スキマに愛された大尉という人間について   作:回忌

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仲間という定義は複雑である

職としての"仲間"なのか

それとも、友情としての"仲間"なのか

ありとあらゆる定義が存在する


仲間

翌日には俺は歩行できるくらい回復していた

八重はお前妖怪かよとドン引きにしていた

取り敢えず彼は妖怪呼ばわりした刑としてシバいた

 

「…以外に普通の村と変わらなねぇな」

「流石に外面を近代化は出来ない、直ぐにバレるからな」

 

寝ていた平屋から出てみると、思いのほか普通の村が出てくる

建物が密集していて、外壁がある

建築様式はこの幻想郷らしいものだ…つまり古い

確かに八重の言う通り近代化すればそこが本拠地だとバレるだろうな

 

「にしてもこれだけか?仲間ってのは」

「いや、他にも点基地はある、意外と多いんだよ妖怪嫌いは」

 

あまりに基地の規模が小さかったので思わずそう言ってしまった

 

「あと、その発言は後で間違っていると分かるだろうな」

「そりゃ楽しみだ、想定外は好みでね」

 

実はほぼ全てが透明化していて今見えるのはその一部、とかだろうか

どうも外の世界より技術が進歩しているので光学迷彩なんかは既にあるだろう

 

「取り敢えずついてきてくれ、指揮官に案内する」

 

 

ここが本部か

俺は率直にそう思った

明らかに他の建物と大きさが違う

それに警備らしい兵士の人数が多い

 

彼らはいつか来る妖怪との戦闘が待ちきれないのだろうか

俺から見た兵士達は誰も彼もが浮き足立っている気がした

 

「少し待ってくれ」

 

中に入ると、俺は真ん中に立たされた

八重は壁に何かをする、何回か…何かを打ち込んだ

 

ガコンと床が下がっていく

 

「…成程、そら広い訳だ」

「納得しただろう?地上はただの飾りだ。」

 

人間の基地の真価は地下に隠されていた

カーゴの中に地図があったが相当な広さだった

その上地下に潜っていくというのになんら支障はない

 

「直ぐに会える、君と会うのを楽しみにしていた」

「…そりゃ光栄だな」

 

俺は司令官なる人物が腰抜けで無いことを祈った

…いや、この幻想郷でこんな組織を立ち上げられるなら腰抜けは無いか…

 

 

「助けてくれ…助けてくれ…」

「どうして俺がこんな…」

 

「…」

 

私はそいつらを無視した

ただ歩みを進める

 

この、壊滅しきった村を歩く

 

至る所で爆発が置き、家屋が燃えている

生き残りがいるのだろうか、時折短い銃声が聞こえてくる

 

決まって、その後に悲鳴が聞こえる

 

運が悪かった…と言えるのだろうか

山の方で何かがあって、その八つ当たりにここが襲撃されたと聞く

紫の情報であるから確定性はないが…この状況は火を見るより明らかだ

 

「哀れ、憐れね」

 

"同士"として彼らの死は心に傷を付ける

ただ、私にも今の立場と言うのがあるのだ

こんな時にそんなことは表立って言えない、絶対に

 

だからこそ

 

 

「仇だけは私が"獲る"」

「なんだァ…?見ねぇ顔だなぁ…」

 

 

この天狗達に 終止符を

 

 

「今殺したのは人里の者達も居る」

 

拳を握りしめる

 

「人里の人間を殺すのは締約違反となる」

 

強く握り締めすぎた拳からタラリと血が落ちる

 

「幻想郷の調律者として、お前たちを裁く」

 

多少の私怨を込めた拳を振りかざす

天狗達の顔が恐怖に染まる

 

当たり前だろう、相手は博麗の巫女なのだから

私がどのような戦法をするか、目敏い天狗なら知っているだろう

ただ、相手を本能のままに殴り殺す、時には拷問もする

 

そんな相手が死刑宣告をしているのだ、恐怖しない筈がない

恐怖に染まって動けない奴もいる

 

…関係ない

 

「…覇ッ」

 

勢いをつけその場で拳を思い切り振る

恐怖に染まって動けなかった白狼達は豪風に吹かれ、ちぎれ飛んでいく

辺りの家屋も巻き込んで、全てを薙ぎ倒していく

 

…歩く

 

「あ、ぁぁぁぁあああああ!!!」

 

もう既に正気を失った白狼の1人が大太刀を振り下ろす

それに対して私は避ける素振りもしない

 

なぜなら

 

「え?」

 

白狼は間抜けな声と顔をした

目の前のことが信じられないのではなく、理解出来ていないのだ

 

 

大太刀は折れていた

 

 

私は無傷だった

うんざりしてその白狼の首を掴む

あまりに呆然としていたものだからディレイを入れる必要も無かった

 

「ぐっ…がああっ…」

 

片手で白狼を軽々と持ち、そのまま歩みを進める

どうも天狗は数人だけだったらしい

死体の中に数体天狗がいるので舐めてかかったら手痛く反撃された所だろう

 

あと残るのはそこの2人だけだ

 

「あ」

 

掴んでいた白狼の首を折り、投げた瞬間に相手に音速で近づく

屋根から屋根へと飛び移るような面倒な動きはせず、直接そいつの懐に潜り込む

 

「待――」

 

制止の声など露知らず、思い切り昇龍拳をその顎にぶつける

行き場所の無くなったエネルギーが顎を粉砕し、辺りに小さな白い破片がばらまかれる

 

「ひ、ひぃいいいいい!!!」

 

武器である長槍を投げ捨て、空に飛び上がる

彼の目的は一刻も早く逃走し、この惨状を伝えること

恐怖に染った彼の頭にはこのことしか無かった

 

――この時、建物を上手く使えばもしかしたら逃げられたのかもしれない

しかし、逃げたとしても、意味は無いだろう

これは…これこそが、博麗巫女の仕事なのだから

 

「あぁ、そういえばこっちはあんまりやってなかったな」

 

投げ捨てた槍をひょいと拾うとそのまま大体の狙いを付けて投げつける

 

結果は見なかった

確実に当たったのだから、見る必要なんてないのだ

落ちていく蚊トンボの音を背中で聴きながら、この場を去る

 

後に残されたのは、ただ焼けこげた村だけだった

 

 

「…長いな」

「長いに決まっているだろう?司令官は重要人物だ」

 

重要人物で収まりきるのか…?

俺は狭い通路を歩きながらそう思った

洞窟をそのまま利用したのではなく、掘り進めたらしい

ただきちんと整備されていて近代SFにありそうな通路になっている

 

時折ある通路両側の部屋の中では通信や拷問が行われていたりした

武器庫と食料庫もきちんとあったので本当に妖怪とやり合う気なのだろう

 

…あ

 

「俺の装備類はどこにやった?」

 

今更だが、持っていた装備類、モルヒネ等がどこにも無かった

ウエストバッグも無ければアンツィオも無い

 

ナイフから銃火器に至るまで武器は無かった

 

「装備類は今鑑定班にまわしている

 聞くに風見とやりあったらしいじゃないか」

「…まぁな」

 

なぜ知られているという疑問は出ない

なぜならかなり派手にやり合ったからだ…地形が1つ2つ変わるくらいの派手なビームだった…

 

「その他天狗やなんやら…モルヒネ類は竹林奥の八意のだろうな…」

「貴重なのか?奪うくらい?」

 

俺の質問に対して八重は死ぬほど笑った

まるで有り得ない冗談を言われたかのような反応だ…てかお前そんなふうに笑うんだ

 

「じょ、冗談良してくれ…イヒッw、笑い死ぬウヒヒヒヒwww」

「1回殴っていいか?」

「良くねぇ良くねぇ、死んでしまうぞ」

 

少し笑いながら彼はコホンと席をした

流石に笑いすぎたと俺に謝ってきた

 

「妖怪のサンプルってのは俺たちにとって貴重だ

 どの妖怪が何に弱いのかよく分かるからな、抵抗もしないし」

「なるほどな…だから俺の装備類を」

 

人間側にとって振りを覆す鍵は恐らくそれらなのだろう

兵士を見る限り銃火器はかなり配置されていた

鉛弾じゃ強大な妖怪を倒すことはままならないことだろう

 

妖怪に対する特攻をもった弾丸なんかが欲しいだろうな

 

そんなことを思っていると、突き当たりの部屋につく

兵士が2人、守るように配置されていた

 

「…ついたぞ、後は自分でやれ」

「分かった」

 

俺はそう言って中に入る

自動ドアがガチャリと後ろで閉まる

 

目の前にはこちらに背を向ける人物が1人居た

デスク上にはなにかの報告書だろうか、大量の書類がある

 

 

 

 

 

 

「ようこそビジター、いや、大尉と言った方が良かったかな?

 私は君を歓迎するよ、心からね…同士よ」




え?アンツィオ使わねえんじゃないのかって?
あのアンケート実を言えば最下位以外使いますヨ

そして、メリークルシミマス、あけおめことよろ

(´・ω・)ノ⌒◎┃賽銭箱┃

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