【悲報】私氏、小学生妹ちゃんのヒモになりそう   作:おねロリのおね

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眠れる狼を起こしちゃったお姉ちゃんが悪いんだよ

 とある晴れた昼下がり。

 

 あたたかな春の日差しが降り注ぎ、夏の香りと混じり始める頃。

 わたしはリビングのソファでうとうとしていた。

 テレビはつけっぱなしで、コメンテーターが益体もない話をしている。

 人間の声をBGMがわりにすると、なんか眠たくなってくるよね。

 マッマのお腹のなかにいたころを思い出すからだろうか。

 

 今日はメスガキもおやすみだ。

 まあ、ぶっちゃけた話をすると――だ。

 わたしのメスガキって演技が八割くらいは入ってるからな。

 ブイを始めるにあたって、小学生の素が出てもさほど違和感がないのがもしかするとメスガキなんじゃないかって思いつきで始めただけだし、特に深い思い入れがあって始めたわけでもない。ただ、一年間もメスガキやってると、骨の髄まで染みてきたところはあるかな。イソラというキャラクターにも思い入れは当然ある。

 

 でも、わたしの素ってやっぱメスガキっぽくないよな。

 

 配信でのお兄ちゃんたちへの態度も、べつに生意気に見せたいわけじゃないし。普段のわたしは実をいうとかなり品行方正の良い子ちゃんで通っていて、ご近所のおばちゃんとかにはよく撫でられたりするんだぜ。買い物いつもえらいわねーとか言われてな。

 

 ちな、男の人は超絶カワイイわたしにビビッて近づいてすらこないが、べつにそこはフランクに接してくれてもかまわんと思っている。『ビビってるの? かわいいー♡ こっちおいでよ♡』って呼びたいくらいだ。警戒心が薄いと思われるかもしれんが、TSでよくありがちな野郎は要らねえとか思っているタイプじゃない。人に撫でられるのわりと好きなんだよ。ただそれだけ。

 

――やっぱ、わたしってメスガキなのか?

 

 まあ、そんなことはどうでもいい。

 ひとつだけ確かなことは、わたしには演技をしているという気持ちがある。

 仮面をずっと被っていると、その仮面(ペルソナ)は皮膚に張りついてくる気がする。

 剥がれなくなって、いずれは仮面が顔になるんだ。それって怖くね?

 

 まあ、要するに――、

 

 四六時中メスガキしてると疲れるんだよ。だから今日は休憩。配信もお休み。

 

 ちなみに、姉狂いのわたしにしても、いつもお姉ちゃんのことばっかり話しているわけじゃないよ。ブイチューバーは言ってみればサービス業だからな。人を楽しませてナンボのもんよ。飽きないようにゲーム配信とか、普通の雑談とか、歌うたったりとか、ギター弾いたりとかもちゃんとしている。クッサい♡ギターソロを弾くのが好みなんだ。フロストのブラックライトマシーンみたいなやつね。

 

 特にわたしがリアル小学生だとバレてからは、小学校生活について聞かれたりもするな。更衣室は男女わかれてるのかとか、タブレットやパソコンは使っているのかとか、スマホの持ちこみはOKなのかとか、水着はユニセックスタイプなのかとか。そんな他愛もない話。

 

 下心もちょっとはあるんだろうけど、まあ小学生に対してちょっぴり卑猥なことを言っても、わたしなら耐久力があると思われているんだろうな。だって、メスガキで一年近く配信して小学生だとバレなかったわけだから、その実績は確かなものだ。飲み屋の姉ちゃんみたいに、お兄ちゃんたちの会話をうまくかわすのなんてワケないぜ。

 

 なお、カフェ・オレのお兄ちゃんの場合はかわす必要すらない。『お兄ちゃんは一生スレ監視員してろ♡お前が始めたことだろ』と言い渡してやったら、また幼児退行起こしてた。かわいいね♡

 

 ふぅ。いかんいかん。すぐにメスガキになっちゃうのはわたしの悪い癖だ。

 今日のメスガキは封印しとこ……。

 

 

 

 

 

 

「……むにゃ?」

 

 なんかムチってしてて、それでいてしなやかな弾力があって、とてつもなく心地よい物体のうえにわたしの頭が乗っている。ほっぺたで感触を確かめると、ますます気持ちいい。なんかすべすべしてて、わたしの動きに反応してモゾモゾ動くのが楽しい。なんですべすべさんはモゾモゾさんになるの? 半覚醒の状態で、わたしはうっすらと目を開ける。

 

 すると思いがけず、

 

――お姉ちゃんのご尊顔。

 

 が視界に飛びこんできた。

 

 え、あ、あれ? な、な、にゃんで。

 お姉ちゃんにお膝枕されちゃってるのでせうか!?

 

「あ、起きた? 異空ちゃん。なんか疲れて寝ちゃってたよ」

 

「お姉ちゃん膝枕してくれてたの?」

 

 上半身を起こし目をごしごしこすりながら、わたしは平静を装う。

 いきなり鼻息荒く飛びこんだりはしない。

 でも、ちょっとお胸様にダイブするくらいは許されるよな。

 ちょっと頭を揺らして、ポスンとさりげなく落とす。

 お姉ちゃんはわたしを抱きとめてくれる。

 ああ、このままおっぱい枕で眠れたら、わたしは今日死んでもいい。

 

「枕代わりだよ。硬かったかな?」

 

「ううん。お姉ちゃんの太もも柔らかかったぁ♡」

 

 まず、無邪気を装います。

 太ももという言葉も、若干のエロさを含ませていていいですね。

 これは、メスガキ選手、芸術点が高い。

 ほら、お姉ちゃんの顔を見てください。顔が赤いですよ。

 

「そっか……」

 

 ちょっと恥ずかしそうにスカート部分を伸ばそうとするお姉ちゃん。

 こんなの興奮しちまうだろ。メスガキを誘惑してる悪いお姉ちゃんだね。

 家から一歩も出る気がないのか、お姉ちゃんはストッキングすら履いていない。

 つまりエロい肉感のある生足を露出させているのである。

 それでいまだ義務教育の域をでない幼気な小学生妹の頭を乗せるのである。

 ねえ、太ももは猥褻物だよね?

 猥褻物陳列罪適用されたりしない? 大丈夫?

 そんな妄想が脳内をかけめぐったが、身体の力は半分抜けている。

 寝起きはさすがに行動的になれないからな。

 客観的に見れば、半分ぼーっとした妹が、姉に安心しきって身をまかせてる状況だ。

 

「ねえ、異空ちゃん」

 

 お姉ちゃんは優しげに問いかけてきた。

 

「ん?」

 

「お耳。掃除してあげようか?」

 

「!」

 

 なん……だと!?

 わたしは驚愕していた。

 わたしはお姉ちゃんに毎日ご奉仕している。

 逆に言えば、わたしがお姉ちゃんからご奉仕を受けるということはほとんどない。

 日常の家事は有限であり、わたしはそのほとんどすべてを担っているからな。

 

――どうして急に。

 

 当然のように疑問が湧いたが、もしかしたら例のお弁当モールス信号の件の影響かもしれない。あのあと、お姉ちゃんはわたしの部屋にやってきて、ギュっと抱きしめてくれた。理由は知っていたが理由は知らないことになっているわたしは、どうしたのって聞いたが、そうしたら、わたしがここにいてくれてうれしいと言ってくれたんだ。

 

 わたしは恥ずかしながら泣いちゃって、そしたらお姉ちゃんがオロオロしちゃって……、まあそれでふたりの距離はグッと縮まったのかもしれない。

 

――計画通り。

 

 いやいや、そんな邪悪な考えはしてませんよ。

 お姉ちゃんが少しだけ歩み寄ってくれて単純にうれしいだけ。

 

 今回の耳かきも、お姉ちゃんとわたしが少しだけ仲良くなった結果なのかもしれないからな。

 

 もちろん、どうしてとか、なぜとか聞くのは悪手。

 寝起きに耳かきとか危なくね? などという言葉は絶対に言ってはならない。

 

 お姉ちゃんの言葉を疑ってはならぬ。

 お姉ちゃんが白と言えば、たとえカラスでも白だ。

 お姉ちゃんが黒と言えば、たとえあわ雪でも黒だ。

 

 一瞬でそこまで考え、出力された答えはごく単純。

 

「お姉ちゃんがお耳掃除してくれるの? うれしいな♡」

 

 姉の言葉を素直に受け取る妹を演じたのみだ。

 ついでに、自然なかたちで倒れこみ、再びお姉ちゃんの太ももを堪能する。

 

「じゃあ動かないでね」

 

「うん♡」

 

 なお、ここでリスナーのお兄ちゃんたちが見ていたら、カイジの耳孔貫通マシーンを想起するかもしれない。お姉ちゃんは、客観的に見たら家事全般ができないダメ姉だからな。

 

 でも、それは知らないから――()()()()()()()()()()()()()――できないだけであって、べつに潰滅的に不器用だからとか、そういう物理的な原因があるわけじゃないんだ。

 

 何が言いたいかというと、わたしの鼓膜に穴があくというような事態にはならないってこと。

 

「どうかな。気持ちいい?」

 

「うん。ASMRだよね……お姉ちゃんのお膝のうえで、お姉ちゃんに耳かきしてもらえて……」

 

 お姉ちゃんの指さばきはやはり恐怖成分多め。おそるおそるといった感じだ。

 わたしを傷つけないように、ごくごく小さな力で耳掃除してる。

 すこしもどかしいくらいだ。

 わたしはもっともっとお姉ちゃんに()()()()()()()()()のにな。

 

 

 

 

 

 

 お姉ちゃんの耳掃除をたっぷり20分も堪能してしまった。

 こんなのプロでもかからねえぞってくらい、ねぶるように耳かきされたが、もちろんわたしに不満の気持ちは一切ない。むしろかつてないほど喜びに満ち溢れている。

 

「お姉ちゃん。今度はわたしがしてあげるね?」

 

 お姉ちゃんへのお礼で合法イチャイチャ。今日も優勝だ! ビール持ってこい。

 そんなふうに思っていたらお姉ちゃんの反応はかんばしくなかった。

 

「あ、いや――その……」と言葉を濁している。

 

「うん?」

 

「昨日、自分でやったからいいかなぁ」

 

「ふうん……」

 

 お姉ちゃんは恥ずかしがってるのかもしれない。

 あるいはもしかすると信頼ポイントが足りなかったのかもしれない。

 

 考えてみれば、お耳という自分の脳みそに近い場所を異物を投入されてかき乱されるというのは、本能的には恐怖でしかないだろう。それこそ家族でもない限り怖いだろう。

 

 もしまったく知らない人から、商売でもないのに、耳掃除しましょうかとか言われたらどうだ。死ぬほど怖くないだろうか。もちろん妹であるわたしが言うのだから、そこまではないにしろ、お姉ちゃんは他者を受け入れないタイプなのは見ていてわかる。

 

 少しずつ少しずつお姉ちゃんの心の壁は溶かしているが、本性が変わるわけではないからね。

 こればっかりは、お姉ちゃんのキャラだと思って受け入れるしかない。

 それよか、わたしは代償行為を探す。抑圧されたエネルギーは変換されるのが常なんだ。

 

「あ、お姉ちゃん。爪伸びてるよ」

 

 さっそく見つけた。

 お姉ちゃんは自分にすら興味がないから、こういうところを見つけるのはわりと簡単だ。

 

「あ、そうだね」

 

 お姉ちゃんは指を丸めて自分の爪を見ている。

 うーん、と悩んでいるのは、いつものお姉ちゃんだ。

 切ったほうがいいとは思っているものの面倒くさいとも思っている感じか。

 

「お姉ちゃん。わたしに切らせて?」

 

「え、異空ちゃんに?」

 

「うん。お姉ちゃんの爪ってキレイだから、わたしにお世話させて?」

 

「爪にキレイとかあるのかなぁ」

 

「うん。形がキレイだし、つやもあるし。磨けばもっと光るよ。お姉ちゃんの爪はかわいい♡」

 

「そ、そうかなー」

 

「うん、お姉ちゃんの爪はかわいいよ。でもそのままにしておいたらダメ。他が良くても爪がキタナイとお姉ちゃんもイヤでしょ?」

 

「まあ確かに……」

 

「だから、わたしに爪を切らせてください。お願いします」

 

 わたしは頭を下げる。

 なぜか丁寧語も使う。

 お姉ちゃんはわたしの夢をメイクアップアーティストだと思っているから、断りにくいはずだ。

 

「じゃあ、お願いしようかな」

 

「うん。じゃあ、どうしようかな。左手……右手。うん、左手からにしようかな」

 

「関係あるの?」

 

「ないよ。でも好きなオカズがあるときにどれから手をつけようかなって考えるじゃない。それに近い感じだよ♡」

 

 実際に、お姉ちゃんという至高の一品を味わうのだ。

 左手か右手か、これはわたしにとって選択の楽しみがある。

 それに、どの指から始めるかも重要だ。

 

「お姉ちゃんはどの指から切る派?」

 

「ンー。わたしは人差し指派かなぁ」

 

「そうなんだ」

 

「異空ちゃんは?」

 

「小指派」

 

「へえ、珍しいね」

 

「そうかなぁ」

 

「お姉ちゃんはなんで人差し指派なの?」

 

「うーん、なんとなくかな。異空ちゃんは?」

 

「ちっちゃい方から切っていったほうが精神力持つかなって」

 

「考えて切ってるんだね」

 

「うん。わたしはいつだって計画的なんだ♡」

 

 他愛のない会話をかわしながら、お姉ちゃんの爪を切っていく。

 少しずつ整えられていく指先。

 対象がキレイになっていくのは、宝物を磨き上げるような快感を伴う。

 わたしのお姉ちゃんが、わたしの手で、どんどんキレイにカワイクなっていく。嬉しい!

 でも、まあヤスリとかにかけるのは傷つくのでナシだ。

 マニキュアとか塗ってもいいんだけど、今日のお姉ちゃんは外に行く様子はないからこれもナシ。どうせ、お風呂で落ちちゃうだろうしな。

 

「おしまい」

 

「ありがとう、異空ちゃ――」

 

「じゃあ、次は足のほうだよ♡」

 

 遮るように言葉をかぶせる。

 終わったと思わせてからの強襲だ。

 相手に心理的防壁をまとう暇を与えない。

 

「え、ええぇ。さすがに足のほうは恥ずかしいかな」

 

 あ、お姉ちゃん。

 ソファの上で生足をクロスさせて膝抱えとか可愛いね。淫魔がよ。

 本当ムラムラする。おっぱいが膝に潰されて横にはみ出ちゃってるじゃねーか。

 

 わたしはニッコリ笑う。

 

「そんなことないよお姉ちゃん。プロのモデルさんは足の爪にもお化粧したりしてるでしょ?」

 

「そうだけど、私はモデルさんじゃないし」

 

「でも、お姉ちゃんはモデルさんみたいにキレイだよ」

 

「えー」

 

「お姉ちゃんに練習台になってほしいな♡」

 

「……はい」

 

 なんで罪人みたいな顔をするんだろう。

 うつむいているお姉ちゃんは襲われるのを震えて待つ赤ずきんちゃんみたいだ。

 ゾク……。

 ぞくぞくぞく――。

 背筋に電流が昇りあがるような感覚。

 抑えきれない獣欲。

 わたしはいま小学生らしく笑えているか自信がない。

 

「フフ。じゃあ、するね♡」

 

 お姉ちゃんのえっちな足を自分の膝に乗せて固定した。

 さすがに持ち上げたままだと、小学生の力じゃ無理だしな。

 ああ、それにしてもお姉ちゃんの足ってえっち。

 断頭台に固定された真っ白な首みたい。

 

「い、異空ちゃん。なんだか目が怖いんだけど」

 

――グリーンアイ。

 

 まあ、たぶん爛々と光ってたりするのかもな。

 お姉ちゃんごめん。わたし狼なんだ。

 

「ねえ、お姉ちゃん知ってる?」

 

「え?」

 

 お姉ちゃんは手で目を覆って見ないようにしてた。

 

「爪ってさ、骨じゃないんだよ」

 

「そうなの?」

 

「うん。本当は皮膚なんだって」

 

 だから、これが意味するところはただひとつ。

 答えなど明確すぎるくらいに明確だ。

 

 鋼のアギトを振り上げて――、

 わたしは少女の()()を食い破った。




ヨシ! 仲の良い姉妹のほのぼのとした日常風景を書けたぞ!
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