タイトル通りブルアカ世界に転生したTS転生者が生徒達と友情を育みながら二度目の生を謳歌した後、その生涯を終え皆の心の傷になるお話

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(ブルアカの二次創作は)初投稿です
最近ブルアカ熱が高まりっぱなしな上に色々な方が素敵な小説を投稿されているので自分も書きたくなった所存です。

最初の曇り対象は空崎ヒナちゃん、苦しむ顔がとっても似合う可愛い女の子です(ニチャア
ただ自分まだヒナちゃん所持していないもんでキャラの言動に違和感等あるかもしれませんがご容赦ください。

キャラの過去、ゲヘナの風紀委員会についても大分独自解釈が多いです
シナリオを見てなんとなくこんな感じだったんじゃないかなというニュアンスで書いているので読み込みが足らずに齟齬が発生している可能性があります。

もし見つけたら指摘等いただけると嬉しいです。


TS転生者が空崎ヒナの心の傷になる話

学園都市キヴォトスの三大学園の一つ、ゲヘナ学園

 

そのとある一室で、少女はその眼に涙を湛えながら酒を浴びるように飲んでいた。

 

少女の名は空崎ヒナ、ゲヘナ学園の風紀委員長である。

その様子は面倒くさがりだが責任感が強く、厳格に生徒達を取り締まる

普段の彼女からは想像もできないものだった。

 

アルコールを摂取しているにも関わらず、顔は青ざめて血の気がなく

普段の力強さを微塵にも感じないほど弱々しく光のない眼をしていた。

 

酒瓶を傾け、口に近付けるも中身がないことに気付いた彼女は

酒瓶の底を少し見つめた後、重い腰を上げゆっくりと動き始めた。

その時、ふと大きな姿鏡に映った自分の姿が目に入る。

 

「…なんて情けない姿」

 

部屋の中、独りごちる。

消え入りそうな小さい声、しかしそんな声でもただ独りしかいない部屋では

嫌でも彼女の耳に響いた。

 

数日前まで、この部屋は賑やかな声が聞こえる場所だった。

ヒナではない、本来の部屋の主の大きな声が聞こえる部屋。

 

ヒナにとって何にも代えがたい、大事な親友の部屋だった。

 

「・・・・・なんで」

「なんで…あなたがいなくなるの?…」

 

口に出したら止まらなかった。

枯れるほど流したはずの涙が、想いと共に再び溢れ出していく。

 

「私、まだあなたに何もしてあげられてないのに・・・・・」

「ずっとずっと…助けられてばかりだったのに…」

 

 

「お願い…ルキ、独りにしないで‥‥」

 

 

「あなたがいなきゃ・・・・・私なんて…」

 

ゲヘナ学園の風紀副委員長であった生徒、大鷹ルキ

彼女の死に、今だヒナの心は囚われたままだった。

 

 

 

ヒナとルキの出会いは一年生の頃だった。

高等部に進学したヒナは、一年生ながらも実力の高さを評価され風紀委員へとスカウトされた。

最初は面倒だと思ったが、当時の風紀委員長のゲヘナの生徒には珍しい

その真摯な姿勢に感銘を受け、所属することを決めたのだった。

 

所属して数週間もした頃、普段の業務を終えた彼女は委員長に声を掛けられる。

 

「ごめんなさい空崎さん、少しいいかしら?」

 

「はい、どうしました委員長?」

 

「…実は一年生でもう一人所属することになった子がいてね、あなたに紹介したいのだけれど…」

 

それを聞いたヒナは少し驚いた。

ゲヘナ学園はキヴォトスの中でも治安の悪さで有名である。

そのせいか風紀委員は常日頃から危険な任務を受け持つことが多く、

ある程度実力を付けた二年生から所属していることが多い。

 

(私と同じ一年で所属なんて…その子も強いのかな?)

 

ヒナは非常に高い戦闘能力を有していた。

それこそ、一年生で危険な風紀委員の業務を行えるほどに

そのこともあり同学年からは、一目置かれるような存在として孤立しがちであった。

もし自分と同じような存在なら、気兼ねなく触れ合えるのではないだろうか

そのような考えが彼女の頭をよぎった。

 

「えぇ構いませんよ、私もその子の事…気になります」

 

「ありがとう!じゃあ一緒に委員長室まで来てもらえる?」

 

その返事に顔を明るくした彼女と共に委員長室へと向かっていった。

 

 

 

「おまたせ大鷹さん、待たせたかしら?」

 

部屋の中に入り、委員長が声をかけるとその生徒は振り向く。

 

「いやそうでもないよ委員長、女を待つのは慣れっこさ」

 

それは圧倒的な存在感を放っていた。

制服の上からでも分かる鍛え上げられた肉体に、キヴォトスでも上から数えた方が早いであろう背の高さ。

短く切り揃えられた髪は炎のように真っ赤で、黄色い眼はまさに鷹のように鋭かった。

ヒナはしばし、その力強い姿に見惚れていた。

 

「それで…その子がオレの他に入った一年の子?」

 

「えぇ、あなたよりも少しだけ先に所属していたの…紹介するわ空崎さん、彼女があなたと同じ一年の大鷹ルキさんよ」

 

その声にはっとなって慌てて返事をする。

 

「あっ…えっと、空崎ヒナです・・・・・よ、よろしくお願いします」

 

同い年であるのについ敬語で話してしまったヒナに、ルキはその目線に合わせるように顔をずいっと近付けてきた。

ヒナは突然の彼女の行動に驚くが、じっとこちらを見つめ返す瞳に自身もつい見つめ返していた。

しばらく見つめ合っていると、ルキはその眼の印象とは真逆の人懐っこい笑みを浮かべながらヒナへと手を差し出す

 

「まさかこんな可愛い子が同僚なんてね…入った甲斐があるもんだ」

「オレは大鷹ルキ、委員長も言ってたがあんたと同じ一年だ」

「これからよろしくなヒナちゃん!」

 

初対面でいきなり可愛いと言われ、下の名前で呼ばれたことに少し混乱しかけたが

彼女の勢いに押されるがままに差し出された手を握り返す。

 

「よろしく…大鷹さん」

 

「ルキでいいって!これから一緒に働く仲なんだからさ、堅苦しいのはナシにしようぜ」

 

「え‥‥で、でも私達まだ会ったばかりなのに…」

 

「そんなの関係ないって、これから嫌ってほど顔合わせるんだからよ」

 

そんな二人の様子を笑顔で見ていた委員長だったが、軽く咳ばらいをし注目を集める。

 

「こら大鷹さん、少し強引すぎよ。空崎さん困ってるじゃない」

 

「イヤ~ついテンション上がっちゃって…悪い悪い」

 

「ごめんなさいね空崎さん、この子ちょっと馴れ馴れしいっていうか強引っていうか…まぁこういう感じの子なのよ」

 

「えぇ~その言い方はないぜ委員長!誰にも分け隔てなく接するフレンドリーな子とかさぁ…もっとこうあるだろ?」

 

「はいはいごめんなさいね、まぁそこは置いといて。今回二人を合わせたワケなんだけど…」

「紹介したいっていうのもあるけどそれだけじゃないの」

 

 

「単刀直入に言うわ・・・・・あなた達、コンビを組んでみる気はない?」

 

 

 

その提案がヒナの学園生活を大きく変えることになるとは、この時は知る由もなかった。

 

 

 

 

 




とりあえず一話分書き終わったので勢いに乗って投稿しました
その方が続き書くのにやる気出るかなって…

予定ではもう一話ほどヒナちゃんとオリ主の関係性を書いた後、冒頭に戻り何故オリ主が死んでしまったのかを書いていくつもりです

その後はヒナちゃんと他の交流があった生徒達の様子を書いていく感じでいこうかなと

なので曇らせファンの皆さん、今しばらくお持ちください


オラ絶対濃厚な絶望を書くからよ、ぜってぇ見てくれよな!



後、誤字脱字等ありましたら報告願います、感想も書いてくれると嬉しいです


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