けたたましくアラームが鳴る。
子供達が白い球を入れた箱を持って不安げに身を寄せ合っているのを、通りがかりの一年生が発見した。
「あ! 虎杖先生! でも若い?」
「伏黒さんも若い! うっわ過去に来ちゃったってことやろ? なんやワクワクする!」
「んーどうだろ。空間の歪みは見えたし、普通の転移ではないんだろうけど」
「なんにせよ、夏油さんを探しましょう。悠仁おじさん、夏油さんはどこです?」
見知らぬ子供達に纏わりつかれ、しかし虎杖は素直に応じた。呪術界なら、なんでもありなのかもしれないと思ったから。
「え、お前ら未来から来たの? 俺、先生になってんの? 夏油さんは知らないけど」
「夏油って、呪詛師の? 昨年亡くなった。五条先生が殺した」
虎杖が首を傾げると、伏黒が続く。
「は?」
「待って待って待って呪詛師はありえるとして、子供は?」
「いなかったはずだが。いや、隠し子がいたかもしれないが」
「はぁぁ!?」
「じゃあ、僕達生まれなかったって事!?」
「並行世界で確定だね。そのうち、兄様達が助けに来ると思うけど」
「あんたら、夏油さんて人の子供なの?」
釘崎が質問する。
「ええっとぉ。仲人的な? 夏油さんおらへんのやったら絶望的やろうけど、ガチャ……鈴さんておる?」
「誰だ? 伏黒知ってる?」
「知らない」
「こっちだと夏油さんを不良の道に引っ張ったソウルフレンドなんやけど……そっかいないかぁ」
「あの術式、夏油さんいないと下手しなくても自爆術式ですからね。夏油さんに出会う前に死んだのでは」
「父様に会いたい」
ポロポロと涙を溢し、子供のうち、蒼い瞳の子供が言う。
「五条先生呼んで」
「その前に3人だけで今後の方針話し合わせてください」
「ショックなのはわかるけど、よそはよそ、うちはうちや。そのうち迎え来るやろうし、そしたら甘えればええやん。両親とも認知してくれん自分と違って、選の両親は甘えさせてくれるんやし」
「しっかし最低ね! あんたの親、誰よ」
3人でわちゃわちゃしている間に、伏黒は電話する。
「五条先生。並行世界から息子さんが迷い込んできました」
『何それ』
そして、子供に指差されて伏黒は頭が真っ白になるのだった。
そうこうしている間に、夜蛾学長も駆けつけてきたのである。
ひとまず呪力を登録し、お菓子とジュースでもてなされる。
「意味がわからないんだけど?」
五条先生が来ると、子供が五条先生に抱きついた。
尚、伏黒はパパと呼んできた子供をぎこちなく抱っこしている。
子供も硬直してぎこちない。それでもぎゅっと服を掴んでいるあたり、嫌ではないことがわかる。
「父様……っ」
「えっ 待ってちょっと待って」
「じゃあ、先生もきたところで自己紹介してもらえるだろうか」
混乱する五条をおいて、自己紹介をさせる夜蛾学長。
「加茂 紅羽です! 術式は赤血操術です! 呪力を血液に変換できます! 毒も仕込めます!」
「禪院 甚爾や! 術式は干支神器。大好きなものはパパ!」
「五条 選。ひっく。六眼と式神転生……10体まで呪霊を取り込んで式神にする」
「自分ら、虎杖先生と選の兄様の数多と翼が呪霊取り込むのを見学してたら、選が呪霊玉摘み食いして抵抗されてこっちの世界に投げ出されたんや。近くに虎杖先生と数多と翼がいたから、すぐ迎えに来ると思うで」
「呪霊玉ってそれ? ありえない。いや、3人の術式もありえないけど」
「すっごく特殊な呪霊玉なんや。後自分ら、デザインベイビーなんや。詳しい事は機密やから言えんけど」
「だろうね。反転術式の呪霊玉なんて初めて見る。よっぽど特殊な術者か呪霊が生まれたのかな。ま、面倒な事になるだろうし、少し滞在するだけなら匿ってあげるよ」
「ありがとうございます!」
「ヒックヒック」
「自分、パパと遊びたい!」
「遊んであげなさいよ、伏黒」
「認知はしろよー」
「そっちの話、色々知りたいな」
「僕も若い頃の父様母様や叔父様達に会いたいです……」
「いや、無理やろ。鈴さんいないなら受肉してもどうにもならへんやん」
「じゃあ、父様に会いたいです。会いたい会いたい会いたい!」
「受肉? うーん、そうだね。全くの無関係でもないわけだし、憲紀なら秘密守れるだろうし、呼ぼうか」
こうして、父親に甘える子供3人なのだった。
なお、父親達の内心の阿鼻叫喚は無視するものとする。
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