【悲報】私氏、小学生妹ちゃんのヒモになりそう 作:おねロリのおね
「ま、負けちゃった。なんで、なんでなんで、なんで?」
『イソラわからせ達成』
『負けたことで得るものもある』
『岡目八目だが、イソラは白すぎて黒かったな』
『ほんと、白すぎて盤面操作した狼に見えるよな』
『メスガキスキーだが、本当にすまなかった。かなり悩んだんだが』
『わからせマンです。いやぁ。なんか知らんが勝ったわw』
「うぐぐ。メスガキスキーお兄さんは後でお仕置きね」
『やったぜ』
『度し難いな』
『メスガキスキーはワンチャン、わざとイソラに投票した説あるで』
『メスガキはわからせるものだからな』
『ほんそれ。狼わかってても、わざとイソラに入れるかもわからんで』
『いやそれはないって。マジでちゃんと考えたから許し亭許して』
「ううう。許すよ。みんな、イソラのゲームの心得を復唱!」
『エンジョイ&エキサイティング!』
『エンジョイ&エキサイティング!』
『エンジョイ&エキサイティング!』
『メスガキ&わからせ!』
『ここでメスガキスキーを必要以上に攻撃しないところがイイ子なんだよなぁ』
『隠しきれない非メスガキ要素あるよな。どちらかと言えばポンコツぎみな』
『小学生ですよ。ポンコツなのではなく、順当なのです!』
『いわば真のメスガキ』
「さて……、人狼のことはこれでおしまい。切り替えていこうかぁ♡」
『話題変えるの早いな』
『まあええで。人狼おもしろかった』
『いつものメスガキ雑談か』
『リアル小学校の話でもする?』
『おじさん小学生女児の生活に興味があるな』
『通報ボタンはどこかなっと』
『言うて、ストゼロ飲んで、半ニート生活やろ』
『夢のない話はやめろ』
『イソラは小学生だとオレは信じてる』
「今日の雑談は~♡ ちょっと真面目な人生相談なんだぁ♡」
『人生ちょろいとか考えてそうなメスガキが人生相談だと?』
『人生相談するのはいいが、オレたちが相手で本当にいいのか?』
『お兄さんが人生をわからせてあげよう』
『いいよ。オレとしては、子どもはふたりがベストかな』
『メスガキちゃん、ついに企業勢になるとか?』
「実はぁ~~♡ わたしには大大大好きな人がいるのです♡」
『はぁ?』
『イソラちゃんのファンやめるわ』
『メスガキが色気づきやがってよぉ』
『小学生が恋とか早くない? おっさんは40でまだだよ』
『おっさんがかわいそうすぎる』
『おおおおおおちちちちつけ』
やはり、ブイチューバーは実質恋愛禁止な感じではあるよな。
どう伝えるにしろ、ある程度の衝撃があるのは予想していた。
わたしは、みんなが落ち着くまで、少し間をとる。
小悪魔っぽく、ニヤぁと笑って。
「お姉ちゃんのことだよ♡」
『ほ』
『なーんだ。姉かよ』
『姉妹百合? やだ興奮しちゃう』
『さきほどのおねロリのおねですが、詳しくお願いします』
『お姉ちゃんのことが大好きなメスガキ』
『メスガキという概念が壊れる』
『ワイにもイソラちゃんみたいに大好きって言ってくれる妹ほしかった』
『イソラちゃんのお姉ちゃんもメスガキだったりするのかね』
「背景事情を説明するね。まず、わたしとお姉ちゃんは片親どうしが結婚した連れ子なんだ。それで、両親は死んじゃって、いまはお姉ちゃんとふたり暮らししてる」
『いきなり激重案件』
『義姉妹百合ですか。実質スールやんけ』
『これって、イソラが男だったり、あるいは姉ちゃんが男だったりすると、エロゲ設定よな』
『まあ、マジで両親亡くなってるなら茶化すのはよくないが……』
『小学生の姉が何歳なのかはわからんが、ふたり暮らしってできるもんなの?』
『年齢にもよるんじゃないか?』
「お姉ちゃんはいま大学に通ってる20才の美少女だよ♡」
『20歳で美少女……、少女という概念が壊れる』
『大人のお姉さんだな!』
『ちょっと頭冷やそうか』
『つい最近、似たような話をどっかで聞いたぞ』
『うーん、イソラちゃんがリアルJKくらいの可能性もあるのかこれ』
『お姉さんは20歳(28)かもしれんし、そのあたりはなんとも』
「問題はさぁ。わたしの大好きなお姉ちゃんが大学やめようかなって言い始めちゃったの。正直焦ったわ。わたしと暮らすのがイヤになったんかなって思ったからね。でも、そうじゃないみたいで、大学通うのってお金かかるじゃん。両親の遺してくれたお金は、わたしとお姉ちゃんが均等に相続してるから、いわば共有状態なんだよね。それで、その共有財産を減らしてるって意識で罪悪感を抱いたとかそういう感じかなぁ」
『お姉さんは責任感あったわけだな』
『両親が死んだあとに血のつながってない妹と暮らす姉とか聖人かよ』
『まあ、たぶん共依存』
『イソラがお姉ちゃん大好きな理由がわかった気がする』
『ふーむ……』
『片親どうしなら、片親の財産は片親の子に引き継ぐってこともあるだろうが……』
『法定相続したんだろ』
『イソラが親族に引き取られなかったのは、お姉ちゃんが偉かったから?』
「そうだね。お姉ちゃんは本当に天使みたいな人なんよ。もうメッチャ好き♡ 結婚したい♡ 言っとくけど、これマジだかんね。わたしはお姉ちゃんと結婚する♡」
『結婚したのか……オレ以外のやつと』
『さっきとは違った意味で激重案件』
『これ、イソラはメスガキじゃなくてヤンデレなのでは?』
『姉が出てったらワンチャン監禁閉じこめあるで』
『……いやまさかそんなことがあるのか』
「それで、ざこざこお兄さんたちに考えてもらいたいのはぁ♡ わたしがみんなからもらったスパチャを、お姉ちゃんに課金しちゃった件についてなんだ。具体的には百万円くらいね」
『いいはなしだなー』
『ワイらのお布施がお姉ちゃんの進学に使われていただと』
『これイソラも聖女じゃん。もう二度とメスガキできないねぇ……』
『いや大好きなものに課金する。私利私欲の行動だ。メスガキはメスガキでありつづける』
『オレのスパチャが有意義に使われたようでなにより。\50000』
『ナイスパチャ』
『ナイスパパ』
『これは足長おじさん』
『お姉さまのプロフィール教えてください。\10000』
『お姉ちゃんゲットしようとすんなw』
『しかし、大学辞めようとした姉君が百万受け取るか?』
「んー。腹パン大魔王お兄ちゃんスパチャありがとうございます。おねロリのおねお兄ちゃんもありがと♡ お姉ちゃんは一言であらわすとエッチな感じです。それと、ちょっと頭のいい雑魚お兄さんの言う通り、百万円はいま宙に浮いてる状態かな」
『おねロリのおねって、おね兄ぃさまみたいな概念になってるな』
『えっちなお姉さん』
『エッロいお姉さんに情緒を破壊された小学生の妹がいるらしい』
『イソラってマジで小学生だったんだな……』
『まあ、それはそれとして百万円をどうするかが問題か』
「そうなんだよね。この百万円なんだけど、もうなかったことにはできない。じゃあ出所はって話になるけど……これブイチューバーでスパチャ投げてもらったって言っていいのかなって」
『そりゃええやろ』
『なにを悩んでいるのかよくわからん』
『半ニートないし義務教育なメスガキが実は自立可能ってことの何か問題が?』
『マジ小学生だからだろw』
「わたしが稼げる女とか言っちゃうのって、お姉ちゃんがわたしを見限ってもいい理由になっちゃうじゃん。そりゃまだわたしが小学生だから保護者としてお姉ちゃんは自分のことが必要だと考えてくれるかもしれんけど、それだとわたしが自立できる年頃になったときに、お姉ちゃんの保護が必要なくなったって判断されて、最後に結婚できないじゃん」
『結婚前提なんだなw』
『小学生の段階で結婚を考えるなんてイソラちゃん早熟よな』
『お姉ちゃんにガチ恋してる時点で、かなり特殊性癖』
『いや、結婚したいっていうのは、あれやろ思春期特有のあれ』
『小学五年生という設定で考えると、恋慕というより母性を感じてるのでは?』
『うーん。残された家族ということで言えば、普通に考えれば母親が恋しいのかな』
「ム。違いまぁす! わたしはお姉ちゃんに母親的な思慕を向けてないよ。なぜなら、わたしはお姉ちゃんに対して欲情しているから。お姉ちゃんガチ恋勢だからね♡」
『姉に欲情する小学生妹っているか?』
『そこにいるんだよなぁ』
『まあ、メスガキがガチで小学生でなくても、義姉に性欲を覚える義妹っておるんか?』
『ン~、家族愛とブレンドされているようで、よくわからんよな』
『残された家族と別れたくないってのはわかるよ』
『義理というのは逃げだわ。実の姉に欲情してこそ真の百合だと思う』
『おまえも今日からファミリーだ!』
「ねえ。話が脱線してるよ。いままでのわたしの思考でわかりにくいところあったかな。わたしはけっこう思考開示するタイプだから、質問があったら答えるけど、みんなには百万円の出所をどう表現したらいいか考えてほしいな♡」
『うーん。イソラは姉の保護者的立場を保持したいわけか』
『もうこれ無自覚百合なんじゃね? オレは既に尊さを感じはじめてる』
『姉は妹を想い、妹は姉を想うか。確かにてぇてぇ』
『百万円の出所を考える前にメスガキは姉ちゃんをどうしたいんだ?』
「えーっと、MSGK泣かし隊お兄ちゃんの質問だね。さっきのゲームではかっこよかったよ♡ で、質問内容だけど、わたしはお姉ちゃんを伴侶にしたいって言っても、回答にならないかな?」
『そうだな。メスガキは姉ちゃんを自分に依存させたいのか?』
「そうだね。基本戦略としては依存させたいって思ってるよ。わたしなしじゃ生きられないようにしたい♡ でも、いまお金まで渡すのは時期尚早だったかなと思う。小学生のわたしがお金を渡しても、お姉ちゃんの被保護者としての立場を維持したいからって思われかねないから」
『はい今月の家族料だよお姉ちゃん \10000』
『スパチャになんてこと書くんだよw』
『まあ、そうなりたくないって話だよな』
『イソラは、自分が保護者になりたいタイプなのか』
『愛されるよりも愛したいマジで』
『ヤンデレさんならそう考えても不思議じゃない』
『愛したいってのも依存心だよな。クソデカ感情クラスの』
「そうだね。お姉ちゃんなしじゃ生きられないのはわたし。それは知ってる。結婚っていうのもべつに法的な制度での結婚って意味じゃなくて、死ぬまでずっといっしょにいたいってこと。でも被保護者の立場から保護者の立場に切り替わるって、すごくタイミングが重要じゃない?」
『ふむ。これって客観的に見て百万円を受け取ったら、姉は小学生妹のヒモになるわけだよな』
『小学生妹のヒモかよwww』
『プライドがちょっとでもあったら、恥ずかしいってレベルじゃねーな』
『それがマジの事態だからオレ氏ちょっと混乱してる』
『家族愛コースだと、お姉ちゃん無しでは生きられないって言えばいいんじゃ』
『家族愛を利用して求婚を迫ると、最終的に家族は離れ離れになると思っているわけだな』
「うん。そうだよ。MSGK泣かし隊お兄ちゃんの言うとおり。保護―被保護の関係だとどうしても保護者側が選択肢を持つわけじゃん。わたしが保護者ならお姉ちゃんをずーーーーーーっと甘やかすことができるでしょ♡ ずーーーーーと逃がさないこともできるわけでしょ♡」
『ひえっ』
『小学生が怖い』
『ヤンデレメスガキとか、新しいジャンルを開拓していってるな』
『家族はバラバラになってしまうという確信は、両親が死んだトラウマのせいなのか……』
『イソラちゃん、ワイが家族になろうか?』
『小学生だもんね。しかたないよね』
「だーかーらー! 違うって言ってるでしょ。頭わるわるなの? お兄ちゃんたち。両親が死んだのは悲しかったけど、それとこれとは話が別。わたしもそういうふうにお姉ちゃんに誤解されるのがイヤだから困ってるんじゃん」
『わかってるわかってる』
『ワイらは全部わかってるで』
『お姉ちゃんとずっといっしょに暮らしたいんだもんな』
『イソラのメスガキ設定がガタガタなんですがそれは』
「ともかくさ。百万円を渡しちゃったら被保護者の立場はむしろ強まっちゃうと思うわけ」
『まあそりゃそうよ』
『小学生が自分のお金を渡して、これでお姉ちゃんは自分の夢を追ってとか言ってるわけだろ』
『愛だよ愛』
『けなげに見えるんじゃね?』
『家族を失いたくないけなげな小学生。絶対守らなきゃって思うと思うよ』
『あー、だから家族愛コースだと、最終的には離れていくって考えなのか』
『依存させてきた姉が、けなげな妹の姿に心をいれかえて逆に自立心発揮というパターンか』
『コツコツ依存させてきたのが全部無駄になっちゃったね?』
「そうなんだよなぁ。いままで朝昼晩の食事作って、掃除して、お姉ちゃんをキレイに見せる服をコーディネイトして、疲れてそうだったらマッサージしたり、お風呂にいっしょに入ってスキンシップしたり、いろいろしてきたのに! あと五年もすればわたしなしじゃ生きていけないって言わせる自信あったのに! 計画が全部無駄に終わりそうで頭を抱えているんだよ!」
『すげえwww』
『おまえさん、本当は小学生じゃないだろ。いやまあ知ってたが』
『どんだけ姉を甘やかせば気が済むんだ』
『ご奉仕することに喜びを覚えるタイプか』
『奉仕系メスガキとかなにそれ新しい』
『まあ、メスガキはやっぱ偽設定だよな』
『いまどきの小学生の超スペックにオレ氏絶賛大混乱中』
『でもこれだけ依存させてれば今でもワンチャン通りそうな気もするが』
『チャレするのも悪くないかもしれんな』
「うーん。そう思う? わたしがお姉ちゃんを飼いたいって言ったら、お姉ちゃん受け入れてくれると思う?」
『飼いたい言っちゃったよw』
『いま脳内で、小学生の妹から飼いたいって言われる様を想像してみた。ねーわww』
『オレはメスガキちゃんなら飼われてみたいかも』
『特殊性癖だからなぁ。こじらせてない限りは、普通は拒否ると思う』
『あのさぁ。メスガキをわからせちゃうのもなんだが、お姉ちゃんの気持ちが第一じゃね?』
「まあ、お姉ちゃんの気持ちは大事だよ。わたしも自分勝手なだけじゃないから、お姉ちゃんがどうしてもひとりで暮らしたいなら……なら……いや、やっぱダメ。絶対ダメ。想像しただけで吐きそう」
『悲報。イソラ壊れる』
『頼むから事件だけは起こさんといて』
『んー。イソラは姉ちゃんが卒業した後のことはどう考えていたんだ』
「あ、お姉ちゃんが卒業後の計画ね。うーん、お姉ちゃんが卒業したあとは、独立起業するかそれとも就職するかはわからないけど、仕事をしようとするんじゃないかって思ってたよ」
ぶっちゃけ美大の卒業後のプランはわたしもよくわかっていない。
アーティストとして大成するかは運しだいだと思うし、普通はどこかの企業のデザイナーとかそういうのが多いんじゃないか。
「まあ、お姉ちゃんが仕事を始めるとして、自尊心と自立心が芽生えてくるなら、それも悪くないと思ったよ」
『その心は?』
「その心は、お姉ちゃんに自尊心とか自立心がないわけじゃないからね。わたしはお姉ちゃんの保護者的立場におさまりたいわけだけど、甘やかすのも限界がある。お姉ちゃんが自尊心とか自立心を満足している状態なら、お姉ちゃんがわたしに甘える言い訳になるかなって♡」
『この子、小悪魔だわ』
『堕ちろ堕ちろって言いながら、必死こいてご奉仕しているメスガキがいるらしい』
『なんか言ってることが無茶苦茶な気が……ワイの頭が悪いんやろか』
『今の段階で大学やめようとしているのって、その仕事が早まっただけなんじゃね?』
『盤面整理。メスガキ=姉の保護者になりたい。そのために、姉のメスガキへの依存心を調整したい。現状、メスガキが小学生なので姉の保護者になるのは無理。ここで姉を飼いたいといっても通る可能性は低い。メスガキの計画では五年も経てば、メスガキへの依存が完成していたが、当初の目論見よりも姉の自立心は強かった。このままでは姉をヒモにするという計画が破綻してしまう。苦肉の策としてとっさに百万円を差し出したが、今、姉をヒモにしたいと言っても通らない。どうしましょって感じか。\10000』
盤面整理おつ。
まあ、そんな感じだ。
百万円の議題は続く。
「さっき、盤面整理してもらったけど、本当そんな感じなんよ。だって、突然お姉ちゃんが大学辞めるとか言い出すから、わたしも混乱しちゃって、どうしたらいいかわからないからとりあえず百万円をおろしてきたの」
『どうもこうもないんじゃない? 姉が受け取る気ないなら受け取らせるのは無理だろ』
『いまさら遅いが、百万円を渡さないほうがよかったかもな』
『姉の立場で見ると、突然小学生の妹から百万円渡されて絶賛大混乱中だと思うw』
『まさか妹が姉と結婚したいがために、混乱して繰り出された一手だとは……』
『そんなの誰にも予想できんわなw』
『うん。まさにそんな感じ。普通は妹ちゃんがけなげさ見せてると思われちゃう』
『素直にブイで稼いだって言うのがいいんじゃないか。それで、自分は稼ぐ能力があるからお金のことは心配しないで、お姉ちゃんは自身の夢を追ってほしいと言う。ついでに両親のお金はわたしとお姉ちゃんのものだから、お姉ちゃんもちゃんと自分のために使ってと媚び媚びで言う。これでメスガキの株は爆上がりって寸法よ。\500』
「嫉妬マスク三世お兄ちゃん。スパチャありがとう♡ うーん、難しいのは今という時間なんだよね。今、わたしがそんなふうに説得してお姉ちゃんが大学に通い続けたとしても、わたしへの依存心じゃなくて負い目になっちゃわないかな」
『負い目になったらなにかまずいんか?』
「負い目を払拭するために、しゃかりきになって自立しようとしないかな?」
『そして自立したあとに、無事姉に棄てられると』
「ヤダヤダヤダーーーーーーーーーーーーーー!」
『うるせえw』
『メスガキ発狂する』
『しかし、やはり遅かれ早かれなんだと思うぞ』
『姉ちゃんは自立したかったから、大学辞めて仕事しようと思ってるわけやしな』
『さっきから、このメスガキわめきまくってるが、お姉ちゃんにばれへんの?』
『そういやそうだな。いっしょに暮らしてるのに大丈夫なのか?』
「あ、うん。この部屋もお姉ちゃんの部屋も完全防音仕様だから大丈夫だよ。親が音楽関係の仕事だったから、子どもにもそういう環境を与えたいって言ってたから」
ついでに言えば、部屋の前に呼び鈴がついているんだよな。
互いに部屋の鍵は持ってるけど、勝手に入ったりはしていない。
お姉ちゃんの許可をもらって、部屋の掃除くらいはするけどね。
『金持ちの子って感じだなー』
『しかし、結局姉ちゃんの気持ち次第じゃないか』
『ブイだろうがなんだろうが、お金を渡した時点で、どう伝えたとしてもな……』
『依存させたいという依存症』
『でも負い目になるかどうかも、正直姉次第じゃね?』
『それに大学卒業したあとはどうあがいても仕事始めるわけだしな』
『メスガキとしては、姉が仕事するのはイヤなんか?』
「お姉ちゃんが仕事を始めること自体はイヤじゃないよ。仕事をして自立心が
『しかし、それは我儘ってやつだろ』
『お姉ちゃんもひとりの人間なんだしさ』
『メスガキにこう言うのもなんだが、大人になれよw』
『小学生に大人になれっていうのも酷だなw』
『ほんとそれw』
くそお。みんな好き勝手言いやがって。
これじゃ、わたしが本当にわからせられているみたいじゃないか。
結局のところ、集合知を用いても結論が出るような問題じゃなかったってことか。
『時期ということに着目するなら、姉に対して大学じゃないといっしょにいる時間が少なくなるからイヤだって説得するのも手かもしれんな』
ン? どういうこと?
「MSGK泣かし隊の兄貴。いまの発言詳しく」
『いやたいしたことないけどさ、時間が経つにつれてメスガキは有利になっていくって考えなわけだろ。つまり、それまで現状維持したいってことだから、姉ちゃんには大学に通い続けてもらいたいわけだ。\100』
「うん。まあそうだね♡」
『だったら、自分はお姉ちゃんといっしょにいる時間が短くなるのがイヤだから、大学に通い続けてと主張する。これなら、姉ちゃんは負い目を感じずに済むし、現状維持できるぞ。\100』
「おお、確かに。じゃあ、その場合は百万円の出所は?」
『正直なんでもいいんじゃないか。片親の遺産でも、ブイで稼いだでも。まあ、メスガキが稼ぐ能力があるのを伏しておきたいなら、片親の遺産を提示して、さっき嫉妬マスク三世が言ったように、遺産はふたりのものだからという線が丸いんじゃないか』
「ありがとぉお兄ちゃん♡ その線でいってみるね♡」
わたしはパソコンのカメラに近づいて、近づいて……。
はい、キスもどきです。
カメラに接触する必要はない。ガチ恋距離になるだけだ。
『メスガキ臭というより、小悪魔臭?』
『急にガチ恋距離になるのやめろ』
『QMK(急にメスガキがきたので)』
『でもこれも確実な手ではないよな。姉の気持ちはわからんし』
『ベタ甘やかされ状態に嫌気がさしているという線もなくはないだろうしな』
『正直、メスガキの印象がかなり童貞くさいわw』
『あ、それ思ったw』
『メスガキヤンデレ童貞ブイチューバーか。新しいな』
『おまえら小学生だぞ』
コメント欄はあいかわらず慌ただしかったが、求めていた答えを得られて、わたしは舞い上がっていた。だから、そのとき、わたしはそのコメントを拾うことができなかった。
『リビングルームに気をつけたほうがいいよ。マジで小学生バレしちゃうかも……』
はい