一夜の過ちから始まる   作:たーなひ

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やっぱ誤字あるよね。
見つけてくれてありがとナス!


四話 茶番。こんなファミリアは嫌だ。

「なぜお前がここにいる!!

 

麗傑(アンティアネイラ)!!」

 

突如現れたイシュタル・ファミリアの幹部に、フィルヴィスは即座に反応した。

ファミリアによる襲撃?それとも私怨?多くの疑問はあれど、フィルヴィスは即座に主神を守るべく臨戦態勢を整えた。

 

何故侵入を許した?見張りは……そう言えば今日は女性陣が揃って出掛けているのだったか。形式だけだろうがお誘いはあったので一応知ってはいる。

だがよりにもよってこんな時に来るとは…。

 

「全く。見張りもいないなんて、不用心にも程があるんじゃないのかい?」

 

「余計なお世話だ。それより、私の質問に答えてもらおうか」

 

「せっかちだねぇ。あたしはソコの“銀騎士(シルヴァリエ)に用があるだけだよ」

 

「ライに…?悪いが、野蛮なアマゾネスと関わりのあるような団員ではない。即刻立ち去れ!」

 

……と、ここまでの状況を見て、察するところがあった男二人。

 

((あ、そういえばフィルヴィス(コイツ)、ボッチだった))

 

直近の騒ぎを知っていれば、ふんわりとではあるが状況の把握は容易いはずだ。だがしかし、誰ともコミュニケーションを取らず、騒ぎなどつゆ知らずのフィルヴィスにとってみれば、アイシャの訪問は晴天の霹靂に他ならなかった。

 

 

「あ、あの、団長……?」

 

「ライ!早くディオニュソス様を連れて離れろ!」

 

「え、や、あの……」

 

「早くしろ!!団長命令だ!!」

 

フィルヴィスの剣呑な雰囲気にヒリつき始めていたが、俺の様子を見て薄らではあるが事態を把握し始めたアイシャ。

当然アイシャも“死妖精(バンシー)”の噂は知っているため、同じファミリアであろうと人との関わりが薄いことぐらいは想像がつく。

 

「……どうすんだいこれ」

 

まさにカオス。アイシャがぼやくのも無理はない。

 

 

「ディオニュソス様、なんとかしてください」

 

もはや俺ではどうにもならぬと悟り、主神様に助けを求めた。

 

「……ああ」

 

少しの逡巡のあと、どこか悪どい笑みを浮かべながら俺に笑顔を向けた。

 

瞬間、俺は嫌な予感を感じた。

 

「フィルヴィス!」

 

「はっ!」

 

「ここはライに任せなさい」

 

「は?いや、しかし、私は団長です!守るべき団員を危険に晒すなど……」

 

「Lv3の君より、Lv4のライの方が強いのだから、彼に任せた方が良い…だろう?」

 

少し迷うが、純然たる事実としてLvが高い方が強いというのは納得せざるを得なかった。

 

「……はい」

 

「それで構わないね、ライ?」

 

「は、はい?」

 

(なんだこれ……何やってんだこの(ヒト)……何の茶番だ?)

 

俺は全く主神の行動が理解出来ず固まる。しかしフィルヴィスは主神が決めたこととなれば、即座に行動を開始する。まさに眷属の鏡である。

 

主神をつれて食堂から出て行く二人。を、呆然と見送る俺とアイシャ。

 

 

だが、食堂の出口で立ち止まり、俺を見つめるフィルヴィス。

 

何事かと思って見てみると、何やら口をパクパクとさせて言葉を探しているようだ。

 

「……お」

 

「お?」

 

 

「おはよう」

 

そう言うと、顔を真っ赤にしながら出口を出て行った。

 

 

 

(え、今?)

 

いや、さっきのやり取りの所々にも優しい所とか溢れ出てたんだけど……今更挨拶て……。

まぁ、『挨拶して欲しそうにしてた』→『団員への激励に何と言えば良いか迷った』→『ハッ!?そう言えば挨拶して欲しいって言ってた』→『おはよー!』は分かる……いや、わかんねぇよ。もしかしてディオニュソス様がなんか口出ししたのか?いや、そうに違いない。

 

ほらみろ。廊下の方からディオニュソス様の大爆笑とフィルヴィスのぷりぷり怒った声が聞こえてきた。

 

 

「…どんな茶番だよ」

 

どうやらディオニュソス様の壮大な茶番は、フィルヴィスの挨拶と照れ顔を引っ張り出すためだったらしい。あの愉快犯め……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどね。良いファミリアじゃないか」

 

「何処がだよ……普通にディオニュソス様が説明すれば終わった話じゃねぇか」

 

あの後、俺とアイシャは本拠(ホーム)を出て、街に繰り出した。

俺が朝飯を食べていないことを知ると、『じゃあ飯でも行くか』ってことになった。

 

で、このカフェで雑談に興じているというわけだ。

 

 

「ちゃんと団長に説明してくれてるかな。帰ってから『無事だったか!?』とか言われたらクソ気不味いんだけど」

 

「フフ……これから無事じゃなくなる可能性もあるんじゃないのかい?」

 

少し舌舐めずりをして、色っぽい雰囲気を出してくるアイシャ。

 

「……こんな真っ昼間から?」

 

「時間なんて関係あるのかい?」

 

「……無いね」

 

「だろう?」

 

「……もしかして、これが目的でウチまで来たの?」

 

「男恋しさに、家まで押し掛けてくるような女は嫌いかい?」

 

「まさか。それがアイシャなら尚更ね」

 

「…嬉しいこと言ってくれるじゃないか」

 

「家まで押しかけて来た女を追い返すようなことを言う男よりは良いだろ?」

 

「違いない。それがライなら尚更さ」

 

……視線を交わし合う二人。

 

横で聞いていた一般人があまりの甘ったるさに吐き気を堪える中、まるで息を合わせたかのように突然立ち上がった二人は歓楽街の方へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝。

 

「はぁ、はぁ…無事にすまなかったのは……あたしの、方だったみたいだね……」

 

「いや、俺も、もう流石に限界……」

 

二人は抱き合いながら眠りに落ちたのだった。

 

で、昼過ぎに起きて、夕方までして解散。

 

いつかのデジャヴを感じざるを得ない。

 

 

そう。

 

 

 

 

「で?こんな時間まで一体何処をほっつき歩いていたのか説明してもらおうか」

 

怒髪天を突く。仁王立ちで俺を待ち受けていたのは、ブチギレた団長、フィルヴィスであった。

 

どうやら、無事では済まなくなるかもです。

 

 

「一応聞くんですけど、ディオニュソス様から説明は……」

 

「聞いた」

 

「ですよねすんません」

 

「で?」

 

「や、ホント、あの……凄く言いにくいんですけど、所謂“お茶”とか“休憩”を……」

 

「は?」

 

「いやいや、こう、隠語的な。エルフってそういう直接的な表現とか苦手かなって…」

 

「それぐらいは知っている。ディオニュソス様と共謀して私を揶揄って楽しかったか?」

 

「うぇ!?知らん知らん!アレはディオニュソス様が勝手にやったことでしょ!?」

 

「ディオニュソス様はお前の発案だと言っていたぞ?」

 

(あんの愉快犯がぁぁぁぁぁ!!!)

 

キラキラスマイルのディオニュソスの顔が目に浮かんだ。

 

「違います!アレはディオニュソス様が……」

 

「ディオニュソス様が、私に嘘をついたと?」

 

(あ、そう言えばコイツほぼ狂信者の域なんだった)

 

「いやいやいや、そうは言ってないんですけどね!こう、あるじゃないですか」

 

「何が?」

 

「粋な計らいといいますか、ただのお茶目な冗談だったといいますか…」

 

「冗談で“麗傑”をけしかけたのか?」

 

(ああもうダーメだこりゃ)

 

もうこの狂信者には話が通じない事を遅れながらも実感した。

もはやジャパニーズ土下座をして許しを乞う以外には無いだろう。

 

 

 

「この度は、誠に申し訳ございませんでした。団長様に於かれましては、この私の土下座にて許して頂けますと幸いにございます」

 

「……なんだ?そのポーズは」

 

「極東における誠心誠意を示す最大の謝罪、土下座にございます」

 

「………」

 

「…………」

 

「あの………」

 

「………はぁ」

 

仕方無い……とでも言いたげなため息を吐くフィルヴィス。

 

 

「…頼むから、ああいったことは二度としないでくれ」

 

 

「……!」

 

元より分かっていたつもりだったが、やはり相変わらず良い人だ。

主神も守ろうとしていたし、何より俺も守ろうという意志が見えた。団長として、ファミリアを守ろうとしているのも伝わった。

 

ディオニュソスは、伝えたかったのだろうか?彼女はファミリアを嫌っているわけでは無いということを。

 

いや、別にそれぐらい俺は知ってるから余計なお世話ではあるんだけどさ。

いや〜。“良いカミサマ”だよね!ホントに。な〜んでこんなことしたのか知らねえけど。

 

 

「分かったか?」

 

「はい。二度としないです」

 

「神に……ディオニュソス様に誓えるか?」

 

「ええ。我が主神ディオニュソス様に誓って」

 

そう言うと、フィルヴィスは俺の答えに満足した様子で戻って行った。

 

 

いやぁ……。

俺もね?フィルヴィスに申し訳ないって気持ちは結構あるからね?そりゃもうああいう茶番には付き合わないようにするんだけどね?

それを誓うのが……あの神ってのがね?

こう……ねぇ?アレに誓って一体何になるのかって感じがするよね。

出来ることならヘスティアとか、ヘファイストス辺りの善神に誓いたいところだった。

 

 

(あぁー。やべ。めちゃくちゃ改宗(コンバージョン)したくなって来た!)

 

早く将来が不安になるようなこんなファミリアから抜けて、安心して過ごせるファミリアに入りたい……。

 

 

 

 

……となれば!

 

 

 

「ダンジョンしかあるまいて!」

 

「そうだ!」「俺たちの居場所は…」「ダンジョンだ!」

 

「行くぞお前ら!」

 

「「「うおおおおおお!!」」」

 

そう。やはりダンジョン!ダンジョンしかない!

ランクアップすれば、俺はレベル5!そうなればディオニュソス・ファミリアで抱え込むには大きすぎる戦力になる。となれば、ヘッドハンティング…大派閥からのお誘いもある……かもしれない!

 

 

「ランクアップするぞオラァぁぁあ!!」

 

「「「うおおおおお!!」」」

 

雄叫びを上げながら中層を突き進む、ディオニュソス・ファミリアの男四人集。

 

……なお実の所、男性陣(俺含め)は先日の騒動以降ファミリアに居づらくなったので、リヴィラに一時避難しようとしているだけである。

 

雄々しい雄叫びに反して、彼らの目には涙があったのだとか、無かったのだとか。それはまるで、反抗期の娘と妻に邪険に扱われ、居酒屋で愚痴る父親のようだったという。

 

 

(俺はいつか絶対!!こんなファミリア辞めてやるからなぁぁぁぁ!!!!)




さて、ギャグっぽい終わり方…まあ終始ほぼギャグなんですが、真面目な話を。


いつも感想評価ありがとうございます。大変励みになっております。

実はこの作品、評価を付ける際に今は20文字以上のコメントをつけてもらうようにしています。
理由としては高評価の際のモチベーションもあるんですが、どちらかと言えば、評価が低い際の理由やコメントが欲しくて、そういう設定にしています。
実際、“こういった要因で嫌いなんだな”と分かることもあります。
正直、今の所いただいてるものは「いや、ギャグやねんから別にそんな気にせんでええやん。」程度のものなのですが、まぁ普通に小説として読んだら確かにご都合主義すぎるというのも分からないでとないな、など。
後、こういう低評価って、相手に何処が悪いか伝えないと生産性が無いと思うんですよね。書き手はただ悲しくなったりイラつくだけだし、読み手も別に改善してもらえる訳ではないし。
そんな訳で、評価の際にはコメントをつけていただくようにしています。
感想の方も、評価のコメントもキチンと目を通しているので、良ければ是非付けてくださると嬉しいです。

これからもご愛顧の程よろしくお願いします。
ちな、次回はスキルなんかの能力関係をちょびっと出す予定です。
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