【悲報】私氏、小学生妹ちゃんのヒモになりそう 作:おねロリのおね
メスガキの朝は早い。
時間は早朝の朝六時。スマホがプルプルと震えて、お姉ちゃんがわたしを呼ぶ
――大好きな異空ちゃん。起きて朝だよ。
残念ながら機械音声だ。
しかし、わたしのお姉ちゃんボイスコレクションのなかでも至高の一品であり、天上の声といって差し支えない。録音わたし。編集わたし。演者お姉ちゃん。
ちなみに『大好きな』の部分は、お姉ちゃんに大好きな料理は何かを聞いたときに答えてくれたものである。違和感がないように編集するのは苦労したぜ。その甲斐はあったというべきだろう。
脳内に快楽物質が溢れだし当社比3000倍で興奮して、一気に目覚めるという寸法さ。
姿見の前で、わたしはファと小さくあくびする。
パジャマ脱ぎ脱ぎ。
とりあえず、タンスの中から今日着る服を取り出す。
今日はクリーム色のスウェットに、チェック柄のスカートという出で立ちにしよう。
スカートにはドラえもんみたいな白くてデカいポケットが両サイドについている。
スウェットはあえてスカートの中に入れる。
こうすることでスカートから覗くほっそりとした足を強調する仕様。
靴下は黒色で、白くぼやけた印象を引き締める効果を与える。
最後に少し乱れた髪を整えれば完成だ。
うん、今日もビックリするくらいかわいい。
脱いだパジャマを持って、わたしは軽やかなステップで、階段を降りる。
洗濯機の中にパジャマを放り込んで顔を洗ったら、次にやるのはお弁当作りだ。
誰のかはもちろん決まっている。お姉ちゃんのである。
小学生のわたしには給食があるから、お弁当はいらない。
お姉ちゃんには外食の選択肢もあるが、一回でも多くわたしの料理を食べてほしい。
ていうか、わたしを食べてほしい。
朝食といっしょに作るからそんなに手間は変わらないとか、外食だとお金がかかるから、節約するためとかいろいろ言ってるが、実際のところ、朝食は具材的にはまったく違うし、被らせたことはない。そりゃ、卵とかごはんとかは被る時はあるがね。余計な手間がかかっているのは確かだ。お姉ちゃんはぽややんとしているから気づいた様子はない。かわいすぎる。
ちなみに大学の学食ってけっこう安いから、わたしの作るお弁当とどっちが安いかというと、けっこう微妙だ。だけど、これも気づいた様子はない。お弁当がある状況でわざわざ学食には行かないだろうし、食材費とかのことを知らないからわからないんだろう。お姉ちゃんはどこでお弁当食べているんだろうなぁ。フードコートかな。
「ふーん♪ ふーん♪」
お姉ちゃんの好きなウィンナーを焼きながら、わたしは喜びに包まれる。
わたしの作った料理がお姉ちゃんの薄紅色した唇に触って、お姉ちゃんの胃のなかにおさまって、お姉ちゃんに吸収されていくって想像しただけで、正直ゾクゾクする。
焼きあがったウインナーを見て、わたしは満足した。
「これは
つまり、わたしがお姉ちゃんに食べられるも同然!
ウインナーをかわいく着飾るのも当然の理と言えるだろう。ただ焼いただけのノーマルウインナーなんてお呼びではない。視覚的に楽しませてこそ真の料理といえる。だって、食べられるのはわたしなんだからね。
うん、今日はうさちゃんウインナーにしよう。
お姉ちゃんは女の人にしてはよく食べる方なので、二段式のお弁当箱にしている。
一段目はごはん。そして二段目はおかず。おかずにはさっきのウインナーのほか、キリンさんにした卵焼きとか、ミートボールに顔張りつけてお猿さんとかを配置した。
今回のコンセプトは動物園ということでどうだろう。お野菜については動物ふうに加工するのは難しいので、森な感じをイメージする。プチトマトは太陽ということにでもするか。
ヨシ! 完成!
ちなみにいつもデコ弁とかキャラ弁を作っているわけじゃない。小学生もいろいろ忙しいからな。時間と気力が充実したときに、時折作るって感じだ。家事は日常との折り合いで成り立っているから、手を抜くということも覚えなくちゃならない。むしろ、お姉ちゃんへの過剰な愛が溢れすぎてしまうのを抑制するほうが大変だ。まあこれでもやりすぎって意見はあるかもしれんが、わたしの楽しみでもあるんだよ。
ごはんのほうは、刻みノリとゴマでも配置しとくか……。
ゴマ。ノリ。ゴマ。ゴマ。ゴマ。
ノリ。ノリ。ゴマ。ノリ。
ノリ。ゴマ。ノリ。ノリ。ノリ。
白い盤面を黒く染めあげていくというのは、見ていて楽しいものだ。
わたしの欲望がお姉ちゃんを染めていくようで愉しい。
お姉ちゃんおいしいって言ってくれるかなぁ。
※
わたしは合鍵を使って、お姉ちゃんのお部屋のドアを開けた。
合鍵持ってるとか、これもう同棲じゃね? ていうか同棲だった!
もちろん、お姉ちゃんには事前の許可をもらっている。
カーテンを開けて、暗がりに一気に光がさしこむ。
そして、ベッドの中でモゾモゾと動くこの世界でいちばんカワイイ生命体。
お姉ちゃんは手をWの形にして寝ていた。毛布をつまんでいるみたいで超カワイイ。
こんなカワイイ生命体が存在しちゃっていいの?
この世界が生み出したバグじゃない?
「お姉ちゃん。朝だよ。起きて♡」
「ううん……」
お姉ちゃんの朝は遅い。
というか、たぶん朝に弱いんだろう。低血圧ってやつなのかな。
抵抗感のほとんどないお姉ちゃんは垂涎ものの可愛さ。
いつまでも眺めていたいくらいだ。
でも、姉を起こすのは妹の使命でもあるからな。
ここはこころを鬼にして、お姉ちゃんの身体を揺り動かす。
合法接触。
「おねえちゃぁん♡ 起きなきゃダメだよぉ♡」
「あ……、うん、おはよう……ふぁぁ。異空ちゃん」
ようやく起きてくれた。
わたしはお姉ちゃんの腕をとって、ゆっくりと上半身を起こす。
化粧台のところに座らせて、まずは軽く髪をセット。
今日のお姉ちゃんは、大学に行くのが二限目だったはず。わたしが小学校に向かってから、だいぶん経ってからだ。本当はもう少し寝かせておいてもいいのかもしれないけど、お姉ちゃんがそのまま寝坊して大学に遅れたら、わたしの責任だ。
今日のコーディネイトはどうしよう。
――やはり、リンクコーデ、か。
お姉ちゃんとお揃いがいい。
ただし、わたしがルックス的に硬い印象なのに対して、お姉ちゃんはゆるふわな感じだから、なかなか両者に合う服装というのはないのだが、今日みたいな恰好ならお姉ちゃんにも合うだろう。
「はーい。お姉ちゃん。バンザイして♡」
「んー」
ハッ。このバインバインの果実はなんだ。
楽園に咲く魅惑の果実かな。食べたらどんな味がするんだろう。
いつまでも眺めていたいところだけど、下着姿でいさせるわけにもいかないから、断腸の想いでわたしが着ているのと似たようなスウェットを着せる。
しかし、下についてはお姉ちゃんの雰囲気的にはロングスカートがいいかなぁ。
足が完全に隠れるくらいのロングスカートを着てもらって、あえてスウェットは肘のあたりまであげてもらおう。
はい、清楚でかわいいお姉ちゃんが完成だよ。顔はいまでも眠たそうだけど。
と、そのとき奇跡が起こった。
なんの因果か、まったく不明だが、お姉ちゃんにいきなり抱き着かれていたのだ。
「な、なななななに、お姉ちゃん!」
「ン~。なんとなく……。異空ちゃんカワイイし……なんか安心する……」
「そ、そですか」
顔が熱い。お姉ちゃんの柔らかな肢体があますところなく密着している。
特におっぱいは、その暴力的なまでの柔軟性をもって、わたしの顔を覆っていた。
――あ、暴力! 暴力ですよ、これ!
でも、お姉ちゃんはわたしの混乱とは裏腹に立ったまま半分寝ていた。
寝ぼけているお姉ちゃんは反則級の強さだ。
※
顔を洗ってもらったら、だいぶんシャッキリしてきたみたいで、お姉ちゃんはわたしが焼いたトーストを食べている。添え物はベーコンエッグに、レトルトのコーンスープ。うん普通だな!
もちろん、和食というか、納豆にご飯みたいな日常系の日本食を作ったりもするんだけど、今日はお弁当を凝った作りにしたんで、朝食は簡単に作れるものにしたんだ。
「異空ちゃん。今日もご飯おいしいよ。ありがとうね」
お姉ちゃんはそんな手抜き料理にも必ずお礼を言ってくれる。
報われる――というより、救われた気分になる。
もう、お姉ちゃん好きすぎる。
お姉ちゃんに抱き着いて頭をすりつけたい。
「お姉ちゃんがおいしいならよかった。お弁当も用意してるから食べてね♡」
「あー、異空ちゃんがお嫁さんになってくれたら、毎日幸せだろうなぁ」
「お゛っ♡」
ぽやんぽやんな声で爆弾を投下するお姉ちゃん。
危うくすすっていたコーンスープをブッパするところだった。
しかし、なんだこの感覚。
思ったよりも平然としているわたしがいる。
一瞬の衝撃が過ぎ去れば、こころは凪のように静かだ。
嬉しさがゲージを割ってしまうと、人間って逆に平静になってしまうんだね。
人間のこころの不思議さを体感したよ。
とりあえず返事は決まっている。
「うんいいよ♡」
お姉ちゃんがそんなこと言うなら、普通に結婚するけど?
そんな意味をこめて、わたしはニッコリ笑った。
はい、もう一発おかわり。
「お姉ちゃんと結婚してもいいよ♡」
本気にとられても困るだろうから、がっついたりはしない。
あくまで、お姉ちゃんがわたしを選んでくれるなら、わたしは受け入れるというスタンスだ。
「あは、あはは。ありがとうね。こんなダメ姉のお世話をしてくれて」
お姉ちゃんはなぜか焦っているようだった。
あの掲示板でのスレ民たちの指摘で、わたしがもしかしてお姉ちゃんに恋心を抱いているのではないかと考えてもおかしくはない。
まあ――、正解なんだけどな!
お姉ちゃんからしてみれば、妹のこころを試す意味合いもあったのかもしれない。それか、何も考えずに発言してしまって、あとから掲示板でのスレ民諸氏の言葉を思い出して焦ったとかそんなところだろう。
わたしとしては、お姉ちゃんと結婚できるんなら、今すぐにでも結婚したいが、お姉ちゃんのほうにその気がないのなら恋心は伏せておくほうが無難。忍ぶこころこそ肝要だ。
だから――――、この会話はこのあたりで打ち切ろう。
「お姉ちゃんはダメじゃないよ。お姉ちゃんと家族になれてうれしかったから」
「異空ちゃん……」
お姉ちゃんはわたしを優しく包んでくれた。
でも、その意味はわたしが求めているものとは違っていて、わたしは少し悲しかった。
※
しめっぽくなっちまったが、まあしゃーない。切り替えていこう。
だいたい小学生がそんなに簡単に事を成せるなんてことは考えていない。
配信のお兄ちゃんたちにもさんざん指摘されていることだが、普通に考えて、お姉ちゃんがわたしと結婚したいとか言い出したら、犯罪だからな。
まあ、仮にだ。
仮に――、わたしが男でお姉ちゃんが女という状況なら。
あるいは、わたしが女でお姉ちゃんが男という状況なら。
お姉ちゃんを犯罪者にしてしまうというのも戦略としてはありだったと思う。
――考えてみればいい。
わたしがメスガキでお姉ちゃん♂にわからせられるとする。
お姉ちゃんはところどころぶっとんだ宇宙人的なところはあるが、良識的で善良な人間なのはまちがいないから、小学生に手をだしたら、罪悪感を抱くだろうことは想像にかたくない。
保護被保護の関係が加害被害の関係に転嫁し、わたしは被害者面してお姉ちゃんに結婚を迫ることができる。俗にいう『責任をとってね』というやつだ。
ただこれがメスどうしだと事情が異なる。
なんというか、女の子って
いやもちろん、前時代的な発想なのはわかっている。女性も強姦の主体になれることは判例の積み重ねからも明らかだからな。ただ、メスガキが迫っていったときに、相手方女性は完全な加害者にはなり切れず、どこかメスガキの想いを受け入れたという事情が残留するように思うんよ。
そう考えるのは、女の子がやっぱり性欲をぶっぱなす存在じゃなくて、性欲を受け入れる側だからだろうな。わたしがお姉ちゃんのお世話をするのは性欲の代償行為なのかもしれない。
そこんところ教えてフロイト先生!
※
さて、朝食のあとかたづけも終わった。
あとすべきは、お姉ちゃんの身だしなみチェックだ。
まず最初に言っておくが、お姉ちゃんは美人だ。
わたしがお姉ちゃんのことを大好きだからひいき目に見てるとかではなく、客観的に見ても美人だといえる。
ただ、美人だからといってお化粧をまったくしないのはやっぱりダメダメだろうと思う。
お姉ちゃんは美人だったせいか、中高ともにほとんどお化粧をしないで過ごしてきてしまった。
中高だとケバイ化粧は推奨されないってところもあるだろうから、そのあたりは学校にもよるんだろうけど、おそらくそういう環境をこれ幸いにと、自分を着飾ってこなかったのだと思う。
普通なら、年頃になればお化粧とかにもそれなりに興味を持つと思うんだけど、まあ普通じゃなかったというか。自分の容姿にそれほど関心を払ってこなかったんだろう。
べつにそれが悪いわけじゃない。大学になってから急にお化粧が解禁されても困惑するってこともありえるだろうし、お姉ちゃんはたまたまそういうタイプだっただけだ。
わたしとしては素材がいいのにもったいないという精神が強い。
せっかくかわいいんだから、よりかわいくしたい。
お姉ちゃんの価値を高めていきたい。
お姉ちゃんが自分にちょっとだけ自信をもってもらったら嬉しい。
もっとも、お姉ちゃんをかわいくするというのは、変な虫が寄りついてしまう可能性がある。
その危険性はお姉ちゃんがかわいすぎるせいで常にあるわけだけど、落書きみたいなお化粧を施して、わざと変な顔に見せるなんてことは、お姉ちゃんかわいい教信者のわたしとしては、とても許容できるものではない。お姉ちゃんのご尊顔を穢すとか絶対に無理。
なので、いざそういうときがきたら、妹バリアを発動させるしかないと思っている。
わたしが小学生の今はおそらくほぼ無敵だ。
だからわたしは安心して、お姉ちゃんに毎日お化粧を施してるってわけ。
なお、これはわたしが用意したカヴァーストーリーということになるが、お姉ちゃんがいくぶんか気楽にわたしにお化粧されてもいいように、わたしの将来の夢は『メイクアップアーティスト』ということになっている。要するにお姉ちゃんにはわたしの練習台になってもらっているという言い訳を用意したんだ。言うまでもなく、わたしの本当の夢はお姉ちゃんのお嫁さんになることなんだが、そんなことを将来の夢の欄に書けるわけもない。
リビングルームのローテーブルに化粧道具を揃えて、お姉ちゃんにはジッとしてもらう。
瞳に映るのは白いかんばせ/キャンバス。
そこにわたしという意思を乗せるのは、このうえない享楽であるといえる。
ほら、わたしってアーティストの娘だからさ。
こういう芸術的行為に対する感応性が高いんだよ。
「ン……」
お姉ちゃんがキス顔で待っている。
なんだろう。かわいさで人を狂わすのやめてもらっていいですか。
何度も言うが、お姉ちゃんは美人なので厚塗りは似合わない。
素材の持ち味を活かしたナチュラルメイクのほうがいい。
それでわたしの恣意をほんの少しだけ混ぜていく。
化粧下地とかファンデーションでお肌のきめを整えたり、ビューラー使ってまつ毛をカールさせたりするのは基本だけど、今回のこだわりは口紅かな。
「お姉ちゃん。唇をちょっとつきだしてみて」
「ンン」
「ムパムパして」
「ムパムパ」
全体のバランスに気をつけながら、プックリとした唇を演出ですよ。
あ、もちろん色気がつけすぎないように、さりげなさが大事。
少女のスカートがめくりあがって、見えそうで見えないような、そんな媚態を演出してみた。
お姉ちゃんという芸術作品が完成して、わたしは大変満足です。
まあ最初から神的芸術品ではあるんだけどな。
「はい。お姉ちゃん。終わったよ。どうかな?」
鏡を見せてお姉ちゃんに確認してもらう。
お姉ちゃんはキョトンとした顔をしている。またわたし何かやっちゃいましたかというような意味ではなく、これが私? というような意味でもなく、なんといえばいいか、
――本当に私が化粧なんてする必要があるのかなぁ。
とでも、考えてそうな顔だ。
でも、妹から頼まれたから練習台になってるんだよね。
お姉ちゃんって本当に神的にいい人だよな。
「異空ちゃんありがとう。いますぐにでもプロになれそうな腕前よ」
「ほんとぉ? お姉ちゃんに褒められてうれしーな♡」
お世辞だろうけど、お姉ちゃんに褒められて嬉しいのは確かだ。
今日も晴れやかな気分で登校できる。
「じゃあ、そろそろ小学校にいってくるね。お姉ちゃんもお勉強がんばってね♡」
お姉ちゃんに見送られ、わたしは家を後にした。