紅魔館の執事になりました⁉︎   作:ユンショウ・S

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まず始めに……2ヶ月近く放ったらかしですみませんでした。理由としては……FF5にハマったのとtwitterにハマったのが原因です。完全なサボりですハイ。
本当にすみませんでした……待ってくれていた皆さんに謝罪します。

それでは、どうぞ。


第十一話 はじめてのおつかい 森を抜けよう

フヅキが人里へ買い物に向かって20分程。今は森の中で上機嫌に歌いながら進んでいるフヅキ。

 

「このゆーびとまれーわたしーのゆーびに♪そのゆびーごとつれてってあーげるー♪」

 

なんか物騒な歌詞が聞こえるが本人はノリノリである。

が、現在彼の後方にはすでに低級妖怪が10体ほどいる。狼のような姿でもちろん人間を喰らうタイプ、そしてフヅキは気づいていない。

 

「ひぐらーしがなくあかずーのもーりで♪きこえていた、こえはもうないー♪」

 

もうすぐにフヅキの声が聞こえなくなりそうなのだが。

しかしそのさらに後方には先輩メイド2人が居た。

 

「「(早速面倒事に巻き込まれそうな予感が‼︎)」」

 

二人は完全に気配を消して尾行していた、しかしあまり必要はなかった事は知らない。

フヅキにはある異変が起きていた。ここにきた当時……1週間前だが……紅魔館にいる妖精メイド達の気配で夜眠れなかったような男だったが今ではそんな事は無くなった。

慣れたのだと思えば成長に聞こえるだろう。しかし実際はそうとは言えない状況だった。彼は紅魔館に存在する大きな気配に慣れてしまい、妖精や下級妖怪の小さな気配を感じられなくなっていた。万全ならともかく霊力切れを起こしているフヅキには致命的な弱点と言える、弱者が妖怪から身を守るには近づかない事が一番なのだから。まあ……万全でも倒せないかもしれないが。実は10m程離れた所から妖精たちが『ご機嫌に歌う何か』を見に集まっているのだが……当然気付かない。

 

本人は御構い無しに進む。何も気付いていないから。

 

「今この辺りだよな、目印があるし。なら次はっと……コッチだな!」

「「(何で地図を見てるのに逆に向かうの⁉︎)」」

 

突っ込みたい気持ちを必死に抑える二人、紅魔館では笑いが起きていた。

 

「ち、地図見てるのに……フフッ……」

「パチュリー様、フヅキさんに悪いですって……ププッ」

「あはは、フヅキお姉ちゃんドジだー♪」

「退屈させないわねあの子は……クッ、ケホッ」

 

笑いを堪えてむせるなら笑えば良いのに、そこはプライドが許さないのがレミリアである。

……ちなみに彼は地図が読めない。そして自覚が無いのが一番の問題である。

 

 

(ガサガサ……)

 

「うおおっ⁉︎何、なに‼︎」

 

突然近くから聞こえた物音に驚くフヅキ、恐る恐る近づくと……

 

「……子供?何やってんのぼうや」

「お姉ちゃんこそ、こんな奥で何してるの?」

 

10歳前後の少年が居た。どうやら食用の葉を取りに来ていたようだ。

 

「俺は男……あ、メイド服だったな。えーと、訳あってこんな格好だけど男よ?」

「うそだー、綺麗な女の人でしょ?だまされないよ!」

「うわ、めんどくさっ。それよりも人里に行きたいんだけど、アッチで合ってるよね?」

「そっちは怖い妖怪の居る花畑だよ?人里は逆のほう」

 

フヅキは黙った。またやってしまった、とでも思っているのだろう。ちなみに怖い妖怪とは『風見 幽香』の事である、危うく死ぬところだったらしい。

 

「……お姉ちゃん、人里にお使いでもするの?」

「そう!紅魔館からね!もし良かったら連れて行ってくれないかな?」

「あっちから来るはずだけど、いいよ!僕に付いてき……」

「どったの?私の後ろみ、て……え?」

 

メイドが少年に道を尋ねるという妙な光景もつかの間、フヅキの背後にはおよそ20の狼妖怪が迫っていた。

 

「うわあ…………走れる?」

「うん、いつでも」

「よし、行って!」

 

少年を先に走らせ、フヅキはその後ろをついて行く。が、少年はかなり速く距離が開いていく。外界と幻想郷の住人の運動能力に差があることを知ったのである。

しかし妖怪に、ましてや狼の姿をした妖怪から脚で逃げるなど不可能なのは明らかだ。その証拠に妖怪はまるで追いかけて来ない。

 

「完全に舐めてやがる……ありがたいけども!てかあの子速いな!道分からないから逸れたくないのに……」

 

しかし……

 

「うわあっ⁉︎助けて!」

「ぼうや⁉︎チッ、前にもいたのか!」

 

見れば少年の前方に3体の妖怪、人里を背にした様にそこに居た。このままだと間違い無く襲われるだろう、フヅキが万全なら翼で空を飛べたがまだそこまで回復していない。なら何も出来ない?フヅキも考えなかった訳は無い。

 

「この……どっか行け!『火の輪』!」

「グルルッ⁉︎」

 

 

「あの子……魔法を⁉︎いつ教えたのパチェ?」

 

この光景に紅魔館は騒然としていた、そしてそれはパチュリーも同じだった。

 

「いいえ?初歩的な本は読ませてあげたけど、それだけよ?あんな風に動かすなんて……そもそも使える事も知らなかったわよ?」

「才能……ですかね?その割には威力が残念ですよね」

「咲夜が言うにはコツを掴んだり応用は得意らしいけど、力は殆ど無いらしいから」

「なら逃げるのが精一杯ね……絶対大丈夫だけど」

「(そもそも霊力の感じがするわね……どうなってるの?魔力は無かったはずだから応用で?無茶苦茶よ‼︎)」

 

 

フヅキが覚えたての魔法で逃げ道を作っている間に後ろの妖怪達は何をしているのか?……彼らは既にその命が消えていた。もちろん、尾行してきた2人の先輩メイドの仕業である。咲夜はもちろんだがアオもそれなりに強い、というかフヅキでは絶対に勝てないレベルである。

 

「副長に手を出させる訳にはいきませんから!」

「思ったよりも強いのね、驚いたわ」

 

咲夜は能力を使うまでもなく圧倒、アオは弾幕のみで倒し10秒足らずで終了。今もまたフヅキを追いかけ魔法を目撃したところだ。

 

「副長ってなんでも出来るんですね……」

「また中途半端な威力ね。何とかならないかしら?」

 

咲夜がキツイことを言っているのは気のせいだろう。

 

 

「お姉さん魔女なの⁉︎すごいや!」

「ただのメイドだよ!それに……もうすぐ切れる!」

「ええっ⁉︎役立たず!」

「うっさい走れ!振り返ったら死ぬぞ!」

 

フヅキと少年の周りをグルグルと廻る炎、しかし次第に小さくなり頼りなくなる。持続時間が短いようだ。さらに……

 

「あうっ!」

「ぼうや⁉︎つまづいたのか、歩けるよな⁉︎」

「あ、足挫いた……いたいよ……」

 

少年が倒れて足を挫いたのだ。魔法はもうすぐ消えるし、次放つには魔力が足りない。チャンスは今しかないのだ。だからこそフヅキは彼を右脇に抱えた。

 

「お姉さん⁉︎何するの下ろしてよ!」

「そのままだと食われるだろ‼︎黙って動くな、走り辛い!」

「ごめんなさい!死にたくないです!」

「俺もだよ‼︎まだ二十歳にもなってないのに死んでたまるか!」

 

フヅキは残りの霊力を全て足に使い、全速力で走り抜ける。炎も大きく広げ遠ざけて道を開き、そして……

 

「森を……抜けたぞぉぉ‼︎人里だぁぁぁ‼︎」

「着いたよお姉さん!逃げ切ったよ!」

 

やっとの思いで人里へ……

 

「おい、あの美人さん誰だ⁉︎」

「知らねえ、外来人か⁉︎……フヅキちゃんだぁ‼︎」

「……あの新聞の所為か‼︎」

 

入る前にフヅキの心は折れそうである!

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