鬼太郎要素がない今回ですが次回に現代にいきなりとんで鬼太郎要素を出しますのでなにとぞ‥‥
ここはのちに日本と呼ばれることになる島国の山中。
この地ではある事象が多発していた。
山に入ったものが前触れもなく姿を消して、突然帰ってくることもあれば帰ってこないというモノだ。
これにはどんな説明もつかず、現地の人々は『神隠し』として恐れた。
(転生って、まさか私が経験するなんてねぇ‥‥)
その張本人が彼女だ。
彼女の意識が明確になったのは、この事態になる数か月前である。
元々彼女は男性であった。
何を言っているのかわからないだろうが、現代日本に生きるごく普通な男子大学生であったのだ。
そんな彼が何故妖怪に転生したかと言うと、簡単な理由でテロに巻き込まれ、その時に死んでしまい、その際に同じく死んでしまった者たちの恨み・怨念が奇跡的に作用して、彼の魂は妖怪として数百年前にスキマ妖怪として生まれ変わったのだ。
「ふぁぁぁ…」
「あら?相変わらず暇そうね、フフフ‥‥」
「あなたに言われたくないわよ…。こんなところにいたら穢れが移るわよ?」
そんな山にある紫の仮住まいに顔を出してきたのは八意永琳だった。
「あなたに言っておかなきゃいけないことがあってね。しばらくしたら私たちは月に移住することになったわ。穢れが予想以上に増えてきていてね」
彼女と紫の関係はこうである。
転生してしばらく混乱していた紫(といってもこのころの姿はマエリベリー・ハーンそのものだが)があまりの空腹と妖怪としての本能から神隠し(といっても隙間に落とすか引きずり込むかして捕食して恐れ・恐怖を得ていたのだが…)をしていた際にこのころはいまだ地上に住んでいた月の民を捕食しており、その捜索にきた八意永琳と鉢合わせして戦闘をして以降の腐れ縁なのである。
「あらそう。まぁ気を付けてね?‥‥そう言えばあのきわどい軍服の規定直してなかったの?」
「‥‥上の方針で変えられなくてね」
そう。実はこのころの月の民の兵士や高官に支給される制服はきわどい物が多く、紫も最初はドン引きしていた。これが基準であったが好き好んで着ているのは新兵だけのようで、八意も本意で着ているわけではなかったようだ。
(対魔忍を考えてください)
しかもまだ新米だったころの綿月姉妹もそれを着ているので紫としては戦い辛いことこの上なかった(対魔忍のアサギの服の色違い)。
ちなみにそれを「あなた達痴女なの?」と真顔で指摘したら姉妹は崩れ落ち、八意も苦笑いしていた(姉妹も内心恥ずかしいと考えていたようで初接触の後は私服で来るようになった)。
「そう?気を付けなさいよ」
「それをあなたに言いに来たのだけどね。あなたはこれからどうするの?」
「妖怪として過ごすだけよ」
そうしてこの数週間後、月の民は月にわたっていった。