パラリとページをめくる
俺が今読んでいるのは前にも読んだEEFの資料だ
今回は支援部隊であるβ隊について見ている
今の所、β隊は八人
EEF兵器開発担当、"ファイガ"
EEF建築担当、"ビルダー"
EEFの凄腕通信士、"コミュニ"
狂った天才、"マッドネス"
反対組織の台所、"コック"
EEF兵器発明担当、"ジーニアス"
反対組織の門番、"ガード"
索敵の天才、"スポッター"
…となる
基本的に前線に出ることはなく、拠点で働いていることが多い
何人か知っているが、顔見知りは居ない
そもそもあったことすらない
機会があれば会えるが…整備は基本自分でするし
壊れた時くらいか?それ以外に特にないが…
まぁ、言えるのはこいつらは援護の天才だろう
EEFの援護部隊なのだ、反対組織の飯作ってるやつもいるくらいだし…
あった時はよろしくやっていきたい
〇
紅い月の下
紅い煙が溢れる屋敷の中で、ある男が立ち上がった
玉座より、その男は言葉を発する
「ついにこの日が来た」
彼の前には大量の化け物たちがいた
一言で言うならば、西洋妖怪
ゴブリンやスライム…ナイトゴーント等の代表的なものがいる
深きものども、様々な種族が集まっていた
その中には、日本の妖怪も居た
この男の圧やカリスマに惹かれ、集いし者たち
「満月の下、我々は此処を支配する」
男は手を騒々しく振り上げる
「さぁ、お前達…地獄を作るぞ!」
妖怪達の歓声が上がる
地獄が始まる
幻想郷にとって、後でも先でも無い地獄が…
止めるものは何者も居ない
奴らは、進軍を開始した
〇
『こちら5-6、奴らが動いた』
「夜間に動くか…狙撃師団は山に向けて照準
迫撃砲部隊は砲弾を込めろ︎︎」
『既に装填済みです!いつでもやれます!』
司令官は前線にいた
妖怪の山の麓、ちょうど茂みの辺り
既に包囲は出来ているのだ、焦ることは無い
静かに、素早く終わらせる
「総員、吸血鬼の来ると思われる場所は離れているな?」
『イエスサー』
『既に』
「良し」
司令官は双眼鏡を取り出す
雪崩のように西洋妖怪が迫ってくるのが見えた
どうもお相手はここを潰してから全てに移るようだ
確かに、高いところは有利だ
それも、我々の狙いだ
「ぶつかり次第、攻撃開始だ…"大尉"?」
『…既に準備できている』
「了解、こちらの合図を待て」
司令官は刀を研ぎ直す
砥石を使い、月光に照らされ美しく光る刀を研ぐ
その間にも、無線には動きが入っていた
『敵が接触しました…見たところ状況は拮抗しています』
『地獄をあじあわせてやろうぜ』
司令官は研ぎ終わった刀を掲げた
ベレー帽に軍服の質素な姿が月光に照らされる
数秒、彼は刀を掲げていた
そして、それを振り下ろす
「…迫撃砲、発射!…空挺兵降下!」
遠方より、破裂音が響く
紅い月が照らす妖怪の山
文字通り、血祭りの時間だ
『だんちゃーく…今!』
「総員攻撃開始…!」
弾着と共に、全隊が走り出す
妖怪の山を四方から襲う
奴らは敵は吸血鬼と雑魚妖怪だけだと思っている筈
故に背後の守りは薄い筈だ
今回はあらゆる方向から攻めた
後は、状況次第である
〇
「天魔様!吸血鬼共が攻めてきました!」
「…数はいくらだ?」
山の頂上より少しした
天魔と呼ばれる天狗を統べる者の館がある
そこで、彼女は報告を受けていた
「はッ、おおよそ400程かと」
「本丸は?」
「確認できません、副将らしき者が見えます」
天魔は肘をつくと、顎で示した
大天狗はなんのことか分からず困惑した
察しの悪い部下にやんわりと教えてやる
「叩き潰せ、一匹残らず」
「は、はッ!」
少し、圧が出ていたのだろうか
怯えながら彼は逃げるように出て行った
天魔は溜息をつきながら背伸びをした
「やれやれ…スキマの言った通りか…」
面倒事が来たと溜息をつきながら仕事にかかることにした
やることはひとつ
…寝る
寝る、以上…私は寝る
最近結界やらなんやらの仕事で寝れていないのだ
寝不足にも程がある、三週間くらい寝てない
いざとなったら起こしに来るだろうという責任ぶん投げをかましながら彼女は布団に潜り込んだ
〇
「…」
機内には緊張した雰囲気が漂っていた
全くリラックスできず、脂汗を浮かべている男
余裕綽々という感じで煙草を吹かす男
落ち着きがなく、ずっと貧乏ゆすりをしている男
様々な奴がいた
そんな中、ひとつのアナウンスが鳴る
『人里上空…後部ハッチ展開』
油圧の音が響き渡り、ハッチが開く
空気がどんどん吸われていき、風が涼しいと感じる
しかし、その言動に皆が困惑した
俺たちの任務は妖怪の山を攻めることだ
どうしてこんな所でハッチを開いているのだ?
そう思っていると誰かが走り出した
RSI空挺兵の1人だ
「━━おい…」
味方の声がかかる前にその男はハッチから飛び降りた
追いかけようとする兵士を塞ぐようにハッチが閉じる
さて、空の旅だ
幻想郷がほとんど見える
竹林から湖、妖怪の山まで至る所が見える
そんな中、俺は一直線に空を突き進む
全てから解き放たれた、鳥のように
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