そして日記の書き主が戦争の果てにたどり着いた結末の話である。
「なぜ滅ぶとわかりきっているのにまたつくる? 死ぬとわかっていて、なぜ生きようとする? 死ねばすべて無になってしまうのに」
「命…夢…希望…どこから来て、どこへ行く? そんなものは、このわたしが破壊する!」
夢、夢を見ている。
ザザーン、ザザーン――
潮騒の音が聞こえる。黄昏時、黄金色の空。海は沈みかけの太陽の光を反射して、宝石のように輝いている。そして隣には、大切なあの人がいる。私の手を握ってくれている。
ああ、これは夢だ。私が一番幸せだった時の夢。彼は情熱的に私を見つめながら言ってくれた。僕は全ての力をもってを何物からでも君を守りぬいてみせる。だから真莉、君の全てを僕にくれないか、と。私は感激して何度も頷いた。
これは良い夢だ。何度でも見たい夢。いつまでも見たい夢。ああ、どうか、目が覚めないで――
1月27日
今日は最悪だった。
まず寝起きからして最悪だ。自己嫌悪で自分の心が砕け散りそうになる夢を見ていたのだ。
そしていつまでたっても職場に顔を出さない上官の官舎にこちらから出向いてみれば、首を吊っていた。残されていた遺書によると、一週間ほど前に実施されたメ号作戦で、唯一の肉親を失い、また地球防衛艦隊壊滅の報を知って地球の未来に希望など何一つ持てなくなり、生きる必要性を見失ったから、であるらしい。
軍務局に連絡を入れたところ、私を第五地区警備司令代理に任命するとのこと。昇進の手続きが終われば代理の文字が外れるとのことだが、代理である間は面倒な事務処理でいささか面倒な部分が多くなる。地球滅亡までおよそ一年と言われるような極限の状況下にあっても、こうした要素が軍から消えてくれないようだ。
自殺した上官の気持ちもわからないではないが、自殺するならするで引継をしてから死んで欲しかった。そんなふうに考えてしまう私は傲慢だろうか。
2月5日
軍務局から「
しかし軍人志望でもなかった私が、いまや二佐とは。任務に忠実だからとか言われてポンポンと昇進を重ねてきたが、ここまでくると国連軍の末期ぶりを思い知らされるようだ。あるいは、父の影響も、多少は関係あるのかもしれないが、促成の軍事教練を受けただけで、ちゃんとした将校としての教育などろくに受けた覚えがないというのに。
父は国連宇宙軍の高官だった。大学を卒業して間もない私を、父はほとんど無理やり私を軍に押し込んだのだ。当時は父を恨んだものだが、今にして思えばあれは娘を思う親心からきたものであったのかもしれない。
あの頃、すでに最初の遊星爆弾が地球に落下していた。当時は国連も軍も「あれは偶然続発した隕石の落下である」として、ガミラスの攻撃ではないと言っていたが、宇宙軍人であった父は真実を知ることができる立ち位置にいたのだろう。地球とガミラスの圧倒的な軍事力、科学力の差を知って、今後地球に襲いかかるであろう困苦のほどを、ある程度は予期していたのかもしれない。皮肉なことではあるが、そうした状況下にあっては軍人にさせておいた方が娘のためだろうと。実際、軍人であることによって、食糧やエネルギーといった面で一般市民より優遇されている自覚はある。
父が本当はなにを思って私を軍に入隊させたかを確かめる術はもうない。私が促成訓練を終了した三尉として警備部隊に配属された時、父はアステロイドベルトで発生したガミラス軍との戦いで戦死していたからだ。
当時、父の死に私は何と思ったのか、よく思いだせない。無感動だった気もするし、世界そのものが縮まったような感覚に苦しんだ気もするし、自分を無理やり軍に放り込んだ報いだと思ったような気もする。あるいは、そのすべてだったのかもしれない。
ただ今になって父の死について考えると、父は軍人として幸せな死に方だったのではないかと思うことがある。少なくとも地球を守る為、ガミラスと戦って死ぬことができたのだから。私が普段戦っている相手といえば、飢餓や貧困、不信や疑心からくる民衆のルサンチマン、頻繁に発生する暴動の類であって、ガミラスではない。ガミラスを意識することがあるとすれば、遊星爆弾落下が予測され、その避難誘導に従事している時程度だ。それくらいには『敵』という存在が、地の底で這いずり回っている私たちには遠く、希薄な存在なのだ。
ちなみに私の昇進、部隊の者たちのほとんどは当然の事と思ったのか部隊の者たちには特記すべき反応がなかったが、副官の若菜だけはやたらと饒舌に祝いの言葉くれた。なんなのだろうか。
2月12日
昨日明朝からやかましい警報ブザーによって強制的に眠りから覚醒させられた。
第七地区で発生した暴動の規模が凄まじく、援軍として出動することになったのだ。24時間以上の時間をかけてようやく鎮圧できたのだが、地区行政を管轄する管理センタービルすらをも爆破されており、暴動の激しさを物語っていた。聞いた話では極東管区行政部では第七地区の閉鎖すら検討に入っているらしい。
私の部隊の損害も中々のもので、なんだってこんな規模の暴動が起きてしまったのかと第七地区警備司令に尋ねたところ、TVによるヤマト計画の発表が切欠になったとのことだった。
イズモ計画ではないのか、と、私は疑問に思った。イズモ計画の存在は公式には秘匿されていたが、数年前より国連極東管区行政府と軍部がイズモ計画という地球人脱出を計画しているのは、軍内においてはまるで確定情報であるかのごとく、その計画の存在が噂されていた。
地球の滅びはもはや避けがたいものであるが、それでも人類を『種』として存続させるため、どこか別の居住可能惑星を見つけ出し、そこを新天地とするという趣旨の計画。当然、現在生存している全人類を乗せることができる数の宇宙船など存在するわけがないのだから、その移民船に乗れるのは限られた人間、政府と軍の、一部のエリートたちのみであろうと推測がたてられていた。
だが、発表されたというヤマト計画の内容はそうではないらしい。詳しい内容は繰り返しTVで報道されているというので、官舎に戻ったのち、徹夜で眠いのを我慢してTVをつけてニュース番組を見た。
地球は一年前にイスカンダルと呼ばれるガミラスとは違う異星文明との接触を果たした。
イスカンダルは現在のように遊星爆弾で汚染された地球を元の環境に戻すことができるコスモリバースシステムという装置があるらしい。それをくれてやるから、16万8千光年先にあるマゼラン銀河にあるイスカンダル星まで取り来い。そうした趣旨のメッセージを恒星間航行に必要なワープ技術の設計図と一緒に送りつけてこられた。要約すると、そんな内容であった。
「何を馬鹿なことを言っているんだ」というのが私の正直な感想だ。イズモ計画の詳細については知らないが、それをオブラートに包み込んで発表するために、イスカンダルなる異星文明を捏造したと言われた方が飲み込みやすくある。まるで第二次火星沖会戦での勝利がもたらされるまで、遊星爆弾がガミラスによる攻撃であることを否定し続けていたように。
よしんば公式発表通りの事実であったとして……そんな都合のいい話が転がってくるものだろうか?
2月15日
どうやらイスカンダルとかいう異星文明や、イスカンダルからの技術提供によって建造された宇宙戦艦ヤマトというのは、ある程度は実態のある話であったようだ。
というのも、先日、冥王星にあったガミラスの前線基地を叩き、これを壊滅させた。もうガミラスが地球に遊星爆弾を降らせることはないと軍の発表を声高に報じていた。軍部が本当のことを言っているかは大変疑わしいが、次に遊星爆弾が落ちてきたら即座にバレるような嘘は流石につかないだろう。
反応は様々だ。若菜みたいに素直に喜んでいる奴もいれば、政府発表を信じない者もいる。そして私は、なんら感慨を抱けずにいた。今更、ガミラスの前線基地を潰したからとて、遊星爆弾が今後は落ちてこないからとて、それがなんだというのだろう。
これ以上遊星爆弾が落ちてこないとしても、もはや地球環境の汚染は止めようがないという事実に変わりはない。汚染がさらに進むか、あるいは新鮮な空気が尽きるかしてしまえば、地球人類が滅亡する事実は変わらない。
どうせ、一年後には地球は死の星となり、だれもかれも皆等しく物言わぬ屍になっている。ヤマトに乗ってイスカンダルに行った者たちは、別かもしれないが。
4月21日
相変わらず民衆の暴動騒ぎは日常的に起きているが、今回は少々趣が違った。
第九地区で暮らしていた馬鹿が絶望のあまり、全身に爆弾を括りつけて何を思ったのか汚染区画との間を隔てる隔壁を爆破して、しかも粉砕することに成功したらしい。そして第九地区はもうだめだということで、そこの住民だった者たちが、極東軍管区行政府の指示に従い、各地区で分散して住まわせることになった。
第五地区管理センターの役人どもは総じて悲鳴をあげている。私とてそうだ。今後数週間程度は民衆暴動よりも、住民間の対立の調停などの対応に追われることになるだろう。
なにせ、元々第五地区で暮らしていた住民たちからすれば、第九地区の者たちなど受け入れたくないであろう。遊星爆弾とか、ガミラス軍の空襲で居住地がなくなったというのならまだしも、完全に第九地区の自業自得なようにしか認識できないであろうから。
5月5日
今日は今年に入って初めての休暇であった。まだそんなものが軍の組織の概念として残っていたのかと少々訝しみつつも休暇を満喫しようとしたが、こんな状況で楽しめる娯楽が思いつかず、なんとなくTVをつけると、小学生の頃に見ていた懐かしい戦争アニメがやっていた。
私が小学生の頃、地球は火星との第二次内惑星戦争をしていた時代だった。アニメでは地球の敵を地球と月の間で重力が釣り合うラグランジュ・ポイントに浮かぶスペースコロニー国家であるとされていたが、そのスペースコロニー国家で暮らすスペースノイドは赤い髪に銀の瞳が特徴で、戦争目的がコロニーの自治権の確立という、どう考えてもマーズノイドをモデルにしているとしか思えない敵対勢力であった。
幼い頃はよくわからなかったが、おそらく戦意高揚的な意味も含めて制作されたアニメであったのだろう。そして今放送されている理由も、きっと同じ――。
いや、違う。そういう側面もあるのかもしれないが、それだけではない。
何年前だったか、TVを見たときに、放送局の社長だとかいう男が演説していた。内容は次のようなものだったはず。
「人類が滅びに瀕しているにもかかわらず、我が放送局が、かつて地上で青空を仰いでいた頃と同じように番組を放送するのは、行政府や軍の要請によるもの。公式発表を素早く市民に伝達する為。その必要性が求めるところ、我が放送局はこの困難な時局にあっても存続しております。
ですが、皆さん。少し考えてみてほしいのです。かつて平和であった頃、皆さんにとってTV番組とはどのようなものでしたか? ただ普通の生活の色どりの一部であり、娯楽のためのものである。そのような認識も、持ってはいなかったでしょうか。
そんなささやかな認識こそが人の営みでは重要ではなかったかと思うのです。ただ、明日が来るというのが当たり前の事実と認識し、今日という日を充実させるために、TV放送というものはあったのではないか。私はこの地下都市で暮らすようになり、そんな風に考えるようになりました。
故に、たとえ明日、いや、次の瞬間、人類が滅亡するのだとしても、最期の瞬間まで当局は可能な限り、これまでと同じように放送を続けます。それは当たり前のことであったのだから。これは私のみの考えではなく、放送局取締役会、並びに各部幹部の一致した認識であります。これまで通りとはいかないでしょうが、少しでもそうだったと思い返せるよう、ささやかなものではありますが、いつも通りであり続ける為に我々は頑張ります。皆さんも頑張ろうではありませんか。これからも明日が来ると、信じて」
立派なことだと思う。官舎の自室で、時折拳銃を口に咥えてながら益体もない思考に耽ってしまう私ではどうにもそんな考えは持てない。明日が来る、か。それを信じることなど、できはしない。
7月8日
このところ、軍においてすら食糧をはじめとする配給の問題が深刻化している。
行政府が管轄する物資配給がうまくいっていないのは何年も前からの事だが、最近特に酷い。憲兵たちの必死の取締りをもっても、物資の横流しや着服の件数は増える一方で減る気配がない。
主原因は配給担当のサボタージュである。配給担当の役員だけではない。憲兵もまともに仕事をしているか怪しい。自分の治安部隊でさえ、もう働きたくないなどと今更なことを言いだす者も少なからずいるのだ。
しかし当然だ。地下都市が限界を迎えるまであと8か月を切っている。先の見えない状況に屈するのは不思議なことではない。なにもしたくない。即物的な欲望を満たしたいと考えるのは、むしろ自然なこと。
もし上官や憲兵に見とがめられたとて、なにを憂う必要があるのか。なにもせずとも確定された死がすぐそこにあるのだ。ならば、真面目に仕事をしたところで無意味なだけだ。実に合理的思考というやつだ。
ここまで書いて、ふと疑問に思った。では、なぜ私はまだ真面目に軍務に励んでいるのだろう?
私には、未来に夢見ることなどない。たとえ、なんらかの奇跡が起き、地球と人類が滅びを回避することを願っているかと問われれば、答えは確実に「NO」だ。幾度となく口に拳銃を咥えこんだことがあるくらいには、私は死に焦がれている。
では、なぜ。その自分への疑問に対する回答を、私は出すことができずにいる。
強いて言えば、その疑問が解けないから、まだ死なずにいようと、思うのだろうか。最後の決断を、引き金を、引けずにいるのだろうか。
7月20日
元々よろしくなかった配給体制がさらにひどくなった結果、理の当然として、これまでと比べても民衆暴動の激しさが増した。規模といい、激しさといい、桁がひとつ増えたような印象だ。どう見ても国連軍のライフル銃としか思えない暴徒を見かける頻度も増えた。TVのニュース報道によれば、治安部隊の小隊なり中隊なりが丸ごと民衆暴動側に加わってる、なんて事例も今月に入ってから珍しくもなくなったようだ。おかげで暴動鎮圧に何週間と時間がかかることが増えた。
私が管轄する第五地区の警備部隊からも、中隊規模の叛乱が起き、これに付随して発生した民衆暴動を鎮めるのに1週間ほどの時間を必要とした。そして暴動を鎮圧し終えたとき、意外な報告を部下から受けた。叛乱を起こした中隊長の二尉を生かしたままとらえることに成功したというのだ。
拘束されている叛乱者の二尉に、若菜は食って掛かった。「どうしてこんな無益なことをしたのか」と。すると拘束されていた彼は泣き叫んだ。
「無益なこと?! なら有益なことってなんだよ!?? 地球の環境汚染はもう止まらなくて、地下都市の崩壊も止められない! もしかしたら助かる可能性があるかもしれないとガミラスに降伏して救助を求めようにも、ヤマトが冥王星基地を破壊したんだからそれも現実的には降伏を申し入れる方法がない!! じゃあ、逃げればいいのか!? 何処に?! どうやって??! 宇宙船なんかろくに残ってねぇんだろ!! 今まで誤魔化してきたけど、生き残る為にはこれ以上どうしろっていうんですか……。
生き残る道が何処にもないなら……偉い連中を襲って食糧を奪って、美味しいものを腹いっぱい食ってから死にたいと思って、なにがいけないっていうんですか……」
私は「お前は正しい」と言って叛逆者の二尉をその場で射殺した。
そうだ。彼の何が間違っていたというのだ。彼はただ生き残ろうと懸命にこれまで頑張ってきて、ここに至って折れたというだけだろう。もっと前から生き残るなんてことを考えなくなっていた私よりも、よっぽどまともだ。
9月2日
自身を焼き尽くさんばかりの
数週間前から第五地区における暴動は減少傾向にあった。
ずっと疑問に思っていたが、それでも暴動が皆無というわけではなくそちらへの対処に追われており、今月に入り落ち着いたので、調査してみるとどうやら民衆のルサンチマンを宥めて、彼らの中心となるような人物が、市民の中から現れたらしい。顔をつないでおいたほうが良いと考え、私は市民を警戒させないために副官の若菜のみを伴い、会いに行くことにした。本当なら管理センターの連中と一緒に行った方が良いと思うのだが、2か月前からの民衆暴動で第五地区管理センターも大きな被害にあい、センターの幹部陣も少なからず犠牲になっていて、地区行政も実質私の警備司令部でやるようになっていたので、彼らは役に立たなかった。
そして市民たちのまとめ役のような存在になっている相手と対面し、私は――おそらくは若菜もだとは思うが――言葉を失った。その相手は10歳をいくつも越えていないような、あどけない少女であった。
咲穏ちゃんは、何年も前から両親の消息が不明なのだとか。それでもめげずにこの地下都市で生き抜き、大人たちに地上の話をせがんでまわった。そしてこの末世的空気の中で、多くの大人たちが絶望に染まって殺気立っているにもかかわらず、瞳を未来への希望で輝かせ、物心ついた頃には地下都市で暮らしていた自分はまだ見たことがない、燦然たる星空を生きて見るのだという自身の夢を語ったのだという。
彼女の在り方に、心打たれ、自らを恥じて彼女を守ろうと大人たちが団結し、今の窮乏を耐え忍ぼうと皆自然に思うようになったのだという。その話を聞いて、私はあっけにとられていた。
そうだ。考えてみれば当然の事。ガミラス戦役が始まってもう8年以上。今を生きる子供たちの中に、かつての世界を知らぬ者がいるのは、なんら不思議なことではない。いや、咲穏ちゃんに限ったことではない。こんなにも先が見えず、閉塞感ばかりが募る時代であるというのに、無責任なことに大人同士が愛し合い、子を成すということは話に聞く。そしてこんな地下都市にも子供達は生まれ、育つのだ。大人になる前に、世界は終わってしまうというのに。
そうだ。花が舞う春の景観を、熱く輝く夏の太陽を、霜を乗せた冷たい秋の風を、凍える寒さの冬の雪を。知らぬ子らが、この地下都市では数え切れないほどいるのだ。
咲穏ちゃんにせがまれて、私や若菜も昔話をしてやったが、私は何ともみじめな気持ちになってしまった。彼女の夢など叶うわけもない。いざとなれば、死ぬことを覚悟してでも夜空を見に行くのだと咲穏ちゃんは鼻息を荒くして言っていたが、環境汚染が進んだ今、地上に出てもまともな星空が見れるはずもない。
いや、人は死んだら夜空に浮かぶ星になるという言い伝えが昔はあったと聞く。それが正しいとするならば、死ねば彼女も、私たちが地下都市に押し込められる前、幾度となく見上げていた夜空に浮かんでいた幾万幾億の星々の中のひとつとなり、星空を拝めるようになるのだろうか。
9月21日
咲穏ちゃんという存在と、それにほだされた大人たちのおかげで第五地区の治安はかなり良くなった。住民同士の諍いはどうしたって起きてしまうが、他の地区と比べると雲泥の差である。
その功績をたたえて私と第五地区警備司令部の双方宛で二枚の感状が出た。軍務局長の芹沢宙将のみならず、極東軍管区藤堂行政長官の署名入りである。「神無真莉二佐は、国連軍人の鑑である」などと書かれていることには、思わず冷笑したい衝動に襲われた。
今日は私の28歳の誕生日だ。そしてほぼ間違いなく人生最後の誕生日にもなる。官舎でいつもより少し奮発して晩酌でもしようかと思っていたら、副官の若菜が訪ねてきた。
なにか起きたのだろうかと思っていたら、若菜は顔を赤くして何度か口を開いては閉じる動作を繰り返した後、「誕生日おめでとうございます!」と言ってきたので、私は驚いた。若菜とはもう何年も上官と部下の関係をしているが、誕生日を祝われたのは初めてのことだった。そしてさらに驚いたことに、若菜はこれまで見たこともないくらい瞳をキラキラさせながら「もう数ヶ月で世界が終わると思うと決心がつき、告白する勇気がでました。もし生きてこの戦争が終わったら、自分と結婚してくれませんか」などとプロポーズしてきた。
私はどうしたらよいものか判断に迷って「もう一度青空を拝めたら、真面目に返答を考えるよ」と言って若菜を追い返した。
そしてまた、拳銃に弾が入っているか確認して、拳銃を口に咥えこんで、そのままの様子で固まった。後は引き金を引くだけで、楽になれるのに、どうして私はここで引けないのだろう。そんなに死ぬのが怖いのだろうか? まだ生きたいというのか? 未来に想いをはせても、どこまでも暗くて先なんかまったくないとしか思えないのに。希望なんてなにもないのに。
自分が生きる意味、目的、価値、なんだろう? とにかく、そうしたものを私は思いつけない。いつだって死を想っている。なのに、なぜ、これほどまでに引き金を引くことに、拒絶感を覚えるのか。その理由は?
ふと思った。もしまだ生きたい理由が、死にたくない理由が私にあるとすれば、醜悪さしか感じないが、また夕陽に煌めく海を見たいと望んでいるのかもしれない。
そして愛しい彼ともう一度……。
叶わぬ願いにもほどがある、と、思っているが。
10月4日
地下都市全体が戦場と化したような様相を呈している。
地区の警備部隊や管理センターごと暴動側に回ったなんてこともあり、もはや内戦状態である。私の部隊も犠牲者の数が多くも、なんでまだ部隊として運用できているのか、私自身がわからないくらいにはひどい状態になっている。
軍務局から送られてくるデータの地図は味方側と敵側の勢力範囲を示していたが、次の瞬間には味方側だったはずの連中が暴徒側にカテゴライズされなおすことがよくあり、あまり当てにならない。科学者たちの分析によれば、一応来年の2月半ばくらいまでは人類の生存環境の維持が可能と言われていたが、争いの勢いは、暴徒の勢力同士が衝突することも珍しくはないほどなので、その日を迎える前に人類はこうした争いによって滅ぶやもしれないと思うと、笑ってしまいたくなる。
滅びが近づくにつれて争いが激化の一途をたどっているのは、自分としては不思議といえば不思議だった。まして、暴徒側に老人や若者の姿を見ることもよくあることになってしまったのはずっと首を傾げていた。こうも希望がない現実に疲れ果て、何もしたくなくなるのが普通ではなかろうか、と。
長く抱いていた疑問に、ひとつの回答を得た。殺した暴徒の少年の顔が満足気だったからか、老人の死んだまま死ぬのは嫌だという今際の言葉が偶然耳に入ったからか。
きっと、人という生き物は、生きている限り、たとえ世界が滅ぶとも、座して死を待つことなどできないのだ。現実に虚無しかないのであれば、どれほど虚しく愚かなことであろうと、その心に沸き起こる感情の波に、狂気に身を委ねずにはいられない。現実逃避をせずにはいられない。
現実逃避! その単語は、胸にストンと落ち、私を深く納得させる。
そうだ。きっと皆逃げているのだ。なにやら遠大な理想と希望に縋っている行政府や軍中央のお偉方も! 即物的な欲望と暴力に明け暮れる暴徒たちも! あの星空を夢見る少女も! 私にプロポーズなんかしてきた若菜も! そして私自身も! そして現実逃避していれば、何かに酔っ払っていれば、ただ耐え忍ぶだけよりも恐怖は薄いだろう。恐怖を誤魔化したいのだ。
たとえいつかは現実に追いつかれ、救いのない現実に直面するとても、逃げているうちは、いくらか心が楽になるのだ。
11月30日
若菜が死んだ。なんてことはない。暴徒たちに袋叩きにされて撲殺されたのだ。
彼とは長い付き合いだった。信頼の置ける部下だった。しかし彼の見るに忍びない死体を見ても心に込み上げくるものはない。そんな死体、すっかりと見慣れてしまった。
私も長く生きても後3ヶ月の生命である。死者の国なんてものがあるとすれば、再会した際に「戦争が終わったら結婚したいと言っておいて私より先に死ぬのはないでしょ」くらいは言ってやろうと頭の片隅にとどめて置くくらいはしておくべきなのだろう。
12月8日
おどろくべき事件が起きた。行政府と軍部から宇宙戦艦ヤマトがイスカンダルにてコスモリバースシステムを受領し、地球に帰還を果たした。明日にも地上の環境が改善されるであろうと(もうTV放送はしてないので)ラジオで発表があった。
私はあっけにとられた。実のところ、イスカンダルとかヤマト計画という存在さえ、何ヶ月も前から忘れていた。他の者たちは覚えていただろうか?
地下都市全体が数ヶ月ぶりの、ここまでとなると数年ぶりかもしれない静寂に包まれていた。この日まで生き残った者たちすべてが、所属を問わず、その発表に当惑しているのが手に取るようにわかった。
信じがたい。期待していいのか、救われるのか。信じて、期待して、裏切られるのは嫌だ。でも最初から見限るのも……そんなところだろう。
いや、子供達は違った。彼らは素直に外に出られるかもということに期待を膨らませている者が多い。
特にあの子、咲穏ちゃんは飛び跳ねんばかりにこの報せに喜んでいた。ようやく映像ではない星空をこの目で見られるかもしれないと胸を高鳴らせていた。
子供達の素直さ、純情さがこの時ばかりは羨ましい。そしてろくでもないことを考えている自分が呪わしく思える。まさか、この地の底から、生きて抜け出せるようになると? ここまで歪んだ心が、もとに戻るわけでもないというのに。
寝る前にまた拳銃を口に咥えたが、やはり、引き金は引けなかった。
懐かしすぎる地上の風景に、照りつける陽の輝きに、頬をうつ冷たい風に、兵たちは心奪われていた。中には思わず涙ぐむものもいた。もう二度とこの自然と触れ合う感覚を味わうことはない。そう覚悟していた者が多かったのだから、当然であろう。
「気が動揺するのもわかるけども、喜んだり泣いたりするのは後にしなさい」
落ち着き払った声の注意に、兵たちは背を正した。長い茶色の髪と、どこか人形めいた印象を見るものに与える女性将校こそは、彼らの司令である神無真莉二佐である。どのような状況にあっても、冷静沈着で軍務にどこまでも忠実な彼女のことを、兵たちは崇敬にも近い忠誠心を抱いていた。
第五地区警備部隊が地上に出たのは、行政府と軍務局の命令によるものである。コスモリバースシステムで蘇った地上が本当に安全なのかどうか、様々なサンプルを回収して調査し、確認したいという慎重な判断によるものであった。
その任務が第五地区警備隊に当たられたのは、残っていた治安部隊の中で比較的損耗が軽微であったからであり、極東軍管区軍務局長の芹沢虎徹が神無の姿勢を高く評価していたからであると噂されていた。
しかし、その神無にしても、この調査の必要性があるのかが疑わしく感じられた。なにもかもが懐かしい。肌から感じ取ることができる自然の息吹とでもいうべきなにかが、かつての自然環境が復活していると生物としての本能に悟らせているような感覚があった。
とはいえ任務である。本能的な直感が正しいと決まっている保障はない。頭ではわかる。だから神無たちの部隊はサンプルの回収を続けた。しかし小動物どころか、牛や馬、豚などといった生物を発見するに及んで「絶対大丈夫だよ」と弛緩した空気が部隊を包み、神無も咎める気が起きなかった。
コスモリバースシステムは奇跡を成し遂げた。もしこれが偽りであるというのであれば、あのシステムは稼働した瞬間に全人類は夢の世界に迷い込んだにちがいない。イスカンダルとかいう異星人たちが、たいへんな手間暇をかけて地球人が幸福な夢に溺れているところで目を覚まさせ、絶望に染まる姿を見たがるような性悪な連中でもない限り、ありえないことだろうが。神無は唇の端を皮肉げに歪めた。
夕暮れ時になって動植物のサンプルも十分に集まったので地下に戻ろうとした時、神無はある音を聞いて、体を固まらせた。それを見て副隊長は怪訝そうになにかあったのかと尋ねた。それに神無はハッとして、なんて言ったものか迷った。
「あ、ええ……そうね……。少し調べたいことができたから、貴官が部隊をまとめて先に地下都市に戻っていてくれる? もう少し、個人的に調べておきたいことができてね」
「? では、何人か残して行きましょうか?」
「いえ、一人で十分よ。もし軍務局から私の所在を聞かれたら、一時間、いや、二時間としないうちに戻るから心配しないように伝えておいて」
「了解しました。では、お気をつけて」
副隊長は敬礼して命令を承諾した。内心いきなり妙なことを言い出したなと首を傾げていたが、それ以上に神無への信頼が上回った。
兵たちをまとめて副隊長は去っていた後、神無はゆっくりと先ほどの音が幻聴かどうか確かめるべく、音がしたであろう方向へと歩きだした。期待に鼓動が高鳴っていたが、それを懸命に押さえつけ、恐る恐るゆっくりと。
ザザーン、ザザーン――
幻聴ではないと確信しうるほどはっきりとした潮騒の音を聞くと、神無は走り出していた。それは冷静な思考によるものではない。どこまでも感情的な衝動によるものであった。まさか、本当に……そんな思いで走り抜けてると、神無の目に映ったのは望んだ光景そのものであった。
それは海だった。度重なる遊星爆弾の攻撃によって干上がったはずの海すらも、コスモリバースシステムは復元してみせたのであった。海は夕陽の輝きを反射して、キラキラと宝石のように輝いている。
神無はその美しさに見惚れ、彼女の意識は遥かな記憶の川を遡り、人生で一番幸福だった頃に戻ってしまった。
「ねぇ、貴方……あの時誓ったように、私の全部をあげるわ。だから、私を、守ってよ。助けてよ……」
心ここにあらず。フラフラとした足取りで、神無は海に近づいていった。やがて砂浜で波浪が神無の足に触れた。冷たい、と、神無は思った。当たり前だ。今は12月。冬の海水が冷たいのは。それが現実。
しかしそんなことを気にせず、神無はその場にしゃがみこんだ。そして瞳から溢れだす涙を、乱暴に手で拭った。文字通り冷水をかけられて、自分がどんなにバカなことをしているのか、なんて愚かなことを口走っているのか、わかってしまったのである。
「そうよね。貴方が来てくれるわけがない。私を守ってくれるわけがない。助けてくれるわけがない。救ってくれるわけがない。だって――」
ずっと目を逸らしていたかった。あれが現実のことだと、認めたくなかった。だけども、もう無理だ。本当はずっと覚えていたのだから。
「3年前のあの日、私たちが、貴方を殺した……」
2196年の7月7日のことだ。その日、大きな暴動が地下都市で起きた。神無も暴動鎮圧に参加したが、暴徒たちの勢いも強く、ほとんど軍と暴徒の乱戦のような形となってしまった。
神無は無我夢中で軍用ライフルを振るった。敵味方が入り乱れており、発砲すれば味方に当たる可能性もあり、そうするしかなかったのだ。幾人めかの暴徒を殴り倒した時、その模造刀を持っていた暴徒に異様な興味を覚えたのだ。そしてその顔を確認して、息が止まった。
その暴徒は神無が愛した男のものであった。日本に最初の遊星爆弾が落ちて以来、行方知れずとなっていた彼のものだった。あの頃と比べると、健康状態が悪いのか、痩せこけ荒んだ印象を受けるが、見まごうはずがない。
「……真莉?」
彼はそう呆然と呟いた。そして模造刀を杖代わりにして、立ち上がった。今思い返してみても、彼がどうして立ち上がったのかわからない。私がだれかわかっても国連軍人だから斬って捨てようとしたのか、それともただ恋人同士で話をしたかったのか。
彼はまた地面に倒れた。今度は至近距離から撃たれたのである。私が危険な状況に陥っていると見て、近くにいた味方が彼を撃ったのである。確実に命を奪う銃撃であった。
神無にはとても現実味がない光景に思えた。すべてが醜悪な滑稽劇のように思え、現実から目を逸らした。暴動の鎮圧の最中だったんだと、ただ無感動に暴徒鎮圧の作業を再開した。
だけども目を逸らし続けられず、暴動を鎮圧しおえて暫くしたら、彼が死んだ場所の近くを彷徨っていた。彼の骨だけでも拾えれば、と、思っていたのだと思う。しかし無理な話だった。伝染病対策のため、死体などさっさと処分するのが常識と化していた地下都市である。彼らしき遺体が、残っているわけがなかった。
以来、神無はずっと逃げてきた。どこまで逃げても逃げきりようがないことなど承知の上で、逃げ続けてきた。彼がもうこの世にいないなんて考えたくなかった。これまで自分が暴徒として処理してきた者たちも、それぞれの人生があり、恋人がいたかもしれないなどこれ以上考えたくもなかった。
最悪の記憶を振り返り終えると、神無は強烈な自己嫌悪に襲われて拳銃を口に咥えこんだ。後は引き金を引きさえすれば、楽になれる。色々なものから解放される。あの日以来、もはや癖にすらなっていた。でもやっぱり、引き金を引けない。その現実に、神無は小さく体を震わせ、クツクツと笑い出した。
彼女は笑って哂って嗤って、泣いて啼いて哭いた。 とめどなく込み上げてくる、失意とも歓喜とも形容できそうな、激しく矛盾する感情を処理するには、そうするしかなかった。
「フフフ、ハハハハ! ねぇ貴方! 私、まだ生きててもいいのかな!? まだ生きてなきゃいけないのかな!? 死ななくてもいいのかな!!? アハハハハ!!!」
狂ったように泣き笑いながら神無は海に向かって叫んだ。返事などくるはずがないとわかっていても、壊れた女は問わずにはいられなかった。
かくして、神無真莉はガミラス戦役を生き延びた地球人類の一人となった。
+神無真莉
西暦2171年9月21日生まれ。父は国連宇宙軍の将校である。本作の主人公兼日記の書き手。
2191年のガミラス戦役勃発時は大学生であり、すでに戦争が始まっていたとはいえ安穏な学生生活を送っており、大学卒業後にプロポーズしてきた同級生の恋人との幸せな未来を夢見ていた。
しかし2193年4月2日に、日本に初めてガミラスの遊星爆弾が飛来したのを機に、彼女の人生は一変する。恋人や少なからぬ親しい者たちと連絡がとれなくなり、地下都市へと避難した。そしてそこで再会した父親によって、強引に軍人への道を歩まされることになる。
状況に流されるだけの彼女だったが、正規の軍事教育を受けていないとはいえ、大学で優秀な成績を残しており、運動部に属していたこともあって体力もあったので、促成訓練だけでも新米将校として通じないこともない存在となっていた。
父の戦死、近し者たちの死、あるいは狂っていく様を見続けた結果、感情がこそげ落ちていき、2196年にやっと再会した恋人の死を間近で見て、神無の心は取り返しがつかないほど歪んでしまった。死にたいと思ったら拳銃を口に咥え、そしていつも引き金を引けない自分の弱さを恥じており、自分のことを卑怯者だと思っている。
とはいえ、これは彼女の自己評価であり、部下にとってはいつも冷静沈着で真面目な上官っぷりから心の支えにされており、芹沢からも高く評価されている。5年前後で三尉から二佐になれたのは、本人の言う通り国連軍の人材不足によるものだが、決してそれだけではなかったのである。
ちなみに神無が引き金を引けないのは「こんなに同胞を手にかけてきたのだから、せいぜい苦しみ抜いて死ぬべきでは」という無意識な自責と自罰の念である。
+神無の彼氏
神無の大学時代の同期生。大学卒業後の2193年3月のある日に夕暮れ時の海をバックに「僕は全ての力をもってを何物からでも君を守りぬいてみせる。だから真莉、君の全てを僕にくれないか」という極めてロマンチックなプロポーズを決めた。
しかしそれから数日とせぬうちに、日本に最初の遊星爆弾が落下。神無と連絡が取れなくなった。その後も断続的に続いた遊星爆弾の落下によって家族が被害にあい、身内と呼べる相手が年老いて病弱な祖母以外のだれもいなくなってしまう。
地下都市では、祖母を病院施設に預け、建設要員として働いてたが、2196年に日本に飛来した遊星爆弾の影響で一時的に地下都市全域が停電状態になった。その影響で、唯一の肉親だった祖母が死んでしまう。
同じような身の上の人々は病院施設にたくさんおり、彼らは悲憤と自暴自棄の挙句、集団で手当たり次第目的もなく暴れまわった。そんな暴走の渦中で、彼は死んだと思っていた恋人の神無真莉と再会した。
彼女を見て、何を思ったのかは読者の皆様の想像に任せます。
+若菜
神無の副官。ただただ「副官」と書いていたのだが、なにか味気なかったのでネームド化。
最初は下士官であり、促成士官である神無の面倒見役だったが、神無が非常に優秀だったため、1年もせぬうちにあまりフォローを入れる機会がなくなってしまったばかりか、絶望的状況下でも賢明な彼女の上官としての在り方に、徐々に惹かれていった。
2199年に告白したが、若菜はヤマトが帰還する前に死んでしまった。
+蒼井咲穏
物心つく前に地下都市に入ったため、外の世界を知らない少女。両親も地下都市の頻発する騒動で亡くなっており、戦災孤児である。
彼女にとって地下都市のすべては見飽きているものであり、映像記録でしか知らない遥かな星空に想いを馳せていた。そうした姿勢は人類滅亡まであと1年を切った2199年でも変わらず、彼女の瞳は未来への希望で爛々と輝いていた。
そうした在り方が一部の大人たちにはまぶしく「こんな子供が未来に夢見ているのに、自分たちが今現在に絶望するのも違うだろう」と思わせる効果があったらしい。
彼女はガミラス戦役が終わって、生まれて初めて目にする星空に感動し、より広き