえているということで…

 

「なあ隊長今の聞いたか?エボルトが『ありがとな』って!」

「聞いた聞いた。彼もなかなか可愛いところがあるものだね」

「確かに聞いた。これが”つんでれ”とかいうやつか?」

「まってエース兄さんそれ誰に聞いたの?」

「ゼットに」

「アイツまた…!」

 

エボルトに聞こえないようコソコソと行われる会話に、先程の重々しさはもうない。

人の心を解さないエボルトに、少しずつではあるが確かな感情が、『心』が芽生えてきていた。

 

 

 

おめでとう!ド外道害悪宇宙人エボルトは

『ちょっとだけ良心がある性格が悪い宇宙人』に進化した!▼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”エボルトは、どこかいたずらっ子のような、抜けている面も併せ持っていた。”

 

本当に?

 

ベストマッチの法則に『好きなもの』と『それを殺す、または破壊するもの』を設定する者が?

言葉で人の精神を弄び、追い詰め甚振って楽しむものが?

 

 

”まるで、幼い子供が『試し行動』をするかのように。”

 

本当に?

 

『愛』を知らない、理解できない星狩りが?

ただの協力者、否、宿敵ですらあるウルトラマンたちに、『愛』を求めるのか?

 

 

”人の心を解さないエボルトに、少しずつではあるが確かな感情が、『心』が芽生えてきていた。”

 

本当に?

 

『心』というのはたった数ヶ月でそうも都合よく芽生えるものなのか?

それも、原作でもジーニアスフルボトルの効果でしか明確な感情を植え付けることが出来なかった、種族的に感情の薄い存在に?

 

 

 

 

 

『恐ろしくマイペースで性格も悪いが、根は悪いやつではないのかもしれない』

 

本当に、あなたはそう思う?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


プロジェクト・リビルド(プランA) 進捗状況

 

①信用を得る

(i)目指す印象は『悪戯好きの問題児、ただし悪人ではない』

 籠絡しやすい(チョロい)

  ・タロウ 

  ・父 

  ・母 

  ・ゼロ :勘がいいが問題なし

  ・A :タロウ・父を経由して順調

 ガードが固い

  ・ゾフィー(よそ行き口調が外れ気味、概ね計画通り)

  ・マン

  ・セブン

  ・ジャック

 要注意

  ・ゼット(本人及びナツカワ・ハルキは問題ないが、周辺が厄介。特に魔人と魔剣。慎重に)

 その他は追々

②アイテムの修理

(i)ドライバー最優先

  ※損傷状態から考えて、一度に吸わせるエネルギーは小惑星一つ分を限度とすること

(ii)次点でトリガー

  ※光線技を受けるのはリスクが高すぎる。ローリスク・ローリターンでいいから確実に

 

光の巨人ってのは騙しやすい。特に、光の国出身の奴らは。清濁併せ呑むタイプが少ない上に、併せのむべき”濁”に触れる機会自体があまりなく、どいつもこいつも純粋だ。どこまでも光を盲信し、闇の持つ可能性に気が付かない――気付こうとしていない。光の力(自分たち)は常に正しく、闇の力は悪であり、誤っている。そういう認識が無意識の内に根付いている。

ああ、なんて自分勝手なんだ。普段は散々『力は使う者次第』とか言っておきながら、闇の力が絡んだ瞬間口を揃えて否定しだすんだ――その闇と光を両立させてこそ、無限の可能性ってやつがあるのに!お前たちの信じる人間こそが、それを体現した生命体だってのに!

まったく、愚直と言うか、馬鹿というか。まァ、俺としちゃあ踊らせやすくて結構だが。

 

……知りたい。人間とほぼ同等の感情を持つこいつらが、この先どうなるのか。

こいつらは、いつ、どこで、どんな風に裏切ったら―――どんな状況で傷つけたら、最高の顔をしてくれる?

どうやって傷つけたら、膿んで、捻れて、引き攣れて、いつまでも汚泥のように心にへばりついて離れない、そんな一等醜くて愛おしい、永遠に治らない傷跡を残せる?

 

考えただけで気分が高揚する。無意識の内に口角が持ち上がり、口元が歪む。変身していてよかった。今バレたらどうなることか。

―――今から楽しみだ。今に見てろ。お前たちは頂点から引きずり降ろされる。俺がこの宇宙(せかい)作り直(リビルド)してやる。

 

「エボルト、任務だ。今から行けるか?急ぎなんだが」

「はァい、隊長。今度はどんな星だ?」

 

今はただ、まいた種に水をやろう。絆という肥料と、思い出という防虫剤を加えて。大きく大きく、健やかに育てる。そしていつか実ったら、俺がそれを喰らう。噛み付いて、咀嚼して、呑み込み、喰らい尽くす。

この星の輝きは気に入った。お楽しみは取っておこう。―――ああ、マズいな。こんな事考えてたせいで腹減ってきた。

今日はどんな出会いがある?明日はどんな驚きがある?きっと未来は、楽しみで満ち溢れている。

*1
子ども自身が「悪い」とわかっていることを、大人の顔色を見ながら、気を引くようにあえてするもの。親からの愛情を確認するために行われるため、成長すれば自然に消滅するものではなく、親の愛情が確認できるまで形を変えて行われる。




大変長らくお待たせいたしました。お楽しみいただけましたら幸いです。
なんかいつにもましてポエムだな…うーん…ここらで一発、エボルトがちゃんとエボルトっぽいことしてるところが書きたかったんですが、難しくて…エボルトがマイルドすぎる理由を書きたくて…うーん…

次回予告
エボルトの日常 〜一体いつから、平和な日々を謳歌していると錯覚していた?〜

アンケートより、アルファベットの上にはカタカナルビを入れることにしました。ご協力ありがとうございました。








・・・








「地球で遊びたいやつ、この指と〜まれ」

暗い部屋の中、折り重なった躯の上で言う。

「なんだ、誰もいないのか?つまらん」

唯一動いているスクリーンからの逆光を受け、下手人の姿は影でしか捉えられない。ただ、部屋の中を濡らす鮮烈な赤だけは判別できる、その程度の薄い光。

「…あァ、もう俺以外全員死んでるんだったか!ヒャハハハハハハ!!」

狂った笑い声が響く。
赤い、紅い蜘蛛が嗤っていた。

アルファベット表記の上にカタカナのルビは

  • あったほうがいい
  • 別になくてもいい
  • どっちでもいい
  • そんなことより続きかけコラ
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