【悲報】私氏、小学生妹ちゃんのヒモになりそう   作:おねロリのおね

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シャイニング。明るいお姉ちゃん計画。

778:小学生妹のヒモ姉

なにか急にスレが伸びてると思ったら

ワケのわからない書きこみばかりで

いったいなんなんです!?

荒らしかなにかですか

 

779:仰げば名無し

荒らしというかなんというか

 

780:仰げば名無し

その、なんというか、なあ(目そらし)

 

781:仰げば名無し

ヒモ姉はよくがんばったよここまで

 

782:仰げば名無し

おめでとう♡

 

783:仰げば名無し

妹ちゃんと末永くお幸せにな

 

784:仰げば名無し

よかったじゃないか百万円の件はほぼ解決したみたいだぞ

妹ちゃんはブイチューバーやっててスパチャで稼いでたみたいだ

 

785:小学生妹のヒモ姉

妹ちゃんがブイチューバー?

メスガキ……?

よくわからないんですけどメスガキってなんですか?

 

786:仰げば名無し

メスガキとは宇宙の心である

 

787:仰げば名無し

普通にメスのガキのことじゃね?

 

788:仰げば名無し

メスガキとは……、

生意気な言動で煽って場合によってはガチで怒られたりして

『わからせられる』というところまで様式美なキャラクター造形かなぁ

ある種のツンデレ的な側面もあり、

心の底ではお兄ちゃんを慕っているが、うまくその心を表せられない

その「幼さ」がたまらないという見方がある

そして、マゾヒズムという面も見過ごせない

メスガキはお兄ちゃんを煽ったりするわけだが

そのときメスガキに責められて敗北者になるのがうれしいんだ

ウィン――ルーザーの関係こそが至高といえる

一部のお兄ちゃんたちにクリティカルヒットする特殊性癖さ

もちろん、オレもメスガキちゃん大好き勢のひとりだよ(隙自語)

 

789:FOX2

いや、マジでオレが荒らしだっただけで

オレが悪いんだ

ヒモ姉、ごめん

 

790:仰げば名無し

狐は謝れてえらい♡

 

791:仰げば名無し

>>790

いや茶化してあげるなよ

ガチでヒモ姉困惑案件だろ

誰かうまく説明してさしあげろ

 

792:仰げば名無し

それこそうまい説明が思いつかないわ

 

793:小学生妹のヒモ姉

FOX2さん?

あなた誰なんですか

だいたいFOX「2」ってことは

FOX1さんもいるってことですか???

 

794:仰げば名無し

狐は二匹いた?

 

795:仰げば名無し

いやまさかそんな展開があるのか

 

796:仰げば名無し

ざわ……ざわ……

 

797:FOX2

いや戦闘機とかで、ミサイルちゅどーんするときに

コールサインでフォックス・ツーって言うだろ

このスレに対してミサイルぶっぱなしてやんよの精神でつけただけで

べつに深い意味はないんだ

 

798:仰げば名無し

うん、知ってた

 

799:仰げば名無し

ワンチャン、狐は二匹いるって誤認させるためだって思ってたよ

 

800:仰げば名無し

まぎらわしい名前書くなよな

ヒモ姉さんが困惑してらっしゃるじゃないか

 

801:FOX2

本当にすまなかった

『タンスにゴン』とか名乗ればよかったかもな

 

802:仰げば名無し

ごんぎつねかよw

 

803:仰げば名無し

それはそれでわかりにくいだろw

 

804:小学生妹のヒモ姉

ワケが分かりません……

誰か説明してください……

 

805:仰げば名無し

そういわれてもなぁ

説明責任って点では、妹ちゃんが適してるだろうが

当の本人はさっき配信やめちゃったからなぁ

このスレも当然見ているんだろうが、

オレたちもどこまで説明していいもんか

頭抱えてるんよ

説明しすぎてもよくないだろうしな

 

806:仰げば名無し

そういやヒモ姉は妹ちゃんの配信は確認したんか?

アーカイブは残ってるから、声は確認できるだろ

 

807:小学生妹のヒモ姉

確認はしました

なんか小悪魔ちゃんなキャラクターから

妹ちゃんの天使みたいな声が流れてて

違和感がすごいんですが

まちがいなく、妹ちゃんの声です

 

808:カフェ・オレ氏

オレ氏にも原因の一端があるから説明させてもらう

スレを丹念に拾えばいずれわかることだろうからな

まずオレはヒモ姉スレッドの住人だったわけだが

ヒモ姉がメスガキもとい妹ちゃんとの生活を

生配信で流しちゃっただろ

それで、オレ氏は妹ちゃんのリスナーでもあったから

名前と声がいっしょだって気づいたんだ

告白するが狐が言ってるように、ちょっと興奮しちまったよ

オレだけが盤面を知ってておもしれーって思ったんだ

ただ、まあ……相手はメスガキもとい小学生だからな

ヒモ姉に伝えるよか、妹ちゃんに伝えたほうがよいと判断した

それで、妹ちゃんにこのスレの存在がバレたんだ

オレがバラしたということだ

ヒモ姉、本当にすまんかった

 

809:仰げば名無し

カフェ・オレ氏はついに赤ちゃんの擬態を脱ぎ捨てて語る

 

810:仰げば名無し

ばぶばぶ言ってた頃のおまえが懐かしいよw

 

811:仰げば名無し

妹ちゃんに『スレ監視してろ役目でしょっ』て言われてたおまえが懐かしいw

 

812:カフェ・オレ氏

うるせーw

 

813:小学生妹の姉

じゃあ、妹ちゃんはだいぶん前から

このスレのことを知っていたということですか?

 

814:カフェ・オレ氏

そういうことだな

 

815:小学生妹の姉

じゃあ妹ちゃんは

私が妹ちゃんから突然百万円渡されて

頭パニックになっておろおろしているのを

楽しんでいたってことですか?

 

816:カフェ・オレ氏

いやそういうわけじゃないと思うぞ

オレ氏はメスガキじゃないから

メスガキの考えは完璧には読めんが

もともと配信でヒモ姉が大学やめそうだから百万渡したけど

どうしたらいいか聞かれたのが発端だからな

 

817:仰げば名無し

小学生妹に百万円を渡されて困惑するのは当然

困惑した姉を見て、妹も焦っていたということか

 

818:仰げば名無し

ヒモ姉は普通に考えればいいと思うぜ

小学生妹が百万円を渡すなんて善意以外の何物でもないだろ

ヒモ姉が困惑しているのを見て愉悦ってたかどうかは知らんが

そもそもの話、ヒモ姉のことが好きじゃなければ百万渡したりはしない

 

819:FOX2

オレもそう思うよ……

妹のことが嫌いな兄がいないように

姉のことが嫌いな妹もいないだろう

今はそう信じたい

 

820:仰げば名無し

狐は妹に500円玉渡されて消えろって言われただけに発言の重みが違うなw

 

821:FOX2

わ………ワぁ……

 

822:仰げば名無し

泣いちゃったw

 

823:仰げば名無し

かわいそうはかわいいという真理に到達

性別は関係なかったんだな

初めて知ったよw

 

824:仰げば名無し

妹ちゃんが百万円を渡したことを黙ってたのはなんでなん?

オレは純粋なスレ民勢だからよくわからんのだが

狐が言ってたみたいに、お姉ちゃんガチ恋勢だったとかにわかに信じがたいんだが

 

825:仰げば名無し

小学生が金稼げたら姉が自立心発揮してますます大学やめちゃうかもだろ?

そしたら、ヒモ姉といっしょに過ごせる時間が減っちゃうかもだろ?

だから百万円のことはグレーに置いておきたかったんだろ?

すごく、姉妹百合てぇてぇだろ?

 

826:仰げば名無し

まあ確かにてぇてぇな……

でも、片親の隠し財産だったとしても、

ヒモ姉は心理的負担を感じちゃってたわけだから

あまり意味がないような気がするな

 

827:小学生妹のヒモ姉

FOX2さんが711で書いてますが

妹ちゃんが私と結婚したいとかいうのは本当なんですか?

配信で妹ちゃんが言ってたってことですよね?

 

828:仰げば名無し

いやさすがにそれはないだろ

さっきの妹ちゃんの配信を見てたが、

狐に煽られてガチ切れしてる感じしかしなかったなぁ

 

829:仰げば名無し

ここにリスナーが突撃してる状況や

さっきの配信がアーカイブとして残ってない状況からすると

お姉ちゃんを食べたい狼の可能性あるでw

 

830:仰げば名無し

さっきワラワラいたやつらも全員身を潜めてるからな

どうやらヒモ姉の貞操も風前の灯の模様

 

831:小学生妹のヒモ姉

怖いこと言わないでください!

 

832:FOX2

オレ視点ではそういうふうに見えたってだけで

本当にそうだとは限らない

妹ちゃんの配信を見たのは今日が初めてだったからな

所詮、オレはニワカなんだよ

で、結婚したいんじゃねーのとか言ったのは

だいぶんオレ自身の属性が関わってると思ってる

 

833:仰げば名無し

狐は妹ラブ勢だもんなw

 

834:仰げば名無し

妹を彼氏にNTRて脳みそぐちゃぐちゃ丸になった結果だからなw

 

835:FOX2

わ……ワぁ……

 

836:仰げば名無し

また泣くw

 

837:仰げば名無し

ぶしつけなこと聞くが

ヒモ姉は妹ちゃんがガチで結婚したいとか言ってきたらどうするんだ?

 

838:仰げば名無し

それ聞いちゃうかおまえ……

 

839:仰げば名無し

スレ民も一枚岩ではないからな

当然、メスガキ配信を見ていない勢も多い

コメントに配慮を求めるのも酷ではある

 

840:小学生妹のヒモ姉

私は……わかりません

妹ちゃんのことはかわいいし

本当の家族だと思っています

でも家族以上の気持ちがあるかと言われると

正直わからないんです

妹ちゃんが見ていたらお姉ちゃんに教えてほしい

お姉ちゃんもちゃんと考えるから……

 

841:仰げば名無し

姉妹百合はやっぱてぇてぇよ……

 

842:仰げば名無し

尊すぎて胸が苦しい

せつない

 

843:仰げば名無し

でも妹ちゃんがヤンデレだったら

この姉の発言聞いて、監禁√一直線っていうことも考えられるなw

 

844:仰げば名無し

その後、ヒモ姉の姿を見た者はいなかった……

 

845:小学生妹のヒモ姉

や、ヤダー!

やめてください変なこと言うの

妹ちゃんは天使なんですよ

 

846:仰げば名無し

そう思ってるなら今すぐ扉を開けて

妹ちゃんに聞きに行けばいいじゃないか

 

847:仰げば名無し

オレとしては小学生だからって過剰に保護する必要はない派だな

みんなヒモ姉がクソ雑魚なめくじってことを忘れてないか?

むしろ、小学生妹よりヒモ姉のほうが赤ちゃんなんだぞ

 

848:仰げば名無し

そういやそうだったなw

既にヒモ姉は妹ちゃんに生活全般をお世話されているヒモ状態だったわw

 

849:小学生妹のヒモ姉

みぎゃああああああああ!!!!

 

850:仰げば名無し

どうした突然?

 

851:仰げば名無し

悲報。ヒモ姉……いや何も言うまい

 

852:仰げば名無し

お姉ちゃん貞操破壊RTA始まっちゃう?

この際、棒人間でもかまわんから配信しよ?

 

853:仰げば名無し

おまえら落ち落ち落ちおつけけけけ

 

854:小学生妹のヒモ姉

いま部屋のベルが鳴ってるんですが

妹ちゃんが「お姉ちゃん開けてー」って言ってきてるんですが

ジャック・ニコルソンがドアから顔を出すシーン状態なんですが!?

 

855:仰げば名無し

全米が恐怖した

 

856:仰げば名無し

もう村にはお姉ちゃんと狂人と狼しか残ってないんよ

PPが成立しちゃってるんよ

 

857:仰げば名無し

残念、ヒモ姉の冒険は終わってしまった

 

 

 

 

 ※

 

 

 

 

 わたしはスマホ片手にスレを見ながら、お姉ちゃんの部屋のベルを鳴らしている。

 お姉ちゃんは本当にかわいいな。小学生妹に襲われるって、そんなん無理に決まってるじゃん。

 そもそも、いくらお姉ちゃんが生活全般にだらしなくても、わたしは十歳児だぞ。

 体格も体力も根本からして違う。

 お姉ちゃんがわたしを襲うということは物理的にありえても、その逆は無理なんだよ。

 要するに『本気で抵抗すればできるのにしないんだぁ♡』状態じゃないと、わたしがお姉ちゃんを襲うということは成功しない。まあ、ロープで縛ったりすれば別だろうがな。今の警戒心バリバリのお姉ちゃんだと無理だろう。

 

――それにしても。

 

 やっぱ、ダメなのか。

 スレでのお姉ちゃんの発言を見てみると、お姉ちゃんがわたしとの結婚を考えてくれる確率はやはり低い。最終的にそういう流れになるのはわかっていたから、いままで潜んでいたが、お姉ちゃんの口から直接聞けて確信した。

 

 残念だが、ここは勇気ある撤退をするほかない。

 お姉ちゃんとの結婚をあきらめるって意味じゃないぞ。

 最初の計画通り、モラトリアムの時間を引き伸ばしてなにもかも灰の中に置いておきながら、わたしの成長を待つほかないってことだ。

 

「お姉ちゃん。開けてよぉ」

 

 ふふふ。お姉ちゃんって怖がりだからウサギみたいに震えてるのかな。

 どうにも嗜虐欲が刺激されてよくない。わたしが狼だからねしかたないね。

 

 いくらお姉ちゃんが恐怖に震えていても、わたしとお姉ちゃんしかお家のなかにいないんだから、いずれは部屋の外にでなくちゃならない。誰も助けに来てはくれないし、狩人が赤ずきんちゃんを颯爽と助けにくるなんてご都合主義は発生するはずもない。

 

 まあ、合鍵持ってるから無理やり開けることもできるが、お姉ちゃんが開けるという選択をするまで待つことにする。わたしは待つことには慣れているから。

 

 やがてドアはおそるおそる、音も無くゆっくりと開かれた。

 お姉ちゃんの双眸には過剰なまでのわたしに対する恐れが見える。

 

「な、なにかなぁ。妹ちゃん……」

 

 スマホを片手に、お姉ちゃんはわたしを見ていた。

 そう――、スマホを片手に。

 スマホのカメラはわたしに向いている。

 いつもみたいにのっぺらゲンガーを使った配信をしているのだろうか。

 それで、みんなから見守ってもらってるなら、多少は安全と考えたのだろうか。

 

――ふーん、かわいいね♡

 

 お姉ちゃんってどうしてそんなにかわいいんだろう。

 本当にメチャクチャにしたくなっちゃう。

 仔羊が必死に身を守ろうとして全然守れてない様が、逆に狼の嗜虐趣味を刺激しちゃうって、お姉ちゃんは知らないのかなぁ。

 

「ねえ、お姉ちゃん。いつもみたいに動画とってるの?」

 

「え、ええ、うん。そうだよ」

 

「どうして?」

 

「え?」

 

「どうして動画とってるの? わたしに襲われちゃうとか考えた?」

 

「それは……、妹ちゃんが何を考えているか、お姉ちゃんはよくわからないの」

 

「じゃあ本心を言うから、配信止めてよ」

 

「襲ったりしない?」

 

 あ、お姉ちゃんがかわいすぎてヤバい。

 脳みそから出ちゃいけない汁が出ちゃってる感じがする。

 

「しないよ♡」

 

 わたしのグリーンアイがモノアイみたいに光ってないか心配だ。

 瞑想するときのように、落ち着くように努める。

 呼吸もきわめて静かに深く――。森のなかで深呼吸するみたいにゆっくりと――。

 

 お姉ちゃんはまるで銃口を下ろすみたいに、ゆっくりとスマホを下ろした。

 あは。すぐに信じちゃうんだ♡

 どうしよう。このまま襲っちゃおうかなー。

 脳みそとろとろになるまで、グチュグチュのドロドロにしちゃって。

 わたしなしじゃいられない身体にしちゃおうかな。

 

――なんて考えたりもしたけれど。

 

 さきほども言ったとおり、お姉ちゃんはわたしに襲われることを望んではいない。

 考えてくれるとは言ってたが……、()()()()()()()()()()()の体裁だ。

 そんな建前なんか欲しくない。

 

 だから。

 

 だから――、

 

 だから、わたしは本心を、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――述べる/述べない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん、わたしはお姉ちゃんのこと大好きだよ」

 

「異空ちゃん……」

 

「お姉ちゃんが最後の家族だからってだけじゃない。恋人みたいになりたいって思ってる。いっしょにどこかにデートしたりして、他愛のない会話をして、ずっとずっといっしょにいたいって思ってる。お姉ちゃんと結婚したい。お姉ちゃんと添い遂げたい。こんなの変だよね。でもそれがわたしなんだ」

 

「異空ちゃん。私は……」

 

 お姉ちゃんは何を言おうとしたんだろう。

 おそらくだが、ありがとうとか、でも自分はとか、まだそういうのはとか、私にはとか、そういう感じなんじゃないだろうか。いずれにしろ、黒か白かは数瞬後には確定する。

 

 けれど、そうはならなかった。

 

 すべてはグレー。すべては灰色。真偽不明の状態に据え置かれた。

 お姉ちゃんの言葉は虚空へと消えてしまった。

 

 わたしが遮ったからだ。

 わたしが()()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 

「イソラはそういうキャラクターなんだよ」

 

 と、わたしはなんでもないふうに言った。

 

「え?」

 

「わたしが配信してるのはお姉ちゃんも知ってるよね」

 

「う、うん。さっき知ったばかりだけど」

 

「ブイチューバーってさ、演者って呼ばれたりもするんだよ。わたしも当然演じてるし、キャラクターと自分は乖離してる部分もあるんだぁ♡」

 

「そう、なのね?」

 

 お姉ちゃんの顔にはまたハテナマークがたくさん張りついているようだった。

 

 まあ、当然だろう。いきなり配信について語りだすんだから、素人さんには何がなんだかわからなくて当然だ。お姉ちゃんは芸術家志向だが、演技とかドラマとかの動的なものではなくて、どちらかといえば絵画とか美術品とか、そういった静的なベクトルだからな。

 

「お姉ちゃんはわたしがメスガキじゃないのは知ってるよね?」

 

「メスガキというのがよくわからないのだけど……」

 

「生意気なガキって感じかな? ちょっとエッチな感じの」

 

「異空ちゃんはぜんぜんそんなことないよ」

 

「へへ、ありがと。でまあ――そういうわけで、素のわたしとは違う部分でのメスガキを演じるのは自分が拡張されるようで楽しくもあったんだよね」

 

「ふぅん?」

 

「それで、お姉ちゃんの大学やめようかな発言があって、虚構(イソラ)現実(異空)が混ざっちゃったの」

 

――虚構と現実。

 

――嘘と真実。

 

――イソラと異空。

 

 それらは容易に混ざるものだ。

 だって、わたしの人生なんてほとんど演技で構築されているのだから。

 経験に裏打ちされている実感ほど強力なものはない。

 わたし自身でさえもそうなら、他者であるお姉ちゃんからはなおさらそうだろう。

 

「わたしがお姉ちゃんのことを大好きなのは本当だよ。それで大学をやめてほしくないのも本当。ただひとつ拡張しなくちゃならなかったのは、お姉ちゃんという存在かな」

 

「私が嘘?」

 

「だって、メスガキから見たお姉ちゃんだよ。リスナーにとってリアリティを与えるのって難しくない?」

 

「うーん? よくわからないんだけど」

 

「メスガキって、お兄ちゃんの嗜虐欲を煽るような存在だから、いわば生意気な妹みたいな存在なんだよ。だったら、そんなキャラがお姉ちゃんを大好きっていうのは設定からして結構無理があるよね」

 

「言われてみれば……確かにそうかもしれない……かな?」

 

 スレの内容を思い出しながらなのか、少しずつお姉ちゃんのなかにもわたしが言いたいことが染みてきたみたいだ。

 

「わたしはイソラというキャラクターを守るために過剰な情報を――キャラを与えるしかなかったの。リスナーのみんなに受け入れられるために」

 

――お姉ちゃんのことが大好きで大好きでたまらない妹という設定を。

 

「そう……なのね? お姉ちゃんと結婚したいとか考えてるわけじゃないのね?」

 

 いやふつうに結婚したいが?

 

 と思ったが、もちろんニッコリ笑顔。

 

 ここはあえて何も言わない。

 

「お姉ちゃんのことは大好きだよ。その想いの拡張――延長線上の話かなぁ」

 

 そう、すべてはグラデーション。

 すべては灰色の中なんだ。

 それでいい。それがいい。

 

「だから、お姉ちゃんにはイソラのために一仕事してもらいたいんだよ。これまでの配信でキャラクターの地固めはできてるからさ」

 

「え、どういうこと?」

 

「お姉ちゃんに()()()()()()()()()()()()()()な♡」




姉の3Dモデルをシコシコ作ってたんはこれが理由だったり
ついでにFOX2のくだりは、そんな読まれ方するんやなって反省しました
とりあえずお手当してみたんですが、うまくいったかは謎です
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