呪霊ガチャで夏油傑をオトします   作:かりん2022

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10年かけて元さや

傑が離反した。

秘密裏に探ったが、見つけるのは時間が掛かった。

傑が女になっていたからだ。

 

傑は、宗教団体を乗っ取った後、呪を集めたり、術者に手を差し伸べたり、治療の真似事をするようになった。

女体化も治療も、できるなんて俺は知らなかった。

 

僕の知らない傑がそこにいた。

 

幸い、傑はそれほど暴れず、むしろ善行を重ねていたので、僕が少し睨みを効かせるだけで追求はされずに済んだ。

ただ、傑が大きな腹を抱えているのが問題だった。

 

戸惑いがちに、でもそっと愛しげに腹を撫でるその姿が苛立たしい。

お前、そんなタマじゃなかっただろ。どうしたんだよ。

 

そして傑は、依頼になる予定だった呪霊をどんどん狩っていった。

 

噂が流れた。

夏油傑は、呪霊の情報を得るために、体を売っている……。

 

まさか。そんなはずがない。

傑が、そんなバカなことをするはずが……。

 

しかし、傑が何度腹を膨らませても、出てくる赤子はいなかった。

心配と……いや認めよう。嫉妬で狂いそうになる。

必死で傑を騙したクズを探しているが、どうしても見つからない。

 

そんな時、傑がメカ丸に接触してきたようだった。

メカ丸には当然協力を依頼した。

 

地下室で、傑はメカ丸を癒す。知らない呪霊だ。反転術式の呪霊なんて。

 

「確かに貰ったよ。せっかく健康になったのだから、もう少し嬉しそうな顔をしたらどうかな」

「あんた、他のスパイに赤ちゃん売ってるんだってな。抱かせて孕んで……」

「……それが何かな?」

 

 噂を肯定され、今すぐ出ていって問い詰めたくなる。グッと堪える。

 何だよお前、プライドの塊みたいだったじゃん。

 

「誰なのか知りたい。 5人だったか? 子供の名前も」

「言うわけがないだろう」

「……じゃあいい。赤ちゃんを欲しがってる奴がいる」

「赤ちゃんを売れって? 悪いけど、三件ほど予約が入っていてね」

 

 予約。ああ、予約。誰に抱かれるんだよ、お前。

 

「その後でいい」

「はぁ。私は安くないんだよ」

「その割には大繁盛なようだな。その上、相手の尻尾も掴めない」

「あんまり嗅ぎ回られるのは好きじゃないんだよ。もう行くよ」

 

 傑が戻るのを、メカ丸に追わせる。

 

『そうだ、私、また3回ほど孕むけど、今度はこちらで育てるから』

『傑ちゃん、体の安売りは良くないわ』

『ラルゥ、安売りなんて。それなりの利益は得ているつもりだよ』

 

 メカ丸が監視していた所、傑は呪物と呪霊を使って作業を始めた。

 どうやら、呪物を胎児として孕む術のようだ。そのことに僕はほっとした。

 心配には変わりないのだが。

 

「脹相。立派な戦力になってね。あの子を守るだけでいい。それが悟の助けとなる……」

 

 何を言っているのか謎だった。あの子って誰だよ。

 助けとなる気があるんだったらお前が来いよ。

 老化の術式を持つ呪霊を小刻みに使い、成長を促しているようだった。途中で学校に行かせるかどうかについて悩んでいるようだったが。

 

 とにかく、僕は傑を捉える為の根回しをしていた。

 今の傑のやっている事といえば、呪専の仕事の手伝い、治療、呪霊の回収なんかだ。犯してしまって罪はあるけれど、呪術師は人手不足。

 少し無理をすれば、監視して捕虜にするぐらいだったら何とかなる。

 

 

 教団が襲撃した。

 臨月だった傑を捉えるのは簡単だった。

 傑を殺そうとする横槍をどうにかする方が大変だった。

 

「ゲトーさま! ゲトーさまから、はなれろ! おれのおとうとがおなかにいるんだぞ」

「脹相……。いい子だから下がっていてくれ。私は大丈夫」

 

 幼い子供が傑を庇う。

 

「命乞いしないの? 股を開くから殺さないでって」

「そうだね。この子だけは助けてあげて欲しいかな。その後なら秘匿死刑を受けるよ」

 

 少し眉を上げて、腹を撫でながら傑が言う。

 違うだろ。そうじゃないだろ。

 

「今更清楚ぶるわけ? いいから何でもするから助けてって言えよ」

「悟。私は子供たちさえ無事ならいいし、君は子供達を傷つけはしないだろう?」

 

 ガン!

 

 座っていた椅子を蹴る。

 傑が大人しく従うなら、という事で助命の許可を取ってる。

 傑には膝を追ってもらわなくてはいけない。

 

「とっとと僕の上で腰振るから許してって言えよ」

 

 傑は、素っ頓狂な顔をして問うてきた。

 

「君、私のことが欲しいのかい?」

「そうだよ」

「私は罪人だよ。君の隣は歩けない」

 

 聞きたくなくて、唇を奪う。で、誰の隣を歩くんだよ、許さねーぞ。

 

「その子、臨月だよね。もういつ産んでも問題ないでしょ」

 

 縛り上げられた傑の腕を持って乱暴に連れていく。慌てて脹相が傑の体に引っ付いた。

 

「硝子。傑の腹から子供出して」

「はぁ。ちょっと待ってろ。後、いくら反転術式で癒しても1ヶ月は待てよ」

「じゃあ早くして」

 

 すぐに傑の体の中に僕のものだって証を送り込まなければ。

 薬を投与する直前、傑の封印を破って呪霊が出て、口を開けた。

 そのうちの一人は幼児によく似た顔の子供だ。

 

「ゲトーさまをいじめるなー!」

「脹相!」

「は? 子供に同じ名前つけてるわ……け……?」

 

 そして、もう一人は僕にそっくりな子供だった。

 

「母様いじめないでくれる? 確かに母様は罪人だけど、俺の母様なんだ」

「優!」

 

 僕の目と同じ、蒼い眼が僕を貫いていた。六……眼……。

 

「皆、帰りなさい。私は、罪を犯したから仕方ないんだよ」

「ゲトーさま……」

「わかってる。だから環は置いてきた」

 

 そこで、呪霊から幼児がぴょこんと出てくる。

 

「うわああああああああ! かーしゃま!」

 

 黒髪の、でもどことなく僕に似た子が泣きながら傑に縋り付いてくる。

 

「傑。僕にそっくりな子供の事、説明してもらえるかな?」

 

 嘘も誤魔化しもダンマリも許さない。そう言うと、傑は観念した。

 

 心労が祟ったのか、陣痛がそこで起きた。

 

 

 

 

 

 

 無事子供も産まれ、全ての事情を傑は話してくれていた。

 

は? 並行世界の僕とやってた? 僕を差し置いて?

 

「傑さ。僕の事好きなの?」

「……そんなに責めないでくれ。好きになったからと言って、君に迷惑は掛けてないだろう」

「へー?」

 

 傑の顔をじろじろとみる。

 

「……悪かったよ」

「じゃあ傑、僕にちゃあんとおねだりしなよ。子供のこととか心配でしょ?」

 

 我ながら最低なことを言ってると思う。

 

「あ、もちろんえっちな言葉でね」

「おい五条。1ヶ月後にしろ。安静にさせろって言ったよな」

「老化の呪霊と癒しの呪霊使ってもいいよ。それならすぐに癒えるでしょ」

 

 傑は、治療を受けた後、僕の要求に答えてくれたので、懐妊した。

 硝子にはクズと言われた。

 

後、子供達を確認されて、傑は腹を貸すように脅されていた。

傑におねだりさせてからしっかり断った。もう2度と傑を取られてたまるか。並行世界の自分ですら許せないのである。そして無理やりさせた事とはいえ、傑に頼られるのは悪くないと思った。

理想は僕がいないと生きられない体である。

 

楽しみに臨月を待ったのだけれど、クソ呪詛師が渋谷事変をおこしたのでとっとと片付けて傑のところに戻ろうと思う。




マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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お題箱
https://odaibako.net/u/karin2022v
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