【 10年後・とある新人職員視点 】
「うわぁあああああ!?遅刻する!?」
突然だが僕は自転車を飛ばしながら急いでとある場所に向かった。今日は僕が待ちに待った有名な会社の初出勤だ。そんな日にアラームの時間を掛け間違えるなんて大ポカをやらかして絶賛大ピンチ。
「だけどなんとか間に合った!!良かったぁ」
Zが円で囲まれたようなロゴの会社を前に、僕は深呼吸を繰り返しいると背中を思いっきり叩かれた。
「あいた!?」
「なにそんな緊張してんだよ!ほらリラックスリラックス!折角大企業に就職出来たってのに緊張してちゃ損だぜ?」
「そそ、そんなこと言われても!あの“L社“なんだよ!?緊張するなって言う方が無理でしょ!?」
「まぁまぁ、っし!いくぞ!」
僕の学生の頃の同期である彼が意気揚々と中に入っていくのに慌てて着いていく。正直なところ彼がこの会社に応募するなんて意外だった。彼は学生の頃からL社で働くのだけはない命が幾つあっても足りないって言ってたから。
「ね、ねぇ、どうしてここに応募したの?僕は昔から憧れてたからだけど。キミはそうじゃないだろ?」
「ん?あ〜…ま、ちょっとした出来事があってな。気が変わった」
「そうなんだ?でもよかったよぉ〜同期の中で顔見知りがほとんど居なかったから不安で不安で」
「大袈裟だな〜」
彼と会話をして緊張を解していると横から声を掛けられる。
「っよ!新人!これから支配人のとこに行くんだろ?」
「あ、先輩の方ですか?」
「まあそんなところだな。俺はジョシュアだよろしくな。支配人に会うから緊張するのは分かるけどな。きっとお前ら会ったら驚くぞ?」
最後に肩をパンと叩かれ「頑張れよ新人!」と言ってからジョシュアと名乗った先輩は去っていった。
「へぇ、なんかすげぇな。あっちこっちに噂の不思議生物がいるぞ」
「あ、ほんとだね」
この会社にはアブノーマリティと言われてる不思議な生物のお世話をしてエネルギーを抽出する仕事だって聞いた。噂では命懸けの仕事で会社から出た人がいないだとか。想像を絶する化け物がいるとかいう話があった。他にも支部にいる支配人はとても恐ろしい存在だなんて噂まで。そんな人がいるところに今から行くんだから緊張するなって言う方が無理だった。
「お、着いたぞ」
「み、みたいだね。すぅ、はぁ、すぅ、はぁ……良し!」
扉の前に立って深呼吸をしてから手に掛ける。
「失礼します!」
扉を開けた瞬間、目に入ったのは。黄金色の目と大きな羽だった、まるで僕自身が何かの巣に迷い込んだようなそんな錯覚を起こす。
「……ようこそ、新人職員たち。立ち話もなんだし椅子に座ってくれ」
「りょ、了解っす」
「しし失礼します!」
彼の流石にこの部屋の異質な雰囲気に圧倒されたのか。緊張したような表情で椅子に座る。
後ろのモニターの光で顔がよく見えないけど。声を聞くに女性の筈。支配人である彼女は笑みを浮かべていてこれからどんなことを話そうかと楽しんでいるような印象を感じた。
「まずは初めまして。俺はこの支部の支配人トラベラー…よろしく」
「よろしくお願いします!」
「そう緊張しないで良いよ。俺もあまり堅苦しいのは好きじゃないからさ。新人たちにはこれからこの会社でどう言うことをするのかの説明をするんだ」
トラベラー?どこかで聞いたことがあるような。なんだっけな。
「ここではアブノーマリティと言う生物のお世話をするのは知ってるよね?」
「はい」
「ここで一つ大事なことを教えておくんだけど彼らは確かに生き物だけど。普通の生物ではないと言うこと頭に入れておいて欲しい。そして同時に。同じ感情を持った生物であると言うことも」
包帯をしているのか片目だけしか見えないけどまるで刺すような視線を彼女は僕たちへと向けて来た。
「アブノーマリティは下手すれば命を落とすような生き物だけどそれは人間も同じだろ?彼らに必要なのは必要以上に警戒することでもなく、無警戒なることでもない。誠意を持って向き合うことだ」
後ろのモニターにはここで働いている職員たちが楽しそうにアブノーマリティと会話する姿や戦闘をしている姿が映し出されている。そんな様子を彼女は楽しそうに見つめていた。
「そしてここで一番大切なことは……生き残ること」
「い、生き残ることっすか?」
「そう、例えばの話をしよう。とてつもない力を持った。それこそ自分でも敵わないようなアブノーマリティが脱走したとする」
彼女は身振り手振りを交えて話し出す。
「腕が捥げたり。足が捥げたり。視界が潰されたり。死に掛けたり。そんな状況になったとしても諦めずに生き残ること。生きてさえいればこの会社のやにいる仲間が助けてくれるから」
「……会社の…仲間」
思わず呟くと彼女はそんな小さな呟きにも反応を返した。
「そう、仲間…ここに入社すればもう仲間だ。一緒に料理を食べて、馬鹿みたいに騒いで。背中を預け、隣で戦うようなそんな仲間。だから絶対に生きることを諦めないで欲しい」
僕たちを見る黄金色の目は何処までも澄んでいて。優しい色をしていた。
「さてと、大事なことも教えたことだし。新人が入って来た時の恒例のあれをするとしようか」
「「?」」
彼女はマイクで何かを話すとモニターに映ってる職員、アブノーマリティが全員モニターの方を向き。椅子に座った彼女が笑顔を浮かべこっちを向いた。
「私たち職員一同、あなた方のことを歓迎します。ようこそ新人くん」
私たちのLobotomy corporationへ
これにて最終回となります!今まで読んでいただきありがとうございました!本当はもう少し続けようかどうか悩んだのですが現状ネタが思いつかず。最終回とさせて頂きました!
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