【悲報】私氏、小学生妹ちゃんのヒモになりそう   作:おねロリのおね

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狐がいたぞ、いたぞおおおおぉぉぉぉ!

 わたしはご都合主義という言葉が嫌いだ。

 

――デウス・エクス・マキナ。

 

 解決困難な事案を絶対的な力でねじふせる機械仕掛けの神。

 そんなものに頼るのは雑魚のお兄ちゃんたちだけで十分だと考えている。

 

 必要なのは、出来事の因果連鎖を読み解く能力。

 予測可能性を最大射程まで伸ばして、起こりうる未来に対して備えることだ。

 

――だってそうだろう。

 

 死は待ってはくれない。

 突然の終わりなんていつでも起こりうる。

 わたしにはそれを止める術はないのだから。

 

 そりゃ、神様っぽい何かが突然現れて、わたしにお姉ちゃんを洗脳催眠する能力でも与えてくれたら楽かもしれないなと思ったことはあるよ。お姉ちゃんのこころが欲しいわたしからしてみれば邪道ではあるが、催眠してからの凌辱、そして催眠解除してからの曇らせ顔はもはや様式美だからね。もう一回催眠して尊厳破壊がおかわりされる展開も一粒で二度おいしい。

 

 お姉ちゃんはマゾいところがあるような気もするし、わたしは言うまでもなくサディスティックなところがある。メスガキは攻めの姿勢だから当然だ。お姉ちゃんのグチャグチャになった顔を見たいのは確か。お姉ちゃんを落したら絶対にそうする。でもまあ、そこは理性を働かせて我慢してるけどな。お姉ちゃんに嫌われるなんてノーサンキューだ。自分から宝物を壊す馬鹿がいるかよって話でもある。

 

 ともあれ、何の因果か転生してしまったわたしだが、神様に会ったこともなければ、チート能力もないわたしは、自力で欲しいものを手に入れるしかない。

 

 しかし、わたしが小学生女児であるという環境は、あまりよろしいものではないのは、わたし自身だけでなく、もはやリスナーのみんなもよくよく理解しているところだろう。

 

 でも誰だって与えられた環境でがんばるべきだ。

 状況に満足できないなら抗うべきだ。

 わたしがご都合主義という言葉を嫌いな理由は――、

 それを理由に努力をしなくなってしまうのが怖いからだ。

 なにもしないで漫然と死ぬのはイヤなんだよ。

 

「ヨシッ!……完成したゾ……」

 

 わたしの努力がついに実を結ぶ。

 半月ほどかけてようやく完成した。

 

 あのときの『耳かき&爪切り』動画である。

 

 ふぅ、マジで苦労したぜ。

 神は細部に宿ると言われているとおり、わたしのこだわりが発揮されてしまった。

 

 お姉ちゃんに耳かきを提案されたとき、わたしがとっさに取った行動は、甘えるように抱き着きながら、お姉ちゃんの背中でスマホの録音ボタンを押すことだった。お姉ちゃんが隠れて撮影でもしてくれて、またスレに投下してくれたらそれでもよかったんだが、もはやわたしどころかリスナーのみんなにもお姉ちゃんのカメラ配置はモロバレであるし、お姉ちゃんがあのとき撮影していないことは一瞬でわかったんだ。

 

 欲を言えば動画を撮影したかったよ。でも、上手い具合にわたしとお姉ちゃんをどちらも撮影できるように配置できる暇はなかった。ついでに言えば、お姉ちゃんのASMRを完成させるために、わたしはヘッドマイクになりたかった。残念ながらメスガキにはヘッドマイクになる機能はついてないので、わたしにできることは限られていた。

 

 とりうる最善の行動。

 十全とは言えない状況。

 しかし、むしろそういう不自由さこそが創作には重要じゃないか。

 

 わたしがそれからとった行動は、動画の作成だ。

 

 もちろん、わたしはメスガキとして。

 お姉ちゃんは、ゆるふわなお姉さんキャラとして。

 要するに、3Dアニメ動画を創ったんだよ。

 

 こだわり抜いたのはお姉ちゃんの造形な。

 

 お姉ちゃんから後光のように放射し、かもしだされるふわふわピンクの空気感とか、この世の輝きみたいなものを表現するのに時間を喰った。なぜならお姉ちゃんはカミサマだからです。

 

 正直、自分のあまりの表現力のなさにあきれかえるばかりだが、たとえ一流アーティストでも、お姉ちゃんを十全に表現できるやつはいないと思うから、妥協はしかたがないことだ。まったく、わたしが真のアーティストだったら筆を折ってるところだったぜ。お姉ちゃん恐ろしい子。

 

 さて、そんなわけで、3Dお姉ちゃんはわたしの性癖全開で創っている。

 

 お姉ちゃんのエロエロなおっぱい。

 すべすべなお肌、

 プックリとした唇、

 たぬき似のかわいいゆるふわなお顔。

 ぷにぷにの二の腕。

 ムチムチなおみあし。

 そして、勝手ながらつけ足してしまったのは天使の羽とわっか。

 わたしのなかのお姉ちゃんはこういうイメージ。

 無垢で穢れの無いお姉ちゃんが、無自覚にエロいって最高じゃね?

 ヒュー、我ながらスゲェもんを創っちまった。むしゃぶりつきたくなるな。

 

 もちろん自分専用にしてもよかったが、お兄ちゃん達に見せびらかしたいという欲求もあった。

 なにしろ、お兄ちゃんたちはわたしにとってのパートナーでもあるからな。

 仲間うちに自分の好きなものを語りたいって気持ちわかるだろ。ていうかわかれ。

 それにまあ、いままでお兄ちゃんたちにはさんざんつきあってもらってるしな。

 慰労の意味も兼ねて、ネタを提供するのはありだろう。

 

 さて、配信スタートだ。

 

 

 

 ※

 

 

 

「あ――」

 

 わたしが配信で惹句を述べようとした瞬間。

 

『くそおおおおおおお!』

『くそおおおおおおお!』

『くそおおおおおおお!』

『くそおおおおおおお!』

『くそおおおおおおお!』

 

 コメントがなぜか悔しがりはじめた。

 な、なんぞ?

 

「な、なにかな。お、お兄ちゃんたち。まだわたし何も言ってないよ」

 

『いや、イソラが来たら初手で悔しがろうって話になってな』

『ここの紳士たちは連帯感すげえよな』

『いつもの意趣返しってやつよw』

『メスガキやっぱり困惑する』

『またお兄さんたちを罵倒しようとしただろ』

『初手わからせ達成w』

 

「くそおおおおおおおお♡ お兄ちゃんのくせにいいいいい♡」

 

『なんかメスガキが悔しがってるのは珍しい』

『あいかわらずうるせえガキだなw』

『ちなみにどんな罵倒お通しをするつもりだったんだ? \100』

『罵倒=お通しという概念』

『なんか罵倒されないと、しっくりこない感はあるな』

『メスガキに罵倒されないと、なんかルーの入ってないカレーみたいだ \100』

『それって、もはやただのご飯なのでは』

 

「メスガキスキーお兄ちゃん。スパチャありがとう♡ 今日はお兄ちゃんたちにわたしみたいな小さな子の配信見るくらいしか趣味ないの? って言うつもりだったよ♡ わからせマンお兄ちゃんもありがとー♡ そんなにわたしに罵倒されたいんだ。変態♡」

 

『まあ、ぶっちゃけメスガキ要素以外も多才だと思ってるよw』

『姉狂い以外は、メスガキは良い子』

『縁があるならわが研究所に迎え入れたい。\10000』

『なんか研究所のおっさんがまぎれこんでる件』

『これは足長おじさんじゃなく、わからせおじさんなのでは?』

『赤スパ乙と言いたいが、イソラの属性を知ってるとイエローカードでもあるような』

『でも天才児なのは確かだろ。語彙力が小学生のソレじゃねえ』

『オレの妹なんて、ウンコ兄ぃ呼びだぜ。イソラはスゲェよw』

 

「えっと、グランドファーザーお兄ちゃん、赤スパありがとー。でも、わたしって小学生だから働けませーん。ごめんね♡」

 

『そういやイソラって確定申告どうしてるんだ? \200』

『あ、気づいちゃったか』

『兄ちゃん、消されるぜ』

『たらりたーらりたーら』

『ひえ、怖いオバサンがキタ!』

 

「確定申告は知り合いの弁護士にお願いしているから大丈夫だよ♡」

 

『ふーん(あまり深堀すると何かが湧いてきそうで聞けない)』

『ヒモ姉が後見人だったら普通にバレるんじゃないかと思うが』

『その知り合いの弁護士あたりが未成年後見人なのかなぁ』

『遠縁が書類上だけ後見人になってるんだろ。そのあたりは察しろ』

『詮索しすぎはよくないぜ。メスガキにだって触れられたくないことはあるだろ』

『考えるな感じろってやつですね』

 

「そんなにわたしのプライベート情報を知りたいんだぁ♡ 本当、お兄ちゃんたちはわたしのことが好きすぎるんだから♡ ロリコン犯罪者予備軍♡ 社会不適合者~♡」

 

『けッ。誰がメスガキのことが好きかよ』

『まんざらでもない感が絶妙な塩梅でメスガキなんだよな』

『クソ、腹パンしてえ』

『メスガキわからせマン。はやく来い。間に合わなくなっても知らんぞ!』

『でも、メスガキちゃん、それって確定申告兄貴をかばってるよね? \100』

 

「それ言われると弱い♡」

 

『素直かよw』

『かわいいかよw』

『これだからメスガキは』

『魔性の女』

『ほんと根はイイ子なんだわ。お姉ちゃんが好きすぎる以外は』

 

「ははッ♡ 雑魚のお兄ちゃんたちはすーぐわたしの演技に騙されるんだから♡」

 

『ちくしょうううう』

『また騙された』

『この女狐めッ!』

『どっちかというと狐じゃなくてオオカミなんだよなぁ』

『オレ氏もそう思います』

『ヒモ姉がいまだ食べられていないのが不思議w』

 

「さて、お話が脱線してばっかりで進めないから、そろそろ強引に話題を変えるよ。今日はいつもみたいに二段階配信じゃなくて、お姉ちゃん配信だからアーカイブには残さないからね♡」

 

 最近は枠を二つ取ってるんだよな。

 まずは通常の配信。雑談とかゲームとかそういう普通のやつ。

 そして、お姉ちゃんについての話題は、二番目の枠として配信枠を分けている。

 こうすることで、アーカイブに残すやつと残さないやつを明確にしているんだよな。

 

 お姉ちゃんへのわたしの恋心は絶対的に伏せておくべき事柄。

 これにまつわる記録は絶対に残さないほうがいい。

 でも、お兄ちゃんたちにスレッドを監視してもらっている以上、お兄ちゃんたちと情報共有できる場も必要だ。痛しかゆしってやつだな。

 

 そういうわけで、この動画もストリーミング内ストリーミングということで流すようにするぜ。

 ドヤっ。見ろこのすばらしいお姉ちゃんの造形を。

 

 

 

 ※

 

 

 

「さて、まずは本編前にお姉ちゃんをごかいちーん♡ あ、ここでいったん停止するね♡」

 

『本人によるコメンタリーつきかよw』

『イソラ。ついにお姉ちゃんを3D化してしまう』

『ちょっとお姉さんの造形がエロすぎませんかねぇ』

『リアルでのヒモ姉と雰囲気は似てるな。なんか天使の羽ついてるが』

『イソラの中のお姉ちゃんって天使なイメージなんだな』

『エロ天使w 穢しちゃいけない存在を穢すことに興奮してそう』

『これもメスガキが描いたんか。執念がすごいなぁ』

『このイラストデータからの描き起こし、3D化って、どんだけ化け物なんだよw』

『最近の小学生はすごいなー(棒読み)』

『AIちゃんに創ってもらったんじゃね?』

『AI特有の書き割り感はないな』

 

「ふふーっ。すごいでしょ♡ もちろんわたしが描いたんだよ♡ あー、お姉ちゃんカワイイ!」

 

『動画内の姉にすりすりすんなw』

『イソラちゃん猛烈にスゥハァしている。姉は吸うものだった?』

『これって、セルフ供給なのでは?』

『メスガキはヒモ姉という概念そのものを愛してるんだよ』

『なにを見せられてるんだろうなオレら……』

 

「じゃあ次に進むね。これは実際に起こったこと――世界のシンジツなんだよ♡」

 

『世界のシンジツ。すごいなー(棒)』

『深淵に触れてしまったか』

『中二病はまだ早い』

 

 動画を進めると、まずはイソラがお姉ちゃんのふとももに頭を預けている様子が映る。

 ちなみにいつもと違って、今回映っているイソラは白いワンピースを着た清純そうな恰好だ。

 天使のような羽の代わりに蝙蝠のような羽がついているが、見た目的には幼くかわいらしいものなので、お姉ちゃんとのミスマッチは生じないようにした。

 

「ある日、わたしがリビングでうとうとしていると天上の声が聞こえたんだ」

 

『なんか語りだす』

『お姉ちゃんに膝枕してもらってうれしかったんだね』

『たぶん脳内リピートで脳汁だしまくってるな』

 

――「枕代わりだよ。硬かったかな?」

 

『て、ヒモ姉のリアル音声やんw』

『姉は盗撮。妹は無断録音。似たもの姉妹で草』

『ヒモ姉。オオカミの口の中にとびこむがごとき暴挙』

『妹が姉に欲情してるとも知らずに……』

 

――「ううん。お姉ちゃんの太もも柔らかかったぁ♡」

 

『ほら、ハートマークが見えるぞ』

『子宮から声出すのホンマ草』

『小学生だぞ。おまえら少しは自重しろ』

『太ももっていうところが小学生らしくていいな』

 

 はい、ポーズ。

 

「うん、ここではあえて太ももが柔らかいというえっちなセリフを小学生が言うことによって逆に無垢さを演出しているわけですね」

 

『それはすごいですね。さすがイソラ選手』

『姉を堕とすのに余念がないな』

『ここまで一瞬で読み切って、あの太もも柔らかいって言ったんか』

『単純に、メスガキはそこまで考えておらず本能のおもむくまま言った説もありうる』

 

 次のシーンは耳かきだ。

 

「ほらほら、お姉ちゃんがわたしの耳かきしてくれたの♡ もうこれって求婚だよね♡ お姉ちゃんの耳かきがまちがって鼓膜を突き破っちゃったらよかったのに」

 

『物騒なことを言うメスガキがいる』

『ヒモ姉だったらありえそうで怖いわw』

『ここにメスガキがいるからこそ安心して見れるが』

『オレもなー、えっちなお姉さんに耳かきしてもらいたかったわ』

『オレ氏もそう思います』

『おまえは黙ってスレ監視してろw』

『ば、バブゥ……\100』

 

「あ、カフェ・オレお兄ちゃんスパチャありがとう♡ 今日もお仕事がんばってねー」

 

『お仕事(隠語)』

『泣けるぜ』

『まあしゃーない。これが大人の責任の取り方ってやつだ』

『ば……バブぅ』

 

 とりあえず動画は続くが、いくらなんでも3Dのキャラでも耳の造形には限界がある。

 わたしとお姉ちゃんの耳かきはこれからたっぷり20分も続いたが、さすがにお兄ちゃんたちにとっては退屈だろうからカットした。

 

「お次は爪切りだよ。お姉ちゃんがわたしに何かしてくれるのは嬉しいんだけど、わたしはどちらかと言えば、お姉ちゃんに何かをしたいタイプだからね」

 

『耳かきを拒否られたら速攻で切り替えるの草』

『もうなんでもいいからお姉ちゃんに合法接触したかったんだな』

『ブイで爪切りか……新しいな』

『(外形上は)姉妹百合てぇてぇ。\100』

『その外形上ってのがクセモンなんだよな』

『どこの指から切るか聞くのは、てぇてぇよ』

『目の前でメスガキがドヤ顔解説キメてなければなw』

 

 そして、さらなる展開。

 お姉ちゃんのえっちな足の爪を切るという暴挙。

 当然、リスナーのお兄ちゃんたちも沸いた。

 

『足の爪だとぉぉぉ。えっろwwwww』

『小学生の妹に足の指を切ってもらう姉がいるらしい』

『これはもう……』

『爪は骨ではなく皮膚か……』

『ああ、爪切りがオオカミの口に見えてきた』

『悲報。ヒモ姉食べられる』

『うん。非常に健全で微笑ましいエピソードだな』

 

「お姉ちゃんの爪を切れて嬉しかったって話でーす♡ なに興奮しているのぉ?わたしのお耳を掃除してくれたお礼に爪を切ってあげただけだよ。おかしな話じゃないよね♡」

 

『まあ完璧に言い訳は成り立ってる』

『お姉ちゃんが全部悪いんだよ。耳かきとかするから』

『そうだな。ヒモ姉が悪いよな』

『妹はこのときのために、将来の夢をメイクアップアーティストと設定していた』

『いつごろからなんだろうな。メスガキの計画ができたのって』

 

 ふっ。

 今日は何を言われても余裕だ。

 なにしろ、シンジツは――そこにある。

 動画のなかでお姉ちゃんとイチャイチャしたのは現実として起こったことだからな。

 わたしは勝利の余韻に酔いしれる。

 

――と。

 

――――、慢心したのがよくなかったのかもしれない。

 

『メーデー。メーデー。メーデー!!!!! \10000』

 

 突然の赤スパは、危険を知らせるレッドアラート。

 カフェ・オレお兄ちゃんのスパチャだ。

 

「どうしたの?」

 

『スレで、メスガキの配信がさらされている! \100』

 

『マジかよ』

『やべえw どうすんだイソラ』

『まあ、いつかは誰かが辿り着くとは思っていたが』

『いやこの配信内に裏切者がでたのかもしれんぞ?』

 

 チャットのスピードが車のエンジンみたいに高速回転する。

 混乱と困惑。

 そして猜疑心。

 わたしは無意識に奥歯をかみしめた。

 

 やはり隠れていやがったのか――。

 

 村人陣営でも狼陣営でもない第三の陣営。

 

 自分の生存のみが目的の快楽主義者。

 

 ――()が。




いや、お姉ちゃん喰われた時点で狐生存なら狐勝利やん(自己ツッコミ)
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